タクシー運転手の警戒に関連した機能的結合のダイナミクス変化

Changes in functional connectivity dynamics associated with vigilance network in taxi drivers
Shen, Hui and Li, Zhenfeng and Qin, Jian and Liu, Qiang and Wang, Lubin and Zeng, Ling-Li and Li, Hong and Hu, Dewen
Neuroimage, vol. 124, pp. 367-378, 2016
20171015_yfujiwara

resting-state での機能的結合の低周波数帯の変動はノイズではなく,認知状態のシフトに関連していることを示している脳神経イメージング研究の数はますます増加している.しかし,安静時の機能的結合の変動が長期的な訓練と経験によってどのように影響するのか、どのように変化するのかについての知識は限られている.ここでは,resting-state での機能的結合が運転行動にどのように関連しているかを調査するためにスライディングウインドウアプローチを使用して,20 人の免許タクシードライバーと20 人の健常非ドライバーで比較を行った.私たちは,多変量パターン解析技術に基づいた特定の接続における低周波数変動の振幅によって,運転の経験を効果的に解読できることが分かった.興味深いことに,これらの接続の大部分は「警戒ネットワーク」と名づけられた領域内に収まっていた.さらに,警戒中の減少した振幅はタクシーの運転年数と負の相関が見られた.この結果は,警戒ネットワークと長時間の運転間にresting-state での機能的結合の時間変化依存が関連していることを示唆している.よって,脳がどのように運転行動をサポートするかについての私たちの理解を向上させるだけでなく,脳の機能的ネットワークと個人の行動に関係性が見られた.

fNIRS を用いたマインドワンダリングの特徴の検討

Characterization of mind wandering using fNIRS
Frontiers in systems neuroscience, vol. 9, pp. 1-7, MARCH 2015
20170914_yfjujiwara

誰が課題に参加しているかどうかを評価することは教育的に重要となった.このような注意のさまよいを通常, マインドワンダリングと表す.現在の研究の目的は,最近の神経イメージングモダリティがマインドワンダリング 状態を検出するために使用することが可能である.fNIRS は,マインドワンダリングを測定するためにこれまで 使用されたことのない非侵襲的な神経イメージング技術である.私たちは,対象への注意を必要とする課題であ るSustained Attention to Response Task(SART) を用い,16 チャンネルのfNIRS は前頭部のデータを測定した. 私たちは,default mode network(DMN)に関連する脳領域が有意に活動するマインドワンダリング状態で, the medial prefrontal cortex(mPFC)に対して有意な活性を観察した.fNIRS データはマインドワンダリング状 態の分類のために使用した,脳機能の先行研究において,私たちの結果はfNIRS がdefault network の活動を検出 する性能があることを裏付けた.

様々なレベルの自動運転におけるfNIRS を用いた脳活動の検討

Assessing Driver Cortical Activity under Varying Levels
of Automation with Functional Near Infrared
Intelligent Vehicles Symposium(IV) 2017 IEEE, pp. 1509-1516, 2017
20170821_yfujiwara

運転者の精神状態に関する情報は,高度に自動化された車両のためのインターフェイスの設計に不可欠である. 機能的近赤外分光法(fNIRS)は,参加者の脳活動を研究するために広く普及している神経イメージングツールで あり,HCI 実験,特にドライビングシミュレータを用いた研究で用いられている.fNIRS のデータ解析は,繰り 返し測定できるような実験設計が要求される. 本稿では,部分的に自動運転が可能な車両と完全に自動運転が可能な車両を運転しているドライバの車線変更 時の脳活動についての研究を提示する.また,fNIRS 測定のニーズを満たす実験設計を採用し,その後の解析を 行った.この研究には28 人が参加し,ドライビングシミュレータで約7 時間運転した.自動運転の各モードで8 回車線変更操作を実施し,ビデオ録画,NASA TLX アンケート,fNIRS データを記録し,解析を行った.自動ま たは手動で車線変更する間,同様にdorsolateral prefrontal cortex での活性化が見られた.

様々なレベルの自動運転におけるfNIRS を用いた脳活動の検討

Assessing Driver Cortical Activity under Varying Levels
of Automation with Functional Near Infrared
Spectroscopy
Intelligent Vehicles Symposium(IV) 2017 IEEE, pp. 1509-1516, 2017
20170821_yfujiwara

運転者の精神状態に関する情報は,高度に自動化された車両のためのインターフェイスの設計に不可欠である.
機能的近赤外分光法(fNIRS)は,参加者の脳活動を研究するために広く普及している神経イメージングツールで
あり,HCI 実験,特にドライビングシミュレータを用いた研究で用いられている.fNIRS のデータ解析は,繰り
返し測定できるような実験設計が要求される.
本稿では,部分的に自動運転が可能な車両と完全に自動運転が可能な車両を運転しているドライバの車線変更
時の脳活動についての研究を提示する.また,fNIRS 測定のニーズを満たす実験設計を採用し,その後の解析を
行った.この研究には28 人が参加し,ドライビングシミュレータで約7 時間運転した.自動運転の各モードで8
回車線変更操作を実施し,ビデオ録画,NASA TLX アンケート,fNIRS データを記録し,解析を行った.自動ま
たは手動で車線変更する間,同様にdorsolateral prefrontal cortex での活性化が見られた.

