fNIRS装置における集団解析

fNIRS 装置では被験者によって光路長が異なるといった理由から個人解析が主に行われてきた.しか
し,脳機能の解明を行う上で集団での血流変化の傾向を見ることが必要になっている.そこでfNIRS
装置での集団解析を行うため,データの処理方法が研究されている.本稿では,古典的手法とベイズ
推定が用いられている3 つの解析方法について紹介する.

20160222 yoshitake

fNIRS, 集団解析, 古典的手法, ベイズ推定

マルチテンソルモデルを用いたDWI におけるODF の補間方法

Interpolation of orientation distribution functions in diffusion weighted imaging using multi-tensor model
Journal of neuroscience methods, vol. 253, pp. 28-37, 2015.
20160202_iishida

背景:DWIは脳白質繊維を調査するための手法であり,繊維束を評価することが出来る非侵襲的な手法である.しかし,実用的な制約のために,病院におけるDWIデータは低い分解能を示す.新手法:本稿では,ODFの補間手法を提案する.この目的を達成するために,フィジークラスタリングがPDDをベースとしたODFを分割するために適応された.次に,混合テンソルにより表現されるODFのようなテンソルによってクラスタがモデル化された.補間のために各々のテンソルが個別に回転された.結果:提案手法はシンセティックなデータと実際のてんかん患者と統制された被験者のDWIデータに適応された.両実験は提案手法の正確なODFデータにおける空間分解能を増加させる能力を例証した.実データのデータセットは提案手法がTLE患者と健常者間の信頼性の高い識別が可能であることを示した.既存手法との比較:提案手法は既存手法と比較された.比較実験は提案手法が既存手法に比べ相対的な角度誤差が小さいことを示した.他の一般的な手法はテンソルを見つけるために反復的なアルゴリズムを必要としない手法である.結論:提案手法は高解像のODFフィールドに適した手法であり,脳白質繊維の評価を改善する病院データに適応可能である.

Diffusion weighted imaging (DWI), Interpolation, Orientation distribution function (ODF), Temporal lobe epilepsy (TLE), Multi-tensor

格子状の長・短期記憶

GRID LONG SHORT-TERM MEMORY
20160201_ttamaki
本稿では,GridLSTMを紹介する.それは,ベクトル・系列もしくは画像のような高次元のデータに適応可能な格子状に配置された多次元のLSTMセルのネットワークである.このネットワークはデータの時空間の次元にそってセルが接続しているだけでなく,ネットワーク層の間にもセルが接続されているという点で既存のDeepLSTMとは異なる.深い層の計算と系列の計算を行うために,ネットワークはLSTMを用いた統一的な手法を提供する.私たちはそのモデルに15桁の整数の加算や時系列の記憶のようなアルゴリズムタスクを与えた.それはLSTMが主に性能が優れているとされるタスクである.それから,私たちは2つの実験結果を出した.私たちは2次元GridLSTMがWikipediaの文字予測のベンチマークにおいて,1文字あたり1.47ビットで符号化可能であることを発見した.これはニューラルネットワークを用いた手法の中で最も良い結果である.さらに,新しい翻訳モデルであるReencoderを定義するために,私たちはGridLSTMを使用した.そして中国語から英語への翻訳タスクにおいて,フレーズベースの参照モデルよりも性能が優れていることを示した.

Long Short-Term Memory, Recurrent Neural Network, Neural Network

テクスチャ分類のためのConvolutional Neural Networks におけるフィルタバンクの使用

Using Filter Banks in Convolutional Neural Networks for Texture Classi cation
arXiv preprint arXiv:1601.02919, 2015
20160201_rtamura

深層学習は,過去10年間で,物体認識,場面認識,音声認識のような分野において数多くの新しい最高水準の技術的解決を記録している.特に,ConvolutionalNeuralNetwork(CNN)は物体検出や認識タスクにおいて優秀な成果を出している深層学習の一種である.CNNの構造は,物体のパーツや物体そのものを意味する本質的な特徴を学習と分類を行うことで,物体の解析に実によく適している.しかしながら,一部の物体の特徴はテクスチャ解析方法と非常に類似している.CNNの層は,層の増加により,複雑性のフィルタバンクとしてみなすことができる.フィルタバンクは,テクスチャ解析において,テクスチャの特徴量抽出の強力なツールであり,広く利用されている.本稿では,この見解を調査するために,テクスチャCNN(T-CNN)と呼ばれる,シンプルなネットワーク構造を開発する.標準的なCNNの全結合層によって抽出される全体的な形状情報はテクスチャ解析においてあまり重要ではないという考えがある.したがって,我々は全結合層に接続する最後の畳み込み層からエネルギー尺度を格納する.我々は,この提案手法がネットワークの性能を向上させ,その上,大いにメモリ使用量と計算量を減少させた.

