本質的な機能的結合性MRIに対する頭部運動の影響

The influence of head motion on intrinsic functional connectivity MRI
ScienceDirect, Vol.59, No.1, 431–438, 2012
20170425 sishida

機能的結合性MRI(fcMRI)は集団や個人の違いを探索するために広く適応されている.混乱の要因の一つは頭部の動きである.子供は大人よりも,老人は若者より動きます.そして,患者は健常者よりも動く.頭部の動きは同じ母集団内の個人間でかなり異なる.ここでは頭部運動がfcMRIの推定に及ぼす影響について調査した.1000人の健康な若年成人被験者を3Tで2回の安静時状態をスキャンして頭部の変異の平均,最大値,微小な運動の回数($>$ 0.1mm)および頭部の回転を推定した.被験者間のfcMRIの変化の大部分は頭部の動きと関連はしていなかった.しかしながら,頭部の動きは意義深く,fcMRIネットワーク計測で系統的効果を示した.関連皮質の分布領域間の結合によって特徴づけられる2つのネットワークであるデフォルトと前頭側部制御ネットワークの機能的結合の低下に頭部の動きは関連していた.局所的な機能的結合や左右の運動領域(特異性を確立するための研究で対照として用いられることもある領域対)の結合の推定を含む他のネットワーク測定値は運動とともに増加した.微妙に異なる頭部運動のレベルでの個体の群間比較は他の状況におけるニューロン効果と誤解される可能性のある異なるマップが得られた.集団と個人間の差異を解釈するときに考慮するためにこれらの影響は重要である.

人間の大脳皮質におけるリッチクラブ組織のコストと利益に関与する構造的および機能的側面

Structural and Functional Aspects
Relating to Cost and Bene t of Rich Club Organization
in the Human Cerebral Cortex
Cerebral cortex, vol. 24, no. 9, pp. 2258-2267, 201420170212 mmizuno

最近の研究では,連結された脳領域の小さなセットが,皮質領域間の効率的な通信を可能にする中心的な役割を果たし,密接に相互接続された「リッチクラブ」を形成することが示されている.しかし,リッチクラブの密度と空間的レイアウトが脳構造の高価な特徴を構成することも示唆されている.そこで,解剖学的T1 拡散テンソルイメージング,磁気イメージング,およびfMRI を組み合わせて,いくつかの側面から脳のリッチクラブの構造的および機能的連結性を調べた.本研究において,リッチクラブ領域とリッチクラブの結合は,高い結合レベル,高い白質組織のレベル,高いレベルの代謝エネルギー使用,長い成熟軌道,より多様な領域の時系列変化,より多くの領域間の機能的結合を示唆する.つまり,これらの構造的かつ機能的な尺度から,リッチクラブ組織が,脳の資源に大きな負担をかける脳構造の高コストの特徴であることを示している.しかしながら,リッチ・クラブの高いコストは,リッチ・クラブが脳ネットワーク全体に与える重要な機能的利益によって相殺されるのかもしれない.

機能的結合によって推定されるヒトの大脳皮質のネットワーク

The organization of the human cerebral cortex
estimated by intrinsic functional connectivity

Journal of neurophysiology, vol.106, No.3, p.1125-1165

大脳皮質の情報処理は,分散された領域間で相互作用を伴う.解剖学的接続はある特定の領域が視覚システムのようなローカルの階層関係を形成しているということを示唆している.他の連結性パターン,特に連合野の間で,はっきりした階層的な大規模な回路の存在を示唆している.この研究では、ヒトの大脳におけるネットワークの構成はresting-state-fMRIを用いて調査した.1000名の被験者データは表面ベースの調整を使って位置合わせを行った.クラスタリング手法は大脳皮質全体に機能的に連結された領域のネットワークを識別するために使用された.結果は,感覚および運動皮質ならびに関連領域の分散ネットワークに狭いローカル・ネットワークを明らかにした.感覚と運動皮質内では,機能的な接続は隣接する領域全体の位置特異的な表示を行った.連合野において,連結性パターンはネットワーク境界の間に急激な遷移を示した.重点的な分析は,よりよくネットワーク連結性の特性を理解するために行われた.一次視覚野のMT+複合体,頭頂間溝,前頭眼運動野を含む標準的な感覚運動経路は,どのような相互作用が内及びネットワーク間に発生するのかを調査するために分析した,結果は,MT+複合体の隣接領域は,ネットワークにまたがる階層的な経路と一致して接続されていることが示された.頭頂と前頭前野関連皮質の機能的接続は次の調査が行われた.隣接領域の個々の接続特性は,それらが相互作用の証拠を示しながら,大部分が平行で,分散ネットワークに関係することが示唆されている.私たちは認知をサポートするために,猿の解剖学とヒトにおける潜在的進化の拡大に関して,これらの大規模な脳のネットワークの組織化を議論することによって結論付ける.

