小児期発症性統合失調症におけるワーキングメモリ課題中の脳の活性化と機能的結合の低下

Reduced Functional Brain Activation and Connectivity During a Working Memory Task in Childhood-Onset Schizophrenia
Frances F. Loeb, BA, Xueping Zhou, MHS, Kirsten E.S. Craddock, BS, Lorie Shora, MS, Diane D. Broadnax, MSW, Peter Gochman, MA, Liv S. Clasen, PhD, Francois M. Lalonde, PhD, Rebecca A. Berman, PhD, Karen F. Berman, MD, Judith L. Rapoport, MD, Siyuan Liu, PhD
Journal of the American Academy of Child & Adolescent Psychiatry, Volume 57,Issue 3: Pages 166-174, March 2018

“【目的】
ワーキングメモリの不足は統合失調症で一貫して報告され,機能的帰結の結果に関連している.成人発症性統合失調症の機能的磁気共鳴画像法における研究では,WMネットワークにおける活性化および機能的結合の低下が報告されているが小児期発症性統合失調症(childhood-onset schizophrenia : COS)における機能的磁気共鳴画像法を用いたWMの調査は行われていない.
本研究の目的はCOSのワーキングメモリについて調査することである.
【方法】
3TのMRI内でCOS患者32名 (21.3 ± 1.1歳),COS患者の非精神病兄弟30名 (19.4 ± 0.8歳),健常者39名 (20.0 ± 0.7歳)に対して1-back,2-backのタスクを行なった.COS(17.9 ± 7.4歳)の若年患者23名の別グループは,標準的な訓練を2回完了した後で作業を行うことができず,この報告書には含まれていない.
【結果】
COS患者は全てのtaskで健常者よりも有意に低い成績を示した.
COS患者は,背外側前頭前皮質,後頭頂葉皮質,小脳および尾状核における活性化が有意に低く,前頭前頭皮質および皮質線条体の機能的結合性が健常者と比較して有意に低かった(p<.05,corrected).兄弟姉妹は統合失調症患者と健常者の中間的な活性化と機能的結合を有していた.(p < .05, corrected). また患者では,左後頭部ネットワークにおける機能的結合強度は,1-back課題中の正確なスコアと正の相関を示した (p = .0023, corrected). 【結論】 COS患者のWMネットワークにおける活性化および機能的結合の低下は,成人発症統合失調症との病態生理的連続性を示唆する. 患者の参加率と成績が低いことから,COS疾患の重症度が強調される.低活性化と低結合性は,COS患者の兄弟によって共有され,COSが潜在的なエンドフェノタイプであることを示唆している."

高齢被験者におけるNIRSを用いたウェーブレットベースのコヒーレンス解析により明らかにされた脳機能の接続性に及ぼす睡眠不足の影響

Effects of poor sleep quality on brain functional connectivity revealed by wavelet-based coherence analysis using NIRS methods in elderly subjects
L. Bu, D. Wang, C. Huo, G. Xu, Z. Li and J. Li
Neuroscience letters, vol. 668, pp. 108-114, 2018.

【目的】認知コントロールの障害に典型的に関連する睡眠不足が高齢者の間で増えている.しかしながら,睡眠と高齢者の行動に関連する脳機能のメカニズムは明らかにされていない.本研究は,NIRSにより計測されたオキシヘモグロビン濃度変化($\Delta$[HbO2])のウェーブレット位相コヒーレンス(WPCO)とウェーブレット振幅(WA)に基づいて,低周波神経振動が睡眠不足に及ぼす影響を評価することを目的とする.【方法】主観的睡眠の質は,ピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)によって測定した.15人の睡眠不足の高齢者(PSQ群)と14人の健康な高齢者(対照群)の休息状態および作業状態のprefrontal cortex,sensorimotor cortical,occipital lobesのNIRS信号を連続的に記録した.WPCOおよびWA値は,低周波(0.01-0.08Hz)において算出された.ピアソン相関分析は,bilateral prefrontal lobes の WPCO,left prefrontal cortex (LPFC) のWA,right prefrontal cortex (RPFC)のWA、F1およびPSQIスコアの間の相関の程度を評価するために使用した.【結果】PSQ群のWPCO値は,対照群より有意に低かった(p$<$0.05).対照群と比較して,WAはPSQ群で有意に高く,休止状態においてタスク状態より有意に高かった.1-back課題を実行する際のF1のスコアは,PSQ群で有意に低かった.PSQ群における相関分析の結果,PSQIスコアとWPCO値の負の相関を示した.LPFCとRFFCのWA値は,PSQIスコアと正の相関を示した.【結論】まとめると,これらの結果は,睡眠不足は位相同期を低下させることを示唆し,これは試料集団の間の認知機能の低下に寄与する可能性があることを示している.

