大規模な機能的脳ネットワークの相関の短時間窓は,個人内および個人間で予測される

Short-Time Windows of Correlation BetweenLarge-Scale
Functional Brain Networks PredictVigilance
Intraindividually and Interindividually
Human brain mapping, vol.34, pp.3280-3298, 2013
20170710_mnishizawa

相互作用する脳からどのように行動のパフォーマンスが出現するかをよりよく理解するためには,機能的核磁
気共鳴イメージング(fMRI) を用いた機能的ネットワークの分析が挙げられる.このようなネットワークを人間の
行動と比較している最近の研究では,これらの関係を特定することが始まっているが,単一の個人の行動内の変
化にその発見を関連づけるのに十分な時間の幅を使用する研究はほとんどない.本実験ではPVT と相互作用する
デフォルトモードネットワークとタスクポジティブネットワークとの関係を検討した.各刺激の周りのいくつか
の地点(周囲刺激の時間) における2 つのネットワーク信号と,各刺激時間を中心とする12.3-秒のウインドウ内の
相関との間の2 つの時間局在を比較した.これらの測定基準は,個人内および個人間の両方で応答速度と比較さ
れた.ほとんどの場合,ネットワーク間の相違またはより大きな相互相関は,より高速なパフォーマンスと大き
く関連していた.個体間分析はこの結果を一般的に示したが,個人内分析では,刺激が現れる4-8 秒前から刺激
時間まで単離していた.その時間内では,より早い応答時間を有する傾向があった被験者にとってより傾向が高
かった.これらの結果は,機能的ネットワークと行動との関係が,より短い時間幅を使用すること,および個体
内,個体間の両方の変動性を考慮することによってよりよく理解可能であることを示唆している.

スライディングウィンドウ相関は,安静状態のfMRI における動的機能的接続性を明らかにすることが可能か?

Can sliding-window correlations reveal dynamic
functional connectivity in resting-state fMRI?
Neuroimage, vol.127, pp.242-256, 2016
20170619_mnishizawa

ここ数年の間に,安静状態の機能的核磁気共鳴イメージング(fMRI) に関する研究の焦点は,スキャンセッショ ンの期間にわたって平均化された機能的な接続性の分析から,セッション内の機能的な接続の変化の分析にシフト した.いくつかの研究では動的機能的接続性(dFC) の存在が報告されているが,結果の統計的評価は必ずしも健 全な方法で行われるとは限らず,一部の研究では省略さえもある.この研究では,dFC を検出するために適切な統 計的テストが必要な理由を説明し,それらがどのように実行され,dFC 測定のパフォーマンスを評価するかにつ いて説明し,全身麻酔をされたマカクザルと安静状態のヒトにおける血中酸素濃度依存的シグナル(BOLD)fMRI 記録を用いた方法論を説明する.スライディングウィンドウ相関は,dFC の評価で最も広く使用されているので, 主にスライディングウィンドウの相関に焦点を当てるが,最近提案された非線形測定も考慮される.しかし,シ ミュレーションおよび方法論は一般的であり,任意の尺度に適用することが可能である.まず初めに,シュミレー ションを通して,典型的な10 分間の安静状態のセッションでは,スライディングウィンドウ相関を使用してdFCを検出することは不可能であることを,我々は示す.この予測は,マカクザルとヒトの両方のデータによって検証される.個々のレコーディングセッションのいずれも,DFC が見つかった証拠はない. 第2 に,検出パワーは,測定値のセッション平均または主体平均によって大幅に増加させることが可能である.そうすることで,機能的な接続のほとんどが実際には動的であることがわかった.この研究では,適切な統計的方法を使用することによって,DFC の評価における統計的な落とし穴とその回避方法を認識していきたいと考えている.

リスペリドンによる脳の動的な接続性への影響- 統合失調症におけるResting-state fMRI の研究

Risperidone Effects on Brain Dynamic Connectivity?A
Prospective Resting-State fMRI Study in Schizophrenia
Frontiers in Psychiatry, vol.8, 2017
20170519tmiyoshi