瞑想と注意タスクに関連する前頭前野の血行動態反応

Hemodynamic responses on prefrontal cortex related to
meditation and attentional task
Frontiers in systems neuroscience, vol. 8, 2014
20170612_sfujii

近年のニューロイメージング研究では,瞑想が前頭前野において局所的な脳血流を増加させると述べている.現
在の研究では,認知課題中の前頭前野における相対的な血行動態変化を評価するために機能的近赤外分光法を用
いた.18~30 歳の健康な男性被験者22 名は20 分間の瞑想とランダム思考の前後にStroop 課題を行った,反復
測定のANOVA が行われ,続いて「間」と「後」,「前」の状態の平均値において多重比較補正のためにボンフェ
ローニ法による事後解析を行った.瞑想の間は右前頭野に関して,デオキシヘモグロビン濃度が減少し,オキシ
ヘモグロビンとトータルヘモグロビン濃度は増加した.ところが,ランダム思考中は右前頭野においてトータル
ヘモグロビンの濃度が減少し,デオキシヘモグロビンが増加した.反応時間の平均は,瞑想後トータルヘモグロ
ビンにおける減少に付随するStroop 課題中はより短く,注意に関連するタスクではパフォーマンスと効率の向上
を示唆した.我々の知見は、前頭前野の活性化に関連した瞑想が脳血流を増加し,パフォーマンスを向上させる
ことを実証した.

機能的近赤外分光法のための解剖学的指針:AtlasViewerチュートリアル

Anatomical guidance for functional near-infrared spectroscopy: AtlasViewer tutorial
Neurophotonics, vol.2, No.2 , 020801-020801, 2015
20170423 syoshitake

機能的近赤外分光法(fNIRS)は,脳活動によって誘発された脳ヘモグロビン濃度変化を非侵襲的に測定するために使用される光学イメージング法である.
fNIRS研究における構造指針を用いることで,結果の解釈が向上し,研究間の比較が容易になる.
AtlasViewerは,我々が開発したオープンソースのソフトウェアパッケージで,fNIRS研究の解釈における構造的指針を可能にするために複数の空間登録ツールを組み込んでいる.
我々は,AtlasViewerグラフィカルユーザインターフェースやフォルダ構造,頭部の希望位置に登録された光源および検出器を含むfNIRSプローブの作成に必要であり,プローブ製造誤差とプローブ間の配置変動性を評価するユーザファイルのレイアウトおよび,画像再構成機能を含む異なる脳領域に対する測定感度を評価するための異なる手順を紹介する.
さらに我々は,AtlasViewerがfNIRS結果の解釈を導くための一般的な頭部アトラスを提供する方法を詳述するが,ユーザーが結果を解釈するために主題に応じた頭部解剖学的構造を提供することも可能としている.
我々は,AtlasViewerがfNIRS研究の解剖学的解釈を改善する上で貴重なツールとなることを期待している.

NIRS を用いたハイパースキャンによる対面コミュニケーションを伴う協調ジェンガゲーム中の脳内神経同期の 解明

NIRS-Based Hyperscanning Reveals Inter-brain Neural Synchronization during Cooperative Jenga Game with Face-to-Face Communication
Frontiers in human neuroscience, vol. 10, 2016
20170320 mmizuno

機能的近赤外分光法(fNIRS)は、社会的認知を研究するためのますます普及している技術である.特に,fNIRSは,自然な状況で相互作用する2人以上の個体における血流変化を同時測定することが可能である.ここでは,fNIRSハイパースキャンを使用して、Jengゲーム中の協調的および妨害的な2者間の相互作用における社会的認知およびコミュニケーションを研究した.それぞれのペアについて同期化されたチャネルを識別するための新規の手法を開発し,構造間ノードベースの空間レジストレーションアプローチによる2者間解析を用いた.
協調的および妨害的相互作用の間に、右中および前頭前部の後部領域、特にBrodmann領域8(BA8)において強い脳間神経同期(inter-brain neural synchrony:INS)が観察された.この同期性は,パラレル・ゲームのプレイ条件とダイアログ・セクションでは見られず,複雑なインタラクティブな動きや社会的意思決定などのゴール指向のソーシャル・インタラクションにBA8が関与していたことが示唆される. INSは,協調的相互作用のみの間に,背前頭前頭皮質(dmPFC),特にBrodmann 9においても観察された.これらのことから,協調的な社会的相互作用のために心の理論(theory-of-mind:ToM)が必要とされる場合,BA9が特に関与している可能性があることを示唆している.ここに記載されている新しい手法は,fNIRSアプリケーションを社会的認知研究に大きく拡張する可能性を秘めている.

