自閉症患者における機能的・構造的脳内ネットワーク組織の変化

Altered functional and structural brain network organization in autism
NeuroImage: Clinical, Vol. 2, pp.79–94, 2013
20151006sobuchi

構造的と機能的のアンダーコネクティビティは自閉症患者の多数の脳領域,機能的システム,そして白質路において報告されてきた.近年の複雑ネットワーク解析の発展は脳がスモールワールド性を示すモジュラーネットワークであることを明らかにしたにもかかわらず,自閉症患者のネットワークレベルの組織は詳細に調査されてはいない.本稿では,児童と青年の自閉症患者が,機能的システムにおける短く幅広いコネクティビティの減少とディフォルトと高次視覚領域における機能的システム間の強いコネクティビティを示すため,レスティングステイトfMRIを用いた(n=42自閉症児,n=37健常児).グラフ理論を用いて,機能的コネクティビティにおけるグループの違いが,モジュラリティとクラスタリングにおいて,ネットワークレベルの減少として反映されていたが,キャラスタリスティックパスレングスにはそれがみられないことを示した.拡散テンソルMRIによって得られた線維束の構造的ネットワークは,白質形態の統合性は低いが,線維本数が多いことを示した(n=51自閉症児,n=43健常児).健常児と自閉症児の各人は構造的・機能的コネクティビティの関係において類似性がみられた(n=35自閉症児,n=35健常児).しかしながら,構造的と機能的ネットワークを統合する主成分分析では,構造的と機能的ネットワーク間のロカール・グローバルエフィシエンシーのバランスは自閉症児にのみ低下していることが明らかにされた.それらは年齢に正の相関があり,自閉症の症状に負の相関があった.まとめると,我々の発見は複雑ネットワークとした脳モデルは自閉症と他の神経精神学の障害の解明されていない生物学的基礎において非常に有益なものとなることが示唆された.