マインドフルネス瞑想と意識:統合的な神経科学観点

Mindfulness meditation and consciousness: An integrative neuroscientific perspective
2017_0123taimoto
マインドフルネス瞑想は 2 千年以上にわたり東洋で実践されてきたが,西洋の科学的研究と医療プログラムが 最近になってマインドフルネス瞑想に注目している.基本的に、マインドフルネスという概念は、現時点での自 分の意識に焦点を当てている.このレビューでは,マインドフルネス瞑想の機能と脳との相関について異なる仮説を分析する.マインドフルネスは特定の意識状態と厳密に関連しているので,意識の説明として提案されてい る最も関連性のある理論のいくつかについても検討する.最後に,意識とマインドフルネス瞑想の両方において 本質的な役割を果たす部位として考えられるのは,前部帯状回皮質,後部帯状回皮質,島および視床であると特 定されることにより,我々は意識とマインドフルネス瞑想が神経科学的観点において統合され得ると提案する

インターロイキン-6 を減少させたマインドフルネス瞑想と安静時機能的結合の変化の関連

Alterations in Resting-State Functional Connectivity Link Mindfulness Meditation With Reduced Interleukin-6: A Randomized Controlled Trial
Biological psychiatry, vol.80, no.1, pp.53-61, 2016.
20170123tmiyoshi

マインドフルネス瞑想訓練は,健康指標の向上のために用いられるが,根底にある生物学的メカニズムは知ら れていない.マインドフルネス瞑想が Default Mode Network(DMN)とトップダウン実行制御に重要である背 外側前頭前野(dorsolateral prefrontal cortex:dlPFC)との安静時機能的結合を増加させる可能性があることを 示した先行研究をもとに,マインドフルネス瞑想訓練が DMN と dlPFC との結合を増やすかどうか,また,これ らの結合変化がインターロイキン 6(Interleukin-6:IL-6)の向上を説明するかどうかを検討する. 被験者はストレスを受けた仕事を探している失業中の成人 35 名で,3 日間住み込みでマインドフルネス瞑想か リラクゼーショントレーニングプログラムのいずれかに参加した.被験者に対して,プログラムの前後に 5 分間 の安静時状態の撮像を行った.また,プログラムの介入前および介入後 4 か月の追跡調査時に血液サンプルを採 取し,全身性炎症のバイオマーカーである IL-6 の分析を行った. 後部帯状皮質をシードベースとし,DMN の安静時機能的結合を検討したところ,リラクゼーショントレーニン グではなく,マインドフルネス瞑想訓練で左 dlPFC と後部帯状皮質の結合が増加した(p<.05).訓練前から訓練 後にかけての後部帯状皮質と dlPFC の結合の変化は,4 か月の追跡調査での IL-6 におけるマインドフルネス瞑想 訓練の改善を統計的に示した.具体的には,これらの安静時機能的結合の変化は,追跡調査時に IL-6 に対するマ インドフルネス瞑想の効果の 30%が統計的に示された. これらのことから,マインドフルネス瞑想訓練が DMN と安静時のトップダウン実制御を担う左 dlPFC が機能 的に結合するという先行研究を証明し,炎症性疾患リスクの指標の改善も示した.

機能的近赤外分光法のための空間的位置合わせ:個人およびグループ解析におけるチャンネル位置から皮質の 位置まで

Spatial registration for functional near-infrared spectroscopy: From channel position on the scalp to cortical location in individual and group analyses
NeuroImage, vol.85, pp.92-103, 2014

