うつ病患者における心身に対する瞑想効果の研究:fMRIを用いたresting-state研究

The effect of body–mind relaxation meditation induction on major depressive disorder :A resting-state fMRI study
Chen, Fangfang and Lv, Xueyu and Fang, Jiliang and Yu, Shan and Sui, Jing and Fan, Lingzhong and Li, Tao and Hong, Yang and Wang, XiaoLing and Wang, Weidong and others
Journal of affective disorders, vol.183, pp. 75–82, 2015

“背景:瞑想は,鬱病の治療のための重要な相補型治療的な道具として,次第に評価されてきた.本研究は,うつ病患者の脳活動に関して体-知性弛緩瞑想導入(BMRMI)の効果を調べて,この複雑な介入のために動きの可能性がある機序を調査するために,安静時中の機能的な磁気共鳴映像法(rs-fMRI)を使用した.

方法:21例の大うつ病性障害患者(MDD)と24の年齢と性がマッチした健常対照者(HCs)は,試験開始時に,そして,体-知性弛緩瞑想を誘導するように設計されたオーディオの選択を聞いた後にrs-fMRIスキャンを受けた. rs-fMRIデータは.全脳へのBOLD信号の低周波変動(ALFF)の振幅を得るためにMatlabツールボックスを用いて分析された.
混合性設計重複測定分散分析法(分散分析)は,どの脳領域がBMRMIに影響を受けたかについて調査するために,全脳で実行された.機能的な連結性分析は,BMRMIの後どんな非定型接続パターンでも同定するために用いられた.

結果:BMRMI経験の後,MDDとHCsは,両側前頭極(BA10)で,減少したALFF数値を示した.
その上,右の背面の内側前頭前皮質(dmPFC)から左の背面の外側前前頭皮質(dlPFC)と左側眼窩前頭皮質(OFC)への上昇した機能的な連結性は,BMRMIの後MDDだけで同定された.

限定:他のイベントの参加者への影響を除外する脳活動(DepressionのためのハミルトンRatingスケール)(HDRS)は,体-知性緩和誘導の後測定されなかった.

結論:我々の研究結果は,体-知性弛緩瞑想導入には前前頭皮質の活動を調整する可能性があって,このように、患者が複数の感情処理システムで脳活動を調整することができる再評価戦略を造るのを援助する可能性があるという仮説を支持する.”

鬱病患者における感情処理中のデフォルトモードネットワークの負のBOLD応答変化

Altered Negative BOLD Responses in the Default-Mode Network during Emotion Processing in Depressed Subjects
鬱病患者における感情処理中のデフォルトモードネットワークの負のBOLD応答変化
Simone Grimm, Peter Boesiger, Johannes Beck, Daniel Schuepbach, Felix Bermpohl, Martin Walter, Jutta Ernst, Daniel Hell, Heinz Boeker and Georg Northoff
Neuropsychopharmacology, vol.34(4), pp.843-932, 2009
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fMRIを用いた研究で,前帯状皮質,腹側前頭前野,後部帯状皮質などのデフォルトモードネットワークの領域において負のBOLD応答(NBR)が示されている.また,うつ病を有する患者は感情認知障害を示しており,これはデフォルトモードネットワーク内の変化に関連している.しかし,このデフォルトモードネットワークの変化がNBRの異常に関係しているかどうかは不明である.よって,我々はうつ病患者に対する感情的なタスク間のデフォルトモードネットワークの活動を調査した.うつ病患者は,デフォルトモードネットワークのいくつかの領域でNBRを有意に減少させた.このうつ病患者におけるNBRの減少は,うつ病の重症度などと相関していた.よって我々の研究は,うつ病患者においてデフォルトモードネットワークのNBRが減少していることから,うつ病患者の異常な負の感情調節にデフォルトモードネットワークのNBRが関係していることを示す.

状態と特性反芻の指標としてのうつ病における異常な機能的コネクティビティ

Aberrant functional connectivity in depression as an
index of state and trait rumination
Scienti c Reports, vol.7, 2017
20170926 katayama

うつ病は,様々な異常な脳機能および構造に関連することが示されている.特に,大うつ病性障害(MDD) に おける機能的コネクティビティ(FC)の変化の研究は,病的脳ネットワークのよりよい理解がこの病気の理解を 促進する可能性があるため,有望な試みであった.しかし,MDD における異常なFC のメカニズムは,ほとんど 明らかでない.機能的近赤外分光法(fNIRS)を用いて,現在のMDD を有する患者の安静状態のデフォルトモー ドネットワーク(DMN)の皮質部分におけるFC を調査した.さらに,我々は,うつ状態の被験者と非抑うつ状 態の被験者との間のFC の差異へのそれらの寄与を調査するために,精神的過程(例えば,状態/特質の反芻,マ インドワンダリング)の定性的および定量的尺度を使用した.我々の結果は,患者の40 %が安静状態の間に自発 的反芻を報告することを示している.うつ状態の被験者は,対照と比較してDMN の一部においてFC の減少を 示した.この知見は、状態/特質の反芻のプロセスに関連していた.DMN の皮質部分において,反芻はFC と負 の相関があったが、マインドワンダリングは正の関連を示した.

大うつ病を患っている若者の表情に対する扁桃体の活動亢進

Amygdala and dorsomedial hyperactivity to emotional
faces in youth with remitted Major Depression
Social cognitive and affective neuroscience vol.11(5), pp.736-745, 2016
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我々はfMRI を用いて表情認知に対する大うつ病障害のニューロイメージングマーカーを提示する.大うつ病障
害と診断された47 人と健常者37 人に対して表情認知テスト(FEPT)を行った.
FEPT の行動パフォーマンスは,群間で有意に異ならなかった.しかし両方のグループにおいて,表情を基に
感情分類を行った時とただ動物を分類した時とを比較したところ,両側下前頭回に有意な活性を示した.加えて,
大うつ病障害群では両側傍帯状回,中側頭回,右扁桃体を含む多数の領域において活性を示した.また,大うつ
病障害群は両側中側頭回および左上前頭回を含む領域において,健常者群よりも有意に高い活性を示した.
大うつ病障害群は,表情認知タスクでの行動パフォーマンスの低下は示さなかったが,複数の脳領域において
健常者群と比較してより活性が見られた.よって,大うつ病障害群と健常者群の区別が可能であることを示唆し
ている.