閾値による脳機能ネットワーク計測の安定性と不安定性

The (in)stability of functional brain network measures across thresholds
NeuroImage, Vol.118, 651-661, 2015
2016 rhagiwara

脳の大規模な組織は,グラフ理論からネットワーク測定を用いて定量化することができる複雑ネットワークの特 徴を有する.しかし,多くのネットワーク測定はバイナリグラフで計算されるように設計されるのに対して,脳 機能の組織は一般的に脳領域間の時間的信号における相関の連続的な測定値から推測される.閾値処理は機能的 コネクティビティデータから得られるバイナリグラフを使用するために必要な手段である.しかしながら,そこ にどのような閾値を使用するかに関して現在の一致した意見はなく,ネットワーク測定やグループのコントラス トは閾値によって不安定になることがある.それにもかかわらず,全脳ネットワーク解析は任意の閾値あるいは閾 値範囲における一般的に報告された結果で広く適用されている.本研究では,大規模なレスティングステイトコ ネクティビティデータセットにおける閾値によるネットワーク測定の安定性の評価に努めた.ネットワーク測定 は絶対閾値(相関ベース)と比率閾値(スパーシティベース)で評価され,性別と年齢のグループ間で比較した. 全体として,ネットワーク測定は絶対閾値において不安的であることがわかった.例えば,特定のネットワーク 測定におけるグループ差の傾向は閾値に依存して変化する.ネットワーク測定は,比率の閾値によってより安定 であることがわかった.これらの結果は,機能的コネクティビティデータに閾値を適用した際や,バイナリグラ フモデルから結果を解釈する際に,注意を払う必要があることを示している.

異方性繊維ファントムにおけるシミュレーションと実験による 検証

Simulation and experimental verification of the diffusion in an anisotropic fiber phantom
Journal of Magnetic Resonance Imaging,vol. 190,no. 2,pp.189-199,2008

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拡散テンソル画像法は,脳白質などの繊維組織の可視化を可能にする.この非侵襲的技術の検証には,よく知ら れた構造で拡散挙動を持つファントムが必要である.本稿では,平行繊維からなる異方性拡散ファントムを示す. 繊維ファントムの拡散特性は,拡散強調核磁気共鳴画像法とバルクNMR測定を用いて測定される.測定値の定量 的な評価を可能にするために,繊維間の拡散をランダムウォークしている物のモンテカルロシミュレーションを 用いてモデル化した.拡散ガウス分布からの偏差を定量化する時間依存性の見かけの拡散係数と尖度は,充填密 度と充填した構造を変化させた並行繊維の 3 次元の構造でシミュレートされた.シミュレートされた拡散係数は, 多孔質体の拡散の理論と比較されて良好な結果を示した.シミュレーションと実験測定値との対応関係に基づい て,繊維のファントムは臨床 MRI,スキャナの拡散画像法の定量的な検証のために有用であることが示された.

ハイパースペクトル画像分類のための限られたサンプルによるノンパラメトリック特徴量抽出

Nonparametric feature extraction for classification of hyperspectral images with limited training samples
ISPRS Journal of Photogrammetry and Remote Sensing, vol. 119, pp. 64-78, 2016
20160928 ntanaka

特徴量抽出は、ハイパースペクトル画像の分類の改善において重要な役割を果たしている.クラスの分布が 不正常である場合,ノンパラメトリック手法は,パラメトリック手法と比較してより優れた性能を示す.また,ノンパラメトリック手法はパラメトリック手法より多くの特徴量を抽出する事が可能である.本稿では,ハイパー スペクトル画像の分類のために,新しいノンパラメトリック線形特徴抽出方法を提案する.提案手法は,その新 規性について2つの論点で議論する.まず,隣接するサンプル同士は,局所平均を決定するためにパルツェン窓 を用いて明示される.次に,2つの新しい重み関数が使用される.クラス境界に近いサンプルは,クラス間分散行 列により重みをかけ,クラス平均に近いサンプルはクラス内分散行列行列により重みをかける.3つの実際のハイ パースペクトルのデータセットにおける実験結果は,提案手法が他のノンパラメトリック手法及びパラメトリック 手法の比較においてより優れた性能を有する事を示している.

