FICEを用いた拡大内視鏡下粘膜胃癌の定量的同定

Quantitative identification of mucosal gastric cancer under magnifying endoscopy with flexible spectral imaging color enhancement
Journal of gastroenterology and hepatology, Volume 28, Number 5, pp.841–847, 2013
20170426 yokada

背景と目標:Flexible Spectral Imaging Color Enhancement(FICE)を用いた拡大内視鏡検査は,胃癌の診断 および臨床的な治療選択肢の決定に有用である.しかし,FICE を使うには学習が必要である.正確なFICE ベー スの診断には,トレーニングと経験が必要である.また客観性が必要である.したがって,胃癌を定量的に同定 することが可能なソフトウェアプログラムが開発された. 手法:高密度にサンプリングされたSIFT ディスクリプタを備えた46 症例の粘膜胃癌の拡大内視鏡画像に対し て,BoF フレームワークが適用された.コンピュータに基づいた所見を組織所見と比較した.ロジスティック回帰 によって胃癌の確率を計算し,システムの感度および特異度を算出した. 結果:平均確率は,癌の画像では0:78  0:25 であり,非癌画像では0:31  0:25 であり,2 つのグループ間で有 意差があった.受信機の動作特性曲線に基づいて最適カットオフ点0.59 を決定した.コンピュータ支援診断シス テムは,85.9%(79/92)の検出精度,84.8%(39/46)の癌診断感度,および87.0%(40=46)の特異性をもたら した. 結論:このシステムのさらなる開発により,FICE で得られた胃腸内視鏡画像を拡大する際の粘膜胃癌の定量的 評価が可能になると考えられる.

ワイヤレスカプセル内視鏡におけるクローン病病変の評価

Assessment of Crohn’s Disease Lesions in Wireless Capsule Endoscopy Images
IEEE Transactions on biomedical engineering vol.59.2 pp.355-362, 2012
20160803_nishida

カプセル内視鏡は,小腸の大部分へ非侵襲的なアクセスを提供する.そうでなければ,外傷や侵襲無しではア クセスすることはできない.しかし,それは臨床医によって手動で検討されなければならない大量のデータ(約 5 万枚の画像)を生成する.このような大量のデータの生成は,画像解析および,教師あり学習法を適用するための 機会を提供する.カプセル内視鏡画像による自動分析は,まれに見られる出血の検出に焦点を当ててきた.これ らの検出方法と比較し,我々は,クローン病による粘膜炎症によって作成された病変について個別の疾患の評価 を検討した.我々の仕事は,クローン病病変のための体系的な教師有り学習,個別の病変を分類する分類器,並 びに病変の重症度の定量的評価についての最初の研究である.我々は,これらの方法の評価を行うために,よく 発達した 47 のデータベースを使用した.この開発された手法は,手動で専門家によって評価された重症度分布の 正解と高い一致を示し,精度は病変の 90%,再現率は 90%以上を示した.

Wireless Capsule Endoscopy(WCE), classification, Content-based image processing, endoscopy

サポートベクトルマシンによる特徴量選択を用いたピロリ菌関連の胃組織学的分類

Helicobacter Pylori-Related Gastric Histology Classification Using Support-Vector-Machine-Based Feature Selection
IEEE Transactions on Information Technology in Biomedicine, Volume 12, Nomber 4, pp.523-531, 2008
20160629 yokada

本研究では,内視鏡画像からヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)の胃組織像を診断するために,サポートベ クトルマシン(SVM)による SFFS(Sequential Forward Floating Selection)を使用したコンピュータ支援診断 システムを提案する.この目標を達成するために,臨床症状に関連した候補画像の特徴は,内視鏡画像から抽出 される.これらの候補の特徴を抽出する際,SFFS 法は,異なる組織学的特徴に対して SVM により最良の分類結 果を実行する特徴サブセットを選ぶために適用される.特徴サブセットから得られた分類器を用いて,新たな診 断システムは,内視鏡画像からピロリ菌関連の組織学的結果を医師に提供するために実装される.

子宮内画像におけるコンピュータ支援診断

Computer-Aided Diagnosis in Hysteroscopic Imaging
IEEE Journal of Biomedical and Health Informatics, pp.1129-1136,vol.19,2015
20160524_nishida

本稿は,子宮内膜癌の早期発見のための CAD システム開発を目的とする.提案システムは,テクスチャの標 準化を行い,それらの特徴量を選択,医師に抽出されたテクスチャ特徴の比較分布を提供する事で再現性を支援 している.提案システムは,52 人の被験者から得られた対象領域 516 カ所を用いて検証を行った.ROI(Region of interest)は正常部位,異常部位間で均等に分布していた.再現性を支援するために,まず初めに,RGB 画像 に対してガンマ補正を行い,HSV,YCrCb 画像に変換した.我々はガンマ補正された RGB,HSV,YC r Cb 画 像のそれぞれのチャンネルから,以下のテクスチャ特徴量を取得した. 1. 統計的特徴量(SFs) 2. 空間諧調依存性マトリクス(SGLDM) 3. グレーレベルの統計的特徴量(GLDS)
そして,得られたテクスチャ特徴量を SVM,確率的ニューラルネットワーク(PNN)に入力した.多重比較の 処理後,異常部位の ROI から得られたテクスチャ特徴量は,正常部位から得られたそれとはかなり異なっている ことが分かった.正常部位の ROI から得られたテクスチャ特徴量と比べると,異常部位の ROI から得られた特 徴量は画像強度が低く,一方で分散とエントロピー,コントラストは高い値を取っていた.ROI の分類の面では, SF と GLDS を用いて SVM で識別した時が最もいい結果となった.この組み合わせにおいて,提案システムは, 81%の識別率を得た.

