fNIRSの原理とデータ処理方法

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人の脳が神経活動を行う時,神経血管カップリングにより脳血管が拡張し脳血流が増加する.神経血管カップリングとは,脳神経活動による酸素代謝およびグルコース代謝の亢進に伴い脳血流が拡張し脳血流が上昇する仕組みのことである.この仕組みにより,脳機能イメージング法の一つであるfNIRSで神経活動時の脳血流変化を測定することができる.fNIRSデータにはフィルタ処理,移動平均処理,ベースライン処理,加算平均処理などの処理方法があり,生理的ノイズの除去や波形を明瞭化する事ができる.しかし,データ処理により除去してはならないデータも消失してしまう可能性がある.そのため,解析を始める時は処理を行う前のデータから検討する必要があり,3DTopography画像表示を行い全体的な脳活動の様子を時間経過と共に検討していく事が大切である.

SLR (Sparse Logistic Regression)

SLR

本報告では,脳機能計測データの解析技術の一つであるSLR(SparseLogisticRegression)の手順について,その概略を示す.SLRはロジスティック回帰分析によって認知機能の推定を行うクラス分類手法の一種であり,ベイズ推定による拡張を行うことで有効でない変数の削減を行うことができる.本報告においては,ロジスティック回帰分析,ベイズ推定,ベイズ推定を用いたARD(AutomaticRelevancedetermination)による変数選択の流れについて,その概要を説明する.

アンケート調査

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アンケート調査を行うことにより,人の意見や感覚をデータとして集める.このアンケート調査を行
うことにより,多くの研究で心理状態の検討を行っている.本稿では,まずアンケートを行う際の注
意事項を述べる.また,実際のアンケート調査で使用されているVAS 法,FS 法,SD 法,POMS の
手法と解析方法を示す.

アンケート調査, VAS 法, FS 法, SD 法, POMS

Support Ve tor Ma hineの概要

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本稿では,教師あり学習の一つであるSupport Vector Machine(SVM)の概要について述べる.SVM
はNeural Network(NN)に比べて優れたパターン認識の結果を示している.以下,第1 章ではSVM
の基本となるハードマージンSVM に関して述べる.次に,第2 章では線形分離不可能なデータに対
して利用するソフトマージンSVM に関して述べる.第3 章では,SVM は線形識別であるが非線形
の識別を可能にするカーネルトリックについて述べる.最後の章では,汎化能力について検討するた
めに行うk – fold Cross Validation について述べる.

脳活動推定のための一般線形モデル

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脳機能イメージング装置を用いた脳活動推定において,一般線形モデルが広く用いられている.本稿
では,一般線形モデルを含む統計モデルの概略を説明した後に,機能的核磁気共鳴法の脳活動推定で
一般的に用いられているStatistical Parametric Mapping における解析の手順とともに一般線形モデ
ルについてを記述する.

社会脳科学の概要

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私たちは日常生活において,他者を理解し自らを制御しながら,その場にふさわしい行動をとる必要
がある.このように人間が社会の中で生活していくためには社会性が必要となる.そして適切な社会
行動を生み出すためには,社会性を担う神経メカニズムが正しく機能している必要がある.社会的行
動の神経メカニズムを理解しようとする社会脳研究が近年盛んになってきた.これまでは,一個体の
脳情報を計測することが主流であったが,実際の社会的状況で複数の個体の脳情報を計測することが
社会脳研究の重要な方向性になるとされている.本稿では,社会に生きる私たちが進化の過程で獲得
してきた社会的能力,その能力について研究されて明らかになった脳機能,社会的行動に不可欠な脳
機能が障害されたことによる代表的な疾患,ハイパースキャニングを用いた社会脳科学の新たな研究
領域,そして社会脳科学の展望について述べる.