【速報】 SMC2013

IEEE SMC 2013に参加するために、マンチェスター/UKに来ています。

研究室からは下記の3件を発表します。

  • Construction of an Interactive System Aims to Extract Expert Knowledge about the Condition Cultured Corneal Endothelial Cells
    Tomoyuki Hiroyasu, Kiyofumi Uehori, Utako Yamamoto, Misato Tanaka,
  • Extracting Rules for Cell Segmentation in Corneal Endothelial Cell Images using GP
    Tomoyuki Hiroyasu, Shunsuke Sekiya, Sakito Nunokawa, Noriko Koizumi, Naoki Okumura, Utako Yamamoto,
  • A Preliminary Study of Interaction Effects on Brain Activity during Cooperative Work using fNIRS
    Tomoyuki Hiroyasu, Mao Goto, Utako Yamamoto, Hisatake Yokouchi,

日本に比べて随分寒いです。雨ばかりだし。
料理はおいしいですよね。20年前とは大違いです。

学会参加報告書

 報告者氏名 関谷駿介
発表論文タイトル GPを用いた角膜内皮細胞における細胞領域分割のためのルール抽出
発表論文英タイトル Extracting Rules for Cell Segmentation in Corneal Endothelial Cell Images using GP
著者 廣安知之, 関谷駿介, 布川将来人, 小泉範子, 奥村直毅, 山本詩子
主催 IEEE
講演会名 SMC2013
会場 Midland Hotel
開催日程 2013/10/13-2013/10/16

 

 

1. 講演会の詳細

2013/10/13から2013/10/16にかけて,イギリス,マンチェスターのMidland Hotelにて開催されましたIEEE SMC2013に参加いたしました1).このIEEE SMC2013は,IEEEによって主催された学会で,学生や研究者が参加して,システムエンジニアリング,サイバーネティクス,ヒューマン・マシーンシステムに関する発表を通して,アイディアや意見を交換すること目的に開催されています.

私は全日程に参加いたしました.本研究室からは他に廣安先生,上堀さん,後藤が参加しました.

 

2. 研究発表

2.1. 発表概要

私は15日の午前のセッション「Medical Image and Signal Processing」に参加いたしました.発表の形式は口頭発表で,12分の講演時間と3分の質疑応答時間となっておりました.

今回の発表では,既知の画像処理フィルタと入力画像の画像統計量によって分岐方向を変更する条件分岐ノードを用いて,木構造状画像処理フィルタを構築し,それらの最適な組み合わせを遺伝的プログラミング(GP)を用いて探索する手法を提案しました.以下に抄録を記載致します.

角膜内皮再生医療において,培養細胞画像から特徴量を抽出することは,細胞が移殖可能かを自動で診断するための手助けとなる.特徴量を抽出するためには正確な細胞領域分割処理が必要である.我々は,既知の画像処理フィルタを自動で組み合わせて木構造状画像処理フィルタを構築する手法を過去に提案した.本稿では,部分ごとに異なる画像統計量を持つ画像に対して適用できる,より正確な手法を提案する.提案手法は2種類のノードを用意する.1つは既知の画像処理フィルタで,もう一つは条件分岐ノードであるが,この条件分岐ノードは細胞がオズの画像統計量を用いて分岐方向を決定する.さらに,提案手法は遺伝的プログラミング(GP)を用いてこれらのノードの組み合わせを最適化する.提案手法をGPを用いた既存手法及び,細胞画像分析のための専門的ソフトウェアと比較した結果,提案手法はより優れた性能を示した.

 

2.2. 質疑応答

今回の講演発表では,以下のような質疑を受けました.

 

・質問内容1

神戸大学整形外科所属の長宗高樹さんからの質問です.こちらの質問は学習画像の効率的な取得方法や枚数はあるのかというものでした.この質問に対する私の回答は,適切な学習画像を自動で取得する手法を考案している途中であり,テクスチャ特徴量を用いて画像の局所領域をクラスタリングし,その各クラスタの重心を学習画像とする手法を考えている.また,クラスタ数の自動決定法も検討する必要がある,でした.

