ブレインコンピュータインターフェースアプリケーションにおける疎空間および空間スペクトルフィルタの構 築のための貪欲解決法

Greedy solutions for the construction of sparse spatial and spatio-spectral lters in brain computer interface applications
Neurocomputing, 2013, Vol.108, p.69-78
20170727_tishihara

共通空間パターン(CSP)の元の定式化では,ブレインコンピュータインターフェース(BCI)の入力特徴量 として分散を抽出するときに,すべての記録チャンネルが結合されている.これは,構築されたシステムのオー バーフィットおよびロバスト性の問題をもたらす.本稿では,特徴を抽出する際に利用可能なすべてのチャネルの サブセットのみを線形結合し,分類の一般化を改善したスパースCSP 法を紹介する.我々は,空間射影を計算す るために複数のスパース固有ベクトルを識別するための貪欲探索ベースの一般化固有値分解アプローチを提案す る.我々は,ブレインコンピュータインタフェースコンペティション2005 の電気コルチコグラム(ECoG)および 脳波(EEG)データセットを用いて,バイナリ分類問題における提案されたスパースCSP 法の性能を評価する. 我々は,疎CSP によって得られた結果が従来の(疎でない)CSP によって得られた結果より優れていることを示 す.EEG データセットの5 人の被験者で平均した場合,分類誤差は12.3 %で平均疎性レベルは11.6 であり,118 チャネルの従来のCSP で得られた誤差は18.4 %であった.分類エラーは,ECoG データセットで64 チャネルを 使用する従来のCSP で得られた13 %のものと比較して,スパースネスレベル7 で10 %であった.さらに,疎な 共通空間スペクトルパターン(CSSP)を抽出するための提案されたスパースメソッドの有効性を検討した.

ドライバの注意状態感知のための脳機能と呼吸情報の収集と実験設計

Experimental Design and Collection of Brain and
Respiratory Data for Detection of Driver’s Attention
HEALTHINF, pp.441-450, 2017

運転者の注意は交通安全において非常に重要であり,実験室中の運転シミュレーションであっても観察する価値 がある.本稿では,運転者に注意を喚起する実験の設計,収集されたデータの検証およびデータ解析で使用される 最初の前処理と処理ステップを扱う.脳活動は主要な生体信号と考えられ,脳波情報および事象関連電位に関する 技術および手法を用いて測定,分析される.呼吸は,脳活動と共に取得可能な二次的な生体信号と考えられる.ス タックオートエンコーダを用いた収集されたデータの検証は,データ分析に先立つ重要なステップと考えられる.

ドライバーのパフォーマンスと生理活動への時間的圧力の影響:運転シミュレータ研究

The effects of time pressure on driver performance and
physiological activity: A driving simulator study
Transportation research part F: traffic psychology and behaviour, Vol.41, pp.150-169, 2016
20170727_hwada

時間的圧力のためにスピードを上げることは交通事故の主な原因である.以前の研究では,人は時間的圧力に対 して生理的活動を増加させ,タスクの要求を緩和させるために,タスクに対して戦略を適用させることを示してい る.今回の運転シミュレータの研究では,眼球運動,瞳孔径,心血管及び呼吸運動,運転実績,車両制御,四肢の 動き,頭部位置,自己報告状態の測定に時間圧力が及ぼす影響を調べた.時間的圧力下での人の行動に関する既存 の理論に基づいて,(1)運転速度,(2)生理的尺度,(3)運転戦略の3 つのカテゴリーに区別した.54 人の参加者 は,まず6-9km の都市部の追い越し車線で,車を追従し,交差点のある時間圧のないコース(no time pressure: NTP)と時間制約と急いで行くようにと促す仮想乗客がいる時間圧力のあるコース(time pressure:TP)を運転 する.その結果,NTP と比較してTP では,(1)は大幅に速く運転され,最大制動位置,スロットル活動,車線維 持精度といったものにも反映された.(2)は心拍数の増加,呼吸数の増加,瞳孔径の拡大,瞬き率の低下などの生 理活性の増加を示した.(3)はでは,車追従中の左側車線への運転や交差点に接近した際の初期の視覚的な視界な ど,効果的な作業完了のためのシナリオ固有の戦略を採用した.NTP に対するTP の効果は一般的に大きく,統 計的に有意であった.しかし,絶対値の個体差は大きかった.したがって,リアルアイムドライバフィードバック 技術に,ドライバの状態を評価するための絶対的な基準の代わりに相対的な基準を使用することを推奨する.

