新しい画像強調内視鏡技術であるLCIによる早期胃癌の色の強調

Linked color imaging (LCI), a novel image-enhanced endoscopy technology, emphasizes the color of early gastric cancer
Hiromitsu Kanzaki, Ryuta Takenaka, Yoshiro Kawahara, Daisuke Kawai, Yuka Obayashi, Yuki Baba, Hiroyuki Sakae, Tatsuhiro Gotoda, Yoshiyasu Kono, Ko Miura, Masaya Iwamuro, Seiji Kawano, Takehiro Tanaka, Hiroyuki Okada
Endoscopy International Open, Volume 5, Number 10, pp.E1005–E1013, 2017
20171114 yokda

“背景と研究目的:LCIとBLIは,強力で独特な色強調を備えた画期的な内視鏡技術である.我々は,早期胃癌病変と周囲の粘膜との間の色差を測定し,WLIと比較することで,LCIおよびBLI-brightの有効性を調べた.
患者および手法:内視鏡下粘膜切開予定の早期胃癌の画像をLCI,BLI-brightおよびWLIで同じ条件で撮影した.病変および周囲の粘膜の色値を,各関心領域における色値の平均として定義した.病変と周囲粘膜の色差(ΔE)を各モードで調べた.色値は,CIE-L*a*b*色空間(CIE:Commission Internationale d’Eclairage)を用いて評価した.
結果:42人の患者から43病変の画像を収集した.LCI,BLI-brightおよびWLIによる平均ΔE値は,それぞれ11.02,5.04,5.99であった.ΔEは,LCIでWLIより有意に高かった(P<0.001).WLIのΔEが小さい場合に限って,ΔEはWLIよりもLCIで約3倍高くなった(7.18対2.25).LCIのΔEは,周囲の粘膜が重度の腸上皮化生(P=0.04)を有する場合に大きくなった.病変と周囲の粘膜の平均色値は異なるものとなった.この値は,LCIを用いた場合でも,それらを区別するために病変と周囲の粘膜との間に十分なカットオフポイントを有していなかった. 結論:LCIはWLIよりΔEが大きくなった.経験の浅い内視鏡専門医であっても,胃癌を容易に認識し,早期に検出可能であることが示唆された."

大腸内視鏡検査における結腸直腸ポリープ検出のためのLCI とWLI の比較

Comparison of linked color imaging and white-light colonoscopy for detection of colorectal polyps: a multicenter, randomized, crossover trial
Gastrointestinal Endoscopy, pp.1{7, 2017
20170914 yokada

背景と目的:近年開発された技術であるLinked Color Imaging(LCI)は,レーザー内視鏡システムを使用して,赤と白の色をより鮮明に表現するために赤の色分解を強調する.結腸直腸ポリープの検出におけるLCI の利
点は未知である.この研究の目的は,WLI 内視鏡と比較して結腸直腸ポリープの検出を改善するLCI の能力を評価することである.
手法:我々は,中国の3 つの病院で,多施設・クロスオーバー・前向き・ランダム化比較試験を行った.すべての患者は,LCI およびWLI 内視鏡を用いて無作為の順序で大腸内視鏡検査を受けた.全ての病変は,2 回目の内視鏡処置中に除去された.1 つ目の結果の指標は,結腸直腸ポリープの検出時のLCI とWLI 内視鏡検査の感度の差とした.2 つ目の結果の指標は,2 群における患者1 人当たりの腺腫検出率およびポリープを見逃した率に関連する因子とした.
結果:全部で152 人の患者が無作為化され,141 人が分析に含まれた.全般的なポリープの検出率は,LCI の大腸内視鏡検査では24 %増加し,感度はWLI よりLCI が高くなった.さらにLCI では,ポリープを有する患者が有意に多く(32%)同定された.患者1 人当たりの腺腫の検出率は,WLI よりLCI が有意に高くなった.
結論:LCI は,大腸内視鏡検査中に結腸直腸ポリープおよび腺腫の検出を改善することがわかった.

LCI による結腸直腸非外傷性病変の内視鏡的視認性の改善

Linked-color imaging improves endoscopic visibility of colorectal nongranular at lesions Gastrointestinal Endoscopy, pp.1-6, 2017
20170802 yokada

背景と目的:画像強調内視鏡(image-enhanced endoscopy:IEE)技術として新たに開発されたLinked color
imaging(LCI)は,色調を強調し非常に明るい画像を作成する.本稿では,検出が困難な結腸直腸腫瘍病変の検
出率向上を目的として,LCI の有用性を視認性の観点から検討した.
手法:この研究では,連続した非扁平上皮性腫瘍53 症例を用いた.内視鏡画像はWLI,BLI-bright およびLCI
モードによって取得した.そして病変ごとにWLI,BLI-bright およびLCI モードでそれぞれ1 枚の画像を選択し
た.6 人の内視鏡医が画像による診断を行った.以前に報告された可視性尺度を使用することにより,可視性レベ
ルを1 から4 の尺度で評価した.
結果:平均( 標準偏差)可視性スコアは,WLI は2:741:08,BLI-bright は2:940:97,LCI は3:360:72
であった.スコアは,WLI と比較してBLI-bright が有意に高く,LCI はBLI-bright より有意に高かった.専門医
と研修生を比較すると,専門家のスコアはそれぞれ2:831:06,3:170:88 および3:400:74 であり,すべての
内視鏡専門家の得点は類似した.対して研修生のスコアは,WLI(2:65  1:10)とBLI-bright(2:71  1:00)の
間に差はなかったが,LCI(3:31  0:69)はWLI やBLI-bright より有意に高かった.静脈鋸歯状腺腫/ポリープ
病変のみを分析した場合,LCI は他の2 つよりも有意に高かった.
結論:LCI が結腸直腸扁平病変の視認性を高め,これらの病変の検出率の向上に寄与していることを示唆した.

