快と不快の IAPS 画像への局部的な脳反応:異なるネットワーク

Regional brain responses to pleasant and unpleasant IAPS pictures: Different networks
Neuroscience Letters, Vol.512, No.2, 94–98, 2012
20160517 rhagiwara

目的:この研究の目的は,健常な被験者において快不快両感情の過程を含む脳回路を調べることであった.方 法:15 名(男性 9 名と女性 6 名,平均年齢 30-60)の健常な参加者を募った.このブロックデザインの fMRI 実験 で,快不快の IAPS 画像への反応として BOLD 信号変化を比較し,それぞれの神経状態を比較した.結果:中性 状態に対する快画像のコントラストは両前頭前野(PFC)、前部帯状回、後部帯状回、側頭葉において有意な活性 が示された(pFDRcorrected < 0.05).中性状態に対する不快画像は扁桃体,海馬,海馬傍回,側頭葉,視覚野,紡 錘状回,PFC,前部帯状回において有意な活性が示された(pFDRcorrected < 0.05).結論:扁桃体は不快感情の 過程で主に含まれる.快不快の IAPS 画像の過程において領域の重なりが存在したが,それぞれの神経ネットワー クは特徴的である.

拡散異方性ファントムを用いた評価:拡散テンソル画像法における拡散異方性の定量化とみかけの拡散係数を 用いた MR パラメータの変更が及ぼす影響

Effects of MR Parameter Changes on the Quantification of Diffusion Anisotropy and Apparent Diffusion Coefficient in Diffusion Tensor Imaging: Evaluation Using a Diffusional Anisotropic Phantom
Magnetic resonance imaging,vol. 27,no. 4,pp.541-548,2009
160517_syokoyama

DTI 線維ファントムの特性である液体と線維間の磁化率の違いが及ぼす影響を調べた.それに対して,安価で 簡単に製造可能な機械製の DTI 線維ファントムは,円形のアクリルガラスの紡錘に直径 15 μ m のポリアミド線 維を巻くことで作成された.達成した異方性比率は 0.78 ± 0.02 であった.ファントム測定とモンテカルロシミュ レーションにより,線維と液体の磁化率が同一でない場合,横緩和時間 T2 は線維と B0 フィールドの間の角度に 強く依存することが示された.ファントムでは,3T で測定された T2 時間は B0 に垂直に走行している線維を 60 %減少した.モンテカルロシミュレーションは,この結果を確認して正確な緩和時間は,正確な線維の充填に強 く依存することを明らかにした.ファントムでは,測定された拡散は線維方向とは無関係であった.モンテカル ロシミュレーションでは,拡散は 3 T で立方に充填することで 50 %以上過小評価されることから,測定された拡 散は正確に線維を充填することに強く依存し,測定された拡散の電界強度と配向との依存関係は,六角形に充填 することで最小になる可能性があることが明らかになった.これらの影響を克服するため,液体と線維の磁化率 は塩化ナトリウム水溶液(1kg の水に対して 83g の NaCl)を用いることで一致させた.これにより,評価目的の ために方向とは無関係な信頼性の高い DTI ファントムの使用を可能になる.

n バックのワーキングメモリ課題中の統合失調症患者における広範囲な前頭前野の活動の減少 :多チャンネル NIRS の研究

Reduced but broader prefrontal activity in patients with schizophrenia during n-back working memory tasks : A multi-channel near-infrared spectroscopy study
Journal of psychiatric research, Vol.47, No.9, pp.1240-1246, 2013
20160413harada

背景:背外側(DLPFC)と腹外側(DLPFC)前頭前野を含む前頭前野の尾側領域は,ワーキングメモリといっ た重要な認知機能に関与している.対照的に,前頭極皮質(FPC)といった,より吻側の領域は,認知機能の中 で統合機能を有し,これにより,実世界の社会的活動に決定的に寄与している.以前の機能的磁気共鳴イメージ ング研究では,健常者と比較して,統合失調症患者が認知的負荷の変化に対応して異なる DLPFC の活動パター ンを持つことを示した.しかし,尾側および吻側前頭前野の活性における空間的関係は無制約条件下で評価され ていない.

方法:26 人の統合失調症患者および 26 歳の発病前の知能に一致した健常者がこの研究に参加した.異なる認知 負荷で n バックのワーキングメモリ課題時の血行動態変化は,多チャネルの近赤外分光法(NIRS)を用いて測定 された.

結果:健常者群は,両 VLPFC における課題に関連する重要な活性と DLPFC における課題に関連する重要な 不活性を,課題がより認知機能を要求するときにより大きな信号変化を伴うことで示した.対照的に,統合失調症 患者は,両 DLPFC と FPC を含む,より吻側の領域で活性化を示した.認知機能の発生する上昇割合において, 不活性でもなければ活性でもない.

結論:この多チャンネル NIRS の研究では,活性化の強度は,認知機能の変 化を伴う統合失調症患者において上昇しなかったことを実証し,統合失調症における認知障害として前頭葉の機 能低下が示唆される.

前頭前皮質と柔軟な認知制御:シンボルの無いルール

Prefrontal cortex and  exible cognitive control: Rules without symbols
Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, Vol. 102, No. 20, pp.
7338-7343, 2005
20160411 syoshitake

人間の認知制御は柔軟であり,前頭前皮質(PFC)に依存することが示されている.しかし,柔軟な認知制御をサポートするPFCの正確な生物学的メカニズムは,深い謎のままである.既存の理論モデルは、これらの発達を除いて強力なタスク固有のPFC表現を仮定している.我々はPFC特有の神経機構のセットは,新規タスクでの柔軟な一般化をサポートするPFC表現のような抽象表現の自己編成へとつながる幅広い経験と相互作用するとき,発生する方法を示しています.同じモデルはベンチマークPFCタスク(ストループ、ウィスコンシンカードソーティング)に適用することが示されており,正確に神経学的に無傷な場合の行動と正面損傷を受けた人々の行動をシミュレートする.