ドラミングによる感情の伝達:機能的近赤外光法を用いた二者の脳イメージング

Communication of emotion via drumming: dual-brain imaging with functional near-infrared spectroscopy
R. Rojiani, X. Zhang, A. Noah and J. Hirsch
Social cognitive and affective neuroscience, Vol.13, No.10, pp.1047-1057, 2018

感情の非言語コミュニケーションは,人間の相互作用に不可欠であり,多くの臨床応用に関連している.しかし,社会神経科学の分野においてそれはまだ十分に研究されていないテーマである.ドラミングは感情を表現する昔の非言語コミュニケーション様式であり,これまでこの文脈の中では研究がされていなかった.我々は,新しい二者の脳のニューロイメージングパラダイムを用いて,ドラミングによる感情の生で,自然なコミュニケーションに対する神経反応を調査した.血行動態信号は,全頭に対して機能的近赤外分光法を用いて取得した.36人の被験者ペアが,国際感情画像システムから感情的に際立つ画像に反応して,「送信」(ドラミングまたは相手に話すこと)と「受信」(相手の話を聞くこと)を交互に繰り返す2つの条件,ドラミングとトーキングに参加した.ドラム音の増加した周波数と振幅は,より高い覚醒度そしてより低い感情価の尺度と行動的に相関し,聞き手の側頭頭頂接合部(TPJ)の活性と神経的に相関した.会話よりドラミングが大きいコントラストの比較もまた右TPJの神経活性を明らかにした.まとめると,ドラミングにより伝達される感情的な内容は,感情的にも行動的にも敏感な方法で右TPJメカニズムに関わることを示唆している.ドラミングは,社会および情動に関わる精神病理学の治療に新規的で効果的な臨床アプローチを提供するかもしれない

ネンキー・インパティブ・ピクチャー・システム:ヨーロッパとイランにおける異文化研究

Nencki Affective Picture System: Cross-Cultural Study in Europe and Iran
Monika Riegel, Abnoos Moslehi, Jaroslaw M. Michalowski, Lukasz Zurawski, Marko Horvat, Marek Wypych, Katarzyna Jednorog, Artur Marchewka
Frontiers in psychology, vol.8, pp.274~288, 2017

従来、感情は普遍的であると仮定されてきたが、最近の研究は、感情の様々な側面が文化的背景によって媒介さ れる可能性があることを示唆している。我々の研究の目的は、視覚的感情刺激の主観的評価の場合に、これらの見 解をテストすることであった。私たちはまた、最近導入されたネンキーの効果的な画像システム(NAPS)データ ベースを異なる文化グループで検証しようとした。文化的に異なるイラン人のサンプルの感情とヨーロッパ人の 感情を比較しようとする試みはこれまでになかったので、40 人のイラン人と 39 人のヨーロッパ人から主観的な評 価を集めた。各文化グループは、規範的な感情評価を提供し、個別の感情に応じて写真を分類するように別々に求 められた。結果を分析して、個々の画像の格付けにおける文化的差異を特定した。 NAPS の 177 枚の写真は、感 情の次元(価数と覚醒)の観点からも、誘発された基本的な感情(幸せ、悲しみ、恐怖、驚き、怒り、嫌悪感)の 強さに関して評価された。国際感情映像システムを用いたこれまでの研究とは対照的に、ヨーロッパ人とイラン 人の私たちの結果は、感情次元の格付けも基礎感情の格付けも文化的グループによって異なっていないことを示 している。しかし、写真(動物、顔、風景、物体、人)の内容は、原子価や覚醒の格付けに大きな影響を与えまし た。これらの知見は、異文化感情研究におけるさらなる研究が刺激の内容を制御すべきであることを示している。

各感情経験による記憶に関わる扁桃体の活性

Event-related activation in the human amygdala associates with later memory for individual emotional experience
The Journal of Neuroscience vol.20(19), pp. RC99-1, 2000
161012 ykohri

感情経験による記憶強化に関わる扁桃体の役割は多くの動物や患者,脳イメージングの研究で調査されている. 特に脳イメージング研究では,エンコーディング中の扁桃体の活性と記憶の間に相関関係があることが発見され た.しかし,これらの研究では個々の刺激に関連した扁桃体の活性と記憶の相互関係が個人によって違いがあるか 知られていない.そこで,本研究では被験者に中性と不快のシーンを見せ,各シーンでどの程度感情を見せるか を調査した.各シーンごとの扁桃体の反応は,被験者の経験や 3 週間後に行った記憶テストの成績と関連があり, 最も強い感情をみせたシーンに最も大きい反応を見せた.また,エンコーディング中の左扁桃体の活性の大きさ は最も強い感情をみせたシーンに反応を見せた.これらの発見は,扁桃体の活性は主観的な感情経験を反映して おり,感情の強さが記憶の強化に関連しているという考えを後押ししている.