社会的戦術の神経基盤:fMRI 研究

The neural basis of social tactics: An fMRI study

NeuroImage, Volume 32, Issue 2, Pages 913-920, 2006.

複雑な社会的交流における成功するのに最も強力な方法の一つは,相手の心を読み,一歩先を行くことである.社会的に張りつめた人間関係の中で相互の思考察知に対する神経反応を評価するために,私たちは3テスラのスキャナを用いて,チキン・ゲームに参加した16人の健常被験者の事象関連機能的磁気共鳴イメージング研究を行った.統計的パラメトリックマッピングは,相手の効果(人-コンピュータ)がPCCと後部上側頭溝に隣接した縁上回に対応する内側前頭領域を独占的に活性化した.さらに,被験者が危険/積極的な選択か,安全/和解的な選択のどちらを行ったか評価するためにデータを解析すると,後部上側頭溝は,相手かいることは危険か安全な決断を選択するのに関わらず確実な効果があることを示した.対称的に重要な相手と選択相互作用は前部PCCにおいて明らかになった.私たちの発見に基づいて,後部上側頭溝と前部PCCはメンタライジングにおいて異なる役割を担うと考えられる.後部上側頭溝はメンタライジングの一般的なメカニズムとして機能し,前部PCCは社会的に危険な決定に選択的に関与する.

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クロスエントロピー最小化に基づく組織学的前立腺画像内立方細胞核用の教師なし分割法

Unsupervised segmentation method for cuboidal cell nuclei in histological prostate images based on minimum cross entropy

本論文では,ヘマトキシリンおよびエオシンで染色した前立腺組織画像内の立方細胞核に対する新たなセグメンテーション手法を提案する.提案手法は,前処理,立方体細胞核のセグメンテーション,後処理の3段階で通常,過形成および癌性の前立腺の画像を分割することができる.前処理ステップでは立方細胞核のコントラストを強調するために,赤(R)チャンネルにコントラスト伸張を適用する.第二段階の目的は,立方細胞核の候補領域を有する二値画像を生成するためにクロスエントロピー最小化に基づくグローバル閾値処理を適用することである.後処理では,偽陽性のある部分を連結領域を使用して除去する.提案された分割手法は,105サンプルの画像に適用し,感度,特異性,正確性を専門的な文献で有用な他の分割手法と比較した.結果は,提案手法が平均97%の精度で立方細胞核を分割可能であることを実証している.
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局所特徴量を用いたNBI 内視鏡画像におけるコンピュータ支援大腸腫瘍分類

Computer-aided colorectal tumor classi cation in NBI endoscopy using local features

大腸内視鏡による大腸癌の早期発見は重要であり,標準的な医療措置として病院で広く用いられている.大腸内視鏡検査時,大腸の表面にある大腸腫瘍の病変はNBI拡大内視鏡により視覚的に検査される.内視鏡画像における大腸腫瘍の外観を用いることにより,組織学的診断はNBI強調所見のため分類スキームにより推定される.本論文では,我々はNBI強調所見に基づいたNBI画像を3種類の大腸腫瘍(A,B,C3)に分類するための認識システムの性能を報告する.NBI画像のコンピュータ支援分類の問題に対処するために,我々は局所特徴量に基づく認識手法,およびbag-of-visual-words法(BoW法)について調査し,技術的側面のさまざまな広範囲にわたる実験を行う.実験で使用した提案したプロトタイプのシステムでは,サポートベクターマシン(SVM)分類器に続いて局所特徴量のbag-of-visual-words表現により構成されている.局所特徴量の数はDifference-of-Gaussianやグリッドサンプリングのようなサンプリングスキームを用いて抽出される.加えて,本論文では新たな局所特徴量の組み合わせとサンプリングスキームを提案する.それぞれのコンポーネントのパラメータを変化させる広範囲な実験が行われた.システムのパフォーマンスは通常,局所特徴量のサンプリング手法,局所特徴量ヒストグラムの表現,SVMのカーネル,分類するクラスの数といったパラメータの影響を受ける.認識結果は,ビジュアルワードの異なった数で認識率,適合率・再現率,F値により比較される.提案システムは,実際の大腸内視鏡検査中の908枚の内視鏡画像に対して10分割交差検定により96%,また別のデータセットで93%の認識率を実現している.