20170123 katayama

近赤外分光法(fNIRS)は,一般的な機能イメージングモダリティとして広く受け入れられている.fNIRS が本 物のニューロイメージング市民権を達成するためには,理想的には,機能的および構造的な画像解析を備えてい ることが望ましいだろう.しかしながら,fNIRS は,測定される物体の解剖学的情報なしに頭部表面からの皮質 活動を測定する.このレビュー記事では,fNIRS のこの技術的欠点を克服するために,fNIRS データの空間的レ ジストレーションの方法論的概要を提示する.最初に,標準的な定位空間および解剖学的ラベリングの使用を紹 介し,調査する.次に,10-20 法のシステムを使用して頭皮のランドマークを記述するさまざまな方法について説 明する.第 3 に,被験者自身の MRI に対する fNIRS データの同時レジストレーションの最も単純なケースを説 明する.第 4 に,この概念をグループデータの fNIRS データレジストレーションに拡張する.第 5 に,被験者自 身の MRI の代わりに参照 MRI データベースを使用し,独立の fNIRS データの MRI フリーレジストレーション を可能にする確率的レジストレーション方法を説明する.第 6 に,汎用性光学トモグラフィにおける 3 次元画像 再構成への確率的レジストレーションの概念をさらに拡張する.第 7 に,fNIRS データの仮想レジストレーショ ンのための 3D デジタイザフリー方法について説明する.第 8 に,これらの技法がソフトウェアでどのように実装 されているかについての実際的なガイダンスを提供する.最後に,現在のリソースと,幼児および幼児データの 空間的なレジストレーションの制限に関する情報を提供する.これらの技術的な説明を通して,私たちは,共通 プラットフォーム上に fNIRS データを提示することの重要性を強調し,ニューロイメージングコミュニティ間の 様式間およびデータ間の共有を容易にする.

脳の振動間の自然対数関係

Natural logarithmic relationship between brain oscillators
Thalamus & Related Systems, vol.2, pp.145-152, 2003
2017_0123_sfujii

行動に関連する脳振動は,様々な接続を有する様々なサイズのニューロンネットワークが同様の方法で協調する ことを可能にするために,特定の方法で互いに関連する.例えば、視床 – 皮質および海馬の振動は,一般的な規則 に従う多数の周波数帯を形成する.具体的には、超低速振動から超高速振動まで連続的により高速な周波数を有 する発振帯域の中心周波数および周波数範囲は,自然対数スケールで算術進行を形成する.自然対数の数学的性 質のために,周波数の逆数としての振動の周期長(周期)も,自然対数変換後の算術進行を形成する.一般的な 規則として,ニューロンの興奮性は,発振期間の特定の段階の間でより大きい.これらの活性化段階と活性化の 時間窓との間の間隔は,振動周期の長さに比例して変化するので,より低い周波数の振動はより長い遅れ,遅れ の中のより大きい変動性,そしてより広い関与している領域とともに神経効果の統合を可能にする.したがって、 これらの振動に基づく神経表現は複雑である可能性がある.対照的に,高周波発振バンドは,近接した領域から のシナプス事象を短いシナプス遅延および限られた変動性を伴って組み込むことによって,情報のより正確で空 間的に限定された表現を可能にする.一定の関係を有する発振周波数帯域の大きな群は,シナプス遅延によって 課せられた情報処理制限を克服するのに役立つ可能性がある.

聴覚の非空間的なモダリティと視空間モダリティに対するトップダウン注意に関する分離可能なネットワーク

Separable networks for top-down attention to auditory non-spatial and visuospatial modalities
NeuroImage, vol.74, pp.77-86, 2013
20170111 htanaka

認知神経科学における中心的な課題は,注意の配分を制御する単一の神経システムがあるかどうかである.脳 領域における背側の前頭ー頭頂間ネットワークは,あらゆる感覚入力に対するトップダウン注意の仲介役として しばしば提案されている.我々は,トップダウン注意を支える皮質ネットワークが,実際にモダリティに特有し ていて,視空間と聴覚の非空間的なモダリティとではそれぞれ前頭ー頭頂間および前頭ー側頭間のネットワーク が異なって形成されることを示すために,ヒトに対して機能的磁気共鳴画像法を用いた.それに対して,右中前 頭回や下前頭回がモダリティに関係なく注意制御に共通して反応したことを示し,感覚経験とは切り離された抽 象的な注意の構成要素が前頭皮質に限定されたという根拠を示した.

fMRI と作業記憶タスクによる画像ベースの fNIRS アプローチの検証

Validating an image-based fNIRS approach with fMRI and a working memory task
20170117_sikeda
NeuroImage, Vol.147, pp.204-218, 2016

