多感覚検出課題中の統合失調症における血流動態反応関数の異常

Hemodynamic response function abnormalities in schizophrenia during a multisensory detection task
”Human Brain Mapping” 2015
20151215 taki

fMRI の BOLD 応答は血流動態反応関数が一定であると仮定された BOLD 応答の正の位相を調べることで統合 失調症を有する患者における認知及び感覚障害の根底にある神経病理を研究するために用いられてきた.しかし, HRFの各位相は基となる病態の様々な異なる影響を受ける可能性がある.統合失調症と健常者でHRFのアンダー シュートを含めた位相を調査するために,現在の実験は速い事象関連の fMRI パラダイムで,多感覚検出課題を使 用した.行動の結果はタスク・パフォーマンスの違いによるグループ間の有意差を示さなかった.HRF の形を調 べた分析は 2 つのグループの違いを示した.第一に,二次聴覚野と視覚野において健常者と比較して通常の事象 関連の正の BOLD 活性に続いて統合失調症の患者はアンダーシュートが減少または長期化、またはその両方の傾 向を示した.第二に,統合失調症患者はデフォルトモードネットワークにて,健常者と比較してタスクによる負 の活性を示さなかった.正の位相に焦点を当てる従来の分析を行う場合は対照的に,群間に差は無かった.興味 深いことに,二次聴覚野と視覚野においてアンダーシュートの大きさは,デフォルトモードネットワークの中の タスクによる負の活性の大きさと明らかに関係していた.そして,これらの異常(神経抑制の失敗)の両方の基 礎をなしている可能性がある一般の神経のメカニズムを提案した.これらの結果は別々の神経処理が HRF の 2 つ の位相の基礎をなすことと,統合失調症の患者が差別的に影響を受けるという見解と一致している.