安静状態の機能的コネクティビティにおける定量的な比較:fNIRS と fMRI の同時計測研究

Quantitative comparison of resting-state functional connectivity derived from fNIRS and fMRI: a simultaneous recording study
NeuroImage, vol.60, issue 4, pp. 2008-2018, 2012
20160720 htanaka

安静状態の機能的コネクティビティ (RSFC) を fNIRS で評価できる可能性は,すでに実証されている.しかし, fNIRS による RSFC 評価の妥当性においては,ほとんど研究されていない.本研究では,21 名の被験者から安静 状態時の fNIRS と fMRI データを同時に取得した.fMRI データを fNIRS 測定空間に変換することで,空間的な 位置合わせが二つのモダリティ間でなされた.その後に,RSFCにおけるモダリティ間の類似性 (BMS)の指標が, 複数の空間スケールで評価された.まず,左右の一次運動野 (ROI) における RSFC が,fNIRS と fMRI 間で全被 験者とも類似していた (HbO : BMS (ROI) = 0.95 ± 0.04,HbR : BMS (ROI) = 0.86 ± 0.13).次に,体性感 覚野での RSFC においては,グループ水準の方 (HbO : 0.79,HbR : 0.74) が個人の被験者の水準 (HbO : 0.48 ± 0.16,HbR : 0.41 ± 0.15) よりもモダリティ間で高い類似性をもつことが示された.そして,我々は安静状態時の 脳内ネットワークにおける幾何学特性を調査するために,fNIRS データとグラフ理論を初めて組み合わせた.最 も重要なパラメータであるクラスター係数 (C(p)) と固有パス長 (L(p)) は,モダリティ間で高い類似性を示した (BMS(Cp) = 0.90 ± 0.03 (HbO),0.90 ± 0.06 (HbR) ; BMS(Lp) = 0.92 ± 0.04 (HbO),0.91 ± 0.05 (HbR)). つまり,全ての空間スケールにおける結果は,fNIRS が fMRI に匹敵する RSFC 評価を行うことが可能であるこ とを実証し,安静状態における脳機能統合における脳内コネクティビティおよび脳内ネットワーク手法の有効性 に対して,直接的な根拠を示す.

角回は,行動認識表現を計算する

The Angular Gyrus Computes Action Awareness
Cerebral Cortex, vol.18, no.2, pp.254–261, 2008
20160720 murakami

行動意識に対して右下頭頂領域が関与していることは,特に,意図した行動が運動の結果と行動の意識と一致 している意識について,自分の行動に対する意識経験の違いを検討している.我々は,具体的に,これらの経験 が下頭頂皮質,特に右の角回 (Ag) の処理に関連していることを仮定した.機能的磁気共鳴イメージング研究にお いて,これら 2 つの形式の行動意識の神経相関を区別するために,視覚的なフィードバックを行った.我々は右 の Ag が運動結果と人の行動意識との間に起こる不一致の意識と関連していることを示しました.我々は,この領 域が,自分の行動の異なった側面に意識的にアクセスできるモータ制御に関与していることを示唆している.具 体的に,この領域は,被験者自身が意識的に検出する意図された行動と運動結果間の不一致を処理する.この処 理は,行動を解釈するさまざまな経験の中核になっている.

スマートフォンのテキストメッセージにおける中皮質処理

Cortical processing during smartphone text messaging
Epilepsy & Behavior, Vol.59, pp.117-121, 201620160719 hwada

目的:本研究はスマートフォンを使用時のテキストメッセージングの脳波の特徴を報告することを目的とした. 方法:129 人の被験者において 16ヶ月間ビデオ EEG モニタリング(VEM)を用いて評価を行った.スマート フォン使用時の動的なテキストメッセージングの再現性(TR)を受動的な電話や親指・指の動き,認知テスト・ 計算,スキャン時の目の動きなど,てんかんではない患者において音声・言語タスクと比較した.統計的有意性 p は 0.05 にした. 結果:未選択の VEM 被験者から 129 人(93 人の女性,平均年齢:36,範囲:18-71)の 27 人の被験者において TR が同定された.129 人のうちの 53 人は被験者はてんかん発作(ES)を持っており,74 人はてんかん発作はな く(NES).残りの二人は両方診断された.TR の再現性は 27 人で特異的なテキストメッセージングで現れ,ES において 28 %で,NES では 16 %だった.TR は独立したタスクやオーディオ,携帯電話の使用では現れなかっ た.TR の発生する被験者において,年齢,性別,てんかんの種類,MRI の結果,EEG の定位は無関係だった. 結論:結果から,頭皮脳波上の TR は脳のネットワーク新しい固有の神経生理学的変化を表わしていることを 示唆された.我々は,現代の脳内の皮質処理を一意の PED の使用によって活性化することを提案する. 意義:これらの知見は非言語的コミュニケーションにおける業界や研究に影響を与える可能性があり,実用的な 意味がある.

