ワーキングメモリトレーニングがもたらす前頭部の活動は通常の高齢者と軽度認知障害を予測する可能性

Prefrontal activation may predict working-memory training gain in normal aging and mild cognitive impairment
A. Vermeij, R.P. Kessels, L. Heskamp, E.M. Simons, P.L. Dautzenberg and J.A. Claassen
Brain imaging and behavior, vol. 11, no. 1, pp. 141−154, 2017

認知訓練は, 正常な加齢と軽度認知障害(MCI) の行動パフォーマンスの改善をもたらすことが示されているが, 認知可塑性の神経相関, または認知訓練に対する反応性の個人差についてはほとんど知られていない. この研究では, 21 人の健康な高齢者と14 人のMCI 患者が5 週間の適応型コンピューター化作業記憶(WM)トレーニングを受けた. トレーニングの前後に, 機能的近赤外線分光法(fNIRS) を使用し, さまざまなレベルのWM 負荷の言語n-back の実行中に左右の前頭前野の血行動態反応を評価した. トレーニング後, 健康な高齢者は, 高WM 負荷で前頭前野の活性化の低下を示した. これは, 処理効率の向上を示している可能性がある. MCI 患者はトレーニング後の低WM 負荷で行動パフォーマンスが改善したが, トレーニングに関連した前頭前野活性化の変化の証拠はなかった. 全群分析では, 低WM負荷での比較的強い血行力学的反応はより悪い行動パフォーマンスに関連し, 高WM負荷での比較的強い血行力学的反応はより高いトレーニング効果に関連することが示された. したがって, 高齢の”若者のような”前頭前野活性化パターンは, より良い行動結果と認知的可塑性と関連している可能性がある.

ドーパミン,ワーキングメモリ,柔軟性を促すトレーニング:進展した研究に向けた推論

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Dopamine, Working Memory, and Training Induced
Plasticity:Implications for Developmental Research

Developmental Psychology, Vol 48(3), May 2012, 836-843

認知の欠損,特にワーキングメモリ容量の欠損は現在,神経科学の障害において注目されている.ワーキング
メモリ容量のの改善の根底のメカニズムを理解することはとても重要である.多くの研究で,ドーパミンはワー
キングメモリ機能だけでなく,ワーキングメモリ容量の改善においても重要な役割をしているとされている.例
えば薬理学では,ワーキングメモリ容量改善において,メチルフェニデートなどがドーパミン作動性に作用する.
さらに,行動学では,ワーキングメモリのパフォーマンスの改善のための,集中的な機械的トレーニングは,ドー
パミン受容体の密度と関連しているとされる.これらの薬理学的,行動学的なワーキングメモリパフォーマンス
の改善方法は,ドーパミン作動性システムを含む,脳の生物学的メカニズムと関係している.本稿では,ワーキ
ングメモリ機能におけるドーパミンの役割を,特にワーキングメモリ進展と認知柔軟性に関連させながら述べる.
新しいデータは,認知トレーニングをしている幼稚園児のワーキングメモリの改善を表す.我々の結果は,認知の
柔軟性において,、ドーパミンが重要な役割をしていることを支持している.