 

2.3. 感想

初めての国際学会で英語での口頭発表だったので,緊張しました.発表自体は持ち時間も守れ,上手くやりきったと思います.質疑は,しどろもどろでしたが回答することができたかなと発表が終わったときは思っていましたが,後からボイスレコーダーの録音を聞くと,想像よりもぐだっていたのでスピーキング能力の欠如を改めて感じました.

 

3. 聴講

今回の講演会では,下記の3件の発表を聴講しました.

 

発表タイトル       : Multi-feature vehicle detection using feature selection著者                  : Chungsu Lee, Jonghee Kim, Eunsoo Park, Jonghwan Lee, Hakil Kim, Junghwan Kim and Hyojin Kimセッション名       : Cybernetics -CYB-02Abstruct            :特徴量選択は,物体検出の分野で最近注目されている.本研究では,特徴量選択を使用した車両検知方法を述べる.効率的な特徴量サブセットを特徴量選択方法を用いて選択し,異なる分類方法における平均誤り率を算出することによって各特徴量のサブセットを評価する.この研究で使用する選択方法は,ロジスティック回帰,最小絶対収縮および選択オペレーター(LASSO)とランダムフォレスト(RF)である.提案方法は,実際のデータを用いて評価され,良好な性能を示した.

この発表では車両の自動検出を行うために,画像の特徴量抽出法としてHaar-like特徴量とHOG特徴量を,また,その特徴量選択手法にロジスティック回帰(LR)とLASSO,ランダムフォレスト(RF)を比較していました.さらに識別方法として,LDA,LR,決定木,ニューラルネットワーク,RFを用いてどの組み合わせが適切なのかを調査しています.学習用のデータセットに40×32サイズの1560枚の車両画像と4780枚のそれ以外の画像(車両のフロントに取り付けたカメラで撮影した画像)を用意しており,テスト用のデータセットにはカリフォルニア工科大学のbrad_2001とmarkus_1999を用いていました.結果としては,特徴量選択方法はLASSOが適切で,識別方法としてはRFが比較的高い識別率持つことが示されています.これまで,識別方法としてはLDAやSVM辺りが主流なのかなと思っていましたが,その他にも様々なものがあることが知れて,非常にためになりました.また,非常に多くの手法を比較しており感心しました.

 

 

発表タイトル       : Ambulatory Brain-Computer Interface in Outdoor Environment toward Indexing of Lifelog著者                  : Hideaki Touyama and Kazuya Maedaセッション名       : Medical and Health Care SystemsAbstruct            :今日,ブレイン·コンピューター·インターフェース(BCI)は,脳波(EEG)を使用することによってますます研究されてきた.通常,BCIは質の高いEEGを得るために,座っている条件の被験者に適用される.このような限定された条件では,ユーザが普段の生活で画期的なインターフェースシステムを使用することができない.本論文で我々は,ライフログアプリケーションに対して,屋外環境で歩行中に操作することができるウェアラブルBCIシステムのプロトタイプを開発した.学習段階でoddball paradigmの聴覚刺激を用いることにより, EEGは記録され,P300信号の分類は次のテスト段階で行った.ユーザがシステムを装着し,オンラインライフログのインデックスを作成するために屋外で歩いた.その結果,この予備的研究では,BCIシステムがリアルタイムで対象シーンをユーザの脳活動からのみ正常に記録できることが示唆された.

この発表は屋外で被験者が動いている中でのEEG計測に関するものでした.この分野の研究では,綺麗な脳波を計測するために被験者は座っているのが前提であるので,非常に驚きがありました.手法としては,Czチャンネルにおける刺激音提示時から300ms後のデータであるP300シグナルの識別をしていました.また,単純な閾値処理によって眼球運動や筋肉によるアーチファクトを取り除き,バンドパスフィルタ,アベレージング,ダウンサンプリングを前処理として行っていました.識別に用いる特徴量として,刺激音提示後データを600ms・200Hzのサンプリングにより,120の特徴量ベクトルとして用いており,学習時にPCAによって特徴量の削減を行っていました.識別にはLDAを用いており,結果としては歩行状態で約85%の識別率が得られていました.続いて,屋外の歩行中に刺激物体を認識したときに注意を維持する実験においても5人の被験者中1回のエラーのみでした.P300シグナルは初めて聞いたもので自分たちの研究室でも使えるのではないかと思います.また,EEGのデータをそのまま特徴量ベクトルとして用いており,そういったシンプルな特徴量ベクトルの取り方も自分の研究に応用できそうでした.