小児期発症性統合失調症におけるワーキングメモリ課題中の脳の活性化と機能的結合の低下

Reduced Functional Brain Activation and Connectivity During a Working Memory Task in Childhood-Onset Schizophrenia
Frances F. Loeb, BA, Xueping Zhou, MHS, Kirsten E.S. Craddock, BS, Lorie Shora, MS, Diane D. Broadnax, MSW, Peter Gochman, MA, Liv S. Clasen, PhD, Francois M. Lalonde, PhD, Rebecca A. Berman, PhD, Karen F. Berman, MD, Judith L. Rapoport, MD, Siyuan Liu, PhD
Journal of the American Academy of Child & Adolescent Psychiatry, Volume 57,Issue 3: Pages 166-174, March 2018

“【目的】
ワーキングメモリの不足は統合失調症で一貫して報告され,機能的帰結の結果に関連している.成人発症性統合失調症の機能的磁気共鳴画像法における研究では,WMネットワークにおける活性化および機能的結合の低下が報告されているが小児期発症性統合失調症(childhood-onset schizophrenia : COS)における機能的磁気共鳴画像法を用いたWMの調査は行われていない.
本研究の目的はCOSのワーキングメモリについて調査することである.
【方法】
3TのMRI内でCOS患者32名 (21.3 ± 1.1歳),COS患者の非精神病兄弟30名 (19.4 ± 0.8歳),健常者39名 (20.0 ± 0.7歳)に対して1-back,2-backのタスクを行なった.COS(17.9 ± 7.4歳)の若年患者23名の別グループは,標準的な訓練を2回完了した後で作業を行うことができず,この報告書には含まれていない.
【結果】
COS患者は全てのtaskで健常者よりも有意に低い成績を示した.
COS患者は,背外側前頭前皮質,後頭頂葉皮質,小脳および尾状核における活性化が有意に低く,前頭前頭皮質および皮質線条体の機能的結合性が健常者と比較して有意に低かった(p<.05,corrected).兄弟姉妹は統合失調症患者と健常者の中間的な活性化と機能的結合を有していた.(p < .05, corrected). また患者では,左後頭部ネットワークにおける機能的結合強度は,1-back課題中の正確なスコアと正の相関を示した (p = .0023, corrected). 【結論】 COS患者のWMネットワークにおける活性化および機能的結合の低下は,成人発症統合失調症との病態生理的連続性を示唆する. 患者の参加率と成績が低いことから,COS疾患の重症度が強調される.低活性化と低結合性は,COS患者の兄弟によって共有され,COSが潜在的なエンドフェノタイプであることを示唆している."

脳卒中後失語患者の多変量分類に基づく全脳の機能的接続性

Whole-brain functional connectome-based multivariate classification of post-stroke aphasia
Mi Yang, Jiao Li, Zhiqiang Li, Dezhong Yao, Wei Liao, Huafu Chen Neurocomputing, Volume 269, Pages 199-205, 20 December 2017

脳卒中後失語患者(PSA)は,内因性機能的接続性の異常を示す.しかし,PSAと健常者を区別するための機能として全脳機能性コネクトームを使用できるかどうかはほとんど解明されていない.我々は,全脳機能接続ベースの多変量解析を用いて,PSA患者を対照から区別することを目指す.これらの特徴は,PSAの病態生理の理解に役立つ.本研究ではPSA17人および年齢,性別が一致する健常対照患者20人分の安静状態の機能的磁気共鳴画像(fMRI)を用いた. 2つのグループを分類するために,機能的接続パターンと線形サポートベクトルマシンを使用した.その結果,分類の精度は86.5%に達し,感度は76.5%に達し,特異度は95.0%に達した.さらに,接続は,主に前頭頭頂,聴覚,感覚運動,および視覚ネットワークに位置していた.右補足運動野は最も大きい重みを与えられた.これらはPSA患者と対照を区別するために,脳全体の機能的接続性を潜在的な神経マーカーとして使用可能であることを示唆している.

