fMRI resting state におけるDCM

A DCM for resting state fMRI
Karl J.Friston, Joshua Kahan, Bharat Biswal, Adeel Razi
NeuroImage,Vol.94,396-407,2014
20171113 sishida

このテクニカルノートでは異なる脳領域間のクロススペクトルによって測定された機能的結合に基づくresting state fMRI 時系列の動的因果モデル(DCM)を紹介します.このDCM は分散したニューラルネットワークもしくはグラフにおける結合ニューロンの変動の生物物理学的に妥当なモデルから予測クロススペクトルを生成する決定論的モデルに基づいている.有効に得られた結果の図は観測された血行力学的反応間の機能的結合を説明する隠れたニューロン状態間のベストな実効的結合を見つける.これはクロススペクトルは領域変動の(二次)統計的依存性に関するの全情報を含むためである.このノートではモデルの描画,有向および無向の機能的結合の既存の計測との関係,そしてシミュレーションを用いた表面的妥当性を確立することに注目する.その後の論文で確率的DCM とパーキンソン病とハンチントン病における予後の妥当性に関して構築の妥当性を評価する.

個人における皮質機能ネットワークの分割

Parcellating Cortical Functional Networks in Individuals
Danhong Wang, Randy L Buckner, Michael D Fox
Nature Neuroscience, Volume 18, Pages 1853-1860
20171106knakamura

個人の脳の機能的アーキテクチャを解明するということは,個人の医学における重要なステップであり,人間の認知および行動の変化における神経基盤の解明に寄与する.本研究では,静止状態のfMRIデータを用いて個人のレベルで機能的に組織を正確にマッピングするための新しい皮質分割法を開発した.個々の被験者における脳機能ネットワークの反復的検索を行うために,集団ベースの機能アトラスと個人の変動性のマップを使用した.このアプローチによってマッピングされた機能アトラスは,被験者内において再現性が高く,また,被験者間の変動性を効果的に反映する.このアルゴリズムは,タスクfMRIを含む異なる被験者集団およびデータタイプにわたって良好に機能した.このアプローチは,外科的患者の侵襲性の皮質刺激の臨床応用における大きな可能性が存在することを示唆する.

後続レスティングステイト時における機能的コネクティビティの一時的な感情の影響:ウェーブレット相関法によるアプローチ

Impact of transient emotions on functional connectivity during subsequent resting state -A wavelet correlation approach-
Eryilmaz, Hamdi and Van De Ville, Dimitri and Schwartz, Sophie and Vuilleumier, Patrik
Neuroimage 54.3 (2011): 2481-2491.
20171031 sikeda

安静時の脳活動の機能的特性はほとんど理解されてないが,一般的に自己監視および内向的なプロセスに 関連している.本研究では,感情的に正と負の情報が,レスティングステイト時における後続の脳活動の差異に どのように影響したかを調べた.本研究では,恐ろしい,楽しい,ニュートラルな映画に続くレスティングステ イト時を対象に被験者 15 名の fMRI データを計測した.映画視聴時よりレスティングステイト時において,前部, 後部帯状皮質(ACC,PCC),両側島皮質(Insula)および下側頭頂葉(IPL)を含むいくつかの脳領域が有意に 活性した.ウェーブレット相関法およびスモールワールドネットワーク解析を用いて,異なる周波数帯域での機能 的コネクティビティも評価した.前部帯状回と島皮質の接続は,先行する感情によってレスティングステイト時に 強く増強し,腹側,内側前頭前野と扁桃間の結合は選択的に減少した.より高い周波数帯において,これらの影響 は楽しい映画よりも恐ろしい映画の後続レスティングステイト時に顕著であった.さらに,感情刺激後の前部帯 状回と島皮質におけるレスティングステイト時の初期抑制に続いて,経時的な緩やかな回復が確認された.また, 感情は下側頭頂葉の平均活動に影響を与えなかったが,他の地域との接続性を高めた.これらの知見は,感情的 な覚醒からの回復中に収集された特定の神経回路を明らかにし,感情的に顕著な刺激においてデフォルトモード ネットワークの複雑な機能的ダイナミックスを強調する. /git/personal/sikeda/LiteratureSearch/20171031

デフォルトモードネットワークにおける自発的な活動を休止することは、長期間の注意勤務中のパフォーマン スの低下を予測する

Resting spontaneous activity in the default mode network predicts performance decline during prolonged attention workload
Gui, Danyang and Xu, Sihua and Zhu, Senhua and Fang, Zhuo and Spaeth, Andrea M and Xin, Yuanyuan and Feng, Tingyong and Rao, Hengyi
NeuroImage, vol.120, pp.323{330, 2017