 

発表タイトル       : Automatic Design of a Novel Image Filter Based on the GA-EM Algorithm for Vein Shapes著者                  : Koji Kashiharaセッション名       : Cybernetics -CYB-21Abstruct            :医師や臨床技術者は静脈疾患を診断するために,特定の複雑な診断システムを運用する.そのような高価な機器の代わりに,低コストの赤外線カメラは,非侵襲的かつ簡便に静脈画像を撮影できる.一方,得られる画像は,低コントラストと低信号対雑音(S/N)比を有し,これはフィルタ処理によって十分に改善すべきである.それゆえ,静脈の変化を推定するための効率的な画像フィルタリング手法が疾患の早期発見を可能にする.本研究では,静脈形状の可視化のために,期待値最大化(EM)アルゴリズムを用いた遺伝的アルゴリズム(GA)に基づくフィルタリング手法を新たに提案する.その有効性は,近赤外(780nm)の電荷素子(CCD)カメラから取得した画像により評価した.悪いS/N比を効率的に改善するために,フィルタはGAによって目標画像が無くても自動的に設計された.将来的な研究では,提案されたフィルタリング手法は静脈画像から周辺膨潤を容易に検出するために用いられるかもしれない.

この研究では,コントラストを改善するフィルタの最適なマスク荷重をGAとEMアルゴリズムによって自動で設計していました.この論文のポイントは目標画像を用いた評価関数を設定せず,Gaussian mixture modelを用いて静脈が鮮明になるようなフィルタを設計できたため,目標画像作成の手間を省けたことにあると思います.また,赤外線CCDカメラを用いた簡易なシステムであるため,実用化も意識した研究でありました.進化計算を用いて目的の画像処理を行うという点は自分の研究と似ている部分があり,特に目標画像を作らなくても目的の画像処理が可能であるのは素晴らしいと思いました.自分の研究でも目標画像作成の負担は大きな課題であるので,今後は評価関数を改良することにも焦点を当てていきたいです.

 

参考文献

1)    IEEE SMC2013, http://www.smc2013.org/

 

学会参加報告書

報告者氏名 後藤真櫻
発表論文タイトル 協調作業による相互作用が脳活動に及ぼす影響のfNIRSを用いた基礎的な検討
発表論文英タイトル A Preliminary Study of Interaction Effects on Brain Activity during Cooperative Work using fNIRS
著者 廣安知之, 後藤真櫻, 山本詩子, 横内久猛
主催 一般社団法人 日本生体医工学会九州支部, 関西支部, 関東支部, 北海道支部, 甲信越支部
講演会名 IEEE SMC 2013
会場 Midland Hotel, Manchester
開催日程 2013/10/13-2013/10/16

 

 

1. 講演会の詳細

2013/10/13から2013/10/16にかけて,イギリス・マンチェスターのMidland Hotelにて開催されましたIEEE SMC 2013(http://www.smc2013.org/)に参加いたしました.このIEEE SMC 2013は,IEEEによって主催されたシンポジウムで,システム工学・人工知能学・ヒューマンマシンシステムのすべての分野において研究者たちが考えや結果,展望を交換し合うだけでなく,最新の技術を報告・要約するための国際会議です.

私は14,15,16日に参加いたしました.本研究室からは他に廣安先生,上堀さん,関谷が参加しました.

 

2. 研究発表

2.1. 発表概要

本シンポジウムのプログラムはSystems, Man, and Cyberneticsの3セッションに大きく分かれており,また各セッションはMain session とSpecial session に分かれています.私はCyberneticsのMain sessionである,CYB-21に参加いたしました.発表の形式は,12分の発表,3分の質疑応答,計15分の持ち時間での口頭発表でした.

今回の発表の抄録を以下に記載致します.

