自発的なデフォルトネットワークの活動は注意散漫状態から独立した行動の変動性を反映する

Spontaneous default network activity reflects behavioral variability independent of mind-wandering
Aaron Kucyi, Michael Esterman, Clay S. Riley, Eve M. Valera PNAS, vol.113, pp.13899-13904, 2016

脳のデフォルトモードネットワーク(DMN)は、覚醒時の休憩中に、感覚刺激や外部指向のタスクに過度に関与していないときに非常に活動的になる。複数の状況において、自発的なDMN活動の増加は、自己喚起された注意散漫状態のエピソード、または現在の感覚環境とは無関係な思考に関連付けられている。注意散漫状態は、歩んだ人生の多くを特徴づけ、多くの場合、エラーが発生しやすい可変の動作に関連付けられている。ただし、自然発生的なDMN活動の増加は、可変ではなく安定した動作にも確実に関連付けられている。この矛盾と思われるものに対処し、自己喚起または行動に基づく注意状態の単一の測定値だけでは、DMN活動の変動を説明するには不十分であるという仮説を検証することを目指した。したがって、注意のゆらぎを検出するために最適化された独自の継続的なパフォーマンスタスク中に、fMRIを使用して、さまざまなレベルの自己喚起された注意散漫状態、行動の変動、および脳活動を同時に測定した。注意散漫状態は行動の変動性の増加と共起するが、最高のDMN信号レベルは、単一の要因のみを考慮する場合と比較して、安定した行動と同時に激しい注意散漫状態によって最もよく説明されることがわかった。これらの脳と行動と経験の関係は、既知のDMNサブシステム内およびDMN領域間で非常に一貫性があった。対照的に、このような関係は他の注意関連ネットワーク(salience、背側注意、および前頭頭頂制御ネットワーク)の逆だった。私たちの結果は、自発的なDMN活動が明確に反映する認知プロセスは、注意散漫状態と部分的にのみ関連し、自己喚起では捕捉されない注意状態の変動も含むことを示唆している。

内的および外的注意とデフォルトモードネットワーク

Internal and external attention and the default mode network
Scheibner, Hannah J and Bogler, Carsten and Gleich, Tobias and Haynes, John-Dylan and Bermpohl, Felix Neuroimage, vol.148, pp.381-389, 2017

最近では多くの精神療法に不可欠となっている精神的健康やwell-beingは集中瞑想により改善することが明らかにされている.集中瞑想の神経相関における研究は増えてきているが,瞑想がデフォルトモードネットワーク(DMN)において高い活動か,低い活動のどちらに関連するのかによって結果が変わる.集中瞑想とDMN領域における活動の関係を調べるために,1つの瞑想内で内的注意と外的注意,及び様々な段階を区別することが役立つかもしれない.例えば集中瞑想の間,実践者はmindful attention, mind-wandering,及びrefocusingを切り替える.ここでは,これらの段階の異なる神経相関を研究するために思考プローブ法を用いた.瞑想経験のない健常成人20人の被験者が,外部(音のマインドフルネス)及び内部(呼吸のマインドフルネス)の注意瞑想を紹介され,その後4日間連続で自宅にて瞑想を実践した.その後,fMRIスキャンの間,内部と外部の注意を交互に4回繰り返し,同じ集中瞑想を行った.疑似ランダムな間隔で被験者はタスクに集中していたか(mindful attention),気がそれていたのか(mind-wandering)を尋ねられた.mindful attentionの間,内側前頭前皮質,後部帯状皮質,及び左側頭頂接合部などの通常DMNに関連する脳領域は,mind-wanderingの間と比較して活性化は有意に少なかった.また,外部注意と比較して内部注意中の後部帯状皮質におけるより強い不活性化と共に,外部及び内部注意の両方の間にDMNの活性の低下が見られた.さらに,mind-wandering後のrefocusingは左下前頭回の活動と関連していた.本研究者らの結果は,実践者の注意焦点(すなわち,内的対外的)とは無関係に,mindful attentionはmind-wanderingと比較してDMN活性の低下に関連するという理論を支持する.

若い男性ドライバーのマインドワンダリング傾向と危険な運転の関連について

Linking mind wandering tendency to risky driving in young male drivers
Albert, Derek A and Ouimet, Marie Claude and Jarret, Julien and Cloutier, Marie-Soleil and Paquette, Martin and Badeau, Nancy and Brown, Thomas G
Accident Analysis & Prevention 111 (2018): 125-132