fNIRS の BCI 適応のための Deep Learning の調査

Investigating Deep Learning for fNIRS based BCI
2015 37th Annual International Conference of the IEEE Engineering in Medicine and Biology Society (EMBC), pp.2844-2847
20170206_rtamura

fNIRS は脳機能を計測するための比較的新しい装置であり,近年では BCI を構築するための有望な結果を示し ている.装置が新しいため,1 試行の分析のための意味のある特徴と分類の標準的なアプローチがまだない.大 部分の研究は,EEG ベースの非常に単純な特徴の確立された分類に限られる.Deep Neural Network のようなよ り複雑で強力な分類器のアプローチの実現可能性は,我々の知る限りでは,fNIRS ベースの BCI には調査されて いなかった.Deep Neural Network がいろいろなタスクで従来の機械学習方法を上回ったのに加え,ニューラル・ ネットワークのためのトレーニング方法の進歩もあり,これらのネットワークは最近ますます人気になった.本 稿では,fNIRS で測定される脳活動のパターンを分類するために Deep Neural Network を使用した.また,Deep Neural Network と従来手法を比較した.

安静状態の機能的コネクティビティにおける定量的な比較:fNIRS と fMRI の同時計測研究

Quantitative comparison of resting-state functional connectivity derived from fNIRS and fMRI: a simultaneous recording study
NeuroImage, vol.60, issue 4, pp. 2008-2018, 2012
20160720 htanaka

安静状態の機能的コネクティビティ (RSFC) を fNIRS で評価できる可能性は,すでに実証されている.しかし, fNIRS による RSFC 評価の妥当性においては,ほとんど研究されていない.本研究では,21 名の被験者から安静 状態時の fNIRS と fMRI データを同時に取得した.fMRI データを fNIRS 測定空間に変換することで,空間的な 位置合わせが二つのモダリティ間でなされた.その後に,RSFCにおけるモダリティ間の類似性 (BMS)の指標が, 複数の空間スケールで評価された.まず,左右の一次運動野 (ROI) における RSFC が,fNIRS と fMRI 間で全被 験者とも類似していた (HbO : BMS (ROI) = 0.95 ± 0.04,HbR : BMS (ROI) = 0.86 ± 0.13).次に,体性感 覚野での RSFC においては,グループ水準の方 (HbO : 0.79,HbR : 0.74) が個人の被験者の水準 (HbO : 0.48 ± 0.16,HbR : 0.41 ± 0.15) よりもモダリティ間で高い類似性をもつことが示された.そして,我々は安静状態時の 脳内ネットワークにおける幾何学特性を調査するために,fNIRS データとグラフ理論を初めて組み合わせた.最 も重要なパラメータであるクラスター係数 (C(p)) と固有パス長 (L(p)) は,モダリティ間で高い類似性を示した (BMS(Cp) = 0.90 ± 0.03 (HbO),0.90 ± 0.06 (HbR) ; BMS(Lp) = 0.92 ± 0.04 (HbO),0.91 ± 0.05 (HbR)). つまり,全ての空間スケールにおける結果は,fNIRS が fMRI に匹敵する RSFC 評価を行うことが可能であるこ とを実証し,安静状態における脳機能統合における脳内コネクティビティおよび脳内ネットワーク手法の有効性 に対して,直接的な根拠を示す.

成人の ADHD 患者におけるワーキングメモリ課題中の前頭前野の活性減少:fNIRS の研究

Reduced lateral prefrontal activation in adult patients with attention-deficit/hyperactivity disorder (ADHD) during a working memory task: A functional near-infrared spectroscopy (fNIRS) study
Journal of Psychiatric Research,Vol.42,pp.1060-1067,2008

20160627_ttamaki

近赤外分光法 (NIRS)は生体内の皮質組織における酸素化ヘモグロビンと脱酸素化ヘモグロビンの濃度の変化を 測定する光学的撮像法である.本研究では,私たちはワーキングメモリ(N-back)の遂行中の多チャンネル NIRS を用いることにより,13 人の成人の ADHD 患者に対して,年齢と性別を適応させた 13 人の健常者対照群との 比較実験を行った.健常者対照群と比較すると ADHD 患者は,VLPFC 上に位置する NIRS チャンネルにおける N-back 課題の遂行時の活性の減少を示し,タスクに関連した酸素化ヘモグロビンの濃度の増加の減少が見られた. この発見は,高い作業負荷(2back)で特に顕著にみられた.そして患者群におけるオミッション・エラーの増加 に対して,統計的な傾向があった.以上のデータから,これまでの ADHD 患者におけるワーキングメモリ障害や 前頭前野の機能不全の所見の裏付け,及び,撮像結果とワーキングメモリの機能モデルの観点から議論する.

Working Memory,N-back task,VLPFC,ADHD,fNIRS