NIRS を用いた運転中におけるドライバーの脳ネットワークのコネクティビティ解析

Effective Connectivity Analysis of the Brain Network in Drivers during Actual Driving Using Near-Infrared Spectroscopy
Zhian Liu, Ming Zhang, Gongcheng Xu, Congcong Huo, Qitao Tan, Zengyong Li and Quan Yuan
Frontiers in behavioral neuroscience, vol.11, pp.211-222, 2017 “車両の運転は,高度な脳機能を必要とする複雑な活動である.本研究では,安静時,単純運転時および車外活動時の脳ネットワークにおける前頭前皮質(PFC),運動関連領域(MA)および視覚関連領域(VA)間の有効接続性(EC)の変化を評価することを目的とした.12 人の若い右利きの成人男性が実際の運転実験に参加した.脳血流信号は,機能的近赤外分光法(fNIRS)装置を用いて連続的に記録した.異なる脳領域間の因果関係を調べることができるデータ駆動方法である条件付きGranger 因果(GC)分析を実施して,EC を評価した.結果は,認知作業負荷の増加に伴って脳血流変化レベルが増加することを示した.PFC,MA およびVA 間の接続強度は,安静状態から単純走行状態にかけて増加した.車追従作業中においては,接続強度は相対的に減少した.EC のPFCは因果関係のターゲットとして現れ,MA とVA は因果関係の発生源として現れた.しかし,MA は車追従のサブタスクで因果関係のターゲットに変わった.これらの知見は,大脳皮質の脳血流変化レベルが認知負荷の増加に伴って直線的に増加することを示している.脳ネットワークのEC は,認知的作業負荷によって強化することが可能であるが,サブタスクを用いた運転などの余分な認知負荷によっても弱めることができる.”

社会的リスクのある意思決定はTPJ における男女差を明らかにする:fNIRS を用いたハイパースキャンイング の研究

Social risky decision-making reveals gender differences in the TPJ A hyperscanning study using functional near-infrared spectroscopy
Zhang, M., Liu, T., Pelowski, M., Jia, H., and Yu, D.
Brain and cognition, vol. 119, pp. 54-63, 2017

これまでの神経科学研究では,擬似社会的(主に非対面)の文脈における単一脳のフレームにおけるリスクのある意思決定の神経相関が調査されてきた.より自然な社会的相互作用における行動リスクのある意思決定を完全に理解するため,本研究ではfNIRS ハイパースキャニング技術を使用して,対面式のギャンブルカードゲームにおける参加者ペアの前頭-側頭の活動を同時に測定した.脳内の結果は,男性と女性ともに,mPFC および前頭極領域の下位部分ならびに側頭頭頂接合部(TPJ)において,低いリスクに対して高いリスクの場合により高い活性を示した.これは,意思決定タスクにおけるメンタライジングネットワークの重要性を示唆する以前の知見と一致している.脳間神経同期(INS)のfNIRS の結果は,男性および女性がmPFC およびdlPFC における脳間コヒーレンスの増加することも示唆した.女性に限り左のTPJ において脳間コヒーレンスが増加したことを示した.このINS の結果は,社会的相互作用において危険な決定をするとき,男性は非社会的認知能力に主に依存し,女性は社会的および非社会的認知能力の両方を使用することを示唆している.人間の相互作用と2 者の神経科学の一般的なトピックスについても同様に議論している.

fNIRSを用いたハイパースキャニングにより明らかにされた協力時の神経と行動特性における性差

Sex differences in neural and behavioral signatures of cooperation revealed by fNIRS hyperscanning
J.M. Baker, N. Liu, X. Cui, P. Vrticka, M. Saggar, S.H. Hosseini and A.L. Reiss
Scientific reports, vol. 6, Article 26492, 2016

複数の分野の研究者は性別がどのようにして人間の社会的行動を適度なものにしているのかを理解をしようと努めてきた.50年以上の研究が男性と女性の協力的な行動における違いを明らかにした一方で,これらの性別の違いの根本にある神経的関係は説明されていない.この謎の欠如した基本的な要素は,相互作用する二者の性別の構成が協力時の脳と行動にどのように影響を与えているのかについて理解することである.同性および異性の111組のペアにfNIRSに基づいたハイパースキャニングを用いることで,私たちはコンピュータベースの協力作業に関わる,行動と神経の性別に関連する有意な差異を特定した.少なくとも1人の男性を含むペアは,女性同士のペアよりも有意に高い行動成績を示した.個々の男性と女性は右前頭極と右下前頭皮質において有意な活性を示した.ただし,この活性は男性と比較して女性においてより大きかった.女性同士のペアは右側頭皮質で有意な脳間コヒーレンスを示した一方,男性同士のペアにおける有意なコヒーレンスは右下前頭前皮質で生じた.有意なコヒーレンスは異性のペアではみられなかった.最後に,同性のペアでのみで,タスク関連の脳間コヒーレンスが協力タスクの行動成績と正の相関を示した.私たちの結果は,神経と行動の協力時の同時的特性に関して複数の重要かつ以前見つかっていなかった性別の影響を強調する.