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消化器病画像の分類のための不変ガボールテクスチャ記述子

Invariant Gabor Texture Descriptors for Classi cation of Gastroenterology Images
消化器病画像のための病変の自動分類は主に画像の取得条件の動態によりコンピュータ支援決定システムに新たな課題を提起する.その課題は自動システムがカメラの回転やズーム,消化管の内面を見ている間の照明勾配に関係なくロバストな組織の特徴付けができることを求めている.本稿では,ガボールフィルタの不変特性についての研究を行い,新たな記述子,自己相関ガボール特徴(AGF)を提案する.我々は提案したAGFがスケール,回転,画像内の照度変化に不変であることを示す.我々は2つの相補的な消化器病画像のシナリオ(色素内視鏡および狭帯域光観察)から3つの異なるグループ,正常,前癌,癌に分類するため,textonフレームワーク(Texton-AGF)に新たな特徴を統合する.その結果,両方のモダリティのための最先端のテクスチャ記述子を用いることに引けを取らないことを示している.

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個々のニューロンの観点から見た多感覚統合の発達

Development of multisensory integration from the perspective of the individual neuron

協調における多感覚から手がかりを使用する能力は脳機能の基本的な側面である.これは、任意の時点でそれに利用可能な情報の脳の使用を最大化し、外部事象の生理的特徴を高める.各感覚が外界の独特な視点を伝達するので,五感全体で情報を合成すると他の方法では達成できない計算の利点が得られる.他感覚統合が実質的な生存値を持っているだけでなく,異なる感覚チャネルからの信号が一緒に結合した場合に出現する独特な経験を作成することができる.しかし、新生児の脳内のニューロンは多感覚統合することができず、中脳における研究はこの処理の発達が前もって決定されていないことを示している。むしろ、多感覚統合の出現と成熟は批判的に,動物が機能する環境下で,多感覚統合能力を最適化する方式で,基礎的な神経回路を変えるクロスモーダルの経験に依存する.

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DTI とfMRI の統合解析による前頭–頭頂ネットワークにおける白質・灰白質の結合の解明

Combined analysis of DTI and fMRI data reveals a joint maturation of white and grey matter in a fronto-parietal network

本研究の目的は白質の成熟がみられる領野のネットワークがあるか,そして脳活動変化が幼少期における発達傾向と同様の類似性がみられるかの検討である.先行研究では,我々は幼少期に前頭ー頭頂領域における灰白質の脳活動が増加することを示した.我々はこれが白質の成熟によるものであると仮定した.8?18歳の23人の健常な子どもを対象に調査した.ワーキングメモリ課題を行っている間の脳活動をfMRIのBOLD効果を用いて計測した.神経線維はDTIを用いて計測された.DTIデータを基に,我々は髄鞘化と軸索の太さの指標であるFAを算出した.MRIスキャンの前に.ワーキングメモリのスコアを評価した.いくつかの領域において,ワーキングメモリスコアはFA値とBOLD信号のそれぞれに関連していた.FA値とBOLD信号は個々の被験者のそれらの領域のピークボクセルから抽出された.FA値はFA値とBOLD信号とが関連のある脳領域をみつけるために行う,BOLD信号解析に共変量として用いられた.逆に,BOLD信号値はFA値解析のための共変量として用いられた.いくつかの皮質や皮質下において,白質の成熟と脳活動の増加に正の相関があった.特に,我々の仮定を支持する,ワーキングメモリの機能を担うとされている,頭頂溝と下頭頂小葉の灰白質付近に位置するBOLD信号と前頭?頭頂間の白質におけるFA値には正の相関が発見された.

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脳ネットワークの調査:レスティングステイトfMRI の機能的結合に関する総説

Exploring the brain network: A review on resting-state fMRI functional connectivity

我々の脳はネットワークである.脳は空間的に区分された構造で成り立っているが,お互いに連続的に情報の共有をする領域間で機能的に結合している.興味深いことに,近年の脳機能イメージングデータ解析の発展によって,脳の機能的結合の調査が促進している.機能的結合は構造的に解離している領域の神経活動パターンの時間的依存と定義され,脳領域間のレスティングステイトfMRIにおける協調した活動のレベルを計測することによって機能的結合の研究が増加してきた.これらの先行研究によって,特定領域と局所ネットワークの機能的結合についてや脳ネットワークにおける機能的連絡の全体的な構成についての新たな知見が発見された.本稿では,新たな解析手法の紹介とこれらのイメージング技術の概要を提示しながら,人間の脳のコアとなる新たな見識がどのように導かれたのかを議論する.どのように脳ネットワークの機能的結合と構造的結合が関係するのか,どのように機能的連絡が認知パフォーマンスのキーを形成するのかについて決定する,無意識的なレスティングステイトfMRIの方法についてに記す.また,機能的脳ネットワークの全体的な構成に焦点をあてたグラフ理論を用いた機能的結合パターンの解析について論じる.特に,アルツハイマー病や認知症,統合失調症,多発性硬化症のような機能結合による新たな指標について記す.

