機能ネットワークと視空間の構造的な接続と視認知ワーキングメモリ

Functional networks and structural connectivity of visuospatial and visuoperceptual working memory
Frontiers in Human Neuroscience, vol.9, p.340, 2015.
20151026 sohtani

健常者におけるワーキングメモリ(WM)の神経相関は,広範囲にわたって機能的MRIを使用して研究されてきた.しかし,白質線維束によって繋がっている機能WMネットワークの一部を形成する領域がどのように接続されているかは明らかになっていない.そして,微細構造特性およびこれらの接続の方向性を指標として使用するDTI計測は,タスク成績で個人差を予測することができる.fMRIデータは23名の健康な若者から取得し,正方形の場所,顔の同定についての0バックと2バック課題を行った.拡散テンソルイメージング(DTI)のデータも取得した.私たちは,WMタスクに伴う主な機能ネットワークを識別するために,fMRIのデータにICAを用いた.DTIのボクセル解析は,構造上の白質とタスク成績間の相関を見つけるために行い,DTIデータの確率追跡では,機能ネットワークのノードを接続する白質の束を同定するために使われた.私たちは,両タスクのために頭頂部,中前頭回の領域で脳活動マップで高い重複があった時,紡錘状回と下前頭回皮質の活動が特異的であったことを見つけた.下前頭回で紡錘状回を結ぶ経路の拡散係数と異方性は,視覚ワーキングメモリタスクの処理速度と相関していた.調査結果が試験的であると思われるが,私たちは,視覚タスクのために紡錘状回と下前頭回に位置しているタスクの間で,活動が唯一の違う前頭部,頭頂部で活動の高い重複パターンを共有しているということがわかった.さらに,DTI計測が処理スピードを予測することがわかった.

視空間的・視知覚的ワーキングメモリの機能的ネットワークと構造的コネクティビティ

Functionalnetworksandstructuralconnectivityofvisuospatialandvisuoperceptualworkingmemory

Frontiers in Human Neuroscience, Vol. 9, Article 340, 2015

20150908sobuchi

fMRIを用いて,健常被験者のワーキングメモリの神経基盤がこれまで調査されてきた.しかしながら,ワーキングメモリの機能的ネットワークを形成する皮質領域は,白質の線維束によってどのように結合されているのか,そしてこれらの結合の有向性と微細構造の特徴の指標として使用されるDTIは,個人のタスクパフォーマンスの違いを予測可能かはまだ明らかになっていない.squarelocationの視空間的課題とfaceidentificationの視知覚的課題中の23人の健康で若い被験者のfMRIデータが計測された.DTIデータも同様に計測された.WM課題に関係する機能的ネットワークを確認するため,我々はfMRIデータにICAを用いた.構造的白質と課題パフォーマンスの関連をみつけるため,ボクセルベースのDTI解析を行った.また,機能的ネットワークのノードの白質線維の結合性を確認するため,DTIデータによる確率的トラッキングを行った.頭頂と中前頭領域の高い脳活動が両タスクでみられる一方で,視知覚的ワーキングメモリ課題にのみ,紡錘状回と下前頭回の機能的補強がみられた.紡錘状回と下前頭回の神経結合性を示すaxialdiffusivityとfractionalanisotropyは,視知覚的ワーキングメモリ課題の処理速度と関連していた.我々の発見は試験的だという認識が必要だが,両課題は前頭と頭頂において,脳活動パターンの高いオーバーラップがあり,視知覚的課題において,紡錘状回と下前頭回の活動に違いが生じた.さらに,DTIの指標は処理速度を予測することが可能であることを発見した.