成人期の脳内容積変化同定のための不偏データ駆動型の年齢関連的構造的脳解剖

An unbiased data-driven age-related structural brain parcellation for the identification of intrinsic brain volume changes over the adult lifespan
Epifanio Bagarinao, Hirohisa Watanabe, Satoshi Maesawa NeuroImage, Volume 169, 1 April 2018, Pages 134-144
20180113knakamura

本研究は,偏りのないデータ駆動型の構造的脳分割によって,成人の年齢に関連する内因性の脳容積変化を解明することを目的とする.21~86歳の健常成人293名の解剖学的脳画像を,独立成分分析(ICA)を用いて分析した.ICAベースの解析により,192の脳領域が同定された.そのうち90.6%の174領域の体積は,年齢と有意な負の相関を示し,一部の領域は他の領域よりも老化の影響を受けやすいことが示唆された.また,7つの領域は老化とともにU字の変化を示した.このうち3領域は逆U字の変化を示し,4領域はU字の変化を示した.86の領域の線形結合モデルにより,約7.2年の平均絶対予測誤差を有する年代の予測が行われた.構造的ネットワークの共変動分析により,半球間の結合について負の相関が示された.全体的に,これらの知見は,健常成人の脳老化に関する研究に貢献し,年齢に関連する神経変性疾患と正常な老化過程を区別するための枠組みを提供するのに役立つ可能性がある.

聴覚の非空間的なモダリティと視空間モダリティに対するトップダウン注意に関する分離可能なネットワーク

Separable networks for top-down attention to auditory non-spatial and visuospatial modalities
NeuroImage, vol.74, pp.77-86, 2013
20170111 htanaka

認知神経科学における中心的な課題は,注意の配分を制御する単一の神経システムがあるかどうかである.脳 領域における背側の前頭ー頭頂間ネットワークは,あらゆる感覚入力に対するトップダウン注意の仲介役として しばしば提案されている.我々は,トップダウン注意を支える皮質ネットワークが,実際にモダリティに特有し ていて,視空間と聴覚の非空間的なモダリティとではそれぞれ前頭ー頭頂間および前頭ー側頭間のネットワーク が異なって形成されることを示すために,ヒトに対して機能的磁気共鳴画像法を用いた.それに対して,右中前 頭回や下前頭回がモダリティに関係なく注意制御に共通して反応したことを示し,感覚経験とは切り離された抽 象的な注意の構成要素が前頭皮質に限定されたという根拠を示した.

2 型糖尿病患者のワーキングメモリ関連ネットワークにおける脳活性化と機能的コネクティビティの変化: ICA に基づく解析

Altered brain activation and functional connectivity in working memory related networks in patients with type 2 diabetes: An ICA-based analysis Title
Scientific reports, Vol.6, 1–11, 2016
20161219 rhagiwara

2 型糖尿病(T2DM)は,多次元認知障害を引き起こす可能性があり,そのうちワーキングメモリ(WM)は 通常早期に関与する.しかしながら,T2DM 患者における WM の障害の根底にある神経基盤は,依然として不 明である.この問題を明確にするために,T2DM 患者を WM ネットワークにおける脳活性化および機能的コネ クティビティ(FC)の変化を評価し,機能的磁気共鳴画像法(fMRI)と独立成分分析を利用して,認知および臨 床変数との関連性を決定した.20 人の合併症のない T2DM 患者と 19 人の一致した健常対照(HC)が登録され, fMRI データはブロック設計された 1-back の WM タスク中に獲得された.T2DM 患者の WM 行列は,T2DM 患 者のわずかに低い精度を除いて,HC と比較して差異を示さなかった.HC と比較して,T2DM 患者は WM の前 頭-頭頂ネットワークにおいて活性化が増加し,活性強度は WM パフォーマンスと有意に相関であることを示し た.T2DM 患者は WM ネットワーク内および WM ネットワーク間で FC が減少することを示した.我々の結果 は,WM サブネットワークにおける機能的統合が T2DM 患者では中断され,前頭-頭頂ネットワークにおける局 所活性の強化が T2DM によって引き起こされる WM 障害を補う可能性があることを示している.

表層および表層組織におけるヘモグロビン変化を模擬するための2つのステージ駆動吸収装置を備えた動的ファ ントム

Dynamic phantom with two stage-driven absorbers for mimicking hemoglobin changes in superficial and deep tissues
Journal of biomedical optics,vol. 17,no. 4,pp.047001,2012
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脳活動と脳機能の連結性を監視するための近赤外分光法(NIRS)では,NIRS 信号に対する表面組織の影響を 考慮する必要がある.頭皮と脳の影響を判定するいくつかの方法が提案されているが,実際の吸収変化を知るこ とができないため,方法の直接の検証は困難であった.この問題に対して,私たちは表層と深層組織におけるヘ モグロビンの変化を模擬する動的ファントムを開発し,その方法を実験的に検証することができた.2 つの吸収体 層は,2 つの 1 軸自動ステージが独立して駆動される.ファントムを使用し,吸収変化の任意のタイプの波形(例 えば,脳活動または全身変動)を設計することができ,その波形は再現可能に測定された.ファントムの有効性 を判定するために,複数の光源検出器の距離測定に使用した.近距離回帰を用いた減算法の性能についても検討 した.最短距離チャネルを使用した場合、最も正確な下位層の変化が得られた.さらに,同じデータに対して独 立成分分析を適用した場合,抽出された成分は実際の信号とよく一致した.これらの結果は,提案されたファン トムが表層組織の効果を識別する方法を評価するために使用できることを示した.

独立成分分析:アルゴリズムと応用

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Independent Component Analysis:
Algorithms and Applications
Neural Networks, Vol. 13, No. 4-5, pp. 411-430, 2000
神経ネットワークの研究は多くの他の分野における基本的な問題と同様に,多変量データの適切な表現,すな
わちランダムベクトルを見つけることである.計算および概念を簡単にするため,多くの場合,表現は元のデー
タの線形変換として求められる.言い換えれば,表現の各構成要素は元の変数の線形結合である.周知の線形変
換方法としては,主成分分析,因子分析及び射影追跡を含む.独立成分分析(ICA) は目標とする成分が統計的に
独立している,または可能な限り独立しているように非ガウスデータの線形表現を見つける,最近開発された手
法である.このような表現は,特徴抽出及び信号分離を含む多くの用途においてデータの基本的な構造をとらえ
るようである.本稿では,ICA の基本的な理論とアプリケーション及び我々のテーマに関する最近の研究につい
て紹介する.