拡散テンソルイメージングへのB 行列空間分布手法の理論的検証

A theoretical validation of the B-matrix spatial distribution approach to diffusion tensor imaging
Magnetic Resonance Imaging,vol. 36,pp.1-6,2017
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近年発表されたB行列空間分布(BSD)手法は,空間におけるB行列の実際の分布を得る較正技術である.
B行列の空間的変動を考慮すると,拡散テンソルイメージング(DTI)の精度が向上すると主張されている.
本研究の目的は,コンピュータシミュレーションによってこの手法を理論的に検証することである.
B行列の3つの異なる空間分布を仮定すると,モデルの異方性ファントムの6つの方位について拡散重み付き信号が計算された.
続いて,BSD較正の2つの変形が3つの場合のそれぞれについて実行された.
ファントムのモデル(uBSD-DTI)の高い均一性を前提としたものと,他はファントム構造(BSD-DTI)における不完全性を考慮したものである.ファントムの均一性の程度の異なるいくつかのケースを分析し,得られたB行列の分布を等方性ファントムモデルの拡散テンソル計算に用いた.結果を標準拡散テンソル計算と比較した.シミュレーションにより,較正後の拡散テンソルの決定における精度の向上が確認された.BSD-DTIは,ファントムの均一度とB行列の不均一性の両方に関係なく精度を向上させた.B行列の空間分布におけるファントムおよび歪みの比較的良好な均一性の場合には,uBSD-DTI手法で十分である.

MRI ファントム–寒天の代わりはあるか?

MRI Phantoms–Are There Alternatives to Agar?
PloS one,vol. 8,no. 8,pp. e70343,2013
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MRI ファントムのような異なるゲル化剤の適合性の,均一性やゲル安定性,再現性の観点が評価された. 作成のための時間と労力も考慮した.様々なゲル組成物の緩和時間を推定した.Carbomer-980,Carbopol-974P は有望な新規ファントムの材料であると判断された.これらのゲル化剤は,容易に入手でき,安価であり,熱 処理が必要でないため,簡単に取り扱える.また,それらのポリマー網目構造の粘弾性は pH 依存性である.このような特性により,繊細な物を埋め込むと試験後にそれらを取り出すことも可能であった.これは,拡散強調 MRI用の繊維ファントムを用いて証明された.Carbomer-980,Carbopol-974Pは無害であるため,それらはマルチモーダルセットアップするのに適している.

拡散テンソル MRI を使用した制約付き圧縮センシングとの交叉線維の解決

Resolution of crossing fibers with constrained compressed sensing using diffusion tensor MRI
NeuroImage,vol. 59,no. 3,pp.2175-2186,2015
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拡散テンソルイメージング(DTI)は,組織マイクロアーキテクチャおよび脳のコネクティビティを特徴付け るために広く使用される.ところが,交叉線維の領域内では,ボクセル内の複数の独立した向きを表せないため, テンソルモデルは失敗する.この問題を解決するために提案されている方法の多くは,多くの角度や高い b 値が 問題である日常的な臨床イメージングおよび多くの科学的研究を含む拡散磁気共鳴イメージング(MRI)データ を必要とする.我々は,迅速かつ日常診療所で取得することができる拡散 MRI データを用いて,交叉線維を解決 できる圧縮センシングに基づく手法を提示する.この方法は,観測されたデータが,異なる向きを有する一定の 収集可能なテンソルから取られたテンソルの線形の組み合わせを使用して,よく適合することを前提としている. 階層的な圧縮センシングアルゴリズムに基づいた最良の方向を計算する高速アルゴリズムと推定された方向を比 較する新しい測定基準が提案されている.このアプローチの性能は,シミュレーションや生体内画像の両方を用い て実証される.この方法は,従来のデータとともに,かなり多くの画像取得時間を必要とする多くの豊かなデー タを使用し,標準的な Q ボールを用いて,交差繊維を解決するために観察された.