適応的な重みの調整を行うMOEA/D

MOEA/D with Adaptive Weight Adjustment
Evolutionary computation, V20170726haradaol.22, No.2, pp.231-264, 2014

近年,MOEA/D(分解に基づく多目的進化アルゴリズム)は,進化的多目的最適化の分野で大きな成功を収め, 多くの注目を集めている.MOEA/D は一様に分布した集約重みベクトルを使用して,多目的最適化問題(MOP) をスカラー化部分問題の集合に分解し,進化的多目的最適化の優れた一般的なアルゴリズムの枠組みを提供する. 一般に,MOEA/D の重みベクトルの均一性は,パレート最適解の多様性を保証することができるが,対象とす るMOP が複雑なパレートフロント(PF; すなわち,不連続PF または鋭い頂点や低い尾を持つPF)の場合に, うまく働かない.これを改善するために,適応型重みベクトル調整を用いて改善されたMOEA/D を提案する. Chebyshev 分解法に基づく重みベクトルと最適解との幾何学的関係の解析に従って,新しい重みベクトル初期化 方法と適応型重みベクトル調整戦略がMOEA/D-AWA に導入されている.重みは周期的に調整され,部分問題の 重みを適応的に再配分して解のより良い均一性を得ることができる.その一方で、重複した最適解を持つ部分問題 に費やされる計算作業を節約することができる.さらに,複雑なPF の疑似疎領域,すなわちPF の不連続領域で はなく,実際の疎領域に新しい部分問題を追加するために外部エリート集団が導入されている.MOEA/D-AWA は4 つの最先端のMOEA である,MOEA/D,適応型MOEA/D,pa λ-MOEA/D およびNSGA-II に対して,2 つの新しい構造が複雑な問題と2 つの多目的最適化問題を含む,広く使用されている10 の試験問題において比較 される.実験結果は,特にMOP のPF が複雑な場合に,MOEA/D-AWA がIGD の指標においてベンチマークア ルゴリズムより優れていることを示す.

Human brain mapping: ヒトの脳皮質に対する分割手法の体系的比較

Human brain mapping: A systematic comparison of
parcellation methods for the human cerebral cortex
NeuroImage, Available online 13 April 2017
20170726knakamura

マクロ的な脳の結合部位の発見は,特定の認知課題における脳領域の構造的連結,または機能的結合を解明す る.これは,ネットワークとしての脳内のすべての結合を表現し,理解するという概念を可視化する.脳内におい て相互作用する機能単位への細分化は,そのネットワークの構造に固有のものとなる.したがって,ネットワー クノードの定義は,接続ネットワーク分析における最も重要なステップの1 つである.細胞構造または解剖学的 構造から得られた脳のアトラスはこの作業に長い間使用されてきた.一方で,より均一で機能的に一貫性のある 領域を描くために,解剖学的,または機能連結性を用いて脳のランダムな分割手法が研究されている.本研究は, それらの分割手法を体系的に比較する.Human Connectome Project の静止状態の機能的MRI データと機能的連 結性を用いる分割手法について,異なる解像度で10 の被験者レベルおよび24 のグループごとのパーセレーショ ン方法を評価する.(1)異なる被験者およびグループにわたる分割の再現性,(2)元となる接続性データへの忠実 性,(3)fMRI タスクアクティベーション,ミエリンマップ,および細胞構築学的に分割された領域と類似性,(4) ネットワーク分析の4 つの異なる側面からの分割手法の精度を評価する.被験者と集団レベルで生成された異な る結果に対する広範な評価により,様々な方法の長所と短所が判明した.目的に応じて分割技の選択の指針を提供 することを推奨する.この研究で得られた結果は,これらの評価方法に直面したすべての課題に同時に対処でき る最適な方法がないことを示唆している.

