resting-state時のfMRI機能的結合ネットワークにおける比例閾値処理とpatient-controlコネクトーム研究の結果:問題と推奨事項について

Proportional thresholding in resting-state fMRI functional connectivity networks and consequences for patient-control connectome studies: Issues and recommendations
van den Heuvel, Martijn P and de Lange, Siemon C and Zalesky, Andrew and Seguin, Caio and Yeo, BT Thomas and Schmidt, Ruben Neuroimage, vol. 152, pp. 437-449, 15 May 2017

グラフ理論分析は,神経学的および精神医学的脳障害における脳の切断性の検査における重要なツールとなっている. 機能的グラフまたはネットワークの構築における一般的な分析手順には,接続性マトリックスの「閾値設定」が含まれ,ネットワーク組織が評価されるグラフ形成のエッジセットを選択する.エッジの絶対数の系統的な違いを避けるために,case-control研究で「絶対閾値」の使用に反対し,代わりに、データセット全体で等しいネットワーク密度を確保する「比例閾値」の使用を提案した.ここでは,機能的マトリックスの構築とそれに続くpatient-control機能的コネクトーム研究においてグラフ分析に対する比例閾値の影響を体系的に研究した. いくつかの簡単な実験で,patient-control間でよく見られる機能的接続性(FC)の全体的な強度の違いが,ネットワーク組織のグループ間の違いに予測可能な結果をもたらすことがあることを示す. 全体的なFCが低い個々のネットワークでは,比例閾値アルゴリズムは,低い相関に基づいてより多くのエッジを選択する必要がある.経験的および人工的なpatient-controlデータセット全体で,patientまたはcontroalグループのFC全体のレベルが低いと,ネットワーク効率とクラスタリングに違いが生じることが多く,被験者間のFCの違いは人為的に膨らまされるか,またはネットワーク組織の違いに変換されることを示唆している.我々はpatient-control研究における比例閾値の注意事項について通知する.patient-control研究では,グループはFC全体でグループ間差を示す.将来のpatient-contro機能的コネクトーム研究において,FCの全体的な影響を調べ,報告し,考慮にする方法について勧告を行う.

統合失調症における認知と安静時の機能的結合

Cognition and resting-state functional connectivity in schizophrenia
Sheffield JM, Barch DM Neuroscience & Biobehavioral Reviews Volume 61, February 2016, Pages 108-120

統合失調症の個人は,一貫して多数の認知領域で欠損を示すが,これらの認知障害の神経生物学的原因は不明のままである.統合失調症のような臨床集団における,安静状態の機能的磁気共鳴画像データの機能的接続性を分析することにより,研究グループは特定の脳領域間の内因性コミュニケーションの異常の解明を始め,これらの異常と統合失調症の認知パフォーマンスの関係を評価した.本研究では,これらの脳と行動の関係の分析の研究を見直す.系統的な見直しにより統合失調症患者は,(1)皮質-小脳-線条体-視床ループと(2)タスク陽性およびタスク陰性の皮質ネットワークを含む領域内および領域間で異常を示すことがわかった.重要なのは,特定の機能的接続の異常と異なる認知領域との間に一意な関係は観察されなかったことであり,観察された機能システムは認知能力全体で共有されるメカニズムの根底にある可能性があり,その障害は統合失調症で見られる「一般的な」認知障害の一因となる可能性があることを示唆している.

脳ネットワークの調査:レスティングステイトfMRI の機能的結合に関する総説

Exploring the brain network: A review on resting-state fMRI functional connectivity

我々の脳はネットワークである.脳は空間的に区分された構造で成り立っているが,お互いに連続的に情報の共有をする領域間で機能的に結合している.興味深いことに,近年の脳機能イメージングデータ解析の発展によって,脳の機能的結合の調査が促進している.機能的結合は構造的に解離している領域の神経活動パターンの時間的依存と定義され,脳領域間のレスティングステイトfMRIにおける協調した活動のレベルを計測することによって機能的結合の研究が増加してきた.これらの先行研究によって,特定領域と局所ネットワークの機能的結合についてや脳ネットワークにおける機能的連絡の全体的な構成についての新たな知見が発見された.本稿では,新たな解析手法の紹介とこれらのイメージング技術の概要を提示しながら,人間の脳のコアとなる新たな見識がどのように導かれたのかを議論する.どのように脳ネットワークの機能的結合と構造的結合が関係するのか,どのように機能的連絡が認知パフォーマンスのキーを形成するのかについて決定する,無意識的なレスティングステイトfMRIの方法についてに記す.また,機能的脳ネットワークの全体的な構成に焦点をあてたグラフ理論を用いた機能的結合パターンの解析について論じる.特に,アルツハイマー病や認知症,統合失調症,多発性硬化症のような機能結合による新たな指標について記す.

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