エントロピーに基づく不平衡光化学センサー検出とウェーブレット回帰を用いた地上歩行のためのモーション アーチファクト補正

fNIRS Motion Artifact Correction for Overground Walking using Entropy Based Unbalanced Optode Decision and Wavelet Regression Neural Network
Gihyoun Lee, Sang Hyeon Jin, Seung Hyun Lee, Berdakh Abibullaev, and Jinung An IEEE International Conference on Multisensor Fusion and Integration for Intelligent Systems, vol.13, pp.186- 193, 2017

“機能的な近赤外分光法(fNIRS)を用いて, 無傷の頭蓋骨を通した近赤外光の吸収を測定することにより, 脳の活性化を調べることができる. fNIRS は, 機能的磁気共鳴イメージング(fMRI)血液酸素レベル依存性(BOLD)
シグナルと同様のヘモグロビンシグナルを測定することができる. fMRI イメージングの標準的方法である一般線
形モデル(GLM)は, fNIRS イメージング解析に適用されている. しかしながら, 被験者が動くと, fNIRS 信号は
測定中にアーチファクトを含む可能性がある. これらのアーチファクトはモーションアーチファクトと呼ばれます.
しかしながら, GLM は, モーションアーチファクトのために減退の欠点を有する. 近年, ウェーブレット及び血行
力学的応答関数に基づくアルゴリズムは, fNIRS 信号に対する運動アーチファクト補正の一般的なトレンド除去方
法である. しかし, これらの方法は, 地上を歩くタスクのような過酷な環境では性能を示すことができない. 本論文
では, エントロピーに基づく不平衡光化学センサー検出規則とウェーブレット回帰に基づく伝搬ニューラルネット
ワークを用いた新しい運動アーチファクト補正方法を提案する. 実験を通して, 提案された方法の性能は, 従来のト
レンド除去アルゴリズムと比較して, グラフィック結果, 脳活性地図, および客観的性能指標を用いて証明された.”

タクシー運転手の警戒に関連した機能的結合のダイナミクス変化

Changes in functional connectivity dynamics associated with vigilance network in taxi drivers
Shen, Hui and Li, Zhenfeng and Qin, Jian and Liu, Qiang and Wang, Lubin and Zeng, Ling-Li and Li, Hong and Hu, Dewen
Neuroimage, vol. 124, pp. 367-378, 2016
20171015_yfujiwara

resting-state での機能的結合の低周波数帯の変動はノイズではなく,認知状態のシフトに関連していることを示している脳神経イメージング研究の数はますます増加している.しかし,安静時の機能的結合の変動が長期的な訓練と経験によってどのように影響するのか、どのように変化するのかについての知識は限られている.ここでは,resting-state での機能的結合が運転行動にどのように関連しているかを調査するためにスライディングウインドウアプローチを使用して,20 人の免許タクシードライバーと20 人の健常非ドライバーで比較を行った.私たちは,多変量パターン解析技術に基づいた特定の接続における低周波数変動の振幅によって,運転の経験を効果的に解読できることが分かった.興味深いことに,これらの接続の大部分は「警戒ネットワーク」と名づけられた領域内に収まっていた.さらに,警戒中の減少した振幅はタクシーの運転年数と負の相関が見られた.この結果は,警戒ネットワークと長時間の運転間にresting-state での機能的結合の時間変化依存が関連していることを示唆している.よって,脳がどのように運転行動をサポートするかについての私たちの理解を向上させるだけでなく,脳の機能的ネットワークと個人の行動に関係性が見られた.

fNIRS を用いたマインドワンダリングの特徴の検討

Characterization of mind wandering using fNIRS
Frontiers in systems neuroscience, vol. 9, pp. 1-7, MARCH 2015
20170914_yfjujiwara

誰が課題に参加しているかどうかを評価することは教育的に重要となった.このような注意のさまよいを通常, マインドワンダリングと表す.現在の研究の目的は,最近の神経イメージングモダリティがマインドワンダリング 状態を検出するために使用することが可能である.fNIRS は,マインドワンダリングを測定するためにこれまで 使用されたことのない非侵襲的な神経イメージング技術である.私たちは,対象への注意を必要とする課題であ るSustained Attention to Response Task(SART) を用い,16 チャンネルのfNIRS は前頭部のデータを測定した. 私たちは,default mode network(DMN)に関連する脳領域が有意に活動するマインドワンダリング状態で, the medial prefrontal cortex(mPFC)に対して有意な活性を観察した.fNIRS データはマインドワンダリング状 態の分類のために使用した,脳機能の先行研究において,私たちの結果はfNIRS がdefault network の活動を検出 する性能があることを裏付けた.

