予測ネットワークモデルによる注意の特性化

Characterizing Attention with Predictive Network Models
Rosenberg, MD and Finn, ES and Scheinost, D and Constable, RT and Chun, MM Trends in cognitive sciences, vol.21, no.4, pp.290–302, 2017

神経画像データのほとんどがグループレベルの分析を行い,ヒトの脳内における注意システムが説明されている.fMRIの研究は,個別の評価,診断,予測などの重要な科学的および実用的な利益をもたらす単一被験者レベルの分析に向かっている.最近の研究では,機能的脳ネットワークに基づいたモデルが,個々の人々がどれだけ注意を払っているかを予測できることが示されています.予測モデルは,注意が脳のネットワーク特性であり,注意の神経基盤が,明確なタスクに従事していないときに測定できるという経験的証拠を提供する.今後,注意と他の認知能力の接続ベースの予測モデルは,臨床機能障害の評価,診断,治療を改善する可能性がある.最近の研究では,大規模な脳ネットワークの機能的接続に基づくモデルが個人の注意能力を予測できることが示されている.認知機能の最初の一般化可能なニューロマーカーである一方で,これらのモデルは注意の基本的な理解を知らせ,以下の経験的証拠を提供する.(i)注意は脳計算のネットワーク特性である.(ii)人々が明確なタスクに従事していないときに注意の基礎となる機能構造を測定できる.(iii)この構造は,いくつかのタスクに共通であり注意欠陥多動性障害(ADHD)に障害がある一般的な注意力をサポートする.

resting-state時のfMRI機能的結合ネットワークにおける比例閾値処理とpatient-controlコネクトーム研究の結果:問題と推奨事項について

Proportional thresholding in resting-state fMRI functional connectivity networks and consequences for patient-control connectome studies: Issues and recommendations
van den Heuvel, Martijn P and de Lange, Siemon C and Zalesky, Andrew and Seguin, Caio and Yeo, BT Thomas and Schmidt, Ruben Neuroimage, vol. 152, pp. 437-449, 15 May 2017

グラフ理論分析は,神経学的および精神医学的脳障害における脳の切断性の検査における重要なツールとなっている. 機能的グラフまたはネットワークの構築における一般的な分析手順には,接続性マトリックスの「閾値設定」が含まれ,ネットワーク組織が評価されるグラフ形成のエッジセットを選択する.エッジの絶対数の系統的な違いを避けるために,case-control研究で「絶対閾値」の使用に反対し,代わりに、データセット全体で等しいネットワーク密度を確保する「比例閾値」の使用を提案した.ここでは,機能的マトリックスの構築とそれに続くpatient-control機能的コネクトーム研究においてグラフ分析に対する比例閾値の影響を体系的に研究した. いくつかの簡単な実験で,patient-control間でよく見られる機能的接続性(FC)の全体的な強度の違いが,ネットワーク組織のグループ間の違いに予測可能な結果をもたらすことがあることを示す. 全体的なFCが低い個々のネットワークでは,比例閾値アルゴリズムは,低い相関に基づいてより多くのエッジを選択する必要がある.経験的および人工的なpatient-controlデータセット全体で,patientまたはcontroalグループのFC全体のレベルが低いと,ネットワーク効率とクラスタリングに違いが生じることが多く,被験者間のFCの違いは人為的に膨らまされるか,またはネットワーク組織の違いに変換されることを示唆している.我々はpatient-control研究における比例閾値の注意事項について通知する.patient-control研究では,グループはFC全体でグループ間差を示す.将来のpatient-contro機能的コネクトーム研究において,FCの全体的な影響を調べ,報告し,考慮にする方法について勧告を行う.