The primary goal of our research is to investigate brain functions during human-human cooperative work. For this preliminary study, a human-machine system to investigate cooperative work was developed. Blood flow changes in the brain were examined using functional near-infrared spectroscopy (fNIRS) and a region of interest (ROI) was determined. The relationships between the difficulty in cooperation and brain activity were assessed. A tapping task between a person and a machine was performed as a cooperative task. The machine provided a sound stimulus and the person tapped in correspondence to this stimulus. The stimulus interval was fixed, but stimuli were presented with disturbances. We assumed that degree of this disturbance was equal to the difficulty of cooperation. Our results demonstrated that cerebral activation was observed near the inferior frontal gyrus when the stimulus disturbance increased. Thus, the inferior frontal gyrus was the cerebral region associated with cooperation.

 

2.2. 質疑応答

今回の発表では,質問はありませんでした.

 

2.3. 感想

発表は前のセッションが押していたため,12分を超えないよう話す内容を削ったりしたところ,11分弱と短くなってしまいました.質問がなかったのは残念でしたが,自分の研究を英語で発表するという,貴重な体験をすることができました.多少の緊張はありましたが,発表練習を十分行ったためか,思ったほど緊張しませんでした.国際学会は楽しい,というのが初めて国際学会に参加した私の第一印象でした.色んな分野の研究があり,私にとってはとても新鮮な内容であり興味深く様々な方の研究を聞かせて頂きました.世界中で色んな研究がされているのを見て自分も研究を進めなければ,と良い刺激になりました.また,発表の内容は十分理解できなくとも,生の英語を肌で感じることができとても勉強になりました.それと同時に英語力の無さを痛感し,もっと英語ができるようになりたいと思いました.とても充実した学会参加となりました.もし機会があればまた国際学会に参加したいと感じました.

 

3. 聴講

今回の講演会では,下記の3件の発表を聴講しました.

 

発表タイトル       : Towards Levels of Cooperation著者                  : Pacaux-Lemoine Marie-Pierre, Vanderhaegen Frederic

セッション名       : SMC: Systems Science – SYS-01

Abstract :The interest of cooperation is more and more highlighted. When competition has been presented as the main driving force of species evolution, cooperation is today presented as the mean for everything or everyone to reach the necessary symbiosis with another one to exist and to evolve. Cooperation has been central to our studies now for over twenty years, with the conviction that automation has to take part in evolution supporting individual activity with an assistance system or supporting interactions. Model of cooperative activity is presented in order to help to define such supports, as well as Levels of Cooperation (LoC) which are combinations of parts of the model. Nevertheless, each one is always assessing the interest of cooperation by the valuation of the risk to loose or the chance to earn something. In this paper, we propose to use BCD (Benefit/Cost/Deficit) model to assess such a risk or chance to cooperate. Model of cooperative activity in terms of know-how and know-how-to-cooperate and model of BCD are first presented and used together in order to define a way to design and to evaluate new or existing human(s)-machine(s) systems.

この発表は,協調のリスクやチャンスを評価するためにBCDモデルというものを用いて既存のヒューマン・マシンシステムの評価方法を定義することに焦点を当てていました.提案手法のLevels of Cooperation (LoC)が,KHI, KHE, KHCI, KHCEを考慮することで定義付られていました.私の研究も協調がキーワードの研究ですので参考にしたいと思いました.

 

発表タイトル       : Development of a bed-centered telehealth system based on a motion-sensing mattress著者                  : Yu-Wei Liu, Yeh-Liang Hsu

セッション名       : Emerging Technologies in Medical Mechatronics S13-01

Abstract :Given the rapid increase in the aging population and the decline in birth rate, there is a growing demand for healthcare services. For the elderly who are living at home or in nursing homes, the bed is an integral part of their daily lives. The monitoring of physical activities in bed can provide valuable information of the status of an elderly person. This paper presents a Bed-Centered Telehealth System (BCTS), which uses the bed as the center of health data collection of telehealth systems implemented in homes and nursing homes. The core sensor of the BCTS is a soft motion-sensing mattress, WhizPAD. WhizPAD collects signals of physical activities in bed, which can be classified into events such as on/off bed, sleep posture, pressure distribution, movement counts, and respiration rate. The BCTS facilitates bed-related real-time monitoring, service reminders for caregivers, and a history of the user’s data. Integrated with information and communication systems, caregivers can maintain awareness of elderly persons’ daily activities and needs by using their mobile devices to access the WhizPAD and further provide the necessary care for them.