Hue-LBP に基づく円形処理を用いた組織病理学の画像解析のためのカラーテクスチャ表現

COLOR TEXTURE REPRESENTATION USING CIRCULAR-PROCESSING BASED HUE-LBP FOR HISTO-PATHOLOGY IMAGE ANALYSIS
IEEE Transactions on biomedical engineering vol.59.2 pp.355-362, 2012 International Conference on Image Processing (ICIP) pp.3573–3577, 2016
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テクスチャは、ヒスト病理画像解析で最も重要な情報源の一つと考えられています。デジタルヒスト病理学にお けるカラーテクスチャの情報を活用するには,円筒形の色空間の内在する固有の構成要素を分析したり,LBP パ ラダイムに基づくカラーテクスチャ記述子を効果的に紹介する.LBP を既存の線形データ用に設計された変異型 とは異なり、提案された記述子、すなわち色相-LBP は、色相の角度と周期性に対処し、色相のその色の変化を示 していますチャネルは、[0、180] の範囲内の角度変数で定量化することができます。色の変化を測定するための指 標として、色の類似性の概念を導入することにより、我々はローカルカラーテクスチャパターンを記述するために ヒストグラムを得ます。ヒスト病理画像分類の実験は,色相-LBP はテクスチャ情報は色相の構造要素によって伝 えられる,判別可能であると示唆している

組織病理画像の細胞核自動検出とセグメンテーションの改善

Improved Automatic Detection and Segmentation of Cell Nuclei in Histopathology Images
IEEE Transactions on Biomedical Engineering, Vol.57, 2010, pp.841-852
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細胞核の自動分割は,画像からの細胞数測定に不可欠である.これまでも研究されてきたが,精度,速度,自 動化のレベル,かつ適合性を改善する必要がある.本論文では細胞核をセグメント化するための堅牢で正確な新 規手法を提案する.画像の背景は,グラフカットベースの二値化を用いて自動抽出する.次に,核のシード点は, 距離に基づく適応型スケール選択によって制約マルチスケールオブガウシアンフィルタを組み合わせる手法によ り検出する.また,これらの複雑な計算を低減するためにα拡張グラフの手法を組み込んだグラフカットベース アルゴリズムを用い分割を実行する.提案するセグメンテーションアルゴリズムの全体的な精度は 86 %を超えた. セグメンテーションエラーにつながった交絡画像の特性は高い細胞密度,不規則な核とエッジ情報であった.分 割結果から効率的な細胞の自動細胞領域分割を提示する

LCI によるピロリ菌感染内視鏡診断の改善

Linked color imaging improves endoscopic diagnosis of active Helicobacter pylori infection
Endoscopy International Open, Volume 4, Nomber 7, pp.800–805, 2016
20160928 yokada

研究背景と目的:LCI 画像は,粘膜の色のわずかな違いを高めるために,レーザー光源を使用して画像を強調 する新しい内視鏡検査法である.本研究の目的は,ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)を診断するための LCI と従来の白色光イメージング(WLI)内視鏡検査の有用性を比較することである. 患者と手法:2013 年 10 月から 2014 年 5 月において,60 名について LCI と WLI を用いて画像の分析を行った. 30 名はピロリ菌に感染しており,残りの 30 名は除菌治療後陰性となった検体である.また 4 名の内視鏡医によ り,2 つの画像を用いてピロリ菌感染診断に有用な画像の検討を行った. 結果:胃底腺粘膜の赤味を強調する LCI によって,ピロリ菌感染を発見することが可能となった.WLI を用い た時の正確度,感度,特異度はそれぞれ 74.2%,81.7%,66.7%となった.一方で,LCI を用いた時の正確度,感 度,特異度はそれぞれ 85.8%,93.3%,78.3%となった.したがって,LCI の正確度と感度において WLI より有意 に高くなることが分かった.また 4 人の内視鏡医間の k 統計値は WLI に比べて LCI において高くなることが分 かった. 結論:ピロリ菌感染は,LCI により胃底腺のびまん性発赤の内視鏡画像を強調することにより発見することが 可能となることが分かった.新しい画像強調内視鏡である LCI は WLI に比べて,ピロリ菌感染診断において有用 であることが分かった.

拡散強調 MRI(DWI-MRI)用ファントム

A Phantom for Diffusion-Weighted MRI (DW-MRI)
Journal of Magnetic Resonance Imaging,vol. 38,no. 1,pp.173-179,2013
20160909 rhagiwara

組織等価拡散率材料を開発し,一般的な生物学的組織に見られる条件を模倣した球状拡散ファントムを構築す る.また,全身の拡散プロトコルから ADC 測定の再現性を評価した.ニッケルドープアガロース/スクロースゲ ルを製造し,組織等価緩和と拡散区画を有する球状の拡散ファントムを構築するため使用した.ゲルの経時安定 性は,ADC の再現性を 1.5 テスラ(T)の臨床システムで評価し,同様の測定を使用し,8 週間の期間モニターし た.ニッケルドープアガロース/スクロースゲルの拡散特性の経時安定性は優れていた.(すべてのファントムの区 画内の ADC の変化 [CV] の平均係数は 1.27 パーセントであった.)アーティファクトの影響を受けたファントム 区画を除く ADC の測定値の平均 CV は 0.76 %で,EPI DW-MRI プロトコルを使用した ADC 測定の再現性は非 常に良好であることを示した.ニッケルドープアガロース/スクロースゲルは,MRI 拡散測定のための標準物質と して使用し,ADC に対する優れた短期安定性が示された.これらの材料で作られたファントムは,DW-MRI プ ロトコルを最適化,DW-MRI のための新規なパルスシーケンスを開発,または電界強度,ベンダー,そして撮像 の中心で ADC 値を比較する上で非常に貴重になり得る.