内的神経同期を通したリーダーの出現

Leader emergence through interpersonal neural synchronization
Proceedings of the National Academy of Sciences, vol.112, no.14, pp.4274-4279, 2015
20160201 murakami

リーダーの出現に対して神経メカニズムはあまり分かっていない.この研究は,(i)内的な神経同期(INS)がリーダーの出現に重要な役割を果たしているのかどうか(ii)INSとリーダーの出現がコミュニケーションの頻度や質に関係しているのかどうかを検討している.3人の11グループにLGDタスクを行ってもらった.そして,脳活動をfNIRSを用いて記録した.この記録はリーダーシップやコミュニケーションのためにコード化された.結果は,社会的精神に関わる左の側頭頭頂接合部(TPJ)においてリーダーとフォロワーのペア(LF)のINSはフォロワーとフォロワー(FF)のペアよりも高かった.コミュニケーションの頻度はFFペアよりもLPペアの方が高かったが,リーダとフォロワーの頻度は大きく異っていない.その上,LFペアのINSはフォロワーが主導のコミュニケーションよりリーダー主導のコミュニケーションよりもずっと高かった.加えて,リーダー主導のコミュニケーション時にLFペアのINSはリーダーのコミュニケーションスキルや能力に相関していたが,コミュニケーションの頻度については相関していなかった.最後に,リーダーシップはLDG(タスクの初めの半分の時間)と同じくINSとに基づいて正確に予測される.つまり,この研究はリーダの出現はリーダーとフォロワー間の高レベルな神経同期に特徴づけられている.そしてコミュニケーションの頻度よりも質が同期に関連している.これらの結果は,正確な時間に正確なことを言えるのでリーダーが出現するということを示している.

fNIRS 測定におけるタスクに関連する系統的干渉の解析:fMRI による見解

Analysis of task-evoked systemic interference in fNIRS measurements: Insights from fMRI
NeuroImage, vol.87, pp.490-504, 2014
20160201 htanaka
近赤外分光法(fNIRS)は,臨床応用の広い範囲で,脳の血行動態を診断するための有望な方法である.fNIRS信号は脳から表面組織まで全身の生理的干渉に影響され,結果的にタスク関連の神経活動が誤って推定される.本研究では,頭皮血流と脳血流を別々に抽出し,fNIRS測定に対する頭皮血流の影響を特徴づけるfMRIの血中酸素レベル(BOLD)信号の加重平均空間を光学的に構築するために,fMRIの解剖学的な解像度を使用する.我々は,脳や表面組織に影響を与える生理的干渉を除去するために,拡張された表面組織の信号の回帰(ESSR)手法を紹介する.光学的に測定された空間にfMRI画像を投影することにより得られた,光学的に重みづけされたBOLD信号における手法を,我々は適用し検証する.生理的ノイズを除去するためのESSR手法の有効性は,全体の信号の回帰分析(GSR)と表面組織の信号の回帰分析(SSR)とで比較される.それぞれの手法で取得された信号は,脳血流変動による脳の活性化を示す信号と比較される.二つの手法で比較した際に,ピアソンのR2係数や対応のあるt検定で反映されたように,ESSRの手法を用いて,タスクによる神経活性が有意に改善されたことを我々は報告する。ESSRの手法は,より高次元の空間配置,試行間の低い変動性,正規波形および高コントラスト-雑音比(CNR)の改善(60%)に適用されるときに,最も信号の質は向上する.私たちの発見は,認知課題時には,表面的な頭皮血流信号がfNIRS測定に与える影響は前頭部の異なる領域により有意に変動し,頭皮血流信号を血行動態の局所的な尺度とともに用いると,全体的な干渉における重大な根拠が表面組織だけではなく脳に内在していることを示す.表面と深部の光路長の重なりを最大化することが,fNIRS測定において,血行動態応答を精密に改善するためには重要であると,我々は結論づける.