この発表は,WhizPADというベッドの中での身体シグナルをセンシングするマットレスを作成し,更にそのシグナルデータを離れたところにいる介護者のモバイルへ送信するという内容の発表であった.このマットレスは睡眠時の姿勢,圧力分布,動きのカウント,呼吸率という多くの生体情報をセンシングすることができる.実際にマットレスを持ってきて触ることができ,またこのシステムが実際にどのように使われるのか,その場面を想定した動画も見ることができ,聴衆を惹きつけるのがとても上手な発表だと感じた.

 

発表タイトル       : Development of a System for Analizing Common Laceration Generation Mechanisms著者                  : Hideyuki Myouse, Yoshinori Koizumi, Tachio Takano, Yoshifumi Nishida, Koji Kitamura, Hiroshi Mizoguchi

セッション名       : SMC: Human-Machine – HM-09

Abstruct :Lacerations occur frequently in numerous common environments, but the mechanisms by which they are generated remain unclear. This makes it difficult for designers to create products that can prevent such injuries. Although a significant number of studies have dealt with injury prevention from the standpoint of avoiding bone fractures, lacerations have yet to be thoroughly investigated and a scientific approach to laceration prevention is urgently required. In this paper, we describe a system for analyzing the dynamic characteristics of human-skinlike materials, such as pigskin, in an effort to understand laceration generation mechanisms. The system consists of a highspeed camera and a drop impact device. Additionally, we developed a finite element model (FEM) for use in determining the inner behavior of materials via computer simulation. According to statistical analysis using injury surveillance data, a typical situation involves a collision between a victim’s head and the edge of an object, such as a table, chair, bathtub, or other such item. Accordingly, we conducted experiments aimed at determining the dynamic characteristic of pigskin, which is a substitute for human skin, when it collides with various materials. This paper reports our experimental results and discusses laceration generation mechanisms in order to obtain scientific knowledge that can be used when designing product safety features.

この発表は,裂傷の発生メカニズムを明らかにするために人間の皮膚に似た豚の皮膚を材料に用いて落下衝撃の実験を行っている.計算機シミュレーションによって材料の内部動作を決定するFEMを開発した.先端のとがっている形状をしたものを3種類の材質で用意し,豚の皮膚にたいして どれほどの衝撃だったかを蛾沿い処理によって考察している.私たちの生活と馴染み深い裂傷という現象に着目していたこと,そして人間の皮膚の代用として豚の皮膚を用いていたことが印象深かった.

参考文献

1)    IEEE SMC 2013, http://www.smc2013.org/

 

学会参加報告書

報告者氏名 上堀聖史
発表論文タイトル 角膜内皮細胞の正常性判断における専門家の知識抽出を目的とした対話型システムの構築
発表論文英タイトル Construction of an Interactive System aims to Extract Expert Knowledge about the Condition Cultured Corneal Endothelial Cells.
著者 Tomoyuki Hiroyasu, Kiyofumi Uehori, Utako Yamamoto, Misato Tanaka
主催 IEEE
講演会名 SMC2013
会場 Midland Hotel(Manchester, UK)
開催日程 2013/10/13-2013/10/16

 

 

  1. 講演会の詳細

2013/10/13~2013/10/16にかけまして、イギリスのマンチェスターにて開催されましたIEEE SMC2013に参加いたしました。SMCはシステム工学やサイバネティクス、ヒューマンマシンシステムといった分野における新しいアイデアや研究アイデア、研究ビジョンを研究者で共有することを目的とした学会です。

開催期間は全て参加し、学会3日目である15日に発表いたしました。また、私以外では廣安先生、関谷駿介(M1)、後藤真櫻(M1)が参加いたしました。

 

  1. 研究発表

2.1.          発表概要

私は15日の午前のセッション「Medical Image and Signal Processing」で発表いたしました.発表の形式は口頭発表で,12分の講演時間と3分の質疑応答時間となっておりました.発表タイトルは「Construction of an Interactive System aims to Extract Expert Knowledge about the Condition Cultured Corneal Endothelial Cells」です.