認知状態および認知負荷に対する fNIRS の感受性

Sensitivity of fNIRS to cognitive state and load
Fishburn, Frank Anthony and Norr, Megan E and Medvedev, Andrei V and Vaidya, Chandan J Frontiers in human neuroscience, Vol.8, pp.76, 2014

機能的近赤外分光法(fNIRS)は,脳皮質の血流を測定する新しく低価格の非侵襲神経イメージング技術である. fNIRS は臨床的および小児への使用のための fMRI の潜在的な代わりとして関心を集めているが,fNRIS が fMRI の代わりとして役立つために必要な感受性を有するかどうかは不明である.そこで本研究では,fNIRS が認知負 荷に応答して活性および機能的連結における線形変化を検出する感度を有し,レスティングステイト時からタス クに移行する際の機能的接続性が変化するかどうかを調べた.16 人の成人被験者に対して,10 分間のレスティン グステイトの後,3 つの認知負荷を有する N-back 課題時の活動を連続波 fNIRS システムを用いて計測した.両 側背側前頭前野,両側腹側前頭前野,前頭皮質および両側頭頂皮質を覆う 5 つの光プローブを配置した.活性は, 両側前頭前野において認知負荷と直線的に比例することがわかった.機能的接続性は,前頭,頂部,両側背側前 頭前野および局所的接続が認知負荷の増加とともに増加することがわかった.機能的接続性は,レスティングス テイトと N-back で異なり,N-back 課題時に前頭,頂部の結合が大きくなりレスティングステイト時に両側腹側 前頭前野の結合がより大きくなった.これらの結果は,fNIRS が認知負荷および状態の両方に敏感であることを 示しており,fNIRS が神経イメージング研究問題を探索するのに適しており,fMRI の実行可能な代わりとして役 立つことを示唆している.

ワーキングメモリの負荷量による角回デフォルトモードネットワークの接続性

Angular default mode network connectivity across working memory load
D. Vatansever, A.E. Manktelow, B.J. Sahakian, D.K. Menon, and E.A. Stamatakis
Human Brain Mapping, Vol. 38, No.1, pp.41-52, 2017

“初めはタスク無しの間やベースラインコンディションで特定されていたが,現在はデフォルトモードネットワーク(DMN)は他の大規模な脳ネットワークと柔軟な相互作用により様々なワーキングメモリパラダイムで関与することが示唆された.それにも関わらず,ワーキングメモリ負荷の増加に伴う全脳の動的接続性への寄与ははっきりと評価されていない.我々の研究の目的はパラメトリックな難易度の増加を伴うfMRI でのn-back パラダイムのワーキングメモリタスクパフォーマンスに関連するDMN ハブを見つけることである.固有接続性コントラスト(ICC)と呼ばれるボクセルごとのメトリックを使って,私たちは角回(DMN のハブの中核)は3 種類のn-backタスクの負荷のレベルによって全体的な接続性が大きく変化することを見つけた.それに続くシードベースの機能的機接続性解析がDMN 領域の角回が他の大規模脳ネットワークと頑丈に影響していることを明らかにし,全体的な情報の統合における潜在的な関与を示唆する.更にこの仮説の裏付けは私たちが角回の接続性と正確な反応のリアクションタイムの間に見つけた有意な相関から来ている.我々の研究が示唆するのはDMN はn-abck タスク時に活発に関与することであり,環境的な要求の増加に反応して全脳の接続性の変化に寄与する中核の角回領域が結果としてワーキングメモリに重要な役割を果たすということである.”

休止状態のfMRIによる機能的結合のマッピング

Connectopic mapping with resting-state fMRI
Haak, Koen V and Marquand, Andre F and Beckmann, Christian F
Neuroimage, vol.170, pp. 83–94, 2018

脳は,近くの別の脳領域と接続している.これらの接続トポグラフィ,つまり「連結子」を簡単にマッピングすることは,情報が脳内でどのように処理されるかを理解する上で重要である.ここでは,空間的な統計的推論への新しいアプローチと,ボクセルの接続性の「指紋」のスペクトル埋め込みを組み合わせることによって,静止状態で取得された機能的磁気共鳴イメージング(fMRI)データを使用して,連結基をマッピングする原理的な完全データ駆動方法を提案する.このアプローチを人間の一次運動および視覚野に適用し,これらの領域の体節および網膜地図に続く個々の被験者において,生物学的にもっともらしく重複する結合源を追跡することができることを示す.新しい空間統計学的アプローチは,機能的接続性の細かい空間的プロファイルと、そのプロファイルが被験者間または実験条件間で異なるかどうかに関する仮説の厳密な統計的試験を可能にする。結合されたフレームワークは、機能的関連のボクセルまたはシードペアの特徴付けから、空間トポグラフィの完全な多変量の特徴付けに向けて、脳における機能的連結性を調査する既存のアプローチの基本的な代替法を提供する。

単一の個人においても,単一の機能的アトラスは存在しない:ヒトの脳の分割は状態に依存する

There is no single functional atlas even for a single individual Parcellation of the human brain is state dependent
Mehraveh Salehi, Abigail S. Greene, Amin Karbasi, Xilin Shen, Dustin Scheinost, R. Todd Constable Constable
bioRxiv, Posted October 1, 2018.

