早期胃癌に対する拡大内視鏡単純診断アルゴリズム(MESDA-G)

Magnifying endoscopy simple diagnostic algorithm for early gastric cancer (MESDA-G)
Manabu Muto, Kenshi Yao, Mitsuru Kaise, Mototsugu Kato, Noriya Uedo, Kazuyoshi Yagi and Hisao Tajiri Digestive Endoscopy 2016, 28, pp. 379-393, 2016

胃がんは,世界中でがんによる死亡の 3 番目に多い原因である.早期胃がん患者の原因別生存率は 95 %を超え ると報告されているが,死亡率を低下させるためには,粘膜癌の早期発見と正確な診断が望ましい.内視鏡検査 は早期がんを発見するための機能的な方法である.ただし,従来の白色光観察を使用する場合,この手順は決定 的なものではない.対照的に,新規の内視鏡技術である拡大狭帯域光観察(M-NBI)は,微小血管構造と微小表 面構造を視覚化できるため,胃粘膜病変を特徴付けるための強力なツールである.これまでにも,日本で行われ た多施設前向き無作為試験を含む,M-NBI による早期胃がんの診断に関する多くの報告が査読付き国際ジャーナ ルで発表されている.これらの公表されたデータに基づいて,我々は診断のプロセスを単純化しそして正確さを 改善するために M-NBI を使用して胃粘膜癌のための診断体系を考案した.そこで本稿では,拡大内視鏡検査を用 いた早期胃がんの診断アルゴリズムについて述べる.

早期胃癌に対する拡大内視鏡単純診断アルゴリズム(MESDA-G)

Magnifying endoscopy simple diagnostic algorithm for early gastric cancer (MESDA-G)
Manabu Muto, Kenshi Yao, Mitsuru Kaise, Mototsugu Kato, Noriya Uedo, Kazuyoshi Yagi and Hisao Tajiri Digestive Endoscopy 2016, 28, pp. 379-393, 2016

“胃がんは,世界中でがんによる死亡の 3 番目に多い原因である.早期胃がん患者の原因別生存率は 95 %を超え ると報告されているが,死亡率を低下させるためには,粘膜癌の早期発見と正確な診断が望ましい.内視鏡検査 は早期がんを発見するための機能的な方法である.ただし,従来の白色光観察を使用する場合,この手順は決定 的なものではない.対照的に,新規の内視鏡技術である拡大狭帯域光観察(M-NBI)は,微小血管構造と微小表 面構造を視覚化できるため,胃粘膜病変を特徴付けるための強力なツールである.これまでにも,日本で行われ た多施設前向き無作為試験を含む,M-NBI による早期胃がんの診断に関する多くの報告が査読付き国際ジャーナ ルで発表されている.これらの公表されたデータに基づいて,我々は診断のプロセスを単純化しそして正確さを 改善するために M-NBI を使用して胃粘膜癌のための診断体系を考案した.そこで本稿では,拡大内視鏡検査を用 いた早期胃がんの診断アルゴリズムについて述べる.

慢性萎縮性胃炎患者における拡大狭帯域画像法を用いた胃幽門部の粘膜パターンの検討

Investigation of mucosal pattern of gastric antrum using magnifying narrow-band imaging in patients with chronic atrophic fundic gastritis
Annals of gastroenterology vol.30.3 p.302 2017
20170705_nishida

 背景: 拡大狭帯域イメージング(M-NBI)は,胃の胃体部における萎縮および腸の化生の存在および分布を予測するのに役立つと報告されている.しかしながら,M-NBI によって示される幽門部の微小粘膜パターンは,胃体部のそれとは異なる.拡大内視鏡に基づく幽門洞の微小粘膜パターンの分布と組織像を検討した. 

 手法: 慢性萎縮性胃炎(CAFG)を有する50 人の患者において,大彎の内視鏡画像が評価された.CAFG の程度は,自己蛍光イメージングによって評価した.微小粘膜パターンはM-NBI によって評価され,Groove(溝)型およびWhite villiform(白絨毛型)型に分類された.White villiform 型の局在は胃腸管に関連して3 つのタイプ(null 型,中央型,セグメント型)に分類された.生検は,異なる微小粘膜パターンを示す領域から採取した.CAFG の範囲,微小粘膜パターンおよび組織学の関連性を調べた.

 結果: CAFG の範囲が増加するにつれて,White villiform 型粘膜の割合は増加したが,Groove 型粘膜の割合は減少した(P = 0.022).大規模なCAFG 患者では,大部分の胃腸管は,White villiform 型粘膜のセグメント型または中央型であった(P = 0.044).White villiform 型粘膜は,Groove 型粘膜よりも萎縮(P = 0.002)および腸の化生(P<0.001)のグレードが有意に高かった。  結論: White villiform 型の粘膜は,胃の幽門部における萎縮および腸の化成を示す.CAFG がより広範になるにつれて,胃腸管の全体または中央部に及ぶ。

専門医との比較による結腸直腸病変の診断のための狭帯域イメージングエンドサイトーシスに基づくコンピュー タ支援診断の精度

Accuracy of computer-aided diagnosis based on
narrow-band imaging endocytoscopy
for diagnosing colorectal lesions comparison with experts
International Journal of Computer Assisted Radiology and Surgery pp.757-766 vol.12.5 2017
20170530_nishida

大腸内視鏡検査中の結腸直腸病変のリアルタイムの特徴付けは,診断モダリティの精度が十分に高い場合に病
理学的診断の必要性を省くことができるので,医療費を削減するために重要である.しかし,地域社会に根ざし
た消化器専門医が,必要とされるレベルの診断精度を達成することは困難です.これに関して,我々は,インビ
ボでの細胞性,腺性,および血管構造の異型を評価するためにエンドサイトーシス(EC)に基づくコンピュータ
支援診断(CAD)システムを開発した.本研究の目的は,このCAD システムの診断能力および有効性を,人間
の専門家および訓練中の内視鏡医のパフォーマンスと比較することである.我々は,色素を伴わない微小血管評
価(ECV-CAD)を可能にする狭帯域イメージングを用いたEC に基づくCAD システムを開発した.CAD アル
ゴリズムはテクスチャ解析に基づいてプログラムされ,確率で新生物または非新生物の2 クラス診断を提供した.
我々は,ECV-CAD システムの診断能力を無作為に選択した173 のEC 画像(49 の非新生物,124 の新生物)を
用いて検証した.画像は,CAD および4 人の専門内視鏡医および3 人の研修医によって評価された.新生物と非
新生物とを区別するための診断精度を計算した.その結果,ECV-CAD は,研修医(87.8 vs 63.4 %, P = 0:01)
よりも全体的な診断精度が高かったが,専門家(87.8 vs 84.2 %, P = 0:76)と同様であった.信頼性の高いケー
スに関しては,ECV-CAD の全体的な精度も研修生(93.5 vs 71.7 %, P < 0:001)および専門家(93.5 vs 90.8 %, P = 0:38)に匹敵していた.結論として,ECV-CAD は,訓練中の内視鏡医よりも優れた診断精度を示し, 専門家に匹敵した.ECV-CAD は経験の少ない内視鏡専門医にとって強力な意思決定ツールとなり