低ランク学習を使用した個々のコネクトーム特性の分離

Dissociating individual connectome traits using low-rank learning
Jian Qin, Hui Shen, Ling-Li Zeng, Kai Gao, Zhiguo Luo, Dewen H Brain Research, Volume 1722, 1, Pages 146348, 2019

固有の機能的接続は,個人間で高い変動性を示し,これは認知能力と行動能力の多様性を説明する可能性がある.この接続性の変動は、個々の特性およびセッション間状態の違い,および少量のノイズに起因する可能性がある.ただし,機能的結合から接続特性の正確な識別を実行することは依然として課題である.ここでは,被験者内の差を減らすことができる新しい制約項目でこの問題を解決するために,新しい低ランクの学習モデルを導入した.このモデルは,機能的結合を,個体群全体に共通する機能特性と、個々の行動の違いを説明すると予想される接続特性を描写する基質に分離することができる.その後,抽出された接続特性に対してスパース辞書学習アルゴリズムを実行し,接続辞書という名前の辞書マトリックスを取得した.次に,元の機能的結合よりも接続辞書を使用して,流体的知性,口頭での認識,握力,怒りなどの認知行動をより正確に予測できた.結果は,認知行動をより効果的に表す個々の接続特性を抽出したことを反映している.さらに,機能的基質は大規模な解剖学的脳構造と有意に相関しており,接続性特性の個人差は接続性基質によって制約されることがわかった.我々の調査結果は,解剖学,機能,および行動間の関係についての理解を深めるかもしれない.

静止状態の機能的接続性データの前処理におけるモーションアーチファクトの制御のためのコンフラウンド回帰およびフィルタリングのための改良されたフレームワーク

An improved framework for confound regression and filtering for control of motion artifact in the preprocessing of resting-state functional connectivity data
Satterthwaite, Theodore D and Elliott, Mark A and Gerraty, Raphael T and Ruparel, Kosha and Loughead, James and Calkins, Monica E and Eickhoff, Simon B and Hakonarson, Hakon and Gur, Ruben C and Gur, Raquel E and others
Neuroimage, Vol. 64, pp.240-256, 2013

大規模で独立したサンプルのいくつかの最近の報告で,静止状態の機能的接続性MRI(rsfc-MRI)にモーションアーチファクトの影響が示されている.標準的なrsfc-MRI前処理は,混合信号の回帰およびバンドパスフィルタリングを含む.しかしながら,これらの技法が研究を通してどのように実施されるかについて多くの不明瞭な点が存在し,先行研究では,運動誘導アーチファクトの制御に対する異なるアプローチの効果を検討できていない.スキャナ内の頭部運動がrsfc-MRIデータにどのように影響するかをより良く理解するために,348人の青少年のサンプルにおける動きアーチファクトの空間的,時間的,およびスペクトル的特徴を説明する.解析手法はボクセル単位で頭部運動を記述するための新規な手法を用いた.次に,動き誘起アーチファクトの制御のための一連の混乱回帰およびフィルタリング技術の有効性を体系的に評価する.結果は動きの制御に対する前処理手順の効果が複数あり,改善された前処理が典型的な手順を超えて実質的な利益をもたらすことを示している.これらの結果は,rsfc-MRIに対する運動の影響が改善された前処理手順によって実質的に減衰され得るが,完全に除去されないことを実証する.

正負の感情処理は情動的な画像の表示中に解離可能な機能ハブを示す

Positive and negative affective processing exhibit dissociable functional hubs during the viewing of affective pictures
Fekete, Tomer and Beacher, Felix DCC and Cha, Jiook and Rubin, Denis and Mujica-Parodi, Lilianne R
Human brain mapping, Vol.36, pp.415-426, 2015
20171116 sikeda

グラフ理論の指標を用いた最近のレスティングステイトにおける機能磁気共鳴イメージング(fMRI)研究は, 人間の脳機能ネットワークは,スモールワールドの特徴を有し,いくつかの機能的なハブ領域を含むことを明ら かにした.しかし,感情情報の処理中に感情的脳機能ネットワークが脳内でどのように組織されているかは不明 である.本研究では,健康な大学生 25 名から fMRI データを収集し,合計 81 の陽性,中立,陰性の画像を観察 した.結果は、感情的機能ネットワークは局所的効率がより高い弱いスモールワールドの特性を示し,それは感 情的な映像を見ている間に局所的接続が増加することを意味する.さらに,ポジティブおよびネガティブな感情 処理は,主にポジティブタスク領域に出現する解離可能な機能ハブを示す.これらの機能ハブは,情報処理の中心 であり,ネットワークの平均の重心より少なくとも 1.5 倍大きいノード間の重心値を有する.快の感情ネットワー クにおけるポジティブな影響スコアは,右眼窩前頭皮質と右被殻の間の値と相関を示し,不快情動ネットワーク におけるネガティブな影響スコアは,左眼窩前頭皮質と左扁桃の間の値と相関した.左上頭頂葉および下頭頂葉 における局所効率は,その後の陽性および陰性画像の覚醒評価とそれぞれ相関を示した.これらの結果は,感情 情報の処理中における人間の脳機能結合の組織原理の重要な証拠を提供する.

