全脳の効果的な接続性の生成モデル

A generative model of whole-brain effective connectivity
S. Frassle, E.I. Lomakina, L. Kasper, Z.M. Man- jaly, A. Leff, K.P. Pruessmann, J.M. Buhmann and K.E. Stephan NeuroImage, 2018.

fMRIデータから効果的な(指向性の)接続強度を推測可能な全脳モデルの開発は,計算によるニューロイメージングの中心的な課題となっている.最近導入されたfMRIデータの生成モデルであるRegression dynamic causal modeling(rDCM)は,非常に大規模なネットワークにスケールアップする目標に向けて動く.しかし,数千の接続を持つ大規模ネットワークは解釈が難しい.さらに,一般に,すべてのモデルパラメータの正確な推定のための情報が欠けている.この論文では,タスクベースのfMRIの領域におけるこれらの問題に対する解決策として,rDCMの変分ベイズフレームワークにスパース制約を導入する.このスパースなrDCMアプローチは,脳全体のネットワークで効率の高い効果的な接続解析を可能にし,ネットワークの接続構造についての先験的な前提を必要とせず,モデル反転の一部として完全に接続されたネットワークを抽出する.スパースrDCMのための変分ベイズ更新方程式の導出に続いて,モデルの妥当性を評価するために,シミュレートされたデータと経験的なデータの両方を使用する.特に,100以上の領域と10,000個以上の接続を有するネットワークを用いて,fMRIデータから効果的な接続強度を推測することが可能であることを示す.これは,fMRIデータからの効果的な接続性に関する全脳推論の実現可能性を実証している.1人の被験者で,並列化されたコードを使用する場合は1分未満の実行時間である.スパースrDCMは,例えば脳全体のネットワーク構造の観点から個々の患者を表現型分類するために,コネクトミックスおよび臨床的神経造形において有用な用途を見出すことができると予想される.

近赤外分光法を用いた感情処理における前頭前野の活動を測定するための調査:実験的デザインの重要性

A brief review of research using near-infrared spectroscopy to measure activation of the prefrontal cortex during emotional processing: the importance of experimental design
Bendall, Robert CA and Eachus, Peter and Thompson, Catherine
Frontiers in human neuroscience, Vol.10, pp.529, 2016

過去 20 年間で神経活動を測定するために近赤外分光法(near-infrared spectroscopy,NIRS)を用いた公表さ れている研究数が著しく増加している.この技術は認知神経科学者がいくつかの分野を調査するために採用され た神経イメージングツールであり,その 1 つは感情処理の研究である.重要なことに,感情処理に重要な領域の 1 つである前頭前野(prefrontal cortex,PFC)であり,NIRS はこの領域を計測するのに理想的である.神経活動 を記録するために使用される他の方法と比較して,NIRS は参加者の不快感の軽減,より大きなサンプルサイズの データ収集,体動を含むタスク中の活性化の測定を可能にする.しかし NIRS を用いて感情と認知の関連性を調 査した結果,様々な見解が明らかになった.例えば,不快情動処理に関連する PFC の活動を報告する研究もあれ ば快情動処理に関連する PFC の活動を報告する研究もある.これらの研究では異なる認知課題間の PFC の活動 の差異を示しているが,同様の課題の場合でも見解は異なる.本研究では,NIRS を用いて健常者と患者の感情処 理中の PFC の活動を研究した最近の研究を選択し再検討する.実験デザインの変化が混合結果に寄与する要因と なる可能性がある研究結果と論点の違いを強調し表示する.この分野における一貫性を高めるため,今後のガイ ダンスが提供されている.

fMRI resting state におけるDCM

A DCM for resting state fMRI
Karl J.Friston, Joshua Kahan, Bharat Biswal, Adeel Razi
NeuroImage,Vol.94,396-407,2014
20171113 sishida

このテクニカルノートでは異なる脳領域間のクロススペクトルによって測定された機能的結合に基づくresting state fMRI 時系列の動的因果モデル(DCM)を紹介します.このDCM は分散したニューラルネットワークもしくはグラフにおける結合ニューロンの変動の生物物理学的に妥当なモデルから予測クロススペクトルを生成する決定論的モデルに基づいている.有効に得られた結果の図は観測された血行力学的反応間の機能的結合を説明する隠れたニューロン状態間のベストな実効的結合を見つける.これはクロススペクトルは領域変動の(二次)統計的依存性に関するの全情報を含むためである.このノートではモデルの描画,有向および無向の機能的結合の既存の計測との関係,そしてシミュレーションを用いた表面的妥当性を確立することに注目する.その後の論文で確率的DCM とパーキンソン病とハンチントン病における予後の妥当性に関して構築の妥当性を評価する.