異なる痛みに対する異なる回路:機能的コネクティビティのパターンは自身及び他人の痛みを処理するネット ワークを明らかにする

Different circuits for different pain: Patterns of functional connectivity reveal distinct networks for processing pain in self and others
Social neuroscience vol.2(3-4), pp.276-291, 2007
170726 ykohri

他者の苦しみに共感する能力は,他人との関係性を維持し,社会的行動に従事するためには重要である.近年 の研究では他人が痛みを経験するところを見た際(他の痛み),痛みの直接的な経験(自己痛)に関与する前島皮 質(AI)および前帯状皮質(ACC)などの脳領域が関与することを実証した. 本稿では,前帯状皮質や前島皮質の一般的な活動が,自己または他人の痛みを認知する際に重複する部分を持 ちながら異なるネットワークを形成するという仮説を検証する.この仮説を検証するために,我々は被験者に有害 な熱刺激(自己痛)を与えた場合と他人が痛みを伴う傷害を受けている(他の痛み)ビデオを見せた場合の両方 をfMRI を用いて計測した.我々は,自己の痛み認知と他人の痛み認知の両方で共通する領域を機能的コネクティ ビティ分析のためのシード領域として使用した.分析の結果,自己の痛みまたは他人の痛みの認知の際,前帯状 皮質および前島皮質と共に活性する領域を同定した.他人の痛みの認知時よりも自己の痛みの認知時に前島皮質 と他の領域との接続性が向上した.反対に,自己の痛みの認知よりも他人の痛みの認知時に前頭前野背内側部と 前帯状皮質および前島皮質の間により大きな接続性が示された.個人内のコネクティビティ分析では,上側頭溝, 後帯状皮質および楔前部の領域が自己の痛みの認知と比較して他人の痛みの認知時に前帯状皮質と関連している ことが明らかになった.これらのデータは自己の痛みおよび他人の痛みの認知時に同様の活動を示す領域がある が,異なる機能的ネットワークを形成している可能性を示した.

深層畳み込みニューラルネットワークのより良い解析に向けて

Towards Better Analysis of Deep Convolutional Neural Networks
IEEE transactions on visualization and computer graphics, vol. 23, no.1, pp. 91-100, 2017
20170726_ttamaki
深層畳み込みニューラルネットワーク(CNN)は画像分類などの多くのパターン認識タスクにおいて画期的な 性能を達成している.しかし,深層モデルがいつ,そしてなぜ機能するのかについての明確な理解はまだないた め,高品質の深層モデルの開発は,通常,かなりの量の試行錯誤に頼っている.本稿では,Deep-CNN をよりよ く理解し,診断し,洗練する視覚的分析手法を提案する.我々は,有向非循環グラフとしてDeep-CNN を定式化 する.この定式化に基づいて,各ニューロンの複数のファセット及びそれらの間の相互作用を明らかにするため, ハイブリッドな視覚化手法を開発した.特に,我々はニューロンクラスタの派生特徴を示すために,階層矩形パッ キングアルゴリズムと行列リオーダリングアルゴリズムを導入する.また我々は,ニューロン間の多数の接続に よって引き起こされる視覚的クラッタを減少させるために,バイクラスタリングに基づくエッジバンドリング方 法を提案する.我々はCNN のセットで我々の手法を評価し,その結果は概ね良好であった.

デフォルトモードネットワークとワーキングメモリネットワークは,ワーキングメモリタスクのすべてのフェー ズで反相関しない

The Default Mode Network and the Working Memory
Network Are Not Anti-Correlated during All Phases of
a Working Memory Task
PloS one, Vol.10, No.4, e0123354, 2015
20170719 resume

はじめに
デフォルトモードネットワークとワーキングメモリネットワークは,持続的な認知処理の間,負荷に依存して反相関することが知られている.2 つのネットワークのノード間の機能的コネクティビティは,時間の経過とともにタスクフェーズによって動的に調整されると仮定した.
方法
デフォルトモードネットワークとワーキングメモリネットワーク間の動的な連結を処理するため,遅延視覚-空間的なワーキングメモリパラダイムを使用した.これはワーキングメモリの3 つの異なるフェーズ(符号化,保持,および検索)を分離することを可能にする.そして,デフォルトモードネットワークとワーキングメモリネットワークのネットワーク内およびネットワーク間の各フェーズの間の機能的コネクティビティを解析した.
結果
2 つのネットワークはワーキングメモリの保持のフェーズのみの間,例えば注意が外部入力がない場合に記憶された刺激に集中している場合に反相関であることがわかった.逆に,外部刺激が存在する符号化および検索のフェーズの間,デフォルトモードネットワークはワーキングメモリネットワークと積極的に結合し,それは「タスク-ポジティブ」および「タスク-ネガティブ」な脳内ネットワーク間の機能的な接続の動的な切り換えの存在を示唆している.
結論
ヒトの脳の確立した2 分法(安静時の反相関ネットワークと認知時の安定した活性-非活性)は,以前考えられていたよりも微妙な組織を持ち,認知課題の特定のサブフェーズの間に相関と反相関の異なるパターンに関与することを結果は示す.ワーキングメモリネットワークのような特定のタスク-ポジティブなネットワークの静的でなく動的な相互作用によって表されるように,この微妙な組織は,認知機能におけるデフォルトモードネットワークの直接的な関与の仮説を強化する.