LCI を用いた活性ヘリコバクターピロリ感染の内視鏡診断の改善

Linked color imaging improves endoscopic diagnosis of active Helicobacter pylori infection
Endoscopy International Open, Volume 4, Number 07, pp.E800-E805, 2016
20170130 yokada

背景と研究の目的:LCI(Linked Color Imaging)は,レーザー光源を使用して粘膜の色のわずかな違いを改善
する新しい画像強調内視鏡技術である.本研究の目的は,Helicobacter pylori(H. pylori)を診断するためのLCI
および従来の白色光イメージング(WLI)内視鏡の有用性を比較することである.
患者と方法:2013 年10 月から2014 年5 月までに,WLI およびLCI 内視鏡検査を受けた60 人の患者の画像を
分析した.H. pylori 感染症患者30 人および除菌後H. pylori 陰性患者30 人である.4 人の内視鏡医は,H. pylori
感染の診断を容易にするために2 つのタイプの画像を評価した.
結果:H. pylori 感染は,LCI により胃粘膜の赤色の外観を強調することによって,識別された.WLI を用いたH.
pylori 感染症の正確性,感度,特異度はそれぞれ74.2%,81.7%,66.7%であり,LCI は85.8%,93.3%,78.3%であっ
た.したがって,LCI の精度および感度は,WLI の精度および感度よりも有意に高くなった(それぞれ,P = 0:002
およびP = 0:011).4 人の内視鏡医の間および頸動脈内変動のK 値は,LCI の方がWLI よりも高くなった.
結論:H. pylori の感染は,LCI を用いて,胃底腺のびまん性発赤の内視鏡画像を強調することによって識別す
ることができる.LCI は,新規画像強調内視鏡検査であり,WLI と比較してH. ピロリ感染の診断に有用である.

LCI によるピロリ菌感染内視鏡診断の改善

Linked color imaging improves endoscopic diagnosis of active Helicobacter pylori infection
Endoscopy International Open, Volume 4, Nomber 7, pp.800–805, 2016
20160928 yokada

研究背景と目的:LCI 画像は,粘膜の色のわずかな違いを高めるために,レーザー光源を使用して画像を強調 する新しい内視鏡検査法である.本研究の目的は,ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)を診断するための LCI と従来の白色光イメージング(WLI)内視鏡検査の有用性を比較することである. 患者と手法:2013 年 10 月から 2014 年 5 月において,60 名について LCI と WLI を用いて画像の分析を行った. 30 名はピロリ菌に感染しており,残りの 30 名は除菌治療後陰性となった検体である.また 4 名の内視鏡医によ り,2 つの画像を用いてピロリ菌感染診断に有用な画像の検討を行った. 結果:胃底腺粘膜の赤味を強調する LCI によって,ピロリ菌感染を発見することが可能となった.WLI を用い た時の正確度,感度,特異度はそれぞれ 74.2%,81.7%,66.7%となった.一方で,LCI を用いた時の正確度,感 度,特異度はそれぞれ 85.8%,93.3%,78.3%となった.したがって,LCI の正確度と感度において WLI より有意 に高くなることが分かった.また 4 人の内視鏡医間の k 統計値は WLI に比べて LCI において高くなることが分 かった. 結論:ピロリ菌感染は,LCI により胃底腺のびまん性発赤の内視鏡画像を強調することにより発見することが 可能となることが分かった.新しい画像強調内視鏡である LCI は WLI に比べて,ピロリ菌感染診断において有用 であることが分かった.

LCI 技術による表面平坦型早期胃癌発見の容易化

Linked color imaging technology facilitates early detection of at gastric cancers
Clinical Journal of Gastroenterology, Volume 8, pp.385-389, 2015
20160325 yokada

表面平坦型の早期胃癌(0-IIb)は見辛いため,従来の内視鏡検査では見落とすことがある.我々は,従来の白色光内視鏡検査(WLE)で見落とされた表面平坦型の早期胃癌を持つ患者の治療を行った.74 歳の日本人男性は,前庭部後壁における表面陥凹型の早期胃癌(0-IIc)の内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が用いられた.LCI は幽門前に従来のWLE では検出されていなかった直径30mm と10mm2 つの赤みを帯びた表面平坦型の病変(0-IIb)を検出した.LCI は拡大することなく,悪性病変と周囲の粘膜の間の境界線を明らかに示した.両方の病変がBLIによって不規則な表面パターンが見られたため,表面平坦型の早期胃癌であると疑われた.さらに表面陥凹型の病変(0-IIc)はレーザーWLI によって大彎洞に沿って発見された.拡大BLI は,悪性病変を示唆した.生検標本の組織学的検査では,4 つのすべての病変は異型腺管と判断された.切除標本の病理学的検査では,4 つのすべての病変で高分化型の局所化腺癌が確認された.新しい内視鏡技術によって表面平坦型の早期胃癌がはっきりと見えるようになることがわかった.