PCA, ICA, LDA および SVM を用いた EEG 信号の分類

EEG signal classification using PCA, ICA, LDA and support vector machines
Expert Systems with Applications, Volume 37, Issue 12, December 2010, Pages 8659-8666
160719_tishihara

本研究では, 脳波(EEG)用の汎用性の高い信号処理と分析の枠組みを提案する. このフレームワーク内の信号 は、ウェーブレット係数の分布を表すために, サブバンドから抽出した統計的特徴のセット及び DWT を用いて周 波数サブバンドに分解された. 主成分分析(PCA), 独立成分分析(ICA)および線形判別分析(LDA)は, デー タの大きさを減少させるために使用されている. これらの機能は,2 つの別個の出力(てんかん発作の有無)を有す るサポートベクターマシン(SVM)への入力として使用された. 別の方法による分類処理性能は提示され, 分類プ ロセスが優れていることを示すために, 比較された. これらの知見は, 訓練のための方法の一例であること, および 各発作てんかん患者のデータ上での発作予測方法を試すことが可能であることを示す. てんかんの異質性を考える と, このタイプの方法は, 臨床操作に先立って, 各個人の神経生理学的にてんかんを治療するための, インテリジェ ントデバイスを構成するために必要とされる可能性がある.

拡散テンソル MRI を使用した制約付き圧縮センシングとの交叉線維の解決

Resolution of crossing fibers with constrained compressed sensing using diffusion tensor MRI
NeuroImage,vol. 59,no. 3,pp.2175-2186,2015
160712_syokoyama

拡散テンソルイメージング(DTI)は,組織マイクロアーキテクチャおよび脳のコネクティビティを特徴付け るために広く使用される.ところが,交叉線維の領域内では,ボクセル内の複数の独立した向きを表せないため, テンソルモデルは失敗する.この問題を解決するために提案されている方法の多くは,多くの角度や高い b 値が 問題である日常的な臨床イメージングおよび多くの科学的研究を含む拡散磁気共鳴イメージング(MRI)データ を必要とする.我々は,迅速かつ日常診療所で取得することができる拡散 MRI データを用いて,交叉線維を解決 できる圧縮センシングに基づく手法を提示する.この方法は,観測されたデータが,異なる向きを有する一定の 収集可能なテンソルから取られたテンソルの線形の組み合わせを使用して,よく適合することを前提としている. 階層的な圧縮センシングアルゴリズムに基づいた最良の方向を計算する高速アルゴリズムと推定された方向を比 較する新しい測定基準が提案されている.このアプローチの性能は,シミュレーションや生体内画像の両方を用い て実証される.この方法は,従来のデータとともに,かなり多くの画像取得時間を必要とする多くの豊かなデー タを使用し,標準的な Q ボールを用いて,交差繊維を解決するために観察された.

GAT: 大規模な構造的及び機能的脳内ネットワークにおける異なるグループ間解析のためのグラフ理論解析ツー ルボックス

GAT: A Graph-Theoretical Analysis Toolbox for Analyzing Between-Group Differences in Large-Scale Structural and Functional Brain Networks
PLoS ONE, Vol.7, No.7, e40709, 2012
20160712 rhagiwara

