様々なレベルの自動運転におけるfNIRS を用いた脳活動の検討

Assessing Driver Cortical Activity under Varying Levels
of Automation with Functional Near Infrared
Spectroscopy
Intelligent Vehicles Symposium(IV) 2017 IEEE, pp. 1509-1516, 2017
20170821_yfujiwara

運転者の精神状態に関する情報は,高度に自動化された車両のためのインターフェイスの設計に不可欠である.
機能的近赤外分光法(fNIRS)は,参加者の脳活動を研究するために広く普及している神経イメージングツールで
あり,HCI 実験,特にドライビングシミュレータを用いた研究で用いられている.fNIRS のデータ解析は,繰り
返し測定できるような実験設計が要求される.
本稿では,部分的に自動運転が可能な車両と完全に自動運転が可能な車両を運転しているドライバの車線変更
時の脳活動についての研究を提示する.また,fNIRS 測定のニーズを満たす実験設計を採用し,その後の解析を
行った.この研究には28 人が参加し,ドライビングシミュレータで約7 時間運転した.自動運転の各モードで8
回車線変更操作を実施し,ビデオ録画,NASA TLX アンケート,fNIRS データを記録し,解析を行った.自動ま
たは手動で車線変更する間,同様にdorsolateral prefrontal cortex での活性化が見られた.

瞑想と注意タスクに関連する前頭前野の血行動態反応

Hemodynamic responses on prefrontal cortex related to
meditation and attentional task
Frontiers in systems neuroscience, vol. 8, 2014
20170612_sfujii

近年のニューロイメージング研究では,瞑想が前頭前野において局所的な脳血流を増加させると述べている.現
在の研究では,認知課題中の前頭前野における相対的な血行動態変化を評価するために機能的近赤外分光法を用
いた.18~30 歳の健康な男性被験者22 名は20 分間の瞑想とランダム思考の前後にStroop 課題を行った,反復
測定のANOVA が行われ,続いて「間」と「後」,「前」の状態の平均値において多重比較補正のためにボンフェ
ローニ法による事後解析を行った.瞑想の間は右前頭野に関して,デオキシヘモグロビン濃度が減少し,オキシ
ヘモグロビンとトータルヘモグロビン濃度は増加した.ところが,ランダム思考中は右前頭野においてトータル
ヘモグロビンの濃度が減少し,デオキシヘモグロビンが増加した.反応時間の平均は,瞑想後トータルヘモグロ
ビンにおける減少に付随するStroop 課題中はより短く,注意に関連するタスクではパフォーマンスと効率の向上
を示唆した.我々の知見は、前頭前野の活性化に関連した瞑想が脳血流を増加し,パフォーマンスを向上させる
ことを実証した.

機能的近赤外分光法のための解剖学的指針:AtlasViewerチュートリアル

Anatomical guidance for functional near-infrared spectroscopy: AtlasViewer tutorial
Neurophotonics, vol.2, No.2 , 020801-020801, 2015
20170423 syoshitake

機能的近赤外分光法(fNIRS)は,脳活動によって誘発された脳ヘモグロビン濃度変化を非侵襲的に測定するために使用される光学イメージング法である.
fNIRS研究における構造指針を用いることで,結果の解釈が向上し,研究間の比較が容易になる.
AtlasViewerは,我々が開発したオープンソースのソフトウェアパッケージで,fNIRS研究の解釈における構造的指針を可能にするために複数の空間登録ツールを組み込んでいる.
我々は,AtlasViewerグラフィカルユーザインターフェースやフォルダ構造,頭部の希望位置に登録された光源および検出器を含むfNIRSプローブの作成に必要であり,プローブ製造誤差とプローブ間の配置変動性を評価するユーザファイルのレイアウトおよび,画像再構成機能を含む異なる脳領域に対する測定感度を評価するための異なる手順を紹介する.
さらに我々は,AtlasViewerがfNIRS結果の解釈を導くための一般的な頭部アトラスを提供する方法を詳述するが,ユーザーが結果を解釈するために主題に応じた頭部解剖学的構造を提供することも可能としている.
我々は,AtlasViewerがfNIRS研究の解剖学的解釈を改善する上で貴重なツールとなることを期待している.

