Human brain mapping: ヒトの脳皮質に対する分割手法の体系的比較

Human brain mapping: A systematic comparison of
parcellation methods for the human cerebral cortex
NeuroImage, Available online 13 April 2017
20170726knakamura

マクロ的な脳の結合部位の発見は,特定の認知課題における脳領域の構造的連結,または機能的結合を解明す る.これは,ネットワークとしての脳内のすべての結合を表現し,理解するという概念を可視化する.脳内におい て相互作用する機能単位への細分化は,そのネットワークの構造に固有のものとなる.したがって,ネットワー クノードの定義は,接続ネットワーク分析における最も重要なステップの1 つである.細胞構造または解剖学的 構造から得られた脳のアトラスはこの作業に長い間使用されてきた.一方で,より均一で機能的に一貫性のある 領域を描くために,解剖学的,または機能連結性を用いて脳のランダムな分割手法が研究されている.本研究は, それらの分割手法を体系的に比較する.Human Connectome Project の静止状態の機能的MRI データと機能的連 結性を用いる分割手法について,異なる解像度で10 の被験者レベルおよび24 のグループごとのパーセレーショ ン方法を評価する.(1)異なる被験者およびグループにわたる分割の再現性,(2)元となる接続性データへの忠実 性,(3)fMRI タスクアクティベーション,ミエリンマップ,および細胞構築学的に分割された領域と類似性,(4) ネットワーク分析の4 つの異なる側面からの分割手法の精度を評価する.被験者と集団レベルで生成された異な る結果に対する広範な評価により,様々な方法の長所と短所が判明した.目的に応じて分割技の選択の指針を提供 することを推奨する.この研究で得られた結果は,これらの評価方法に直面したすべての課題に同時に対処でき る最適な方法がないことを示唆している.

閾値による脳機能ネットワーク計測の安定性と不安定性

The (in)stability of functional brain network measures across thresholds
NeuroImage, Vol.118, 651-661, 2015
2016 rhagiwara

脳の大規模な組織は,グラフ理論からネットワーク測定を用いて定量化することができる複雑ネットワークの特 徴を有する.しかし,多くのネットワーク測定はバイナリグラフで計算されるように設計されるのに対して,脳 機能の組織は一般的に脳領域間の時間的信号における相関の連続的な測定値から推測される.閾値処理は機能的 コネクティビティデータから得られるバイナリグラフを使用するために必要な手段である.しかしながら,そこ にどのような閾値を使用するかに関して現在の一致した意見はなく,ネットワーク測定やグループのコントラス トは閾値によって不安定になることがある.それにもかかわらず,全脳ネットワーク解析は任意の閾値あるいは閾 値範囲における一般的に報告された結果で広く適用されている.本研究では,大規模なレスティングステイトコ ネクティビティデータセットにおける閾値によるネットワーク測定の安定性の評価に努めた.ネットワーク測定 は絶対閾値(相関ベース)と比率閾値(スパーシティベース)で評価され,性別と年齢のグループ間で比較した. 全体として,ネットワーク測定は絶対閾値において不安的であることがわかった.例えば,特定のネットワーク 測定におけるグループ差の傾向は閾値に依存して変化する.ネットワーク測定は,比率の閾値によってより安定 であることがわかった.これらの結果は,機能的コネクティビティデータに閾値を適用した際や,バイナリグラ フモデルから結果を解釈する際に,注意を払う必要があることを示している.

脳ネットワークの調査:レスティングステイトfMRI の機能的結合に関する総説

Exploring the brain network: A review on resting-state fMRI functional connectivity

我々の脳はネットワークである.脳は空間的に区分された構造で成り立っているが,お互いに連続的に情報の共有をする領域間で機能的に結合している.興味深いことに,近年の脳機能イメージングデータ解析の発展によって,脳の機能的結合の調査が促進している.機能的結合は構造的に解離している領域の神経活動パターンの時間的依存と定義され,脳領域間のレスティングステイトfMRIにおける協調した活動のレベルを計測することによって機能的結合の研究が増加してきた.これらの先行研究によって,特定領域と局所ネットワークの機能的結合についてや脳ネットワークにおける機能的連絡の全体的な構成についての新たな知見が発見された.本稿では,新たな解析手法の紹介とこれらのイメージング技術の概要を提示しながら,人間の脳のコアとなる新たな見識がどのように導かれたのかを議論する.どのように脳ネットワークの機能的結合と構造的結合が関係するのか,どのように機能的連絡が認知パフォーマンスのキーを形成するのかについて決定する,無意識的なレスティングステイトfMRIの方法についてに記す.また,機能的脳ネットワークの全体的な構成に焦点をあてたグラフ理論を用いた機能的結合パターンの解析について論じる.特に,アルツハイマー病や認知症,統合失調症,多発性硬化症のような機能結合による新たな指標について記す.

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