20171025_mnishizawa

“継続的かつ長期にわたる認知的作業負荷の後,人は行動のパフォーマンスの低下および疲労感の増加であるTime-on-task(TOT) 効果を表す.TOT の影響は現代の生活に浸透していますが,その根底にある神経メカニズムは依然として理解されていない.この研究においては,16 人の健康な成人の群に20 分間のPsychomotor vigilancetask(PVT) を行い,fMRI でのresting-state を用いて,疲労およびパフォーマンスに関連する自発的な脳活動変化を調査した.被験者はPVT を行うにつれて反応時間が遅くなり,20 分間のPVT 後に自己申告した精神疲労評点が高いことに反映されるように,TOT 効果を示した.PVT 前と比較して,被験者はデフォルトモードネットワーク(DMN) において低周波ゆらぎ(ALFF) の振幅が減少し,PVT 後は視床においてALFF が増加した.さらに,PCC および内前頭前野(MePFC) におけるALFF は,PVTのその後の性能低下を予測した.これらの領域においてより高いALFF を有する個体は,20 分間のPVT を通してより安定した反応時間を示した.これらの結果は,TOT 効果の媒介におけるタスク陽性,タスク陰性のネットワークの重要な役割を支持し,fMRI によって測定された自発的振動が精神的疲労のマーカーであり得ることわ示唆する.”

認知感情調節中の機能的脳モジュール間で増加した全体的な相互作用

Increased Global Interaction Across Functional Brain Modules During Cognitive Emotion Regulation
Cerebral Cortex, Vol.27, pp.1-13, 2017
20171003 sikeda

認知感情調節(CER)は,人間が感情を柔軟に調節することを可能にする.CER の神経生物学の局所的な理論は,例えば扁桃体のサブパートおよび内側前頭前野のようなCER の根底にある特殊な局所脳回路間の相互作用を
示唆している.一方,全体的な理論は局所的な回路を含む大規模な機能的脳モジュール間の全体的な相互作用の増加を仮定している.本研究では,CER の有無にかかわらず不快感情処理中のfMRI データのグラフベースの全脳ネットワーク解析を用いて,全体的なCER 仮説を検証した.CER 中,安定した機能的ネットワークモジュール間の相互作用が増加した.全体的な相互作用の増加は,特にCER 特有の局所活性化と重複している最も高いノードである扁桃体と楔部の小領域,および関連するハブである内側前頭前野と後部帯状体によって引き起こされた.結果は,CER が成功した間に局所的な脳回路に組み込まれた機能的特化を補完するヒトのCER の全体的な性質の証拠を提供する.

Default mode network における視床のネットワーク特性はマインドフルネス習性と相関する

The network property of the thalamus in the default mode network is correlated with trait mindfulness
Neuroscience, vol. 278, pp. 291-301, 2014
20170926tmiyoshi

マインドフルネスは,現時点の経験への価値判断を伴わない気づきとして定義され,精神的および身体的な幸 福に有益である.先行研究では,マインドフルネスに関するDefault mode network(DMN)の複数の領域が特定 されているが,これらの領域がネットワークとしてどのように連携して機能するかについてはほとんど知られて いない.本稿では,安静時の機能的磁気共鳴画像法を用いて,若い成人集団のDMN のノード間の自発的な機能 的接続と自己報告されたマインドフルネス習性を相関させることによって,マインドフルネス習性におけるDMN の役割を調べる.DMN のノードのすべての組み合わせの中で,視床と後部帯状皮質(PCC)との間の機能的接 続が弱い被験者で,よりマインドフルであることがわかった.これらの2 つのノードの事後分析はさらに,PCC ではなく,視床のノード特性がマインドフルネス習性と負の相関があり,視床のDMN への関与が低いことが高い マインドフルネス習性に関連することが示唆された.私たちの発見は,視床をマインドワンダリングとマインド フルネスの切り替えとして働くことを示唆するだけでなく,視床の調節によってマインドフルネスに有益な効果 がもたらされるメカニズムについての今後の研究を招く.

状態と特性反芻の指標としてのうつ病における異常な機能的コネクティビティ

Aberrant functional connectivity in depression as an
index of state and trait rumination
Scienti c Reports, vol.7, 2017
20170926 katayama

うつ病は,様々な異常な脳機能および構造に関連することが示されている.特に,大うつ病性障害(MDD) に おける機能的コネクティビティ(FC)の変化の研究は,病的脳ネットワークのよりよい理解がこの病気の理解を 促進する可能性があるため,有望な試みであった.しかし,MDD における異常なFC のメカニズムは,ほとんど 明らかでない.機能的近赤外分光法(fNIRS)を用いて,現在のMDD を有する患者の安静状態のデフォルトモー ドネットワーク(DMN)の皮質部分におけるFC を調査した.さらに,我々は,うつ状態の被験者と非抑うつ状 態の被験者との間のFC の差異へのそれらの寄与を調査するために,精神的過程(例えば,状態/特質の反芻,マ インドワンダリング)の定性的および定量的尺度を使用した.我々の結果は,患者の40 %が安静状態の間に自発 的反芻を報告することを示している.うつ状態の被験者は,対照と比較してDMN の一部においてFC の減少を 示した.この知見は、状態/特質の反芻のプロセスに関連していた.DMN の皮質部分において,反芻はFC と負 の相関があったが、マインドワンダリングは正の関連を示した.