NIRS を用いたハイパースキャンによる対面コミュニケーションを伴う協調ジェンガゲーム中の脳内神経同期の 解明

NIRS-Based Hyperscanning Reveals Inter-brain Neural Synchronization during Cooperative Jenga Game with Face-to-Face Communication
Frontiers in human neuroscience, vol. 10, 2016
20170320 mmizuno

機能的近赤外分光法(fNIRS)は、社会的認知を研究するためのますます普及している技術である.特に,fNIRSは,自然な状況で相互作用する2人以上の個体における血流変化を同時測定することが可能である.ここでは,fNIRSハイパースキャンを使用して、Jengゲーム中の協調的および妨害的な2者間の相互作用における社会的認知およびコミュニケーションを研究した.それぞれのペアについて同期化されたチャネルを識別するための新規の手法を開発し,構造間ノードベースの空間レジストレーションアプローチによる2者間解析を用いた.
協調的および妨害的相互作用の間に、右中および前頭前部の後部領域、特にBrodmann領域8(BA8)において強い脳間神経同期(inter-brain neural synchrony:INS)が観察された.この同期性は,パラレル・ゲームのプレイ条件とダイアログ・セクションでは見られず,複雑なインタラクティブな動きや社会的意思決定などのゴール指向のソーシャル・インタラクションにBA8が関与していたことが示唆される. INSは,協調的相互作用のみの間に,背前頭前頭皮質(dmPFC),特にBrodmann 9においても観察された.これらのことから,協調的な社会的相互作用のために心の理論(theory-of-mind:ToM)が必要とされる場合,BA9が特に関与している可能性があることを示唆している.ここに記載されている新しい手法は,fNIRSアプリケーションを社会的認知研究に大きく拡張する可能性を秘めている.

fNIRS の BCI 適応のための Deep Learning の調査

Investigating Deep Learning for fNIRS based BCI
2015 37th Annual International Conference of the IEEE Engineering in Medicine and Biology Society (EMBC), pp.2844-2847
20170206_rtamura

fNIRS は脳機能を計測するための比較的新しい装置であり,近年では BCI を構築するための有望な結果を示し ている.装置が新しいため,1 試行の分析のための意味のある特徴と分類の標準的なアプローチがまだない.大 部分の研究は,EEG ベースの非常に単純な特徴の確立された分類に限られる.Deep Neural Network のようなよ り複雑で強力な分類器のアプローチの実現可能性は,我々の知る限りでは,fNIRS ベースの BCI には調査されて いなかった.Deep Neural Network がいろいろなタスクで従来の機械学習方法を上回ったのに加え,ニューラル・ ネットワークのためのトレーニング方法の進歩もあり,これらのネットワークは最近ますます人気になった.本 稿では,fNIRS で測定される脳活動のパターンを分類するために Deep Neural Network を使用した.また,Deep Neural Network と従来手法を比較した.

安静状態の機能的コネクティビティにおける定量的な比較:fNIRS と fMRI の同時計測研究

Quantitative comparison of resting-state functional connectivity derived from fNIRS and fMRI: a simultaneous recording study
NeuroImage, vol.60, issue 4, pp. 2008-2018, 2012
20160720 htanaka

安静状態の機能的コネクティビティ (RSFC) を fNIRS で評価できる可能性は,すでに実証されている.しかし, fNIRS による RSFC 評価の妥当性においては,ほとんど研究されていない.本研究では,21 名の被験者から安静 状態時の fNIRS と fMRI データを同時に取得した.fMRI データを fNIRS 測定空間に変換することで,空間的な 位置合わせが二つのモダリティ間でなされた.その後に,RSFCにおけるモダリティ間の類似性 (BMS)の指標が, 複数の空間スケールで評価された.まず,左右の一次運動野 (ROI) における RSFC が,fNIRS と fMRI 間で全被 験者とも類似していた (HbO : BMS (ROI) = 0.95 ± 0.04,HbR : BMS (ROI) = 0.86 ± 0.13).次に,体性感 覚野での RSFC においては,グループ水準の方 (HbO : 0.79,HbR : 0.74) が個人の被験者の水準 (HbO : 0.48 ± 0.16,HbR : 0.41 ± 0.15) よりもモダリティ間で高い類似性をもつことが示された.そして,我々は安静状態時の 脳内ネットワークにおける幾何学特性を調査するために,fNIRS データとグラフ理論を初めて組み合わせた.最 も重要なパラメータであるクラスター係数 (C(p)) と固有パス長 (L(p)) は,モダリティ間で高い類似性を示した (BMS(Cp) = 0.90 ± 0.03 (HbO),0.90 ± 0.06 (HbR) ; BMS(Lp) = 0.92 ± 0.04 (HbO),0.91 ± 0.05 (HbR)). つまり,全ての空間スケールにおける結果は,fNIRS が fMRI に匹敵する RSFC 評価を行うことが可能であるこ とを実証し,安静状態における脳機能統合における脳内コネクティビティおよび脳内ネットワーク手法の有効性 に対して,直接的な根拠を示す.

