自然環境に記録されたfNIRS データの機能的事象(AIDE)の自動識別のための新規GLM ベースの手法

A novel GLM-based method for the Automatic
IDenti cation of functional Events (AIDE) in fNIRS
data recorded in naturalistic environments
NeuroImage, Vol.155, pp.291-304, 2017
20170620 sikeda

最近の技術の進歩により,実世界での神経イメージングを行うために使用できるポータブル機能近赤外分光法(fNIRS)デバイスの開発が可能になった.しかし,実際の実験は日々の生活状況を模倣するように設計されているため,イベント開始の識別は非常に困難で時間がかかることがある.本研究では,実世界のfNIRS ニューロ画像データから関数イベント(またはAIDE)の自動識別のための一般線形モデル(GLM)最小二乗適合分析に基づく新しい解析方法を紹介する.この方法の精度と実現可能性を調べるため,原理の証明として(i)ブロック,イベント,および混合設計実験をシミュレートする合成fNIRS データ,および(ii)実験fNIRS データは従来の数字を含む研究室ベースのタスクの中に記録された.AIDE は,シミュレートされたブロック,イベント,および混合設計実験のそれぞれについて89 %,97 %および91 %の精度で,シミュレートされたfNIRS データから機能的事象を回復することができた.実験室ベースの実験では,AIDE はfNIRS 実験測定データから機能的事象の66.7 %以上を回復した.この方法の強さを説明するために,我々は実験室の外で実施された複雑な現実世界の将来の記憶実験において,1 人の参加者のウェアラブルシステムによって記録されたfNIRS データにAIDE を適用した.実験の一環として,2 つの異なる条件(条件1:人との社会的交流,条件2:物体との非社会的交流)について,それぞれ4 つおよび6 つのイベント(参加者がターゲットとやり取りしなければならない動作)があった.AIDE は,それぞれ条件1 と2 について3/4 イベントと3/6 イベントを回復することが可能であった.同定された機能的事象は,参加者の動きおよび行動のビデオ記録からの行動データに対応した.本研究の結果は,「ビヘイビア・ファースト」分析ではなく「脳・ファースト」が可能であり,現実のfNIRS データを分析して現実の検査と機能的なニューロイメージングとのギャップを埋める新しいソリューションを提供できることを示唆している.

BCI アプリケーションにおけるfNIRS の信号のLDA 分類による最適な特徴の組み合わせの決定

Determining Optimal Feature-Combination for LDA
Classi cation of Functional Near-Infrared Spectroscopy
Signals in Brain-Computer Interface Application
Frontiers in human neuroscience, 2016
20170519_sfujii

本研究では,2 クラスBCI の開発にとって,最も精度が良い機能的近赤外分光法信号の分類のために最適な特徴の組み合わせを決定する.多チャンネル連続波イメージングシステムを使用して,暗算時の信号は,7 人の健康な被験者の前頭前野皮質から得られる.生理学的ノイズを除去した後,平均、勾配、分散、ピーク、歪度および尖度の6 つの酸素化ヘモグロビンと脱酸素化ヘモグロビンの特徴が計算される.線形判別分析(LDA)を使用して
計算された特徴量のうち,2~3 の組み合わせの全ては暗算と安静で分類された.平均値およびピーク値を含む組
み合わせは,すべての被験者にわたって,酸素化ヘモグロビンおよび脱酸素化ヘモグロビンの両方について,他
のすべての組み合わせよりも有意に高い(p <0.05)分類精度をもたらしたことが見出されている.これらの結果 は,2 クラスBCI の暗算と休息の分類の特徴として,酸素化ヘモグロビンおよび脱酸素化ヘモグロビンの平均値 およびピーク値を用いて高い分類精度を達成する可能性を実証している.