従来の MRI から白質の微細構造の統計的推定

Statistical estimation of white matter microstructure from conventional MRI
UPENN BIOSTATISTICS WORKING PAPERS, VBol.44, 2015

拡散テンソル画像法(DTI)は,多発性硬化症(MS),および他の神経障害において白質の整合性を研究するた めの主要なモダリティとなっている.残念ながら,大規模な多施設研究で DTI ベースのバイオマーカーの使用は, 疾患に関連する変化の研究を混乱させる系統的バイアスによって妨げられている.また,多施設研究でサイト間の ばらつきは従来のMRIベースのマーカーに比べDTIのほうが大きい.私たちの研究では,MD,FA,RD,ADの 4 つの DTI の指標を推定するために ”the Quantitative MR Estimation Employing Normalization”(QUEEN) モデルを適用する.QuEEn モデルは,DTI などの量的モダリティと 1 つまたは複数の従来の MRI モダリティの 標準化された強度と関連付けるために,ボクセルワイズ一般化加法回帰モデルを使用している.私たちは,2 組 の検査をした被験者の検査と再検査のエラーから推定される DTI 画像の予測誤差を比較することにより,モデル の精度を評価する.4 つの DTI 指標から,MD と RD の両方の推定は,非常に正確であるように思われる.また, AD の推定は MD と RD より不正確である.そして,FA の推定の精度は悪い.このように,モデルの性能は一貫 していない.従って,白質の整合性を評価するいくつかの場合には,従来の MRI シーケンスだけを取得するには 充分である

拡散異方性ファントムを用いた評価:拡散テンソル画像法における拡散異方性の定量化とみかけの拡散係数を 用いた MR パラメータの変更が及ぼす影響

Effects of MR Parameter Changes on the Quantification of Diffusion Anisotropy and Apparent Diffusion Coefficient in Diffusion Tensor Imaging: Evaluation Using a Diffusional Anisotropic Phantom
Magnetic resonance imaging,vol. 27,no. 4,pp.541-548,2009
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DTI 線維ファントムの特性である液体と線維間の磁化率の違いが及ぼす影響を調べた.それに対して,安価で 簡単に製造可能な機械製の DTI 線維ファントムは,円形のアクリルガラスの紡錘に直径 15 μ m のポリアミド線 維を巻くことで作成された.達成した異方性比率は 0.78 ± 0.02 であった.ファントム測定とモンテカルロシミュ レーションにより,線維と液体の磁化率が同一でない場合,横緩和時間 T2 は線維と B0 フィールドの間の角度に 強く依存することが示された.ファントムでは,3T で測定された T2 時間は B0 に垂直に走行している線維を 60 %減少した.モンテカルロシミュレーションは,この結果を確認して正確な緩和時間は,正確な線維の充填に強 く依存することを明らかにした.ファントムでは,測定された拡散は線維方向とは無関係であった.モンテカル ロシミュレーションでは,拡散は 3 T で立方に充填することで 50 %以上過小評価されることから,測定された拡 散は正確に線維を充填することに強く依存し,測定された拡散の電界強度と配向との依存関係は,六角形に充填 することで最小になる可能性があることが明らかになった.これらの影響を克服するため,液体と線維の磁化率 は塩化ナトリウム水溶液(1kg の水に対して 83g の NaCl)を用いることで一致させた.これにより,評価目的の ために方向とは無関係な信頼性の高い DTI ファントムの使用を可能になる.

2 つの結合によってより大きな前進が見込める:構造的結合と安静自機能的結合を組み合わせた研究のレビュー

Greater than the sum of its parts: a review of studies combining structural connectivity and resting-state
functional connectivity Brain Structure and Function, Vol.213, No.6, 525{533, 2009
20160402 rhagiwara

一般的に脳の機能的結合は脳の構造的結合を反映していると考えられている.しかしながら,構造と機能の間の正確な関係は,簡単なものではない.このレビューでは,「安静時」の脳における構造と機能間の関係の理解がこの数年間でどのように前進したかを調査することを目指す.安静時機能的結合と構造的結合を直接比較する8つの論文と,大脳半球間の白質結合が少ない患者の3つの臨床例の研究について議論する.調査したすべての研究は主として同様の結果を示す.それは安静時機能的結合の強さは,構造的結合の強さと正の相関を示すということである.しかしながら,機能的結合は構造的結合が少ないあるいはない領域間でも観察され,それは間接的な構造的結合によって媒介される(第3領域を介して)機能的相関を示す.構造的かつ機能的結合を計測する方法論は改善し続け,両結合の相補的な特徴を考慮して適用することによって,アルツハイマー病,多発性硬化症,および脳卒中のような病気の診断や予後への重要となる前進が期待できる.

