代謝物質の変化は肝臓グルタチオン消費を示しているフタル酸が酸化ストレスのバイオマーカーであることを 明らかにする

Differential Metabolomics Reveals Ophthalmic Acid as an Oxidative Stress Biomarker Indicating Hepatic Glutathione Consumption
Soga, Tomoyoshi and Baran, Richard and Suematsu, Makoto and Ueno, Yuki and Ikeda, Satsuki and Saku- rakawa, Tadayuki and Kakazu, Yuji and Ishikawa, Takamasa and Robert, Martin and Nishioka, Takaaki and others
Journal of Biological Chemistry, vol.281, no.24, pp.16768-16776, 2006

メタボローム(全代謝物質)の一斉測定.それは,細胞の活動状態を把握するために,近年望まれた技術である.ここでは,アセトアミノフェン誘発肝毒性後の肝臓代謝産物をプロファイルするためのキャピラリー電気泳動-飛行時間型質量分析計(CE-TOFMS)法に基づくメタボロームディファレンシャルディスプレイ法を紹介する.我々は,マウス肝臓抽出物中に1,859 のピークを検出し,フタル酸エステル生合成経路の活性化を含む代謝産物レベルの複数の変化を強調した.本発明者らは,γ-グルタミルシステインおよびグルタチオンシンテターゼとの連続反応により,2 -アミノ酪酸からフタル酸エステルが合成されることを確認した.マウス血清および肝臓抽出物中のフタル酸エステル濃度の変化は密接に相関しており,フタル酸エステル濃度はグルタチオン消費と関連して有意に増加した.全体的に見て我々の結果は,アセトアミノフェン治療後の肝臓代謝産物の変化後の情報を提供する.さらに,我々は,血清フタル酸エステルが肝臓のGSH 不足の敏感な指標であり,そして酸化ストレスのための新しいバイオマーカーであるかもしれないことを見つけた.我々の方法は,このように特定の代謝産物の変化を正確に把握し,大規模な代謝経路での変化を提供し,低分子量バイオマーカーを発見するための強力な新しいツールとして役立つ.

ヒトにおける概日の代謝について

The human circadian metabolome
Proceedings of the National Academy of Sciences, vol. 109, no. 7, pp. 2625-2629, 20122015.1211.okamura

ヒトにおける概日周期は生理学の多くの側面を統合しており,この周期の破綻は癌からメタボリックシンドロー ムや糖尿病までに及ぶ様々な病理に影響を受ける.代謝物と概日周期の働きは転写レベルで密接に関係している という証拠はあるが,これらの結果が直接的な時間制御によるものか,安静-活動のサイクル,食事のタイミング によってもたらされるかどうかは不明である.この問いに答えるために,我々は異なる日時で血漿と唾液の代謝 物質に対してバイアスの無いスクリーニングを行った.間接的な影響を最小限にするため,被験者は姿勢の強制 と恒常的な薄暗い光,1 時間に 1 回の等カロリーの食事,睡眠遮断という 40 時間のルーチンを保たれた.これら の状況下において,血漿と唾液内で特定された代謝物質の 15%が概日周期に従っており,唾液内のアミノ酸と血 漿内の脂肪酸においてこの特徴が最も明白だった.我々のデータは,睡眠や食事とは独立した複数のヒトの代謝 経路において,内在性の概日周期は強く直接的に影響することを示唆する.さらに,それらはヒトの概日周期や 睡眠から複数の潜在的なバイオマーカーを識別する.