本質的な機能的結合性MRIに対する頭部運動の影響

The influence of head motion on intrinsic functional connectivity MRI
ScienceDirect, Vol.59, No.1, 431–438, 2012
20170425 sishida

機能的結合性MRI(fcMRI)は集団や個人の違いを探索するために広く適応されている.混乱の要因の一つは頭部の動きである.子供は大人よりも,老人は若者より動きます.そして,患者は健常者よりも動く.頭部の動きは同じ母集団内の個人間でかなり異なる.ここでは頭部運動がfcMRIの推定に及ぼす影響について調査した.1000人の健康な若年成人被験者を3Tで2回の安静時状態をスキャンして頭部の変異の平均,最大値,微小な運動の回数($>$ 0.1mm)および頭部の回転を推定した.被験者間のfcMRIの変化の大部分は頭部の動きと関連はしていなかった.しかしながら,頭部の動きは意義深く,fcMRIネットワーク計測で系統的効果を示した.関連皮質の分布領域間の結合によって特徴づけられる2つのネットワークであるデフォルトと前頭側部制御ネットワークの機能的結合の低下に頭部の動きは関連していた.局所的な機能的結合や左右の運動領域(特異性を確立するための研究で対照として用いられることもある領域対)の結合の推定を含む他のネットワーク測定値は運動とともに増加した.微妙に異なる頭部運動のレベルでの個体の群間比較は他の状況におけるニューロン効果と誤解される可能性のある異なるマップが得られた.集団と個人間の差異を解釈するときに考慮するためにこれらの影響は重要である.

人間の大脳皮質におけるリッチクラブ組織のコストと利益に関与する構造的および機能的側面

Structural and Functional Aspects
Relating to Cost and Bene t of Rich Club Organization
in the Human Cerebral Cortex
Cerebral cortex, vol. 24, no. 9, pp. 2258-2267, 201420170212 mmizuno

最近の研究では,連結された脳領域の小さなセットが,皮質領域間の効率的な通信を可能にする中心的な役割を果たし,密接に相互接続された「リッチクラブ」を形成することが示されている.しかし,リッチクラブの密度と空間的レイアウトが脳構造の高価な特徴を構成することも示唆されている.そこで,解剖学的T1 拡散テンソルイメージング,磁気イメージング,およびfMRI を組み合わせて,いくつかの側面から脳のリッチクラブの構造的および機能的連結性を調べた.本研究において,リッチクラブ領域とリッチクラブの結合は,高い結合レベル,高い白質組織のレベル,高いレベルの代謝エネルギー使用,長い成熟軌道,より多様な領域の時系列変化,より多くの領域間の機能的結合を示唆する.つまり,これらの構造的かつ機能的な尺度から,リッチクラブ組織が,脳の資源に大きな負担をかける脳構造の高コストの特徴であることを示している.しかしながら,リッチ・クラブの高いコストは,リッチ・クラブが脳ネットワーク全体に与える重要な機能的利益によって相殺されるのかもしれない.

機能的結合によって推定されるヒトの大脳皮質のネットワーク

The organization of the human cerebral cortex
estimated by intrinsic functional connectivity

