両極性障害におけるマスクされた顔面感情処理中の機能的結合

Functional connectivity during masked and unmasked face emotion processing in bipolar disorder
Tseng, Wan-Ling and Thomas, Laura A and Harkins, Elizabeth and Stoddard, Joel and Zarate, Carlos A and Pine, Daniel S and Leibenluft, Ellen and Brotman, Melissa A
Psychiatry Research: Neuroimaging, Vol.258, pp.1-09, 2016
20180109 sikeda

双極性障害(BD)を患う個人における無意識の顔の自動感情処理中の神経の接続性に関してはほとんど知られ ていない.本研究では,BD を患う 14 人の成人および健康なボランティア(HV)14 人が,無意識的,または意 識的に知覚された顔(怒り、幸せ、中立、空白の楕円形)で感情的プライミング作業を行いながら fMRI スキャン を受けた.認識レベルと感情タイプにかかわらず,BD 患者は HV と比較して扁桃体と腹側前頭前野の間における 機能的結合の低下を示した.この接続性の所見は,扁桃体の活性化の相違がない場合に存在する.さらに BD 患 者は HV と比較して内側前頭回で大きな活性を示した.一方,HV は空白の楕円と比較して,怒っている顔と中立 的な顔への活性が少なかった.これらの結果は,感情の評価および発現に関与する領域(中前頭回)に関与する 扁桃体と腹側前頭前野の結合および神経機能障害が、認識レベルに関わらず BD における感情処理の病態生理学 的相関性であり得ることを示唆する.

面と向かい合った会話を行う際の大鬱病性障害患者と双極性障害患者の前頭極の活動の近赤外光研究

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Near-infrared spectroscopic study of frontopolar
activation during face-to-face conversation in major
depressive disorder and bipolar disorder

Elsevier, Journal of psychiatric research, Volume 57, Pages 74-83, 2014

大うつ病性障害(MDD) と双極性障害(BD) の患者は,気分の状態によって大きく異なる発話特徴を示す.こ
れまでの研究では,面と向かい合った会話を行う際,統合失調患者において側頭回と右下前頭回で活動の減少が
見られた.しかしながら,これまでは対面会話における気分障害について調査されなかった.そこで,私たちは
MDD とBD の患者達が会話を行う際の前頭葉と側頭葉の活動を調査した.近赤外光を用いて29 人のMDD 患者,
31 人のBD 患者,そして31 人の健常者の前頭葉と側頭葉を計測した.連続的な活動と急激な変化、そして話し
手・聞き手それぞれのフェーズにおける変化を比較した.また,それらの指標と臨床的変数の相関関係を解析し
た.MDD とBD の両グループは,左DLPFC と左前頭極において連続的に活動が減少した.両側の前頭極におい
て急激な変化も減少傾向を示した.MDD のグループでは,活動の急激な変化とGAF のスコアに正の相関が見ら
れた.一方BD のグループでは,連続的な活動が発症年齢と負の相関を示した.これらの結果は,MDD とBD の
両グループにおいて会話中の前頭部の活動は減少することを示唆している.しかしながら,連続的活動と急激な
変化はMDD とBD の病理生理学的特徴を反映している可能性がある.特に,右前頭極における急激な変化が減
少したことはMDD の適応能力障害と関連があるかもしれない.

Major depression, Bipolar disorder, Mood disorder, Talk, Near-infrared spectroscopy, Social cognition