ASD とADHD 患者の構造的・機能的コネクティビティ:リッチクラブ組織研究

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Structural and Functional Connectivity of the Human
Brain in Autism Spectrum Disorders and
Attention-De cit/Hyperactivity Disorder:
A Rich Club-Organization Study

Human Brain Mapping, vol.35, pp.6032-6048, 2014

ADHD とASD は児童の中で最も一般的で難解な神経発達障害である.この2 つの障害は多くの行動的そして
神経生理学的な特徴を共有しているが,多くのMRI 研究は同時に両方の障害を検討はしていない.構造的と機能
的コネクティビティを統合させるグラフ理論を用いて,3 つの児童のグループ(ADHD (8–12 歳,n = 20),ASD
(7–13 歳,n = 16),統制(8–12 歳,n = 20))のラージスケールネットワーク組織を検討した.密に結合された
ハブ領域は自身もまた密に結合されているリッチクラブ組織の概念を適用する.そして脳を2 つの異なるネット
ワークドメインに分け検討する.(1) リッチクラブネットワーク現象内と(2) リッチクラブネットワーク現象外で
ある.ASD とADHD グループは機能的・構造的データ共に,リッチクラブとノンリッチクラブ結合のパターンが
明らかに異なる.ASD グループはリッチクラブネットワーク内の構造的・機能的ネットワークにおいてのみ強い
コネクティビティを示した.これらの結果はASD (n = 85) と統制(n = 101) の自閉症の脳イメージングデータ
によって再現された.ADHD グループはリッチクラブネットワーク内において弱い一般的な拡散異方性と機能的
コネクティビティ示したが,リッチクラブ外での神経繊維本数と相関係数は高かった.いくつかの生態学的特徴
や頻繁におこる合併症は共通であるが,これらのデータはADHD とASD 児はラージスケールコネクティビティ
のパターンが明らかに異なることを示している.

女性か男性かによって, メンタルローテーション課題中における皮質の活性は異なるパターンを示す

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Kirsten Jordana, Torsten Wustenberga, Hans-Jochen Heinzeb, Michael Petersc, Lutz Jancke
Neuropsychologia, Volume 40, Issue 13, 2002, Pages 2397-2408

どの認識課題においても, 男性のような性別の違いが最も強い影響を与えることが, 三次元物体のメンタルロー
テーション課題によって分かった. 多くの研究は, メンタルローテーション課題中の機能的な脳の活性を調査して
いて, 性別の違いがそれらに関与すると述べられている. しかしながら, それらの研究において, 男性と女性とでは
全般的な能力のレベルに違いがあるため, 現実を混乱させる要因となった. 対照的に, 脳の機能的な活性について
の私たちの研究は, 三つのメンタルローテーション課題における全般的な能力に差がなかった男女の皮質の活性パ
ターンについて調査した. これらは, 混乱を与えている全般的な能力のレベルの影響を取り除くこととなった. 女
性は, 頭頂間溝(IPS) と上頭, 下頭頂小葉(SPL,IPL) の両方の活性が, 下側頭回(ITG) と運動前野と同じくらい重
要であると示した. 男性は, 右頭頂後頭溝(POS), 左頭頂間溝(IPS), 左上頭頂小葉(SPL) の活性が重要だと示した.
男性女性の両方において, 運動前野が活性を示したが, 男性はさらに左運動皮質の活性が重要であると示した. 活
性が重要でないのは, 下側頭回であると分かった. 私たちの結果は, 能力が同じときのメンタルローテーション活性
時の, 本当の男女差の脳活性化のパターンの違いを示した. そのような違いは, メンタルローテーション課題の解
決において, 性別によって異なる方法を用いることが示唆される.

急性社会心理的ストレス時における辺縁系のディアクティベーション:PET とfMRI に基づく研究

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Deactivation of the Limbic System During Acute
Psychosocial Stress: Evidence from Positron Emission
Tomography and Functional Magnetic Resonance
Imaging Studies

Biological psychiatry. 2008, vol. 63, no. 2, p. 234-240.

【背景】
ストレスによって誘発された代謝変化は有害な健康被害を与える.ニューロイメージング環境においてストレス
を調査できる新しく開発されたパラダイムは,ストレスに対する代謝的反応と認識に関連した脳活動変化を評価
することが出来る.
【方法】
我々は被験者に対して,PET 環境下(n=10)とfMRI 環境下(n=40)において心理社会的ストレスを曝露し実
験を行った.
【結果】
ストレッサーに対して,ストレスマーカーであるコルチゾールの分泌の増加として反応した被験者において,海
馬や視床下部,眼窩前頭皮質,前部帯状皮質を含む大脳辺縁系の各部位の大きな不活性が見られた.さらに,ス
トレスのタスクに関して,海馬における不活性化の程度とコルチゾールの放出量に相関関係が見られた.
【結論】
観測された大脳辺縁系構造の不活性化はRest やnonstressful 状況間に活性化していた可能性を示唆している.こ
れはストレス応答の開始のためには,大脳辺縁系の不活性化が不可欠であるというモデルを提案した.

fNIRS 測定で脳のネットワークダイナミクスを調べるために独立成分分析とグレンジャーの因果関係を組み合 わせる

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Combining independent component analysis and
Granger causality to investigate brain network dynamics
with fNIRS measurements
Biomedical optics express, Optical Society of America , 2013, vol.4, no.11, p.2629-2643

グレンジャーの因果関係マッピング(GCM)および独立成分分析(ICA)を組み合わせた新たな戦略は,機能
的近赤外分光法(fNIRS)測定データを使用して認知プロセスの根底にある複雑なニューラルネットワークのダイ
ナミクスを明らかにすることである.GCM とICA を組み合わせたアルゴリズムは,次の2 つの手順を実装して
いる.まず,ICA による皮質活性部位の領域の抽出を行い,ROI のボクセル間でグレンジャー因果関係を用いて,
ローカルなネットワークの直接の因果影響を推定する.私たちの結果は,ICA と合わせてGCM の使用が効果的
にNIRS データに基づいて,時間周波数領域における方向性脳ネットワークダイナミクスを識別することが可能
である.