20150804 sohtani

ヒューマンコネークトームのリッチクラブ組織

Rich-Club Organization of the Human Connectome
The Journal of Neuroscience, vol.31, no.44, pp.15775–15786, 2011
ヒトの脳は結合された領域の複雑なネットワークである.近年の研究は,異なった領域間のネットワークの間のグローバルな情報統合において重要な役割を担う領域である,密に結合され,高い中心性をもつ新皮質のハブ領域の存在を示している.これらのハブ領域の潜在的で機能的な重要性は,これらの構造および機能的なコネクティビティの外形の障害が神経病理学と結びついていると示している近年の研究により強調される.本研究は脳の皮質下と新皮質の両方を図示し,特にそれらの構造的リンクにおいて,それらの相互関係を調査する.ここでは,脳ハブがいわゆるリッチクラブを形成し,次数の大きいノードが次数の低いノードよりもそれら自身でより結合している傾向によって特徴付けられ,脳ネットワークの高次なトポロジーにおける重要な情報を提供することを示す.21人の被験者の全脳の構造的ネットワークは拡散テンソルデータを用いて再現される.これらのネットワークのコネクティビティプロファイルの調査は12の強く相互接続された両側半球のハブ領域を明らかにし,皮質下の海馬,被殻,および視床だけでなく,楔前部とより上前頭,およびより上頭頂皮質から成っていた.重要なことに,これらのハブ領域は,次数のみに基づいて予測されるものより,密に相互接続され,リッチクラブを形成する.本稿では,特に情報の統合と構造的コアへの協議ロバストネスの役割について,ヒューマンコネクトームのリッチクラブ組織の潜在的で機能的な意味を議論する.

20150707sobuchi

人間の大脳皮質におけるリッチクラブ組織のコストとベネフィットに関する構造的・機能的な側面

20150407sobuchi

Structural and Functional Aspects Relating to Cost and
Bene t of Rich Club Organization in the Human
Cerebral Cortex

Guusje Collin, Olaf Sporns, Rene C.W. Mandl, and Martijn P. van den Heuvel
Cerebral Cortex, vol.24, pp.2258–2267, 2014

近年の調査結果によると,高度に結合された脳領域の組み合わせは皮質領域間の効率的な伝達を可能にする役
割を担う可能性があることを示している.そして,ともになって密な相互接続である「リッチクラブ」を形成す
る.しかしながら,リッチクラブの密度や空間的配置はまた脳構造のコストの高い特徴を構成することを示唆し
ている.本稿では,構造的T1,拡散テンソル画像法,magnetic transfer imaging,そして機能的磁気共鳴画像法
を結合し,脳のリッチクラブに関する構造的・機能的コネクティビティのいくつかの側面を検討した.結果,リッ
チクラブ領域とリッチクラブな結合は高度なワイヤリング構造,高度な白質形態,多くの代謝エナジーの利用,長
い成熟した神経線維,より多くの価値のある領域的時系列,そしてより多くの領域内機能的カップリングを示す.
まとめると,これらの構造的・機能的測定は脳のリソースに対して,大きな負担を与える脳構造のコストの高い
特徴を示すというリッチクラブ組織の概念をひろげる.しかしながら,リッチクラブの大きなコストは全脳のネッ
トワークにも寄与するリッチクラブの重要な機能的なベネフィットによって補われる.