脳機能ネットワークのグラフ解析とモジュール性:最適な閾値の探索

Graph analysis and modularity of brain functional connectivity networks: searching for the optimal threshold
arXiv preprint arXivarXiv:1705.06481, 2017
20170830tmiyoshi

ニューロイメージングデータは,脳の接続性の形態的な構成をとらえるノードとエッジのネットワークとして表 すことができる.グラフ理論はこれらのネットワークとその構造を様々なスケールで研究するための一般的かつ 強力なフレームワークを提供する.例えば,脳機能接続ネットワークを含む多くの自然ネットワークのモジュー ル構造を調査するために,コミュニティ検出方法が広く適用されている.実験的ノイズによって最も影響を受け る最も弱いエッジを除去し,グラフの密度を減少させるために,スパース化手順はしばしば適用される.よって, 理論的および計算的により扱いやすくなる.しかしながら,弱いリンクには重要な構造情報が含まれている可能 性があり,最適なトレードオフを特定する手順は活発な研究の対象である.ここでは,統計的物理学に基づいた 方法であるパーコレーション解析の使用を検討し,脳接続ネットワークにおけるコミュニティ検出のための最適 なスパース化閾値を特定する. グラウンドトゥルースモジュール構造とヒトの脳機能接続ネットワークらしい現実的な形態的特徴を備えた合成 ネットワークを使用することにより,パーコレーション解析を適用して,ネットワークのコミュニティ構造の情報 を最大化する最適なスパース化閾値を特定できることを示す.このアプローチは,Newman のモジュラリティー, InfoMap,Asymptotical Suprise という脳接続ネットワーク分析に広く用いられる3 つのコミュニティ検出方法を 使用して検証される.重要なことは,最適な閾値を決定する重要な要素であるノイズとデータの変動の影響をテ ストすることである.このデータ駆動方法は,異なる接続強度を特徴とする患者やコントロール群などの集団に おける脳ネットワークのコミュニティ分析に特に有用であることが示されるはずである.

タスク状態を超えた脳ネットワーク適応性

Brain Network Adaptability across Task States
PLoS computational biology, vol.11, pp.1004029, 2015
20170803_mnishizawa

人間の脳内の活動は,多様な機能状態の間を移動し,動的な環境の要求を満たすが,これらの遷移を導く基本
原理はあまり理解されていない.ここでは,脳領域間の機能的相互作用のパターンを分析するためのネットワー
ク科学の最近の進歩を活用する.我々は,4 つの認知状態(タスクフリーの安静状態,注意を要する状態,および
2 つの記憶を要求する状態)の中および間の両方において,タスクのパフォーマンスに伴う脳再構成の状況を動的
ネットワーク表現を用いて調べる.ハイパーグラフの形式を用いて,我々は,(タスク特有の)脳の状態と(タス
クの一般的な)脳の状態の両方において,時間の経過と共に強度にコヒーレントに変動する機能的相互作用のグ
ループの存在を特定する.これらの結果は,多くのダイアディック(地域間)関係の複雑さに関する先の強調とは
対照的に,脳適応能力は,認知システムの動的統合を推進する共通のプロセスによって記述できることを示して
いる.さらに,本発明者らの結果は,機能強化された脳力学を理解するための効果的な尺度としてハイパーグラ
フを確立し,クロスタスク,クロスエイジングおよびクロスコホートの機能変化を調べる際に有用である.

異なる痛みに対する異なる回路:機能的コネクティビティのパターンは自身及び他人の痛みを処理するネット ワークを明らかにする

Different circuits for different pain: Patterns of functional connectivity reveal distinct networks for processing pain in self and others
Social neuroscience vol.2(3-4), pp.276-291, 2007
170726 ykohri

他者の苦しみに共感する能力は,他人との関係性を維持し,社会的行動に従事するためには重要である.近年 の研究では他人が痛みを経験するところを見た際(他の痛み),痛みの直接的な経験(自己痛)に関与する前島皮 質(AI)および前帯状皮質(ACC)などの脳領域が関与することを実証した. 本稿では,前帯状皮質や前島皮質の一般的な活動が,自己または他人の痛みを認知する際に重複する部分を持 ちながら異なるネットワークを形成するという仮説を検証する.この仮説を検証するために,我々は被験者に有害 な熱刺激(自己痛)を与えた場合と他人が痛みを伴う傷害を受けている(他の痛み)ビデオを見せた場合の両方 をfMRI を用いて計測した.我々は,自己の痛み認知と他人の痛み認知の両方で共通する領域を機能的コネクティ ビティ分析のためのシード領域として使用した.分析の結果,自己の痛みまたは他人の痛みの認知の際,前帯状 皮質および前島皮質と共に活性する領域を同定した.他人の痛みの認知時よりも自己の痛みの認知時に前島皮質 と他の領域との接続性が向上した.反対に,自己の痛みの認知よりも他人の痛みの認知時に前頭前野背内側部と 前帯状皮質および前島皮質の間により大きな接続性が示された.個人内のコネクティビティ分析では,上側頭溝, 後帯状皮質および楔前部の領域が自己の痛みの認知と比較して他人の痛みの認知時に前帯状皮質と関連している ことが明らかになった.これらのデータは自己の痛みおよび他人の痛みの認知時に同様の活動を示す領域がある が,異なる機能的ネットワークを形成している可能性を示した.