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複雑脳ネットワーク:構造的・機能的システムのグラフ理論解析

Complex brain networks: graph theoretical analysis of structural and functional systems

グラフ理論を基盤とする定量的複雑ネットワーク解析の発展は脳内ネットワークに応用されている.脳の構造的・機能的システムは人間のニューロイメージングの全脳スケールや動物の細胞スケールにおいて,スモールワールド性(ハブとモジュラリティが高度に結合する)のような複雑なネットワークの特徴をもつ.本稿では,様々なモダリティ(sMRIやfMRI,DTI,そしてEEG)における複雑脳ネットワークの研究をレビューし,グラフ理論の基礎原理のイントロを紹介する.また,我々はいくつかの技術的挑戦と将来生じるであろう問題を取り上げる.

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口腔扁平上皮癌の早期発見のためのヒトの唾液中の潜在的バイオマーカーの調査と同定

Investigation and identi cation of potential biomarkers in human saliva for the early diagnosis of oral squamous cell carcinoma

背景
世界の年間300,000件の症例を見ると,口腔癌は最も一般的なヒトの6つの癌のうちの1つであることが分かる.この研究は,口腔扁平上皮癌(OSCC)の早期診断を可能にするために,ヒトの唾液中の潜在的なバイオマーカーを調査することを目的とした.
方法
OSCCの患者(n=30)と健常者(n=30)から採取した非刺激の全唾液をhydrophilicinteractionchromatographyモードのultra-performanceliquidchromatography-massspectrometry(UPLC-MS)を用いて分析した.データはOSCCのスクリーニングのために,ノンパラメトリックなマンホイットニーU検定とロジスティック回帰分析,ROC曲線を用いて分析し,4つのバイオマーカーそれぞれの,もしくは4つの組み合わせによる予測力を評価した.
結果
4つの唾液中の潜在的バイオマーカーにおいて,ステージI~IIの患者と健常者の間に有意な濃度の違いが示された(p<0:05).統制群とステージI~IIのベースラインを比べると,AUCの値はcholine,betaine,pipecolinicacid,L-carnitineがそれぞれ0.926,0.579,0.994,0.718であった.4つの唾液中のバイオマーカーの組み合わせは,ステージI~IIのOSCCを識別するのに十分な精度(0.997),感度(100%)および特異性(96.7%)を得た. 結論 本研究では,OSCCの早期診断のための唾液代謝物バイオマーカーについて検証した.提案手法はOSCCのスクリーニングのための前臨床の潜在的技術になると予想される. pdf

低周波雑音による被験者の個性分類

Mental Processing of Human Subjects with Different Individual Characters Exposed to Low Frequency Noise

低周波雑音(LFN)は職業・一般的な環境において遍在している.低周波雑音により被験者の心的パフォーマンスは影響されると予想できる.個々の特徴は、このプロセスにおいて重要な役割を果たすように見える.この研究は、心的パフォーマンスにおいて適度なレベルのLFN(20-200Hz)の影響を評価することを目標とした.53人の被験者(2グループに部類した)は,45デシベルの同じ音圧レベルで低く水平な雑音に各々さらされた.外向・内向性および神経症的傾向の性格特性はアイゼンク個性アンケートを使用して決定した.被験者は,雑音下で二種類の精神的課題を行った.主観的な報告書はアンケートを使用して集めた.実験中の集中力の欠如,疲労および雑音への苛立ちは,10ポイントの自己評価尺度を用いて計測した.その結果,LFNが精神の実行を害することを明らかにした.基準ノイズ条件と比較して,精神の処理の精度に対するLFNの重要な影響はなかった.基準ノイズよりもLFNで遅く反応した被験者および,内向的な被験者は,外向的な被験者よりも早く反応した.より安定した個性を持ち,外向性を持つ者は,反対の性格特性を持つ者と比較して,心的課題時にLFNへ適応できる.相関分析により,心的課題時に外向性と雑音への苛立ち感に非常に重要な逆相関を示した.

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