現在の研究では,脳のボリューム内のボクセル空間に頭表面上のチャネル空間から機能的近赤外(fNIRS)信 号を移動させるための新規な画像再構成アプローチを追加することによって,以前の方法論的パイプラインを拡 張している.2 つのアプローチを用いて視覚ワーキングメモリタスク(VWM)時の機能的磁気共鳴イメージング (fMRI)結果と fNIRS の結果を比較することによって,この方法論を立証する.第 1 のアプローチでは,前頭-頭 頂-側頭皮質の脳領域にわたるすべての実験条件について,fNIRS と fMRI の結果との間に有意なボクセルサイズ の相関が観察された.第 2 のアプローチでは,fNIRS および fMRI 測定で別々の多因子 ANOVA を実施し,共通 関心領域内の主効果と相互作用効果との対応関係について検討した.fMRI と fNIRS 両方に共通して,作業記憶 に保持されている項目の数が増加すると,VWM ネットワーク内での活性化において同様の傾向を示した.これ らの結果は,画像ベースの fNIRS アプローチを確証する.

感情制御の発達:児童、青年、若年成人における認知再評価の fMRI 研究

The development of emotion regulation: an fMRI study of cognitive reappraisal in children, adolescents and young adults
Social Cognitive and Affective Neuroscience, Vol.7, No.1, 11–22, 2012
20170117_sishida

感情制御のための認知的再評価する能力は成人になると適応される能力である.再評価は前頭前野の線形的な 発達が支持していると考えられているので,再評価の能力の発達は線形的に発達するという予測がある.しかし ながら,最近の社会的感情の発達における調査で特有の線形パターンが青年に影響していることを示唆している. 我々は再評価能力からネガティヴな感情的反応性を区別する課題において児童(10-13 歳)と青年(14-17 歳)と 若年成人(18-22 歳)を比較した.行動的には,我々は自己報告による感情的反応性において年齢の違いを観測す ることはできなかったが,再評価能力と年齢の間に線形および二次関数の関係を観測した.神経学的に,我々は成 人の再評価で以前に同定された腹側前頭前野(左)における年齢に線形的に関係した活動の増加を観測した.我々 は,精神状態に帰属するような社会的認知過程に関係する領域(内側前頭皮質,後部帯状皮質,前部側頭皮質)で 年齢と活性化に二次関数のパターンを観測した.これらの領域で,我々は青年の反応性の関連した活性化は低い ことを観測したが,再評価に関連した活性化が高いことを観測した.これは,(i) 再評価の認知的制御の構成成分 の関与は年齢とともに増加する (ii) 青年は精神状態の帰属に関わる領域を通常は活動させない (iii) これは再評価 の指示で元に戻すことが可能であるということを示唆する.

関心領域間の機能的コネクティビティおよび構造的共分散は多変量距離相関を用いてより正確に測定すること ができる

Functional connectivity and structural covariance between regions of interest can be measured more accurately using multivariate distance correlation
NeuroImage, Vol.135, No., 16–31, 2016
20170117 rhagiwara

脳全体の機能的コネクティビティまたは構造共分散の研究は,典型的にピアソン相関係数のようなものを使用 し,関心領域(ROI)内のボクセルにわたって平均化されたデータに適用される.しかし,例えば機能的コネク ティビティまたは構造的共分散の異なるパターンを示すサブ領域を含む ROI 内に不均一性が存在する場合,ボク セル間の平均化は偏ったコネクティビティ推定値になる可能性がある.ここで,距離相関に基づく新しい尺度を提 案する.それは,線形および非線形依存性の両方を可能にする高次元ベクトルの多変量依存性の考査である.不均 一な ROI にもかかわらず,距離相関がピアソン相関をどのように優れているかを示すためにシミュレーションを 使用した.実際のデータでこの新しい指標を評価するために,ケンブリッジ老化神経科学センター(Cam-CAN) プロジェクトの 214 名の参加者の2セッションからのレスティングステイト fMRI スキャンと T1 構造スキャンを 使用する.ピアソン相関および距離相関は,機能的コネクティビティおよび構造共分散の両方に関して,同様の平 均コネクティビティパターンを示した.それにもかかわらず,距離相関は,1) セッション間でより信頼性があり, 2) 参加者間でより類似しており,3)ROI の異なるセットに対してより確かであることが示された.さらに,機能 的コネクティビティと構造共分散推定値との間の類似性が,ピアソン相関と比較して距離相関についてより高い ことを見出した.また,様々な前処理オプションとモーションアーチファクトが機能的コネクティビティに及ぼす 相対的な影響についても調査した.距離相関は実装が簡単であり計算が速いため,機能的および構造的データの ROI に基づく脳全体のコネクティビティパターンを調べるために,ピアソン相関の期待できる代替案である.