NIRS を用いたハイパースキャンによる対面コミュニケーションを伴う協調ジェンガゲーム中の脳内神経同期の 解明

NIRS-Based Hyperscanning Reveals Inter-brain Neural Synchronization during Cooperative Jenga Game with Face-to-Face Communication
Frontiers in human neuroscience, vol. 10, 2016
20170320 mmizuno

機能的近赤外分光法(fNIRS)は、社会的認知を研究するためのますます普及している技術である.特に,fNIRSは,自然な状況で相互作用する2人以上の個体における血流変化を同時測定することが可能である.ここでは,fNIRSハイパースキャンを使用して、Jengゲーム中の協調的および妨害的な2者間の相互作用における社会的認知およびコミュニケーションを研究した.それぞれのペアについて同期化されたチャネルを識別するための新規の手法を開発し,構造間ノードベースの空間レジストレーションアプローチによる2者間解析を用いた.
協調的および妨害的相互作用の間に、右中および前頭前部の後部領域、特にBrodmann領域8(BA8)において強い脳間神経同期(inter-brain neural synchrony:INS)が観察された.この同期性は,パラレル・ゲームのプレイ条件とダイアログ・セクションでは見られず,複雑なインタラクティブな動きや社会的意思決定などのゴール指向のソーシャル・インタラクションにBA8が関与していたことが示唆される. INSは,協調的相互作用のみの間に,背前頭前頭皮質(dmPFC),特にBrodmann 9においても観察された.これらのことから,協調的な社会的相互作用のために心の理論(theory-of-mind:ToM)が必要とされる場合,BA9が特に関与している可能性があることを示唆している.ここに記載されている新しい手法は,fNIRSアプリケーションを社会的認知研究に大きく拡張する可能性を秘めている.

fMRI と作業記憶タスクによる画像ベースの fNIRS アプローチの検証

Validating an image-based fNIRS approach with fMRI and a working memory task
20170117_sikeda
NeuroImage, Vol.147, pp.204-218, 2016

現在の研究では,脳のボリューム内のボクセル空間に頭表面上のチャネル空間から機能的近赤外(fNIRS)信 号を移動させるための新規な画像再構成アプローチを追加することによって,以前の方法論的パイプラインを拡 張している.2 つのアプローチを用いて視覚ワーキングメモリタスク(VWM)時の機能的磁気共鳴イメージング (fMRI)結果と fNIRS の結果を比較することによって,この方法論を立証する.第 1 のアプローチでは,前頭-頭 頂-側頭皮質の脳領域にわたるすべての実験条件について,fNIRS と fMRI の結果との間に有意なボクセルサイズ の相関が観察された.第 2 のアプローチでは,fNIRS および fMRI 測定で別々の多因子 ANOVA を実施し,共通 関心領域内の主効果と相互作用効果との対応関係について検討した.fMRI と fNIRS 両方に共通して,作業記憶 に保持されている項目の数が増加すると,VWM ネットワーク内での活性化において同様の傾向を示した.これ らの結果は,画像ベースの fNIRS アプローチを確証する.

多様式機能的近赤外分光法によって評価した休止状態と呼吸課題中の脳内及び脳外血行動態機能的結合性の合 計時間周波数ダイナミクス

Time-frequency dynamics of the sum of intra- and extracerebral hemodynamic functional connectivity during resting-state and respiratory challenges assessed by multimodal functional near-infrared spectroscopy
NeuroImage, vol.120, pp.481-492, 201
20160819 katayama

呼吸のプロセスをモニタリングすることは,脳内と脳外血行動態の時間周波数ダイナミクスに与える影響を考 慮すれば神経画像データを評価するために重要である.そこで,休止状態と比較して 3 つの異なる呼吸課題(すな わち,過換気,呼吸停止,再呼吸)を使用して,低及び高炭酸ガス中の脳内と脳外の血行動態機能の結合状態の 和の時間周波数ダイナミクスを調査した.脳内及び脳外血行動態反応の合計は,2 つの関心領域(つまり背外側と 内側前頭前皮質)に対して機能的近赤外線分光法を用いて評価された.時間周波数 fNIRS 分析は,各関心領域の 正及び負の位相結合の点で機能的接続性を定量化するためにウェーブレット変換コーヒレンスに基づいて行われ た.生理的な計測は,部分的呼気終末の二酸化炭素,心拍数,動脈性組織飽和酸素及び呼吸速度の形で評価した. 我々は 3 つの呼吸課題は休止状態に対して時間周波数ダイナミクスを調節することがわかった.1)過換気と呼 吸停止は正と負の位相結合の逆のパターンを示した.2)対照的に,再呼吸は有意な影響を及ぼさなかった.3)低 周波の変動は,高周波の変動と比較して時間周波数ダイナミクスに大きな広がりを寄与している. 低(過換気)と高炭酸ガスの間だけでなく,高炭酸ガス症の異なる状態(呼吸停止対再呼吸)の間にも脳内と脳 外血行動態の合計時間周波数ダイナミクスの明確な違いが存在していることを結果は強調している.休止状態と 比較した呼吸課題中の脳内及び脳外と全身の生理学的変化の多様式の評価は,人間の生理・心理状態に付随して 生理的と病的呼吸行動の間の分化において使われる可能性を持っているかもしれないということを示唆している

