個々の頭部および前頭前野皮質を考慮した近赤外光吸収シミュレーション:光ニューロイメージングへの影響

Simulation of near-infrared light absorption considering
individual head and prefrontal cortex anatomy:
implications for optical neuroimaging
PloS one,vol. 6,no. 10,pp.e26377,2011
171003 syokoyama

機能的近赤外分光法(fNIRS)は,神経活動を推測する機能的血行動態反応を測定するための確立された光学的 神経イメージング法である.しかし,皮質灰白質内の血行動態を測定するfNIRS の感度に対する個々の解剖学的な 構造の影響はまだ判明していない.23 人の健常な被験者(平均年齢:(25.0  2.8)歳)のモンテカルロシミュレー ションおよび構造的MRI を用いて,24 の前頭前部fNIRS チャネルの下の組織の特異的な近赤外光吸収の個々の 分布を特徴付けた.我々は,近赤外光が通る頭皮からの皮質距離(SCD),前頭洞容積および灰白質体積(Vgray) 上の脈状形態,すなわち解剖学的依存性fNIRS 感度の影響を調べた.オプトード間の近赤外光吸収は,最も深い 5 %の光を考慮し,平均浸透の深さが(23.60.7)mm の回転楕円体に分布していた.検出された光子のうち,頭 皮および骨ではエネルギーの(96.49.7)%およびVgray は(3.11.8)%を吸収した.平均Vgray 容積(1.1  0.4)cm3 は,SCD および正面洞容積(r =??.57)と負の相関(r =??.76)があり,小さな前頭洞に比べて比較的 大きな被験者では41.5 %減少した.頭囲は平均SCD(r =??.46)および横断正面洞容積(r =??.43)と有意に正 の相関があった.溝の形態はVgray に大きな影響を与えなかった.我々の知見では,個々のSCD および正面洞の 容積がfNIRS 感度に影響する解剖学的要因と考えることを示唆している.頭囲は,誤差分散のこれらの原因を部 分的に制御する実用的な尺度を表すことができる.

3Tの核磁気共鳴装置によるみかけの拡散係数の測定のための新 たなファントムと実験式

A new phantom and empirical formula for apparent diffusion coefficient measurement by a 3 Tesla magnetic resonance imaging scanner
Oncology letters,vol. 8,no. 2,pp.819-824,2014
161119_syokoyama

本研究の目的は,3 テスラ(3T)の核磁気共鳴画像法(MRI)装置のための拡散強調像(DWI)を用いたみか けの拡散係数(ADC)の較正ための新しいファントムの作成と 37 ℃の生理的温度を含む様々な温度で正常組織と 腫瘍組織の ADC 値を模擬することである.ファントムは 0 から 1.2M のいくつかの濃度のスクロースを用いて作 成し,DWI は様々なファントムの温度で撮像した.正確な ADC 値は,ファントムの DWIs を用いて計算し,実 験式は任意のスクロース濃度と任意のファントム温度からファントムの ADC 値を較正するために開発された.実 験式は,以前の研究で 3T の MRI によって臨床的に測定された人体の ADC 値の範囲を含んだ 0.33 から 3.02 の範 囲の ADC 値を生成することができた.本研究で開発したファントムと実験式は 3T の MRI で臨床の人間の病変 の ADC 値を模倣するために利用することができる.

畳み込みニューラルネットワークを用いた MRI 画像における脳腫瘍分割

Brain Tumor Segmentation Using Convolutional Neural Networks in MRI Images
IEEE transactions on medical imaging, vol.35, no.5, pp.1240-1251, 2016
20161103_rtamura

脳腫瘍において,神経膠腫は最も一般的で侵攻性が高く,最高レベルの悪性度では余命が非常に短くなる.した がって,治療計画は腫瘍患者の QOL(生活の質)を向上させるための主要段階である.核磁気共鳴画像法(MRI) は,これらの腫瘍を診察するための撮像方法として広く利用されている.しかし,MRI によって撮像される大量 のデータは適切な時間内で手動分割を妨げる.その結果,臨床診療では正確な定量的測定を制限する.そのため, 自動で且つ信頼性のある分割方法が必要とされている.しかしながら,脳腫瘍間の大きな空間と構造的変異は分 割の自動化を困難にさせる.本稿で,我々は 3×3 の小さいカーネルを調査し,Convolutional Neural Network (CNN)に基づいた自動分割手法を提案する.小さいカーネルの使用は,重みの少ないネットワークを構成し,オー バーフィッティングに対する有効な効果がある他に,より深いアーキテクチャを設計することを可能にする.我々 は前処理として明暗度の正規化を用いることも調査した.その正規化は CNN を基にした分割手法では一般的では ないが,データの増加とともに MRI 画像の脳腫瘍分割において非常に有効であることが証明されているためであ る.我々の提案手法は,Dice Similarity Coefficient の測定基準であるコンプリート,コア,エンハンシングの部分 (0.88, 0.83, 0.77)で同時に 1 位を得たことで,脳腫瘍分割チャレンジ 2013(BRATS 2013)のデータベースで正 当性が立証された.また,オンラインの評価プラットフォームによって総合 1 位となった.我々は BRATS2015 の チャレンジにも同じモデルを用いて参加し,Dice Similarity Coefficient の測定基準で同じ部分で 0.78, 0.65, 0.75 で第 2 位となった.

fNIRS 測定におけるタスクに関連する系統的干渉の解析:fMRI による見解

Analysis of task-evoked systemic interference in fNIRS measurements: Insights from fMRI
NeuroImage, vol.87, pp.490-504, 2014
20160201 htanaka
近赤外分光法(fNIRS)は,臨床応用の広い範囲で,脳の血行動態を診断するための有望な方法である.fNIRS信号は脳から表面組織まで全身の生理的干渉に影響され,結果的にタスク関連の神経活動が誤って推定される.本研究では,頭皮血流と脳血流を別々に抽出し,fNIRS測定に対する頭皮血流の影響を特徴づけるfMRIの血中酸素レベル(BOLD)信号の加重平均空間を光学的に構築するために,fMRIの解剖学的な解像度を使用する.我々は,脳や表面組織に影響を与える生理的干渉を除去するために,拡張された表面組織の信号の回帰(ESSR)手法を紹介する.光学的に測定された空間にfMRI画像を投影することにより得られた,光学的に重みづけされたBOLD信号における手法を,我々は適用し検証する.生理的ノイズを除去するためのESSR手法の有効性は,全体の信号の回帰分析(GSR)と表面組織の信号の回帰分析(SSR)とで比較される.それぞれの手法で取得された信号は,脳血流変動による脳の活性化を示す信号と比較される.二つの手法で比較した際に,ピアソンのR2係数や対応のあるt検定で反映されたように,ESSRの手法を用いて,タスクによる神経活性が有意に改善されたことを我々は報告する。ESSRの手法は,より高次元の空間配置,試行間の低い変動性,正規波形および高コントラスト-雑音比(CNR)の改善(60%)に適用されるときに,最も信号の質は向上する.私たちの発見は,認知課題時には,表面的な頭皮血流信号がfNIRS測定に与える影響は前頭部の異なる領域により有意に変動し,頭皮血流信号を血行動態の局所的な尺度とともに用いると,全体的な干渉における重大な根拠が表面組織だけではなく脳に内在していることを示す.表面と深部の光路長の重なりを最大化することが,fNIRS測定において,血行動態応答を精密に改善するためには重要であると,我々は結論づける.