ワーキングメモリの訓練による流動的知性の向上

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Improving fluid intelligence with training on working memory

Proc Natl Acad Sci U S A., vol.105, no.19, pp.6829-6833, 2008

流動的知性は既知の知識に依存せず,新たな問題を解決したり推論したりする能力である.流動的知性は様々な
種類の認知課題において必要不可欠であり,学習においても最も重要な要因のひとつである.さらに,流動的知
性は特に複雑で過酷な環境において,専門的で教育的な成功に密接に関係する.流動的知性のテストにおける直
接的な練習によって,流動的知性のテスト成績は向上する可能性があるが,成人において他の訓練方法による流
動的知性の向上となる証拠は得られていない.また,認知訓練における長年の研究結果は訓練した課題の成績は
劇的に向上するが,他の課題への学習の転移は乏しいことを示している.本稿では,厳しいワーキングメモリ課
題の訓練から流動的知性への転移の証拠を提示する.訓練課題が知能テストと全く異なるのにもかかわらず,こ
の転移は生じた.さらに,我々は訓練をすればするほど,流動的知性が向上するということを示した.つまり,訓
練の影響は訓練量依存性である.したがって,多くの先行研究に反して,我々はテストする課題を練習すること
なく流動的知性向上の可能性があることを結論づける.