脳は反復的な指の動きをどのように制御するのか

How the brain controls repetitive finger movements
Journal of Physiology-Paris, vol.99, no.1, pp.8–13, 2006
20161011 murakami

物理的・社会的環境における適切な相互作用には正確なタイミング能力が必要である.計画と運動の制御は感覚 同期に密接に関連しているので,同期能力の調査は運動行動の基本原則への洞察を可能にすると考えられる.指 タッピング課題がヒトの行動が外部イベントに関連して同期するのかを研究するために頻繁に用いられている.行 動研究のデータから,それは同期される周辺のイベントではなく,その中心的な表現であると仮定されている.感 覚同期の神経基盤は,最近になって研究されており,まだ十分に理解されていない.本稿では,感覚同期を調査す る神経生理学的研究のレビューデータから感覚同期に関連する神経生理学的プロセスを解明する.このレビュー は,単純で反復的な同期課題に関連した神経活動や脳磁場活動を調査した研究に焦点を当てている.

NIRS によって明らかにされたレスト状態におけるある特定の周波数の機能的結合

Frequency-speci c functional connectivity in the brain during resting state revealed by NIRS
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NeuroImage, Volume 56, Issue 1, 1 May 2011, Pages 252-257

fMRIで観察された自然な血流変化の解析は,レスト中の広く分離する脳領域間の信号変化において,”レスト状態の機能的結合”と呼ばれる時間的相関の存在を明らかにした.最近の研究はこれらの相関がNIRSで計測された血行動態信号の中にもまた存在することを証明した.しかしながら,これには未だ周波数特有の特性がこれらの信号内に存在するか不確かである.本研究では,私たちは多チャンネルNIRSを様々な脳皮質領域間の機能的結合の周波数依存をoxy-Hbとdeoxy-Hb信号の変化を様々な周波数帯域に分解することで調査した.まず,0.009-0.1Hzの広い範囲の中で,私たちはoxy-Hbとdeoxy-Hbの両方で,近い領域同士と反対半球の領域同士で機能的結合を示すことを確認した.次に計測した変化を低い周波数成分に分解することによって,oxy-Hbは0.04-0.1Hzの間で前頭部と後頭部の間に周波数特有の機能的結合が見られたと判断した.機能的結合の結合力を明らかにするために,私たちは選択したチャンネル間の結合度の平均を計算した.このアプローチは前頭部と後頭部間の結合性は0.04-0.1Hzという狭い範囲で高い結合度を示した一方,ある皮質領域の対極半側間のoxy-Hb信号に基づく機能的結合は0.009-0.1Hzの広い範囲で高い結合度を示した.これらの発見は,前頭部と後頭部間の結合では,一事象に対する一般的な血行動態反応の時間尺度が特有の狭い周波数範囲においてのみ高い結合度を示すことから,離れた皮質領域間の過度な神経活動の同期を反映している可能性が示唆された一方で,対極半側領域の結合性は広い周波数領域にわたって,神経解剖学的な直接の接続を通して神経活動の同期を反映している可能性を示唆した.本研究はNIRSがレスト中の皮質のネットワーク特性を明らかにする強力な手法をもたらすことを示した.