長い間,ヒトの脳のマッピングの目標は,脳の機能的な領域を定義し,これらの脳領域のそれぞれの機能的役割を解明することであった.近年の研究では,これらの領域を決定し,機能的なアトラスを作成するために,fMRIデータの全脳解析に焦点を当てている.機能的結合は,ネットワークワークラベルで脳を理解するためのアプローチであり,ネットワークの特性の抽出のために,ノード間の接続の解析を行う.そのために,機能的アトラスが必要とされる.現時点では,標準的とされる単一の機能アトラスは存在しないにも関わらず,そのような機能アトラスが存在するという根本的な前提が存在している.本研究は,高頻度でサンプリングされた被験者のfMRIデータ,および2つの独立したデータセットを用いて,脳の状態に応じて妥当な機能的なアトラスが再構成されることを実証する.

機能的結合性を用いた機能的核磁気共鳴画像による画像分類

Image categorization from functional magnetic resonance imaging using functional connectivity
ChunyuLiu, SutaoSong, Xiaojuan Guo, Zhiyuan Zhu, Jiacai Zhang
Journal of Neuroscience Methods, Volume 309, Pages 146-158, 1 November 2018

“先行研究では,画像閲覧中に記録された機能的核磁気共鳴画像(fMRI)データからの刺激画像内の物体のカテゴリを推測しようと試みた.多くの研究は,所与の領域内または複数のボクセルにわたる活動パターンを抽出し,ボクセル間の関係を利用して刺激画像のカテゴリを解読することに焦点を当てている.しかし,画像カテゴリに応じた関心領域にわたる機能的結合性(FC)パターン,およびカテゴリ分類への潜在的な寄与はほとんど知られていない.

健康な成人ボランティアでfMRIを用いた4つの画像カテゴリ刺激(ネコ,顔,住居,車両)に対応した全脳FCパターンを機械学習フレームワーク(Support Vector Machine [SVM]とランダムフォレスト)を用いて調査した .我々はさらに,FCのロバスト性と,ニューラル復号のためのFCパターンに対するウィンドウ長の影響を調べた.

2つの分類モデルの平均1対1分類精度は,被験者内で74%,被験者間で80%であり,チャンスレベル(50%)より高かった.ランダムフォレストの結果はSVMの結果より優れており,48秒のFC結果は24秒のFC結果よりも優れていた.

我々は,FCパターンの分類性能を,ブロック間およびブロック内の2つの他の既存の方法と時間的な情報を重複させずに比較した.

異なるウィンドウ長(24および48秒)の全脳FCパターンは,画像カテゴリを高い精度で予測することができる.これらの結果は,人間の脳における大規模なFCパターンにおけるカテゴリー情報の表現の根底にある新しいメカニズムを明らかにしている.

機能的ネットワーク行列のランダム性の評価方法

A method to assess randomness of functional connectivity matrices
Victor M.Vergara, QingbaoYu, Vince D.Calhoun Journal of Neuroscience Methods, Volume 303, Pages 146-158, 1 June 2018

“機能的磁気共鳴イメージング(fMRI)は、脳の機能的接続性の測定を可能にする.このコンテキストにおいて,グラフ理論は,特徴的な非ランダム接続パターンを明らかにした.しかし,fMRIへのグラフ理論の適用はしばしば,エッジ表現を抽出するために非線形変換(絶対値)を利用する.対照的に,この研究は機能的接続性評価からのランダム性の分析のための数学的枠組みを提案する.この枠組みは,機能マトリックス(FCM)の分析にランダムマトリックス理論を適用する.発生したランダム性測定値には,確率密度関数と統計的検査法が含まれる.利用されたデータは,603人の健常者を含む以前の研究から得られたものである.結果は提案された方法の適用を実証し,全脳FCMがランダムマトリックスではないことを確認した.一方,いくつかのFCMサブマトリックスは,有意なランダム性を示さなかった.提案された方法は,グラフ理論に置き換わるものではない.その代わりに,機能的な接続性のさまざまな側面を評価する.グラフ理論に含まれていない特徴はノードの数が少なく,FCMの部分行列をテストした際の負の値と正のエッジ値を扱うことである.ランダムテストは,ランダム性を決定するだけでなく,非ランダムFCM内のより小さな非ランダムパターンの指標としても役立つ.結果は,データの広範な記述として,より低次のモデルでは十分であるかもしれないが情報の損失を示す.開発されたランダム性尺度は,グラフ理論とは異なるランダム性の側面を評価する.”