近赤外分光法による感情の評価

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Artif Life Robotics (2013),Vol.17,pp.452-456
The evaluation of the emotion by near-infrared spectroscopy
Objective evaluation, Near-infrared spectroscopy, Bayesian network,Emotion

我々の目的は,脳活動に伴うOxy ヘモグロビンの変化から,感情を客観的に評価する技術を開発することであ
る.近年,日本は高齢化が進んでいる.介護を必要とする高齢者は現在よりもさらに加速して増えていくだろう.
特に,意思伝達の機能を失ってしまい,介護を必要とする人の場合に,精神的・身体的苦痛を客観的に評価する
ことが求められる.我々は,被験者に快適・不快適な音刺激を与え,その際の前頭部のOxy ヘモグロビンの濃度
変化を近赤外分光法で計測した.実験の結果により,ベイジアンネットワークを使うことで,Oxy ヘモグロビン
濃度変化から快の状態と不快の状態を判別することができた.このことより,我々は被験者の心理状態を評価する
ことができた.

新たな光源がタスク切り替えおよびメンタルローテーション課題の成績に及ぼす影響

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Journal of Environmental Psychology Vol.39 (2014) pp.92-100
Effects of new light sources on task switching and
mental rotation performance

非視覚効果の照明の認知プロセスや気分制御に及ぼす影響の研究で,露光が概日リズムと覚醒,警戒心,気分の
状態にプラスの影響を及ぼし,作業の生産性が向上することが示されている.しかしながら,露光が視空間能力と
実行機能に及ぼす影響は部分的にしか研究されていない.本研究では,特異的設計と完全に制御された光環境下
で,新しいLED 照明が健康な被験者の視空間能力と実行機能の構成要素への影響の調査を目的とした.被験者は
3D の対象物を頭の中で回転させ,抑制過程を測るスイッチング課題を行った.本実験結果は,より涼しい照明が
マルチタスクを遂行するための認知システムの能力を改善し,実行機能と視空間能力は互いに干渉し合うことなく
3D メンタルローテーション課題においてより少ないエラーをもたらす視空間能力を活性させることが示唆された.

脳トレーニングゲームは,若い成人の実行機能やワーキングメモリ,処理速度を促進する:ランダム化比較試験

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Brain Training Game Boosts Executive Functions,
Working Memory and Processing Speed in the Young
Adults: A Randomized Controlled Trial

PLoS ONE, Vol.8, No.2, 2013

背景:脳トレーニングゲームの有益な影響は,他の認知機能に移ることが期待されている.それでも,正直な
ところ若い成人の商業用の脳トレーニングゲームの有益な移動効果はほとんど科学的基礎を持たない.ここでは,
我々は脳トレーニングゲーム(Brain Age)の広範囲にわたる認識機能への影響を若い成人で調査した.方法:我々
は,人気がある脳トレーニングゲーム(Brain Age)と人気があるパズルゲーム(テトリス)を使っている二重盲
検ランダム化比較試験(事実上のマスキング)を実施した.32 人のボランティアが地元新聞の広告を通じて募集
され,2 ゲームグループ(Brain Age,テトリス)どちらにも無作為に割り当てられた.Brain Age とテトリスグ
ループの被験者は,4 週間1 日約15 分,1 週につき少なくとも5 日間それらのゲームを行った.認知機能の計測
は,トレーニングの前後に実施された.認知機能は,8 つのカテゴリー(流動性知能,実行機能,ワーキングメモ
リ,短期記憶,注意,処理速度,視覚の能力,読解力)に分類された.結果と考察:我々の結果は,商業用の脳ト
レーニングゲームが若い成人で実行機能,ワーキングメモリ,処理速度を改善することを示した.さらに,人気が
あるパズルゲームは,脳トレーニングゲームを行うことと比較して,注意及び視覚空間能力の向上を生じること
ができる.本研究は,脳トレーニングゲームが認知機能(実行機能,ワーキングメモリ,処理速度)に対して有益
な影響があるという科学的な証拠が示された.結論:私達の結果は,誰もが脳訓練ゲームをするべきであること
を示さない.しかし,商業用の脳トレーニングゲームは認識機能を若干向上させる単純で便利な手段であるかも
しれない.我々は,調査結果が教育や臨床フィールドでアプリケーションに非常に関連すると確信している.