fNIRS 測定におけるタスクに関連する系統的干渉の解析:fMRI による見解

Analysis of task-evoked systemic interference in fNIRS measurements: Insights from fMRI
NeuroImage, vol.87, pp.490-504, 2014
20160201 htanaka
近赤外分光法(fNIRS)は,臨床応用の広い範囲で,脳の血行動態を診断するための有望な方法である.fNIRS信号は脳から表面組織まで全身の生理的干渉に影響され,結果的にタスク関連の神経活動が誤って推定される.本研究では,頭皮血流と脳血流を別々に抽出し,fNIRS測定に対する頭皮血流の影響を特徴づけるfMRIの血中酸素レベル(BOLD)信号の加重平均空間を光学的に構築するために,fMRIの解剖学的な解像度を使用する.我々は,脳や表面組織に影響を与える生理的干渉を除去するために,拡張された表面組織の信号の回帰(ESSR)手法を紹介する.光学的に測定された空間にfMRI画像を投影することにより得られた,光学的に重みづけされたBOLD信号における手法を,我々は適用し検証する.生理的ノイズを除去するためのESSR手法の有効性は,全体の信号の回帰分析(GSR)と表面組織の信号の回帰分析(SSR)とで比較される.それぞれの手法で取得された信号は,脳血流変動による脳の活性化を示す信号と比較される.二つの手法で比較した際に,ピアソンのR2係数や対応のあるt検定で反映されたように,ESSRの手法を用いて,タスクによる神経活性が有意に改善されたことを我々は報告する。ESSRの手法は,より高次元の空間配置,試行間の低い変動性,正規波形および高コントラスト-雑音比(CNR)の改善(60%)に適用されるときに,最も信号の質は向上する.私たちの発見は,認知課題時には,表面的な頭皮血流信号がfNIRS測定に与える影響は前頭部の異なる領域により有意に変動し,頭皮血流信号を血行動態の局所的な尺度とともに用いると,全体的な干渉における重大な根拠が表面組織だけではなく脳に内在していることを示す.表面と深部の光路長の重なりを最大化することが,fNIRS測定において,血行動態応答を精密に改善するためには重要であると,我々は結論づける.

事象関連 fNIRS:この計測に信頼性があるのか

Event-related functional near-infrared spectroscopy(fNIRS): Are the measurements reliable?
NeuroImage, vol. 31, no. 1, pp. 116 – 124, 2006

本実験の目的は,事象関連 fNIRS の再試験信頼性の調査をすることである.周期的なチェッカーボード刺激により,後頭葉において独立した機能的活性が引き起こされた.52 チャンネルの fNIRS を用いて計測し,12 人の被験者には 2 セッションで計 60 回の視覚刺激の実験を行ってもらった.再試験のインターバルとして 3 週間あけ.散布図により補足される t 値の差異の線形相関,活性チャンネル量や活性位置の決定のための再現性の指標だけでなく級内相関係数を算出した.グループ間比較による結果では,級内相関係数や活性チャンネル量と活性位置の決定により定量化された素晴らしい再現性(96 %以上で再現性があるとしている)の観点から良い信頼性を示した.しかしながら,個人毎における結果では,劣っていた.そのうえ,単一の級内相関係数の計測により評価される信頼性は,集団レベルを参照するならば向上した.

20151103 sshigaraki

機能的近赤外分光法のための一般線形モデルの最適化:適応血行動態応答関数アプローチ

Optimizingthegenerallinearmodelforfunctionalnear-infraredspectroscopy:anadaptivehemodynamicresponsefunctionapproach

Neurophotonics, 2014, 1.1: 015004-015004.