機能的刺激中の視覚および運動皮質におけるオキシヘモグロビンおよびデオキシヘモグロビン濃度変化の異な る時間進化:近赤外分光法の研究

Different Time Evolution of Oxyhemoglobin and Deoxyhemoglobin Concentration Changes in the Visual and Motor Cortices during Functional Stimulation :A Near-Infrared Spectroscopy Study
NeuroImage, vol.16, No.3, Part A, pp.704–712, 2002

20170108 syoshitake

神経血管結合は,脳代謝速度(CMRO2),脳血流,および脳活動に関連する脳血流量の変化の総称である. こ の論文の目的は,周波数領域近赤外分光法を用いた視覚および運動皮質における神経血管結合の効果をよりよく 理解することである.視覚および運動皮質のオキシヘモグロビン,デオキシヘモグロビン,および総ヘモグロビ ンの濃度変化の地図は,逆チェッカーボードスクリーンおよびスクイージングを用いて刺激中にそれぞれ生成され た.18~37 歳の 7 人の健全なボランティアが含まれていた.視覚野では,オキシヘモグロビンとデオキシヘモグ ロビンのパターンは強く直線的に相関していた(計 24 箇所中 13 箇所で r2>0.8).20 箇所においてオキシヘモグ ロビンの変化は 0.25 μ M より大きかった.オキシヘモグロビンとデオキシヘモグロビンとの間の線形回帰の平 均傾きは,-3.93 ± 0.31(SE)であった.運動皮質上のオキシヘモグロビンおよびデオキシヘモグロビントレース のパターンは異なって見えた.オキシヘモグロビンは,デオキシヘモグロビンが最小に達する数秒前に最大変化 に達した.これは,線形回帰分析によって確認された(40 カ所のうち r2>0.8).20 箇所においてオキシヘモグロ ビンの変化は 0.25 μ M より大きかった.回帰直線の平均勾配は-1.76 ± 0.20 であり,運動皮質のそれより有意に 高かった(P< 0.0000001).オキシヘモグロビンとデオキシヘモグロビンのパターンは皮質領域によって異なる. これは,視覚野の灌流の調節が運動野のそれとは異なることを意味する.視覚皮質において CMRO2 が実質的に 増加するという証拠があるが,これは運動皮質については当てはまらない.

バイアス多目的最適化と分解アルゴリズム

Biased Multiobjective Optimization and Decomposition Algorithm
IEEE Transactions on Cybernetics, Vol.47, No.1, pp.52-66, 2017
20170109harada

バイアスの特徴は, 進化的アルゴリズム (MOEAs) による多目的最適化問題(MOP)の解法を困難にする主な 要因である. この問題の特徴を処理するために, アルゴリズムは探索と開発とで注意深くバランスを取る必要があ る. 分解に基づくの MOEA は, MOP を多数の単一目的サブ問題に分解し, それらを共通の方法で解決する. こ のアルゴリズムフレームワークでは, 単一目的を行う最適化利用者が簡単に使用できる. 共分散行列適応進化戦略 (CMA-ES) は, 探索と探索空間との間の良好なバランスをとることができると証明されている. 本稿では, 分解に 基づく MOEA における微分進化 (DE) と共分散行列適応の両方を用いる手法を提案する. この手法では, 単一目 的最適化問題がいくつかのグループに分類される. 計算上のオーバーヘッドを削減するために, 各グループからの 1 つのサブ問題のみが選択され CMA-ES によって最適化され, その間, 他のサブ問題は DE によって最適化される. 進化戦略手順がいくつかの停止基準を満たす場合, それは再初期化され, 同じグループ内の別のサブ問題を解決す るために使用される. 本稿では, バイアスの特徴を用いた新しい多目的テスト問題のセットを構築する. 広範な実 験研究は, 我々の提案されたアルゴリズムがバイアスに関する問題に対処することに適していることを示している.