機能ネットワークと視空間の構造的な接続と視認知ワーキングメモリ

Functional networks and structural connectivity of visuospatial and visuoperceptual working memory
Frontiers in Human Neuroscience, vol.9, p.340, 2015.
20151026 sohtani

健常者におけるワーキングメモリ(WM)の神経相関は,広範囲にわたって機能的MRIを使用して研究されてきた.しかし,白質線維束によって繋がっている機能WMネットワークの一部を形成する領域がどのように接続されているかは明らかになっていない.そして,微細構造特性およびこれらの接続の方向性を指標として使用するDTI計測は,タスク成績で個人差を予測することができる.fMRIデータは23名の健康な若者から取得し,正方形の場所,顔の同定についての0バックと2バック課題を行った.拡散テンソルイメージング(DTI)のデータも取得した.私たちは,WMタスクに伴う主な機能ネットワークを識別するために,fMRIのデータにICAを用いた.DTIのボクセル解析は,構造上の白質とタスク成績間の相関を見つけるために行い,DTIデータの確率追跡では,機能ネットワークのノードを接続する白質の束を同定するために使われた.私たちは,両タスクのために頭頂部,中前頭回の領域で脳活動マップで高い重複があった時,紡錘状回と下前頭回皮質の活動が特異的であったことを見つけた.下前頭回で紡錘状回を結ぶ経路の拡散係数と異方性は,視覚ワーキングメモリタスクの処理速度と相関していた.調査結果が試験的であると思われるが,私たちは,視覚タスクのために紡錘状回と下前頭回に位置しているタスクの間で,活動が唯一の違う前頭部,頭頂部で活動の高い重複パターンを共有しているということがわかった.さらに,DTI計測が処理スピードを予測することがわかった.

視空間的・視知覚的ワーキングメモリの機能的ネットワークと構造的コネクティビティ

Functionalnetworksandstructuralconnectivityofvisuospatialandvisuoperceptualworkingmemory

Frontiers in Human Neuroscience, Vol. 9, Article 340, 2015

20150908sobuchi

fMRIを用いて,健常被験者のワーキングメモリの神経基盤がこれまで調査されてきた.しかしながら,ワーキングメモリの機能的ネットワークを形成する皮質領域は,白質の線維束によってどのように結合されているのか,そしてこれらの結合の有向性と微細構造の特徴の指標として使用されるDTIは,個人のタスクパフォーマンスの違いを予測可能かはまだ明らかになっていない.squarelocationの視空間的課題とfaceidentificationの視知覚的課題中の23人の健康で若い被験者のfMRIデータが計測された.DTIデータも同様に計測された.WM課題に関係する機能的ネットワークを確認するため,我々はfMRIデータにICAを用いた.構造的白質と課題パフォーマンスの関連をみつけるため,ボクセルベースのDTI解析を行った.また,機能的ネットワークのノードの白質線維の結合性を確認するため,DTIデータによる確率的トラッキングを行った.頭頂と中前頭領域の高い脳活動が両タスクでみられる一方で,視知覚的ワーキングメモリ課題にのみ,紡錘状回と下前頭回の機能的補強がみられた.紡錘状回と下前頭回の神経結合性を示すaxialdiffusivityとfractionalanisotropyは,視知覚的ワーキングメモリ課題の処理速度と関連していた.我々の発見は試験的だという認識が必要だが,両課題は前頭と頭頂において,脳活動パターンの高いオーバーラップがあり,視知覚的課題において,紡錘状回と下前頭回の活動に違いが生じた.さらに,DTIの指標は処理速度を予測することが可能であることを発見した.