増加する機能的近赤外分光法(fNIRS)研究は、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)データ分析のための標準的な統計的方法として役立つ一般線形モデル(GLM)を利用する。fMRIは単にBOLD信号を測定し,fNIRSはoxy-Hbとdeoxy-Hb信号を数倍の時間分解能で変化を測定する.これは、fNIRS信号に対してGLMの時間パラメータを調整する必要性を示唆している。したがって、私たちは適応血行動態応答関数(HRF)を利用するGLMベースの方法を考案した。私たちは言語流暢及び,ネーミングタスク中に計測された時系列データを最も説明する時間的パラメータを求めた.HRFのピークディレイは計測されたoxy-Hbおよびdeoxy-Hbの時系列データに最もフィットするように系統的に変更した.最適化されたピークディレイは各Hb信号とタスクによって異なる値を示した.最適化されたピークディレイが適用された場合,deoxy-Hbのデータはoxy-Hbのデータと同等の統計的検出力と空間パターンの活性をもたらした。適応HRF法は異なる認知負荷のタスク中の両ヘモグロビンのパラメータを適切に説明することができ,全てのfNIRSデータの時間的構造を利用する客観的な方法として役立つ.

20150803 taki

functional Near Infrared Spectroscopy, Hemodynamic Response function, Optimize, Naming task, Verbal fluency task

fNIRS におけるヘモグロビン信号の異なる時系列情報を最適化するための適応血流動態反応関数

Complex Medical Engineering (CME), 2012 ICME International Conference on. IEEE, 2012. p. 788-792.
Adaptive hemodynamic response function to optimize
differential temporal information of hemoglobin signals
in functional near-infrared spectroscopy

fNIRSが人間の脳機能の評価に適用されて20年近くになる.今では毎年100以上の文献が出版され,一般的な脳機能イメ-ジング法として広く認められた.しかし,fNIRSデータの一般的な解析方は未だ確立されていない.頻繁に言及されていないが,fNIRSデータの時系列解析は,oxy-Hbとdeoxy-Hbの取扱いに関して技術的な課題を提起する.しばしばfMRIと類似の標準的な血流動態反応関数(HRF)との回帰と一般線形モデル(GLM)が用いられてきた.しかし,ヘモグロビンのパラメータがBOLD信号と同じふるまいをするとは限らないため,2つのヘモグロビン信号には異なる特徴が見られる.ここでは,fNIRSデータの分析における最適HRFを見つけるために,我々は適応可能な方法を導入した.あからさまな対立命名タスク中の機能的活性データにおける時間的に最適化されたHRFへの回帰とGLMの適用は,後者の有する実質的な時間遅延と,オキシヘモグロビンとデオキシヘモグロビンの信号に対して異なる時間的構造を明らかにした.しかし時間的に最適化されたHRFを用いた場合,2つのパラメータは,左半球の従来の言語に関連する分野における活性化を含む,互換性のある活性化パターンを得た.これらの結果は,両方のヘモグロビンパラメータの時間情報を利用する適応HRFへの回帰と一般線形モデルの潜在的使用を示唆している.

20150707 taki

事象関連機能的近赤外光法のモデルに基づく解析

pdf

Model-based analysis of rapid event-related functional
near-infrared spectroscopy (NIRS) data: A parametric
validation study

TRENDS in Cognitive Sciences Vol.35, pp. 625-634, April 2007

機能的近赤外分光法(fNIRS)データのための一般的な線形モデル(GLM)によるモデルに基づいた解析の有
用性を確認するために,予測できない刺激配列と事象関連パラダイムを15 人の健康な被験者に適用した.パラメ
トリックデザインは4 つの異なった段階的なコントラストのチェッカーボードを呈示したものが選ばれ,誘発血行
動態応答振幅の順番についての仮説が可能となる.結果は3 つの主要な知見により振幅推定の有効性を示す.(a)
非視覚的な分野で体系的活性化は検出されなかったのに対し,視覚野において,fNIRS データのためのGLM 提
案は4-9 秒(6.5 秒平均)の刺激間間隔で人間の脳の活性化を識別することが可能.(b) 異なるコントラストレベ
ルの強度はGLM 振幅パラメータの仮説ランク順に通じる.最高のコントラストによって誘発される視覚野の活
性化> 適度なコントラスト> 最低のコントラスト> 刺激なし(c)無刺激は視覚野または他の脳領域内の任意の
有意な活性化を生じなかった.私たちはモデルベースのGLM のアプローチが有効なfNIRS の振幅推定を提供し,
fNIRS 研究のため特に関連性の高い事象関連のfNIRS データ系列の分析を可能にする.