注意欠陥/多動性障害における機能およびコネクトームのイメージング

Imaging Functional and Structural Brain Connectomics
in Attention-De cit/Hyperactivity Disorder

Cao, Miao and Shu, Ni and Cao, Qingjiu and Wang, Yufeng and He, Yong

Molecular neurobiology, 2014, vol.50, no.3, p.1111-1123.

注意欠陥/多動性障害(ADHD)は,小児期の最も一般的な神経発達障害の一つである.臨床的に,この障害の
中核症状は不注意,多動,衝動性が含まれる.以前の研究では,ADHD の子供において,これらの障害は脳の領
域の異常だけでなく,領域間で機能的および構造的つながりの変更にも関連されるということが報告されている.
過去数年間では,グラフ理論的なアプローチと結合して非侵襲性の神経生理学的および神経画像処理技術(例え
ば、脳波計、機能的なMRI と拡散MRI)を用いた大規模な脳のネットワーク(コネクトーム)の位相的な変更
をマッピングすることによって,ADHD がどのように脳の連結性に影響を及ぼすかという研究がおおいに進めら
れた. 本報告では、我々は大規模な脳のシステムのグラフィック分析に焦点を当て、ADHD における機能的およ
び構造的なコネクトームの最近の進歩をまとめる.収束の証拠は,ADHD の子どもたちが規則的な構成に向けて,
ネットワークトポロジーの障害関連のシフトを示唆して,より高いクラスタ形成と低いグローバル整合性によっ
て特徴づけ,機能的および構造的脳ネットワークの両方で異常なスモールワールド特性を有していたことが示唆
された.さらに、ADHD の子供たちは,デフォルト・モード,注意と感覚運動システムを含んでいる領域のノー
ドと連結性の再分配を示した.重要なことに,これらのADHD 関連の変化は,かなり行動障害(例えば、不注意
と多動/衝動性の徴候)と相関して,臨床サブタイプの間で他と異なるパターンを示した.これらのコネクトーム
ベースの研究は,ADHD で脳のネットワーク機能障害を強調する.したがって,我々がこの障害の病態生理学的
機序を理解することに新しいウインドウを開ける.これらの研究には,ADHD で臨床診断と処置評価のためにも
イメージング・ベースのバイオマーカーの発展に関して,重要な部分があるかもしれないと考えられる.

複雑なブレインネットワークの構造と機能

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Structure and function of complex brain networks
Dialogues in clinical neuroscience, vol.15, no.3, pp.247-262, 2013
増加している理論的で実験的な研究はネットワークの観点から脳の機能の解明に近づいている.ブレインネット
ワークの解析は新たなイメージング手法や,グラフ理論とダイナミックシステムからなる新たなツールの発展に
よって可能となった.本総説ではこれらの理論的進展のいくつかを概観し,構造的・機能的ブレインネットワーク
の構成に関する最近の知見を要約する.構造的コネクトームの研究はいくつかのモジュールあるいはモジュール
間の伝達処理を仲介するハブ領域によって連結されたネットワークコミュニティを明らかにする.近年のネット
ワーク解析はネットワークハブが収集し,分散するシグナル伝達のために中心的に位置されたリッチクラブとよ
ばれる密に結合された集合体を形成することを示している.レスティングとタスクによる神経活動の記録は,明
確な認知領域における機能に寄与するレスティングステイトのネットワークが明らかにされてきている.ネット
ワーク手法は臨床環境においてさらに適用され,脳と精神障害の神経基盤の解明について議論されている.

複雑脳ネットワーク:構造的・機能的システムのグラフ理論解析

Complex brain networks: graph theoretical analysis of structural and functional systems

グラフ理論を基盤とする定量的複雑ネットワーク解析の発展は脳内ネットワークに応用されている.脳の構造的・機能的システムは人間のニューロイメージングの全脳スケールや動物の細胞スケールにおいて,スモールワールド性(ハブとモジュラリティが高度に結合する)のような複雑なネットワークの特徴をもつ.本稿では,様々なモダリティ(sMRIやfMRI,DTI,そしてEEG)における複雑脳ネットワークの研究をレビューし,グラフ理論の基礎原理のイントロを紹介する.また,我々はいくつかの技術的挑戦と将来生じるであろう問題を取り上げる.

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