以下に抄録を記載致します.

講演日時:2013/10/15 11:15~12:30

セッション名:S22-01:Medical Image and Signal Processing

発表形式:口頭発表(発表12分、質疑3分)

発表内容:角膜内皮細胞の状態診断を自動で行うシステム構築を目指している。診断を自動で行うシステムとして、エキスパートシステムがあり、エキスパートシステムには、専門家の診断知識を蓄える知識ベースというものが必要である。そのためエキスパートシステムの知識ベースを構築するには、専門家の診断知識を獲得する手法が必要である。本発表の内容は、その知識ベース形成の基礎的検討として、IGAおよび細胞のシュミレーション画像を用いて専門家が細胞を最良と診断する知識を獲得するためのインタラクティブシステムを構築し、その動作確認を行った。

 

2.2.          質疑応答

今回の講演発表では,以下のような質疑を受けました.

 

・質問内容

九州大学の高木先生からご質問をいただきました。私の研究でIGAという進化計算の手法を用いており、また一対比較評価による方法を採用しているのですが、まず一対比較に関する評価負担の軽減に関するご質問をいただきました。一対比較評価は負担軽減を目的として使用しているのかということに対し「Yes」と回答しました。

また、遺伝演算の方法にに関して質問をいただいたのですが、英語が正確に聞き取ることができず、廣安先生の方から「トーナメント木により行っている」とのご回答を頂きました。

 

2.3.          感想

発表時間を計測することができませんでしたが、体感的におそらく時間以内には終わったかと思います。また前のセッションの時間がおしていたことがこちらのセッションにも影響し、時間を巻いて進めて行く雰囲気がありました。その空気で一気に緊張感が増してましたが、発表本番になると落ち着いて話すことができ良かったです。英語の質問に対してすべて自分で回答できればなお良かったかと思われます。

 

  1. 聴講

今回の講演会では,下記の4件の発表を聴講しました.

 

発表タイトル    : Generic Expert System and its Application in  Knowledge Modelling and Inference

著者                 : Khalil AbuDahab, Dong-ling Xu, and Yu-wang Chen

セッション名    : Soft Computing

Abstruct          : 本稿では、汎用的なエキスパートシステムのソフトウェアツールと専門知識のモデリングと推論への応用を提案する。システムは、知識データベースと帰納推論を適用することによって、データの予測を提供することが可能である。モデリングの専門知識のための枠組みは、一般的なエキスパートシステムとしての実装とは独立して記述されている。フレームワークは、証拠推論アプローチ(プライマー)とそのアプリケーションを用いたルールベース推論の方法論に関する文献のレビューに基づいている。汎用エキスパートシステムの適用は、急性上部消化管出血の臨床的リスク評価のためのガイドラインモデルを使用する事例研究によって実証される。

この研究は、エキスパートシステムにおける知識ルールベースの表現に関するものでした。知識ルールベースは「A1、A2…という要素をもっていればDである」といった診断知識をIF-Then形式で表現したものです。従来ではDが0%もしくは100%かの表現でしかされていなかったものを拡張し、Dの程度(90%、80%、…)を表現できるようにするといった研究でした。これにより、システムのユーザはさらに詳細な診断結果を得られるという点で非常に興味を持てましたが、その詳細の手法に関しては理解するのが困難でした。

 

発表タイトル    :Ambulatory Brain-Computer Interface in Outdoor Environment toward Indexing of Lifelog

著者                 : Hideaki Touyama ,Kazuya Maeda

セッション名    : Medical and Health Care Systems

Abstruct          : 近年BCIはEEGを用いることにより研究されている。通常EEGを用いる実験では、座った状態の被験者に対して行われている。この限定された条件により、ユーザが自身の普通の生活の中で斬新なインターフェースシステムを利用することが困難である。本論文では、ライフログアプリケーションのための、屋外環境における歩行状態で装着可能なBCIシステムを開発している。オドボール課題における聴覚刺激を用いて、EEG信号は学習段階で記録され、P300信号の分類は次のテスト段階で実行される。ライフログのインデックスを作成するため、ユーザはシステムを装着し屋外で歩行する。基礎的検討の結果として、ユーザの脳活動のみからリアルタイムに対象シーンを記録することが示された。

