近赤外分光法を用いた実際の運転中の運転者の脳内ネットワークのEffective Connectivity 解析

Effective Connectivity Analysis of the Brain Network in Drivers during Actual Driving Using Near-Infrared Spectroscopy
Zhian Liu, Ming Zhang, Gongcheng Xu, Congcong Huo, Qitao Tan, Zengyong Li ,and Quan Yuan Frontiers in Behavioral Neuroscience Vol.31 October 2017

自動車の運転は高度な脳機能を必要とする複雑な活動である.本研究は,安静時,単純運転時,自動車追従時の脳ネットワークにおける前頭前野(PFC)、運動関連領域(MA)、および視覚関連領域(VA)の間のEffective Connectivity(EC)の変化を評価することを目的とした.実車実験に参加するために,12 人の若い男性右利き成人が募集された.機能的近赤外分光法(fNIRS)機器を用いることで,酸化ヘモグロビンの信号を連続的に記録した.EC を評価するために,条件付きGranger 因果関係(GC)分析(異なる脳領域間の因果的相互作用を調査することができるデータ駆動型の方法)を実施した.解析の結果は,脳の血行動態活動レベルが認知作業負荷の増加とともに増加することを実証した.PFC,MA,VA 間の接続強度は静止状態から単純運転状態へと移行した際に増加したが,一方で自動車追従作業中に移行した際に相対的に接続強度は減少した.EC においては,PFC が,MA とVA からの因果関係を持つことが示された.しかしながら,左のMA はcar-follow のタスクにおいて因果関係を受ける側になった.これらの知見は,大脳皮質の血行動態活性レベルが認知作業負荷の増加とともに直線的に増加することを示唆している.脳ネットワークのEC は,認知作業負荷によって強化され得るが,タスクの一部で運転することのような過剰な認知作業負荷によっては弱められ可能性がある.