様々なレベルの自動運転におけるfNIRS を用いた脳活動の検討

Assessing Driver Cortical Activity under Varying Levels
of Automation with Functional Near Infrared
Intelligent Vehicles Symposium(IV) 2017 IEEE, pp. 1509-1516, 2017
20170821_yfujiwara

運転者の精神状態に関する情報は,高度に自動化された車両のためのインターフェイスの設計に不可欠である. 機能的近赤外分光法(fNIRS)は,参加者の脳活動を研究するために広く普及している神経イメージングツールで あり,HCI 実験,特にドライビングシミュレータを用いた研究で用いられている.fNIRS のデータ解析は,繰り 返し測定できるような実験設計が要求される. 本稿では,部分的に自動運転が可能な車両と完全に自動運転が可能な車両を運転しているドライバの車線変更 時の脳活動についての研究を提示する.また,fNIRS 測定のニーズを満たす実験設計を採用し,その後の解析を 行った.この研究には28 人が参加し,ドライビングシミュレータで約7 時間運転した.自動運転の各モードで8 回車線変更操作を実施し,ビデオ録画,NASA TLX アンケート,fNIRS データを記録し,解析を行った.自動ま たは手動で車線変更する間,同様にdorsolateral prefrontal cortex での活性化が見られた.

様々なレベルの自動運転におけるfNIRS を用いた脳活動の検討

Assessing Driver Cortical Activity under Varying Levels
of Automation with Functional Near Infrared
Spectroscopy
Intelligent Vehicles Symposium(IV) 2017 IEEE, pp. 1509-1516, 2017
20170821_yfujiwara

運転者の精神状態に関する情報は,高度に自動化された車両のためのインターフェイスの設計に不可欠である.
機能的近赤外分光法(fNIRS)は,参加者の脳活動を研究するために広く普及している神経イメージングツールで
あり,HCI 実験,特にドライビングシミュレータを用いた研究で用いられている.fNIRS のデータ解析は,繰り
返し測定できるような実験設計が要求される.
本稿では,部分的に自動運転が可能な車両と完全に自動運転が可能な車両を運転しているドライバの車線変更
時の脳活動についての研究を提示する.また,fNIRS 測定のニーズを満たす実験設計を採用し,その後の解析を
行った.この研究には28 人が参加し,ドライビングシミュレータで約7 時間運転した.自動運転の各モードで8
回車線変更操作を実施し,ビデオ録画,NASA TLX アンケート,fNIRS データを記録し,解析を行った.自動ま
たは手動で車線変更する間,同様にdorsolateral prefrontal cortex での活性化が見られた.

瞑想と注意タスクに関連する前頭前野の血行動態反応

Hemodynamic responses on prefrontal cortex related to
meditation and attentional task
Frontiers in systems neuroscience, vol. 8, 2014
20170612_sfujii

近年のニューロイメージング研究では,瞑想が前頭前野において局所的な脳血流を増加させると述べている.現
在の研究では,認知課題中の前頭前野における相対的な血行動態変化を評価するために機能的近赤外分光法を用
いた.18~30 歳の健康な男性被験者22 名は20 分間の瞑想とランダム思考の前後にStroop 課題を行った,反復
測定のANOVA が行われ,続いて「間」と「後」,「前」の状態の平均値において多重比較補正のためにボンフェ
ローニ法による事後解析を行った.瞑想の間は右前頭野に関して,デオキシヘモグロビン濃度が減少し,オキシ
ヘモグロビンとトータルヘモグロビン濃度は増加した.ところが,ランダム思考中は右前頭野においてトータル
ヘモグロビンの濃度が減少し,デオキシヘモグロビンが増加した.反応時間の平均は,瞑想後トータルヘモグロ
ビンにおける減少に付随するStroop 課題中はより短く,注意に関連するタスクではパフォーマンスと効率の向上
を示唆した.我々の知見は、前頭前野の活性化に関連した瞑想が脳血流を増加し,パフォーマンスを向上させる
ことを実証した.

機能的近赤外分光法のための解剖学的指針:AtlasViewerチュートリアル

Anatomical guidance for functional near-infrared spectroscopy: AtlasViewer tutorial
Neurophotonics, vol.2, No.2 , 020801-020801, 2015
20170423 syoshitake

機能的近赤外分光法(fNIRS)は,脳活動によって誘発された脳ヘモグロビン濃度変化を非侵襲的に測定するために使用される光学イメージング法である.
fNIRS研究における構造指針を用いることで,結果の解釈が向上し,研究間の比較が容易になる.
AtlasViewerは,我々が開発したオープンソースのソフトウェアパッケージで,fNIRS研究の解釈における構造的指針を可能にするために複数の空間登録ツールを組み込んでいる.
我々は,AtlasViewerグラフィカルユーザインターフェースやフォルダ構造,頭部の希望位置に登録された光源および検出器を含むfNIRSプローブの作成に必要であり,プローブ製造誤差とプローブ間の配置変動性を評価するユーザファイルのレイアウトおよび,画像再構成機能を含む異なる脳領域に対する測定感度を評価するための異なる手順を紹介する.
さらに我々は,AtlasViewerがfNIRS結果の解釈を導くための一般的な頭部アトラスを提供する方法を詳述するが,ユーザーが結果を解釈するために主題に応じた頭部解剖学的構造を提供することも可能としている.
我々は,AtlasViewerがfNIRS研究の解剖学的解釈を改善する上で貴重なツールとなることを期待している.