EEGという装置に関しては、自身の研究室においても使用している方がいるため、ある程度の理解があり発表は聞きやすかったです。基本EEGを用いた実験では被験者は座った状態で測定される印象でしたが、この研究で興味深かったのは、屋外での歩行時にEEGを装着し信号を測定するということでした。これにより、普段の生活環境下を想定したBCIシステムを開発することが可能となり、今後どういったシステムが生まれてくるのか非常に楽しみに感じました。

 

 

発表タイトル    : A Genetic Algorithm search heuristic for Belief Rule-Based model-structure validation

著者                 : Emanuel-Emil Savan, Jian-Bo Yang, Dong-Ling Xu, and Yu-Wang Chen

セッション名    : Decision Support Systems for Management Science

Abstruct          : 本論文では、BRBモデルの構造を検証するためのヒューリスティック探索する遺伝的アルゴリズムが提案されている。モデルの適合/精度とモデルの複雑さとのバランスを確保するために、赤池情報量基準(AIC)をヒューリスティックと組み合わせて使用されている。得られたフレームワークは、3入力1出力で構成されるモデルを用いてテストされる。それぞれの4つの変数は5つの参照値まで割り当てられている。示された結果は、GAのヒューリスティックの時間効率だけでなく、パラメータの数にAICによって課されるペナルティを示す。最も単純なモデル構造は最適なものであるとAICで示されている。しかし、3つの追加のモデル構造が適度にこの最適に近いAIC値を有することが見出された。決定係数の分析は、両方のテストセットと全体に高い適合度(AIC最適値より)を示す。

BRB(Belief Rule-Based)のモデル構造を検証するために、遺伝的アルゴリズムと赤池情報量基準(AIC)を用いたフレームワークを提案するといった内容でした。内容を理解するのが難しく、正直深くは理解できませんでした。BRBモデル構造のノイズデータやオーバーフィッテングを検証する手法がまだ確立されていない。さらにモデル構造が膨大な規模になると検証が困難になる。そのためAICのパラメータを基に最適なBRBモデル構造を選択する手法を提案するといった印象でした。

 

発表タイトル    : Analysis of Fuzzy Decision Trees on Expert Fuzzified Heart Failure Data

著者                 : Jan Bohacik, bC. Kambhampati, cDarryl N. Davis, dJFG Cleland

セッション名    : Soft Computing

Abstruct          : 心不全の有病率は成人人口の2〜3%であり、それが増加すると予想される。心不全と診断されたすべての患者の半数は4年以内に死亡する。生命にかかわる事態を最小限に抑え、コストを最小限に抑えるためには、心不全患者のための死亡率を予測することは重要である。本論文では、累積情報推定に基づく分類の曖昧さとファジィ決定木に基づくファジィ決定木が提案されている。それらは、医療専門知識に基づいて、ファジィ化心不全データに対して使用される。ファジィ決定木の形質転換後、医学の専門知識を使用することで、医療専門家によって容易に解釈可能であるファジィルールのグループを作成することができる。本研究は、ファジィ決定木の種類が大幅に異なる精度の結果と解釈可能を持つことができることを示している。

心不全データを用いたファジィ診断決定ルールを作成するという研究でした。ルール形成には決定木を用いていました。ルール作成は生命を脅かす状況、およびそのコストを最小にすることを目的とし作成されているとのことでした。またルール作成において、ルールの構造の解釈のしやすさ(ルール木の大きさ)などが重要な指標であると述べており、さらにルール木を作成する手法は様々あり、それらの手法のうちどのような手法が適切であるかを検討した内容でした。

 

 

  1. 参考文献

IEEE INTERNATIONAL CONFERENCE ON SYSTEMS, MAN, AND CYBERNETICS, http://www.smc2013.org/

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