脳機能ネットワークの発生経路:出現原理

Developmental pathways to functional brain networks: emerging principles
Trends in Cognitive Sciences, Vol.17, No.12, 627-640, 2013
20160909 rhagiwara

人間の脳は,複雑な認知能力を生む機能的ネットワークを構築する時に長期的な発達的変化を経験する.脳機 能を理解することは,分配された脳領域間の動的相互作用が洗練された認知システムを生じるために,年齢と共 に成熟する方法を知ることに最終的に依存する.このレビュー論文は,脳機能ネットワークの個体発生の理解に おける最近の発展を要約したものである.ここで,機能的コネクティビティを調べるための補足的な方法が,幼 少期から成人期への明確な機能的ネットワークの出現と成熟における独特な洞察をどのように提供しているのか 説明する.大規模な機能的ネットワークの発展を制御する 6 つの出現原理を強調し,一般的に発達している子供 と神経発達障害を持つ子供の認知や情動機能を知らせる方法について説明する.

機能的近赤外分光法に基づく独立成分分析由来の安静状態の機能的結合性の追試の評価

Test-retest assessment of independent component analysis-derived resting-state functional connectivity based on functional near-infrared spectroscop
NeuroImage, vol.55, pp.607-615, 2011
20160908 katayama

機能的近赤外分光法(fNIRS)の安静状態の最近の研究はホットトピックとして現れ,安静状態の機能的結合 (RSFC)は安静時の脳の固有の特徴があることを明らかにした.しかしながら,fNIRS に基づく RSFC の追試は 信頼性があるかは現在,不明瞭である.本研究では,信頼性の問題に取り組むために独立成分分析(ICA)を効果 的な RSFC 検出ツールとして用いた.16 名の被験者は,一週間あけて 2 つの安静状態の fNIRS の記録セッション に参加した.そして,感覚運動領域の RSFC は ICA を用いて抽出された.信頼性の追試は,セッション内やセッ ション間で,個人とグループレベルの両方において,異なるヘモグロビン濃度信号で評価された.我々の結果は, マップごとの信頼性はグループレベルで優れており(ピアソンの r の係数は 0.88 まで有する),個人レベルで一 般的に公平であることを明らかに示した.クラスタごとの信頼性は,グループレベルでよりよかった(サイズは 0.97 までと RSFC を検出する部位は 0.80 までの再現性の指標を有する)のと個人レベルでより弱かったがまだ公 平であった(それぞれセッション内とセッション間の信頼性は 0.56 と 0.46 である).クラスタごとのクラス内相 関係数(ICCs)も公平な信頼性を示していた(単一測定の ICC は 0.56 を有する).一方で,チャンネルごとの単 一測定の ICCs は低い信頼性を示した.fNIRS を基にした ICA 由来の RSFC は,マップとクラスタごとの方法で 解釈された場合に,個人とグループレベルで必要不可欠で信頼性のあるバイオマーカーであると結論づけた.我々 の結果はまた,チャンネルごとの個人レベルの RSFC の結果は,もしプローブが再登録された手順で行われるな らば,注意して解釈されるべきだと示唆し,fNIRS を使ったさらなる RSFC の研究で,「クラスタ」は最小の分析 単位として扱われるべきだと指し示した.

ガウス分布とベイジアンネットワークに基づいた運動イメージEEG 信号解析

Motor imagery EEG signals analysis based on Bayesian network with Gaussian distribution
Neurocomputing, Volume 188, 5 May 2016, Pages 217-224
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脳から機械への新しいコミュニケーションチャンネルとして, Brain Machine Interface が近年注目を集めている. 本稿での提案手法はベイジアンネットワークに基づいたマルチモーターイメージタスクを解析することである.一方でチャンネルの物理的な位置と運動イメージのクラス情報はベイジアンネットワーク構造の構築において制約として採用された. 一方で連続的なガウス分布モデルは, EEG 信号の真の性質を反映する伝統的な方法で変数を離散化以外の, ベイジアンネットワークノードをモデル化するために使用される. 最後にネットワーク構造およびエッジ推論スコアはSVM 分類器を構築するために使用される.BCI の競争データセットBCI IIIa および当社独自のラボ収集したデータセットの実験結果は, 2 つの実験の平均精度はエッジの選択に基づいて,93 %および88 %でありより良い現在の方法と比較して良かったことを示す.