“危険な運転は,特に若いドライバーの交通事故の重大な原因である.マインドワンダリング状態は,自発的な気晴らしの形態であり,車間距離の短縮,応答時間の遅れ,運転者の警戒の軽減,および衝突リスクの増大に関連する.しかし,マインドワンダリングが危険な運転を引き起こすかどうかは不明である.マインドワンダリングは実行機能制御にも関連しているが,この能力がマインド・ワンダリング傾向と危険な運転との関係を緩和するかどうかは不明である.本研究は,18-21 歳の若い男性運転者(N=30)において危険運転行動を予測するかどうか,運転者の警戒と実行機能制御の関係性の緩和について調査した.マインドワンダリングは,SART(Sustained Attention to Response Task)とDDFS(Daydreaming Frequency Scale)で測定された.危険な運転は,運転シミュレータの平均速度によって評価され,ドライバーの警戒は目の追跡で測定された水平眼球運動によって定量化された.結果は,SART のパフォーマンスに基づくマインドワンダリング傾向が大きいほど,より速い平均速度を確認した.しかし,ドライバーの警戒または実行機能制御力のいずれの関係性も緩和しなかった. これらの知見は,マインドワンダリングの個人差の複雑さを言及している.全体的に,マインドワンダリング傾向は若いドライバーの危険な運転の重要なマーカーであり,それは標的とされた介入の発展を導くことができる.”

デフォルトモードネットワーク内の効果的な接続とマインドワンダリングの促進・抑制との因果関係

Causal relationship between effective connectivity within the default mode network and mind-wandering regulation and facilitation
S. Kajimura, T. Kochiyama, R. Nakai, N. Abe and M. Nomura
Neuroimage, vol. 133, pp. 21-30, 2016.
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経頭蓋直流刺激(tDCS)は,思考が進行中の課題や外部環境内の事象から自己生成の思考や感情へとシフトする,マインドワンダリングを調節することができる.マインドワンダリング頻度の調節は外側前頭前野(the lateral prefrontal cortex:LPFC)やDefault mode network(DMN)における領域の神経変性に関連すると考えられるが,正確な神経メカニズムは未知のままである.機能的核磁気共鳴イメージング(functional magnetic resonance imaging:fMRI)を用いて,我々はtCDS(DMNのコア領域である右IPL上に配置された1つの電極と,左LPFC上に配置された別の電極),DMN内の刺激によって誘発された指向性接続変化,およびマインドワンダリング頻度の調節との間の因果関係を調べた.行動レベルでは,右IPLにおけるアノードtDCS(左IPLにおけるカソードtDCSを有する)が,逆の刺激と比較してマインドワンダリングを減少させた.神経レベルでは,右IPLにおけるアノードtDCSは,後部帯状皮質(PCC)の求心性接続を右IPLおよび前頭前野(mPFC)から減少させた.さらに,媒介分析では,右IPLおよびmPFCからの接続の変化が,マインドワンダリングの促進および抑制とそれぞれ相関することが示された.これらの効果は,効果的な接続の不均質な機能の結果である.すなわち,右IPLからPCCへの接続はマインドワンダリングを妨げるが,mPFCからPCCへの接続はマインドワンダリングを促す.現在の研究は,マインドワンダリング頻度のtDCS調節の基礎をなす神経メカニズムを実証するものである.

運転中のマインドワンダリング:それが何を意味するのか,私たちは何をしているのか?

Mind Wandering While Driving: What Does it Mean and What do we do about it?
Lerner, Neil and Baldwin, Carryl and Higgins, J Stephen and Lee, John and Schooler, Jonathan
Human Factors and Ergonomics Society Annual Meeting, vol. 59, no. 1, pp.1686-1690 , 2015
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ドライバの注意散漫は,道路の安全性に関わらず,車両の衝突やそれに伴う死亡や怪我などへの影響がある.気を散らした運転は,高速道路の安全性において大きな懸念事項であると認識されている.しかし,現在までの研究では,主に外部の事象や非運転活動における意図的な関与に関連する注意散漫に重点を置いていた.内部のさまよい(マインドワンダリング)は,厳格な調査を必要とするドライバーの注意散漫の重要な原因として認識されている.運転中のマインドワンダリングに取り組むための検出,測定には大きな課題がある.一般的な運転者の注意散漫の知識とこの問題に取り組む際の科学的かつ実用的な問題の両方を議論する.

fNIRS を用いたマインドワンダリングの特徴の検討

Characterization of mind wandering using fNIRS
Frontiers in systems neuroscience, vol. 9, pp. 1-7, MARCH 2015
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誰が課題に参加しているかどうかを評価することは教育的に重要となった.このような注意のさまよいを通常, マインドワンダリングと表す.現在の研究の目的は,最近の神経イメージングモダリティがマインドワンダリング 状態を検出するために使用することが可能である.fNIRS は,マインドワンダリングを測定するためにこれまで 使用されたことのない非侵襲的な神経イメージング技術である.私たちは,対象への注意を必要とする課題であ るSustained Attention to Response Task(SART) を用い,16 チャンネルのfNIRS は前頭部のデータを測定した. 私たちは,default mode network(DMN)に関連する脳領域が有意に活動するマインドワンダリング状態で, the medial prefrontal cortex(mPFC)に対して有意な活性を観察した.fNIRS データはマインドワンダリング状 態の分類のために使用した,脳機能の先行研究において,私たちの結果はfNIRS がdefault network の活動を検出 する性能があることを裏付けた.