感情的な残遺症状の有無に関わらず寛解したうつ病患者におけるN-Back 課題時のデフォルトモードおよびタス クポジティブネットワークのコネクティビティ

Default Mode and Task-Positive Networks Connectivity
During the N-Back Task in Remitted Depressed Patients
With or Without Emotional Residual Symptoms
HUMAN BRAIN MAPPING,Vol.38,Lssue.7,3491-3501,2017
20170718 sishida

うつ病の臨床的寛解は感情的な残胃症状と関連している可能性がある.私たちは感情的な鈍化,寛解したうつ 病患者におけるニューラルネットワークのダイナミクスでの反芻,そしてN-Back 課題時の認知能力について研究 した.うつ病を寛解した26 人の外来患者(ハミルトン抑うつ評価尺度スコア<7)はf MRI 計測中にN-Back 課 題を実施した.全ての患者は最低4ヵ月間パロキセチンの治療を受けた.二つの患者のサブグループ[非運動的鈍 化(NEB)=14 人と感情的鈍化(EB)=12 人]が決定した.被験者間での機能的ネットワークマップを特定す るために,独立成分分析を用いたネットワーク検出が採用された.タスクポジティブネットワーク(TPN)とデ フォルトモードネットワーク(DMN)との間のコネクティビティが評価され,N-Back タスクおよび反復におけ るパフォーマンスの変動性に関連していた.EB およびNEB 患者はN-Back 課題における正確な反応のレベルの 違いはなかった.しかしながら,ワーキングメモリ課題全体にわたって,DMN とTPN の間の負の相関はNEB 群よりもEB 群で有意に低く,認知能力や反芻に異なって関連していた.DMN とTPN との間の負の相関が強い ほど,NEB 患者の3-Back 課題時の反応時間の変動が少なかった.さらに,DMN とTPN との間の負の相関が大 きいほど,EB 患者における反芻値は低かった.感情的な鈍化はDMN とTPN との間の変化した協力を介して退 院したうつ病患者の反芻および認知機能のモニタリングを損なうことと関連する可能性がある.この研究は,う つ病の臨床的寛解が生物学的異質性と関連していることを示唆している. depressive disorder, neural networks, fMRI, working memory, task performance

子供に教えて!ストーリーテリング中の感情調節における左下前頭回の役割に関する脳刺激研究

Tell it to a child!
A brain stimulation study of the role of left inferior
frontal gyrus in emotion regulation during storytelling
NeuroImage, Vol.136, pp.26-36, 2016
20170719 sikeda

日々の生活の中で,私たちは彼らの社会的状況に応じて感情的反応を継続的に規制する必要がある.感情調節の
戦略は,個人が環境刺激に対する感情反応の時間,強さ,性質および表現を制御することを可能にする.左下前
頭回(LIFG)は,意味内容選択の認知的制御に関与する.我々は,感情的な感覚や表現の調節にも関与している
と仮説を立てた.我々は,新しく開発された生態学的規制タスクの前に,LIFG または調節部位で連続的なシータ
バースト刺激(cTBS)を適用した.参加者は,ピア(規制されていない状態)または子供(規制された状態)の
いずれかに負または中立価数の写真を講話する必要がある.LIFG-cTBS が感情調節に及ぼす影響を評価するため
に,言語的,表現的および生理学的応答を分析した.結果は,感情調節の文脈が,物語生成の感情的内容を調整し
たが,生理学的配向反応または負の刺激に対する早期表現行動を調節しないことを示した.さらに,LIFG-cTBS
は,ネガティブな講話のテキストレベルの構造化およびネガティブな画像に対する早期の心臓および筋肉の応答
を妨げた.しかし,講話の文脈的な感情的規制には影響しなかった.これらの結果は,感情刺激の感情的興奮の
初期検出にLIFG が関与していることを示唆している可能性がある.