近年,ニューロイメージングデータのグラフ理論解析は大規模な構造的及び機能的脳内ネットワークの構成の 理解を増加させている.しかしながら,脳内ネットワークのトポロジー解析のためのグラフ理論のパイプライン アプリケーションのツールはまだ十分でない.本稿では,構造的及び機能的脳内ネットワークの解析と比較を容 易にするグラフ解析ツールボックス(GAT)の開発について記述する.脳内ネットワークの構築と解析,ネット ワーク間の局所的及び全体的なトポロジー特性の比較,ネットワークのハブ及びモジュールの解析,偶発故障及 び標的型攻撃へのネットワークの復元に関する解析を容易にする GUI を GAT は提供する.順列試験に関連して, 曲線下面積(AUC)及び機能的データ解析(FDA)は,ネットワークトポロジーにおける違いを考査することに 従事する.急性リンパ芽球性白血病(ALL)の患者及びコントロールに対応する健常者(CON)における,局所 的な灰白質の相関の構成における違いを調べることにより,GAT の性能を実証した.結果は,ALL 患者における 脳内ネットワークのスモールワールド特性の変化を明らかにした.つまり,ALL 患者の広い神経生物学的障害を 示唆する仮説を確認する観測となった.GAT の性能の実証に伴い,これは ALL 患者の大規模な構造的脳内ネッ トワークの変化についての初めての報告である.

ヒト BOLD 血流反応の変化

The Variability of Human, BOLD Hemodynamic Response
NeuroImage, Vol. 8, No. 4, pp.360–369, 1998
20160704 syoshitake

短時間での神経活動に対する脳血流動態反応は遅延し,時間的に分散されている.これらの反応の特殊な形状 は,fMRI 実験で BOLD 信号の設計や解析で重要である.fMRI スキャンを利用して,私たちはイベント関連の単 一反応タスクでの被験者の中心溝からの血流反応の特徴と変化を調べた.具体的には被験者や日付,同日でのス キャンセッションの血流反応の形状変化への寄与を決定する.私たちは被験者全体で集めた反応では,形状の重 要かつ実質的な変化がありながら,1 人の被験者での複数のスキャンでは集められた反応は少ない変化であること が分かった.事象関連 fMRI 実験での解析精度や特異性での反応変化の効果という観点で結果の議論を行った.

指圧の継続的なフィードバックにおける脳のネットワーク間での機能的結合

Functional connectivity among brain networks in cintinuous feedback of finger force
Neuroscience, Vol.289, pp.134-143, 2015
20160705harada

モータフィードバックは通常, 真と偽のフィードバックといった, 異なるフィードバック条件に基づいて明確な 感覚と認知プロセスに係合する.これらのプロセスは, 脳のネットワーク間の機能的結合に依存すると考えられて いる.しかし,2 つのフィードバック状態の間のネットワーク結合に差があるかどうかは不透明な状態である.こ の問題に対処するために, 我々は, 指圧の継続的なフィードバック(8 分)といった, 新たな取り組むを行うことに よって機能的核磁気共鳴画像法 (fMRI) の研究を行った.独立成分分析と機能的結合分析を用いて, 我々は, 偽の フィードバックと比較することで, 真のフィードバックが中枢ネットワーク(EN)と後部の初期モードネットワー ク(pDMN)との間により強い負の結合を集約させたことがわかった.さらに興味深いことに, 左前頭頭頂ネット ワーク(lFPN)は,偽のフィードバック中における真のフィードバックでpDMNと正の結合を示す.そして,lFPN は EN との結合を示す.EN,pDMN,lFPN 間の結合は, 真と偽のフィードバックに応じて異なる可能性がある.そ して,lFPN は pDMN と EN 間の競合のバランスをとる可能性がある.したがって, これらの結果はモータフィー ドバックの感覚や認知プロセスをサポートしていることが示唆される.

人の連合学習における神経の相互関係

Neural Correlates of Human Associative Learning
Tsinghua Science and Technology vol.16(2), pp. 140-144, 2011
160705 ykohri

動物における恐怖の研究では,文脈や合図の両方の主に嫌悪条件付けと扁桃体が関連づけられる.しかし,神 経生理学的研究は扁桃体が様々な種類の刺激報酬学習でポジティブな感情の処理を担っていることを示している. 現在の研究の目的は,この発見を人に当てはまるか調査することである.fMRI は嫌悪感と食欲調節における神経 基盤を調査するために用いた.最初の研究では,合図または文脈が関連付けされた時に電気ショックを与えた.次 の研究では,嫌悪条件である電気ショックと食欲増進の報酬を使って食欲と嫌悪の調節を統合する.文脈条件付け で海馬がより活性したのに対し,扁桃体における反応は合図と文脈の条件付けの両方で観察された.また,強音 響刺激に対しては扁桃体の活性が高かった.これらの調査結果は,刺激量や刺激の種類に関係なく連合学習にお いて扁桃体は重要であるということを強調している.