デフォルトモードネットワーク内の効果的な接続とマインドワンダリングの促進・抑制との因果関係

Causal relationship between effective connectivity within the default mode network and mind-wandering regulation and facilitation
S. Kajimura, T. Kochiyama, R. Nakai, N. Abe and M. Nomura
Neuroimage, vol. 133, pp. 21-30, 2016.
20171114_tmiyoshi

経頭蓋直流刺激(tDCS)は,思考が進行中の課題や外部環境内の事象から自己生成の思考や感情へとシフトする,マインドワンダリングを調節することができる.マインドワンダリング頻度の調節は外側前頭前野(the lateral prefrontal cortex:LPFC)やDefault mode network(DMN)における領域の神経変性に関連すると考えられるが,正確な神経メカニズムは未知のままである.機能的核磁気共鳴イメージング(functional magnetic resonance imaging:fMRI)を用いて,我々はtCDS(DMNのコア領域である右IPL上に配置された1つの電極と,左LPFC上に配置された別の電極),DMN内の刺激によって誘発された指向性接続変化,およびマインドワンダリング頻度の調節との間の因果関係を調べた.行動レベルでは,右IPLにおけるアノードtDCS(左IPLにおけるカソードtDCSを有する)が,逆の刺激と比較してマインドワンダリングを減少させた.神経レベルでは,右IPLにおけるアノードtDCSは,後部帯状皮質(PCC)の求心性接続を右IPLおよび前頭前野(mPFC)から減少させた.さらに,媒介分析では,右IPLおよびmPFCからの接続の変化が,マインドワンダリングの促進および抑制とそれぞれ相関することが示された.これらの効果は,効果的な接続の不均質な機能の結果である.すなわち,右IPLからPCCへの接続はマインドワンダリングを妨げるが,mPFCからPCCへの接続はマインドワンダリングを促す.現在の研究は,マインドワンダリング頻度のtDCS調節の基礎をなす神経メカニズムを実証するものである.

実行機能の行動および神経相関:抑制と更新過程の相互作用

Behavioral and Neural Correlates of Executive Function:
Interplay between Inhibition and Updating Processes
Frontiers in neuroscience, vol.11, pp., 2017
20170925_mnishizawa
本研究では行動,神経生理学,効果的な接続指標の分析を通して,2 つの実行機能の過程(抑制および情報の更 新) 間の相互作用を検討した.多くの研究は,実行機能過程の行動効果に個別に焦点を当てているが,これらの 2 つの機能の間の動的因果関係を調査した研究はほとんどない.地元の大学の合計20 人の参加者が, anker と n-back の実験パラダイムを組み合わせてでデュアルタスクを実行し,ワーキングメモリ容量を測定するために設 計されたオペレーションスパンタスクを完了した.抑制タスク( anker) に対する行動(精度および反応時間) およ び神経生理学的(P300 振幅およびαバンドパワー) メトリクスの両方はは更新負荷(n-back レベル) の影響を受け, 作業記憶容量によって調整された.本研究では,EEG 時系列データの独立成分分析,音源定位(DIPFIT),およ びGranger 因果関係分析を用いて,2 重実行タスクにおける認知要求の操作が因果ニューラルネットワークに影 響を与えたことを示した.私たちは、3 つの更新負荷(n-back level) の接続性を比較し,ワーキングメモリ負荷の 実験操作が大規模な神経認知ネットワークの因果関係を強化することを見出した.この前頭前 野と頭頂葉が含まれているネットワークは,これは実行機能過程の抑制および情報更新に関連している.この研究はストレス 下で複雑なマルチタスクを実行する人の為の訓練材料およびインタフェースの設計など,人間のパフォーマンス モデリングおよび神経的作業負荷の評価に潜在的な応用がある