fNIRSデータのモーションアーチファクト補正のための尖度に基づくウェーブレットアルゴリズム

A kurtosis-based wavelet algorithm for motion artifact correction of fnirs data
A.M. Chiarelli, E.L. Maclin, M. Fabiani and G. Gratton Neuroimage, vol. 112, pp. 128-137, 2015

動きは, 機能的近赤外光(fNIRS)のアーチファクトの主な発生源である. 主成分分析(PCA)や対象主成分分析(tPCA), スプライン補間(SI), およびウェーブレットフィルタ(WF)を含む, いくつかのアルゴリズムがfNIRSデータのモーションアーチファクト補正のために開発されている. WFは, 標準化されたスコアに基づき外れ値とみなされる係数を有するウェーブレットに基づいており, 合成データと実データの両方に有効であることが証明されている. しかし, SNRが高いとき, 信号振幅の減少の可能性がある. これは, ウェーブレット係数の分布の形状とは無関係に, 標準化されたスコアが本質的にノイズレベルに適応するためにおこる可能性がある. ウェーブレット係数分布の高次モーメントは, その分散よりもウェーブレット分布異常の診断指標をより多く提供することが可能である. ここでは, 外れ値ウェーブレット(尖度ベースのウェーブレットフィルタ, kbWF)を定義するために, 係数分布の大きな4次モーメント(すなわち尖度)を生成するために寄与するウェーブレットを除去することに依存する新しい手順を紹介する. 我々は, 実際の休止状態のfNIRS記録に加えられたシミュレートされた機能的血行動態応答を用いて, 他の既存の手順と比較することによりkbWFを試験した. これらのシミュレーションは, kbWFが瞬間的なノイズを除去するのに非常に有効であることを示しており, 広範囲の信号振幅と雑音振幅にわたって他の既存の方法より高いSNRの結果をもたらす. これは, (1)手順が反復的で,(2)尖度は外れ値を特定する際の分散より診断的である. しかし, kbWFは録音時間によるアーチファクトの遅い成分は除去できない.

fNIRSにおける時間周波数有効接続性によって明らかにされた人間の脳ネットワークのダイナミクス

Dynamics of the human brain network revealed by time-frequency effective connectivity in fNIRS
fNIRSにおける時間周波数有効接続性によって明らかにされた人間の脳ネットワークのダイナミクス
Grgoire Vergotte, Kjerstin Torre, Venkata Chaitanya Chirumamilla, Abdul Rauf Anwar, Sergiu Groppa, Stphane Perrey, and Muthuraman Muthuraman
Biomedical Optics Express, vol.8, pp.5326-5341, 2017
20171214 katayama

“機能的近赤外分光法(fNIRS)は,経時的に皮質領域のネットワークを調べるための有望な神経イメージング法である. 我々は,連続的なタッピングタスクを実行する健康な被験者から取得したfNIRSデータを用いて,脳のネットワークの時間および周波数の両方の変化を捕捉することを可能にする指向性有効接続法(TPDC)を提案する. この方法を用いて,タスクに関与する皮質運動領域と,情報流通交換の強さの重要な変化との間の有向性接続パターンを示す.
それらの時間的進化を伴う運動タスク中の内および半球間接続もまた提供される.脳の接続性の変動を特徴づけることは,変化するタスクの制約や病的状態に適応するための脳の構成を評価する新しい方法を開く.”

機能的近赤外分光法におけるモーションアーチファクト:実際の認知データに適用される体動補正技術の比較

Motion artifacts in functional near-infrared spectroscopy: A comparison of motion
correction techniques applied to real cognitive data
NeuroImage, vol.85, no.1, pp.181-191, 2014
20160409 katayama

