聴覚の非空間的なモダリティと視空間モダリティに対するトップダウン注意に関する分離可能なネットワーク

Separable networks for top-down attention to auditory non-spatial and visuospatial modalities
NeuroImage, vol.74, pp.77-86, 2013
20170111 htanaka

認知神経科学における中心的な課題は,注意の配分を制御する単一の神経システムがあるかどうかである.脳 領域における背側の前頭ー頭頂間ネットワークは,あらゆる感覚入力に対するトップダウン注意の仲介役として しばしば提案されている.我々は,トップダウン注意を支える皮質ネットワークが,実際にモダリティに特有し ていて,視空間と聴覚の非空間的なモダリティとではそれぞれ前頭ー頭頂間および前頭ー側頭間のネットワーク が異なって形成されることを示すために,ヒトに対して機能的磁気共鳴画像法を用いた.それに対して,右中前 頭回や下前頭回がモダリティに関係なく注意制御に共通して反応したことを示し,感覚経験とは切り離された抽 象的な注意の構成要素が前頭皮質に限定されたという根拠を示した.

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Variations of response time in a selective attention task
are linked to variations of functional connectivity in the
attentional network
NeuroImage, Volume 54, Issue 1, January 2011, Pages 541-549

一般的に,特定の実験条件内での応答時間(RT)変化は無視されるが,それらは認知および神経プロセスの効
率の重要な変化を反映することがある.本研究では,クロスモーダル選択的注意タスクにおける応答時間(RT)
のtrial-by-trial な変化が,注意基盤と考えられている脳領域間の機能的結合の変化と関連しているかどうかを調
べた.機能的磁気共鳴画像(fMRI)を用いて,健康な若年成人16 名が無関係の聴覚刺激を無視,関係する視覚刺
激に注意する視聴覚選択的注意課題を行う際の脳活動を記録する.予測に沿って,RT の変動は,右背外側前頭前
皮質や後部両側頭頂皮質のような注意制御の基盤に位置する様々な脳部位と前帯状皮質の間の機能的結合の変化
と関連していた.それらはまた,関連モダリティである視覚皮質において,解剖学的に初期の領域と解剖学的に
高次の領域の間の機能的結合の変動に関連し,その伝達は注意制御処理により調節されると考えられる.選択的
注意課題におけるRT の変動は注意ネットワークにおける機能的結合の変動に関連することを明らかにすること
により,本調査結果は注意の変動が行動パフォーマンスのtrial-by-trial の変動に寄与する可能性を示唆している.