順応性のある仮想パートナーと同調することと同調と感じること

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Partner: Brain Mechanisms Underlying Dynamic Cooperativity
Oxford Univ Press, Cerebral Cortex, Volume 23, Number 11, Pages 2592-2600, 2013
協調とは共通の目的に向かって一緒に作業を行う人間の本質的な能力であり,それは指導し合うパートナー間の
変わりゆく関係性を知覚し反応することに依存する.fMRI と,順応性のあるペーシング信号が仮想パートナーを
シミュレートするパラダイムを用いて,私たちは動的な相互作用の基本となる神経基盤を調査した.仮想パート
ナーが被験者のタップに関連してその振る舞いに順応する程度を単一パラメータによって制御した.すなわち協
調の程度を変化させるシミュレートをした.同調の質を測定する客観的・主観的な手法を用いたfMRI データの解
析により,2 つの異なる神経ネットワークにおける活動の相対的バランスが仮想パートナーの順応性の程度に依存
することを発見した.順応性の低い程度では,仮想パートナーが同調しやすいとき,前運動野との接合部である
正中線に近い皮質が活動したが,それは協調の行動と社会情緒びそれぞれの構成要素の間をリンクを示唆してい
る.対照的に,過度に順応しすぎる仮想パートナーとの同調において,認知的に困難な相互作用を要する際,中
央実行系の制御プロセスに関連のある右側の前頭前皮質の活動が増加した.全体として,順応性のある感覚運動
同調のパラダイムやパターンが減少したという結果は,同調の程度が異なる感情情緒的な因果関係の根拠となる
神経メカニズムを明らかにした.

独立成分分析:アルゴリズムと応用

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Independent Component Analysis:
Algorithms and Applications
Neural Networks, Vol. 13, No. 4-5, pp. 411-430, 2000
神経ネットワークの研究は多くの他の分野における基本的な問題と同様に,多変量データの適切な表現,すな
わちランダムベクトルを見つけることである.計算および概念を簡単にするため,多くの場合,表現は元のデー
タの線形変換として求められる.言い換えれば,表現の各構成要素は元の変数の線形結合である.周知の線形変
換方法としては,主成分分析,因子分析及び射影追跡を含む.独立成分分析(ICA) は目標とする成分が統計的に
独立している,または可能な限り独立しているように非ガウスデータの線形表現を見つける,最近開発された手
法である.このような表現は,特徴抽出及び信号分離を含む多くの用途においてデータの基本的な構造をとらえ
るようである.本稿では,ICA の基本的な理論とアプリケーション及び我々のテーマに関する最近の研究につい
て紹介する.

運動イメージ中の連続脳波識別-非同期型BCI のシミュレーション

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Continuous EEG classi cation during motor imagery
-simulation of an asynchronous BCI
IEEE TRANSACTIONS ON NEURAL SYSTEMS AND REHABILITATION ENGINEERING , VOL. 12,
NO. 2, pp. 258-265, 2004
全てのEEG を基としたBCI システムは合図で指示されたものや,もしくは同期型のモードで操作する.これは
メンタル活動(思考) の開始が一定であり,脳波が事前に決定された時間幅で解析されることを意味している.近
い将来,ユーザが特定のメンタルパターンを行ったいかなる時に実行されるBCI システムもまた重要になる.非
同期型BCI は脳波データの連続的解析や識別によって特徴づけられる.そのため,メンタルタスク中の真陽性率
を最大にし,レストや何も行っていない間の偽陽性を最小にすることが必要である.左右の運動イメージを計測
した脳波データが非同期型BCI をシミュレートするために使用された.識別結果を最適化するために,不応期や
滞留時間を紹介した.