多くの機能的近赤外分光法(NIRS)の実験において,モーションアーチファクトはノイズの著しい原因である.それにもかかわらず,それらの除去のための十分に確立された方法は存在していない.その代わりに,モーションアーチファクトを含むfNIRSデータの機能の治験は,多くの場合,完全に却下される.しかし,ほとんどの実験環境では,試行回数は制限があり,特に困難な集団において,複数のモーションアーチファクトは一般的である.モーションアーチファクトを補正するために,主成分分析,スプライン補間,カルマンフィルター,ウェーブレットフィルターおよび相関に基づく信号改善を含んだ多くの方法が提案されている.異なる技術の性能は,多くの場合,シミュレーションで比較されているが,実際の機能データではまれにしか評価されていない.ここでは,認知課題中において得られた実際の機能データで,体動補正技術の性能を比較した.課題では,血行動態応答と相関している低周波,低振幅のモーションアーチファクトをもたらす,被験者が声を出して話すことが求められた.これらの方法の有効性を比較するために,血行動態応答の生理機能に関連する客観的な評価指標が引き出されている.治験を却下するよりもモーションアーチファクトを補正する方が常により良いことと,アーチファクトが93%占める曲線下の面積を減少させる,ウェーブレットフィルターがこの種類のアーチファクトを修正するための最も効果的なアプローチであることを我々の結果は示している.したがって,我々の結果は,ウェーブレットフィルターがfNIRSデータにおけるモーションアーチファクトの補正のための最も有望かつ強力な技術であることを示した先行研究を支持している.ここでの分析は,異なる体動補正アルゴリズムの影響を客観的にテストし,独自のfNIRS実験の分析のための最も適切な選択をする人のための先導として役立つにちがいない.

安静時の fNIRS 測定結果を独立成分分析することによって明らかにされた機能的神経結合

Functional connectivity as revealed by independent component analysis of resting-state fNIRS measurements
Neuroimage, vol.51, issue 3, pp.1150-1161, 2010
20151208 htanaka

非侵襲的イメージング技術として有望な近赤外分光法 (fNIRS) は,安静時の機能的神経結合 (RSFC) の研究に おいて,近年注目されている.fNIRS を用いた RSFC の先行研究では,関心領域の時系列変化をもとに全脳領域 との相関を算出する手法を適用し,興味深い結果が得られた.しかし,この手法には,複数の関心領域間の相互作 用や関心領域抽出における依存関係を無視するなど,いくつかの問題点がある.さらに,fNIRS の測定結果に含 まれるノイズやアーティファクトもまた,RSFC の結果に影響を与える.本研究では,安静時の fNIRS の測定結 果を用いて RSFC を検討する際の問題点を解決するために,独立成分分析 (ICA) が適用された.感覚運動野と視 覚野のデータによる ICA の結果は,機能的に明確な神経結合を示した.ICA と関心領域から相関を算出する従来 の手法を比較した結果,ICA ではより複雑なノイズが含まれている場合でも,質的および定量的に優れた結果が 実証された.ICA により,安静時の fNIRS データからノイズやアーティファクトを分離し,ノイズやアーチファ クトを抽出することが可能であると示された.最終的に,安静時の fNIRS データに ICA を適用することにおける いくつかの実用的な問題点が議論された.

生体信号のためのアーチファクト除去技術を検証するための方法論

A Methodology for Validating Artifact Removal Techniques for Physiological Signals

生理学的信号からアーチファクトを除去することは生体信号処理の必須成分である.医療技術の導入はウェアラブルとユビキタスモニタリング環境に向けて,現在の病院を中心とした設定から遷移しており,このプロセスのための強力で堅牢な方法の必要性が特に深刻になっている.現在,実世界のデータ上で利用可能な複数のアーチファクト除去技術の相対的な有効性と性能を決定することは,求めたい破損していない信号に関する不完全な情報が問題となる可能性がある.手法の大部分は現在,シミュレートされたデータを用いて評価している.したがって,結論の質は使用されるモデルの適合度にかかっている.その結果,生体信号処理のコミュニティでは,アーチファクトの抑制に使用するための適切な信号モデルの生成と検証にかなりの焦点があてられている.ほとんどの手法は信号動態や基礎生理学の適切な近似値をとらえ,アルゴリズム実行後の予測にある不確実性を導入する数学的モデルに依存する.本稿では,アーチファクトが混入している真の求めたい信号と高い相関を示す「グランドトゥルース」の獲得を考慮し,脳機能をモニタリングするタスクのために実証し,求めたい信号のモデル化により多くの経験的な手法について説明する.この「グランドトゥルース」の有効性は悪い信号と一緒に,選択されたアーチファクト除去技術の有効性の決定を助けることができる.一般的に実装されたアーチファクト除去技術について,提案された新たなテストプラットフォームを検証するために記載された方法論を用いて評価した.

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