国立衛生研究所のMRI 研究による正常な脳の発達における構成要素である拡散テンソル画像の研究

The diffusion tensor imaging (DTI) component of the
NIH MRI study of  normal brain development
(PedsDTI)

NeuroImage, Available online 3 June 2015

国立衛生研究所の正常な脳の発達に関するMRIの研究は連合国家の人工の民族多様性や社会経済性を含み,infants,toddlers,children,adolescents,youngadultsにおける脳の発達の典型的な特徴づけを探求している.この研究は1999年に指導し,2001年から2007にかけてデータが収集された.この研究は,計算手法や画像処理ツールの発達のための資源としてや典型的な脳の発達を解明するため,脳ベースの障害や病気に関連する逸脱の確認するための強力なツールといて役立つことができ,資格を持つ研究者と臨床医のみ閲覧できるアクセス制御されたデータベースの提供を目標として計画された.本稿では,正常な脳の発達のNIHMRIの研究のDTIの構成要素に着目する.本研究では,我々はDTIデータを取得するプロトコル,データの処理過程,評価手順の質,またデータベースのアクセス条件とともにデータベースに含まれたデータを記述する.詳細はhttp://www.pediatricmri.nih.govを閲覧してください.274人の特有な被験者から得られた498個の低解像度(3mm)のDTIデータセットと152人の特有な被験者から得られる193個の高解像度(2.5mm)のDTIデータセットにおけるローデータや処理された拡散データの水平方向のDTIデータセットが含まれている.被験者は生後10日から22歳までの人.さらに,年齢別のDTIのテンプレートのセットが含まれている.国立衛生研究所の大規模な正常な脳の発達に対するMRI研究の一つの構成要素であるT1,T2,水分子の加重密度,水分子のMRスペクトロスコピーによる画像データ,人口統計学,臨床,行動のデータもまた含まれている.

20150623_iishida

10 種類のtractography アルゴリズムによるMR ファントムにおける現実的な拡散の定量的な評価

20150407_iishida

Quantitative evaluation of 10 tractography algorithms
on a realistic diffusion MR phantom

P. Fillard, M. Descoteaux, A. Goh, S. Gouttard, B. Jeurissen, J. Malcolm,A.R. Manzanares, M. Reisert, K.
Sakaie, F. Tensaouti, T. Yo, J.F. Mangin and C. Poupon

NeuroImage vol. 56,no. 2011,pp220-234

生体内の白質線維をマッピングする唯一の手法であるため拡散MRI tractography が臨床および神経科学研究
において重要性が増加している.しかし,異なる拡散モデルやtractography アルゴリズムによる増加可用性にも
関わらず,与えられた画像処理パラメータから最適な線維の復元方法をどのように選択しているのか不明瞭なま
まである.そのため,様々なモデルやアルゴリズムの定量的な比較や対応の良し悪しの理解を深める事が最も重
要である.本研究では,様々な拡散モデルやtractography アルゴリズムの性能を定量的に評価する再現可能な手
法と既知のデータセットを共通に使用する.様々な手法の評価を行うために, Fiber Cup コンテストで既知では
ないデータセットが一般に公開された.そして,10 種類の線維の復元方法が評価された.その結果を以下に示す.
1. SNR の高いデータセットの場合,配向分布関数で正しく潜在的な線維の配分をモデル化する拡散モデルは,流
線形のtractography 手法と連携して使用される.2. SNR がさほど高くないか,SNR の低いデータセットの場合,
事前の空間的滑らかさは,拡散モデル,または,正しくモデリングされた繊維の配向や適切なtractography の結
果から推奨される繊維のいずれかによる.これまでの既存手法と新規手法のための比較基盤として役立つファン
トムのデータセット,既知な線維,評価方法及び結果はhttp://www.lnao.fr/spip.php?rubrique79 より一般的に
入手可能である.新しい結果は bercup09@gmail.com に提出することができ,ウェブページに公開することが出
来る.