全脳的な内在性回路間の結合パターンから作業記憶の成績上限を予測する

Predicting learning plateau of working memory from whole-brain intrinsic network connectivity patterns
Yamashita, Masahiro and Kawato, Mitsuo and Imamizu, Hiroshi
Scientific reports, vol.5, pp.7622, 2015.

認知機能の個々の学習パフォーマンスは,対応する認知タスク間に活動が増加する「課題関連」領域内の機能的結合に関連している.一方,どの脳領域も他の領域や脳全体のネットワークとつながっているため,学習は異なる機能を持つネットワーク間の接続性の調節を特徴とする.よって,学習パフォーマンスは,課題に関連したネットワークと関連の弱いネットワークの両方を含む内在性回路網間の機能的結合によって決まると仮定した.被験者は安静時機能的MRIを計測し,別の日にワーキングメモリ課題で短時間の訓練(80〜90分)を受けた.全脳内在性ネットワークの機能的結合パターンを計算し,スパース線形回帰モデルが個々のパターンから成績上限を予測するかどうかを検討した.その結果,モデルは高精度な予測をした(R2 = 0.73, p = 0.003).左前頭頭頂ネットワークを含む,課題に関連したネットワーク内の正の相関をもつ結合は,予測に対する寄与率のほぼ半分(48%)を占めた.さらに,我々の仮説と一致して,活性化されていないネットワークと活性化されているネットワークの接続は同程度の寄与(44%)を示した.我々の調査結果は,学習成績は,課題に関連したネットワーク内のシステムレベルの相互作用,ならびに課題に関連したネットワークと関連の弱いネットワーク間のシステムレベルの相互作用によって潜在的に決まることを示唆している.