成人の ADHD 患者におけるワーキングメモリ課題中の前頭前野の活性減少:fNIRS の研究

Reduced lateral prefrontal activation in adult patients with attention-deficit/hyperactivity disorder (ADHD) during a working memory task: A functional near-infrared spectroscopy (fNIRS) study
Journal of Psychiatric Research,Vol.42,pp.1060-1067,2008

20160627_ttamaki

近赤外分光法 (NIRS)は生体内の皮質組織における酸素化ヘモグロビンと脱酸素化ヘモグロビンの濃度の変化を 測定する光学的撮像法である.本研究では,私たちはワーキングメモリ(N-back)の遂行中の多チャンネル NIRS を用いることにより,13 人の成人の ADHD 患者に対して,年齢と性別を適応させた 13 人の健常者対照群との 比較実験を行った.健常者対照群と比較すると ADHD 患者は,VLPFC 上に位置する NIRS チャンネルにおける N-back 課題の遂行時の活性の減少を示し,タスクに関連した酸素化ヘモグロビンの濃度の増加の減少が見られた. この発見は,高い作業負荷(2back)で特に顕著にみられた.そして患者群におけるオミッション・エラーの増加 に対して,統計的な傾向があった.以上のデータから,これまでの ADHD 患者におけるワーキングメモリ障害や 前頭前野の機能不全の所見の裏付け,及び,撮像結果とワーキングメモリの機能モデルの観点から議論する.

Working Memory,N-back task,VLPFC,ADHD,fNIRS

fNIRS装置における集団解析

fNIRS 装置では被験者によって光路長が異なるといった理由から個人解析が主に行われてきた.しか
し,脳機能の解明を行う上で集団での血流変化の傾向を見ることが必要になっている.そこでfNIRS
装置での集団解析を行うため,データの処理方法が研究されている.本稿では,古典的手法とベイズ
推定が用いられている3 つの解析方法について紹介する.

20160222 yoshitake

fNIRS, 集団解析, 古典的手法, ベイズ推定

n-back 課題時の精神的作業負荷 – fNIRS 装置を使用して前頭前野の定量化

Mental workload during n-back task ―quantified in the prefrontal cortex using fNIRS
frontiers in HUMAN NEUROSCIENCE, Volume 7, pp.1-9, 2014
20160116khanawa

技術システムと対話するとき,ユーザーは精神的な作業の負荷を経験する.特に,マルチタスクのシナリオ(例 えば,運転中のカーナビゲーションシステムと対話する)で,ユーザーは主要に行っているタスクから注意をそら さないことが望まれる.そのような目的のために,ヒューマンマシンインターフェース(HCIs)が連続的にユー ザの作業負荷を監視し,動的に計測された作業負荷にインターフェースの振る舞いを適合させることが望ましい. 記憶課題は複数の試行に渡って平均化する時,脳内の血流動態反応を誘発することが示されているが,単一試行 の分類では,そのユーザーの作業負荷に HCIs を動的に適応させる目的のために重要な前提条件である.前頭前野 (PFC)は,記憶の処理と関連した作業負荷に重要な役割を果たす.10 人の被験者のこの研究において,私たちは PFC の作業負荷の活性をサンプリングする機能的赤外分光法 (NIRS) である非侵襲的画像診断法を使用した.結 果は作業負荷の 3 つのレベルの単一試行を識別するために 78%の精度を示した.私たちは急速に変化するアイテ ムの現在から 1, 2, 3 番目を連続的に記憶することを強いる作業負荷のレベルが異なる(n = 1, 2, 3 ) n-back を使 用した.私たちの研究の結果は PFC の血流動態反応を計測する fNIRS 装置は精神的作業負荷を定量的及び分類 するために使用することができることを示している.単一試行の解析はまだ一般的な規格の不足に苦しんでいる 分野である.fNIRS の方法と結果の比較を向上させるために,この研究のためのデータの資料はオンラインで利 用可能である.

酸素化および脱酸素化ヘモグロビン変動の負の相関関係に基づく機能性近赤外分光法(NIRS)信号の改善

Functional near infrared spectroscopy (NIRS) signal improvement based on negative correlation between oxygenated and deoxygenated hemoglobin dynamics
Neuroimage, vol.49, no.4, pp.3039–3046, 2010
20151208 murakami

近赤外分光法 (NIRS)は,限られたスペースで静止した状態を必要とせず,機能的磁気共鳴画像 (fMRI)と 同様に皮質からの血行動態信号を測定する脳機能イメージングのための有望な技術である.従って NIRS は,対 面式のコミュニケーションや自然な身体の動きを含む,より自然な実験に使用される.そして長いトレーニング を必要とするリアルタイムの応用に非常に適している.しかし,信号の質を向上させ,ノイズを減らしても,特 に頭部運動によって誘発されるノイズは,特にリアルタイムの応用では困難である.本稿ではノイズを引き起こ す頭部運動の特性を調査し,通常計測した酸素化及び脱酸素化ヘモグロビン信号は強く負に相関しているが,動 作のノイズがより正の相関をもつことを発見した.次に,酸素及び脱酸素化ヘモグロビンの濃度変化が負の相関 関係を持つという原則に基づいて,ノイズを低減する方法を開発した.単純な方法はノイズを低減し,オンライ ン,オフラインの両方で信号の質を改善するのに有効だった