上側頭溝における人物選択、視聴覚統合および多感覚統合領域

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cortex, volume-50, p.125-136, 2014, Elsevier
上側頭溝(STS) の機能的役割は顔認識や音声認識, 顔と音声の統合の調査を含む,数多くの研究に関与してい
る.しかしながら,これらの社会的刺激を好むSTS の性質は未だに不明確である.本研究の目的はSTS の社会的
刺激への選択的反応に関して直接的に性質を調べることである.被験者に顔や声,特に人物関連の情報を統合する
ために設計された顔および音声両方を好む視聴覚領域を局在化することを意図して,人々または物体の聴覚,視
覚,視聴覚刺激を提示し,そのあいだfMRI 撮像を行った.結果は顔,音声共に活性した右STS(物体と比較し
て,人物からの情報を総合的に好む後部上側頭溝(pSTS) の限定された一部)の主要部において人物選択,ヘテロ
モーダル領域が強調された.これらの結果は社会的情報処理としてのSTS 専用の役割を指している.

Audiovisual integration, Superior temporal sulcus, Face sensitivity, Voice sensitivity

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Variations of response time in a selective attention task
are linked to variations of functional connectivity in the
attentional network
NeuroImage, Volume 54, Issue 1, January 2011, Pages 541-549

一般的に,特定の実験条件内での応答時間(RT)変化は無視されるが,それらは認知および神経プロセスの効
率の重要な変化を反映することがある.本研究では,クロスモーダル選択的注意タスクにおける応答時間(RT)
のtrial-by-trial な変化が,注意基盤と考えられている脳領域間の機能的結合の変化と関連しているかどうかを調
べた.機能的磁気共鳴画像(fMRI)を用いて,健康な若年成人16 名が無関係の聴覚刺激を無視,関係する視覚刺
激に注意する視聴覚選択的注意課題を行う際の脳活動を記録する.予測に沿って,RT の変動は,右背外側前頭前
皮質や後部両側頭頂皮質のような注意制御の基盤に位置する様々な脳部位と前帯状皮質の間の機能的結合の変化
と関連していた.それらはまた,関連モダリティである視覚皮質において,解剖学的に初期の領域と解剖学的に
高次の領域の間の機能的結合の変動に関連し,その伝達は注意制御処理により調節されると考えられる.選択的
注意課題におけるRT の変動は注意ネットワークにおける機能的結合の変動に関連することを明らかにすること
により,本調査結果は注意の変動が行動パフォーマンスのtrial-by-trial の変動に寄与する可能性を示唆している.

ワーキングメモリと一般的な能力の関係

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Working memory capacity and its relation to general intelligence
TRENDS in Cognitive Sciences Vol.7, No.12, pp.547-552, December 2003

ワーキングメモリの早期の研究と論理的思考能力はSpearman のg 因子に基づいているかもしれないことを主
張している.しかし,最近の研究ではタスクの開発により原則的なアプローチをもたらすワーキングメモリ課題
の基本的な処理について詳細が発見された.その結果,現在、WMC とg との関係について行われている主張は
より慎重である.最近の研究はワーキングメモリ容量とg はとても関係があるが同一ではないということが明ら
かになっている.さらにワーキングメモリタスクは執行制御機能と関係していて,干渉に対抗するために採用さ
れ,この能力は前頭皮質の一部によって媒介される.より結合した異なる実験はワーキングメモリ容量とg の関
係をよく理解するために必要である.

脳のコネクティビティの複雑ネットワーク解析:使用と解釈

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Complex network measures of brain connectivity:
Uses and interpretations
NeuroImage, vol. 52, pp. 1059-1069, 2010

脳のコネクティビティのデータセットは構造的線維束または機能的関連による,脳領域の結合のネットワーク
で構成される.複雑系の分野に対する新たなマルティディシプリナリー・アプローチであるコンプレックスネッ
トワーク解析は,神経生物学的に意味があり計算可能な方法により,これらの脳内ネットワークを特徴づけるこ
とを目標にしている.本稿では,我々はコネクティビティデータから脳のネットワークの構成を議論し,構造的・
機能的結合の一般的なネットワーク解析法を説明する.我々は機能的統合と分離を見つける様々な解析法を紹介
し,個々の脳領域または経路の中心性を定量化し,局所的な構造的回路のパターンを特徴づけ,そしてネットワー
クの損傷に対する回復力を検討する.我々は構造的・機能的ネットワーク結合の比較だけでなく,被験者間のネッ
トワーク比較に関する問題についても議論する.最後に,我々は複雑ネットワーク解析手法と大規模なデータセッ
トを含むMatlab のtoolbox について紹介する.