Journal of neurophysiology, vol.106, No.3, p.1125-1165

大脳皮質の情報処理は,分散された領域間で相互作用を伴う.解剖学的接続はある特定の領域が視覚システムのようなローカルの階層関係を形成しているということを示唆している.他の連結性パターン,特に連合野の間で,はっきりした階層的な大規模な回路の存在を示唆している.この研究では、ヒトの大脳におけるネットワークの構成はresting-state-fMRIを用いて調査した.1000名の被験者データは表面ベースの調整を使って位置合わせを行った.クラスタリング手法は大脳皮質全体に機能的に連結された領域のネットワークを識別するために使用された.結果は,感覚および運動皮質ならびに関連領域の分散ネットワークに狭いローカル・ネットワークを明らかにした.感覚と運動皮質内では,機能的な接続は隣接する領域全体の位置特異的な表示を行った.連合野において,連結性パターンはネットワーク境界の間に急激な遷移を示した.重点的な分析は,よりよくネットワーク連結性の特性を理解するために行われた.一次視覚野のMT+複合体,頭頂間溝,前頭眼運動野を含む標準的な感覚運動経路は,どのような相互作用が内及びネットワーク間に発生するのかを調査するために分析した,結果は,MT+複合体の隣接領域は,ネットワークにまたがる階層的な経路と一致して接続されていることが示された.頭頂と前頭前野関連皮質の機能的接続は次の調査が行われた.隣接領域の個々の接続特性は,それらが相互作用の証拠を示しながら,大部分が平行で,分散ネットワークに関係することが示唆されている.私たちは認知をサポートするために,猿の解剖学とヒトにおける潜在的進化の拡大に関して,これらの大規模な脳のネットワークの組織化を議論することによって結論付ける.

20150804 sohtani

ヒューマンコネークトームのリッチクラブ組織

Rich-Club Organization of the Human Connectome
The Journal of Neuroscience, vol.31, no.44, pp.15775–15786, 2011
ヒトの脳は結合された領域の複雑なネットワークである.近年の研究は,異なった領域間のネットワークの間のグローバルな情報統合において重要な役割を担う領域である,密に結合され,高い中心性をもつ新皮質のハブ領域の存在を示している.これらのハブ領域の潜在的で機能的な重要性は,これらの構造および機能的なコネクティビティの外形の障害が神経病理学と結びついていると示している近年の研究により強調される.本研究は脳の皮質下と新皮質の両方を図示し,特にそれらの構造的リンクにおいて,それらの相互関係を調査する.ここでは,脳ハブがいわゆるリッチクラブを形成し,次数の大きいノードが次数の低いノードよりもそれら自身でより結合している傾向によって特徴付けられ,脳ネットワークの高次なトポロジーにおける重要な情報を提供することを示す.21人の被験者の全脳の構造的ネットワークは拡散テンソルデータを用いて再現される.これらのネットワークのコネクティビティプロファイルの調査は12の強く相互接続された両側半球のハブ領域を明らかにし,皮質下の海馬,被殻,および視床だけでなく,楔前部とより上前頭,およびより上頭頂皮質から成っていた.重要なことに,これらのハブ領域は,次数のみに基づいて予測されるものより,密に相互接続され,リッチクラブを形成する.本稿では,特に情報の統合と構造的コアへの協議ロバストネスの役割について,ヒューマンコネクトームのリッチクラブ組織の潜在的で機能的な意味を議論する.

20150707sobuchi

人間の大脳皮質におけるリッチクラブ組織のコストとベネフィットに関する構造的・機能的な側面

20150407sobuchi

Structural and Functional Aspects Relating to Cost and
Bene t of Rich Club Organization in the Human
Cerebral Cortex

Guusje Collin, Olaf Sporns, Rene C.W. Mandl, and Martijn P. van den Heuvel
Cerebral Cortex, vol.24, pp.2258–2267, 2014

近年の調査結果によると,高度に結合された脳領域の組み合わせは皮質領域間の効率的な伝達を可能にする役
割を担う可能性があることを示している.そして,ともになって密な相互接続である「リッチクラブ」を形成す
る.しかしながら,リッチクラブの密度や空間的配置はまた脳構造のコストの高い特徴を構成することを示唆し
ている.本稿では,構造的T1,拡散テンソル画像法,magnetic transfer imaging,そして機能的磁気共鳴画像法
を結合し,脳のリッチクラブに関する構造的・機能的コネクティビティのいくつかの側面を検討した.結果,リッ
チクラブ領域とリッチクラブな結合は高度なワイヤリング構造,高度な白質形態,多くの代謝エナジーの利用,長
い成熟した神経線維,より多くの価値のある領域的時系列,そしてより多くの領域内機能的カップリングを示す.
まとめると,これらの構造的・機能的測定は脳のリソースに対して,大きな負担を与える脳構造のコストの高い
特徴を示すというリッチクラブ組織の概念をひろげる.しかしながら,リッチクラブの大きなコストは全脳のネッ
トワークにも寄与するリッチクラブの重要な機能的なベネフィットによって補われる.