Classification, Computer-aided diagnostic(CAD), computer-aidede hysteroscopy, endometrial cancer, endoscopy, hysteroscopy, texture features

標準的な内視鏡検査による胃粘膜の観察からのピロリ菌感染状況の予測

Close observation of gastric mucosal pattern by standard endoscopy can predict Helicobacter pylori infection status
Journal of Gastroenterology and Hepatology, Volume 28, pp.279-284, 2013
20160524 yokada

背景と目的 ヘリコバクター・ピロリ菌に感染した胃における一般的な内視鏡所見には,前庭部結節や粘膜のひだ,胃粘膜 下血管が含まれる.これらの所見は際どいが,ピロリ菌感染症の診断ではない.拡大内視鏡検査は,ピロリ菌に 感染した胃の中で,より正確に異常な粘膜のパターンを強調することが可能である.しかし,その診断にはより 多くの経験や専門知識,時間を必要とする.そこで,標準的な内視鏡検査において拡大せずにピロリ菌に感染し た胃の状況を予測するための新しい分類を確立することを目的とする. 手法 2011 年 8 月から 2012 年 1 月に胃内視鏡検査を受けた 617 名の患者を使用した.内視鏡の先端と粘膜表面との 間に 10mm 以下の大きな曲率を維持しながら胃のクローズアップ検査を慎重に行った.そして我々はピロリ菌感 染の状態を予測するために,静脈の通常の規則的な配置(多数の微細な赤い点),モザイク状の外観(タイプ A, 膨れた部分の小窩や蛇行状の外観),均一な赤み(タイプ B),典型的でないパターン(タイプ C,溝が存在する 不規則な赤み)の 4 つのカテゴリに胃粘膜のパターンを分類した. 結果 静脈パターンとタイプ A,B,および C のパターンを持つ通常の規則的な配列を有する患者におけるピロリ菌 感染の比率は,それぞれ 9.4%,87.7%,98.1%および 90.9%であった.ピロリ菌感染の予測のための異常パターン の感度,特異度,陽性的中率,陰性的中率はそれぞれ 93.3%,89.1%,92.3%および 90.6%となった.全体的な精 度は 91.6%であった. 結論 標準的な内視鏡検査による胃粘膜パターンの慎重なクローズアップ観察は,ピロリ菌の感染状況を予測するこ とが可能である

LCI 技術による表面平坦型早期胃癌発見の容易化

Linked color imaging technology facilitates early detection of at gastric cancers
Clinical Journal of Gastroenterology, Volume 8, pp.385-389, 2015
20160325 yokada

表面平坦型の早期胃癌(0-IIb)は見辛いため,従来の内視鏡検査では見落とすことがある.我々は,従来の白色光内視鏡検査(WLE)で見落とされた表面平坦型の早期胃癌を持つ患者の治療を行った.74 歳の日本人男性は,前庭部後壁における表面陥凹型の早期胃癌(0-IIc)の内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が用いられた.LCI は幽門前に従来のWLE では検出されていなかった直径30mm と10mm2 つの赤みを帯びた表面平坦型の病変(0-IIb)を検出した.LCI は拡大することなく,悪性病変と周囲の粘膜の間の境界線を明らかに示した.両方の病変がBLIによって不規則な表面パターンが見られたため,表面平坦型の早期胃癌であると疑われた.さらに表面陥凹型の病変(0-IIc)はレーザーWLI によって大彎洞に沿って発見された.拡大BLI は,悪性病変を示唆した.生検標本の組織学的検査では,4 つのすべての病変は異型腺管と判断された.切除標本の病理学的検査では,4 つのすべての病変で高分化型の局所化腺癌が確認された.新しい内視鏡技術によって表面平坦型の早期胃癌がはっきりと見えるようになることがわかった.

消化器内視鏡検査のためのコンピュータ支援意思決定システム:レビュー

Computer-Aided Decision Support Systems for Endoscopy in the Gastrointestinal Tract: A Review
IEEE Reviews in Biomedical Engineering, vol. 4, pp. 73{88, 2011.
20151201 hayashinuma

今日では,人体の内部の検査を行うために医療用内視鏡が幅広く使われている.画像や動画が取得可能な内視鏡画像技術の登場により,新たなコンピュータ支援意思決定システムが開発できるようになった.このようなシステムは医師がより正確に悪性の腫瘍を識別可能とする支援をすることを目的としている.本稿の冒頭では,我々はこれまでに登場した内視鏡の種類(フレキシブル内視鏡,カプセル内視鏡,共焦点レーザー内視鏡)の紹介をし,内視鏡の歴史について簡単に述べる.また,消化器内視鏡に焦点を当ててコンピュータ支援意思決定システムについて簡単に紹介する.つぎに,我々はコンピュータ支援意思決定システムについて一般的な事実や数字について示し,消化器におけるコンピュータ支援意思決定システムについてのまとめる.このまとめでは,述べられた手法の一般的な問題点について議論し,続いてそれらを解決する手法について提案を行う.