統合失調症におけるResting-state の機能的コネクティビティ研究では,実験全体の平均的な接続性を評価すると異常なネットワークの統合が報告されているが,結果は変わりやすい.動的な機能的コネクティビティを調べることは,いくつかの矛盾を説明するのに役立つかもしれない.我々は,統合失調症の患者に対して,リスペリドンの未投与時(n=34),リスペリドン治療開始1 週間後(n=29),6 週間後(n=24),また,コントロールとしてベースライン時(n=35),および6 週間後(n=19)のResting-state fMRI を用いて動的なネットワークを評価した.Resting-state fMRI のネットワークを含む41 個の独立成分(IC)を特定した後,線形SVM で求められた最適なウィンドウサイズを使用して,IC 時系変化でスライディングウィンドウ解析を行った.次に,ウィンドウ化された相関行列は,比較的まばらに接続した状態,比較的多く接続した状態,およびその中間状態の3 つの接続状態に分類した.リスペリドン未投与の患者では,コントロール群と比較して5 組のIC 間で静的な接続性が増加し,2 組のIC 間で減少し,動的な接続性は3 つの状態のうち1つにおいて視床と運動野の接続性を増加させた.統計の結果によれば,未投与の患者はコントロール群と比較して,まばらな接続状態での結合時間及び費やされた時間の割合が短く,中間連結状態での結合時間及び費やされた時間の割合が長いことが示された.リスペリドンは6 週間後の平均的な結合時間を正常化したが,費やされた時間の割合では正常化はなかった.統合失調症における静的な接合性の異常は,機能的ネットワーク内及び機能的ネットワーク間の一貫性の欠如よりもネットワークの時間的変化に部分的に関連し,相補的なデータ解析の実施の重要性を示した.

近赤外分光法により明らかにされた安静時の動的機能的コネクティビティ

Dynamic functional connectivity revealed by
resting-state functional near-infrared spectroscopy
Biomedical optics express, vol.6, no. 7, pp.2337-2352, 2015.
20170513 mmizuno

脳は,時間変化する機能的コネクティビティ(functional connectivity:FC)およびネットワーク構造を有する
複雑なネットワークである.しかしながら,安静時のfNIRS 計測によって脳組織の内発的な動的特性を特徴づけ
ることができるかどうかは明らかになっていない.本研究では初めて,全脳fNIRS の時系列とスライディングウィ
ンドウ相関法を使用し,fNIRS 計測が安静時の脳の動的接続性の特性を定量化するために有用であることを実証
した.我々の結果は,fNIRS 由来のFC が時変であり,変動性強度(Q)が時間平均した静的FC と負の相関を有
することを示唆している.さらに,Q 値は異なる空間的位置(例えば,半球内および同位体間の接続)間の連結
性に有意差を示している.この結果は,異なるスライディングウィンドウの長さと異なる脳スキャンセッションの
どちらでも再現性があり,fNIRS に由来する相関の動的特性が確かに脳の揺らぎによるものであることを示唆し
ている.

前頭-頭頂ネットワークとデフォルトネットワークの間の動的機能的接続性の状態依存性は認知の柔軟性に関わる

State-dependent variability of dynamic functional
connectivity between front oparietal and default
networks relates to cognitive
flexibility
Neuroscience, vol.339, pp.12-21, 201620170515_mnishizawa

脳は,継続的に再構成する動的で柔軟なネットワークである.しかしながら,動的機能的接続性の状態依存性変
動(vdFC) が認知の柔軟性にどのように関連しているかについての神経基盤は明らかではない.従って,安静状態
と課題状態の機能的核磁気共鳴イメージング(re-fMRI およびt-fMRI)の間の柔軟な機能的接続性を調査し, また
別に神経心理テストを行った.我々は,前頭-頭頂ネットワーク(FPN) とデフォルトモードネットワーク(DMN)
との間の状態依存性vdFC が認知の柔軟性に関係していると仮定している.17 人の健康な被験者がStroop カラー
ワードテストを行い,t-fMRI(Stroop コンピュータ化バージョン) およびre-fMRI を受けた.皮質アトラスから時
系列を抽出し,スライディングウィンドウ手法を用いて,被験者1 つあたりの多数の相関行列を得た.vdFC は,
これらのウィンドウに対する接続強度の標準偏差として定義された.より高いタスク状態のFPN-DMN vdFC は,
認知の柔軟性と関連していたが,静止状態のFPN-DMN vdFC には反対の関係があった.さらにタスク状態と安
静状態のvdFC との大きなコントラストは,より良好な認知能力に関連する.我々の結果は,これらのネットワー
ク間のダイナミクスが最適な機能のために影響を与えるだけでなく,状態間のダイナミクス間のコントラストが
認知能力を反映していることを示唆している.

本質的な機能的結合性MRIに対する頭部運動の影響

The influence of head motion on intrinsic functional connectivity MRI
ScienceDirect, Vol.59, No.1, 431–438, 2012
20170425 sishida

機能的結合性MRI(fcMRI)は集団や個人の違いを探索するために広く適応されている.混乱の要因の一つは頭部の動きである.子供は大人よりも,老人は若者より動きます.そして,患者は健常者よりも動く.頭部の動きは同じ母集団内の個人間でかなり異なる.ここでは頭部運動がfcMRIの推定に及ぼす影響について調査した.1000人の健康な若年成人被験者を3Tで2回の安静時状態をスキャンして頭部の変異の平均,最大値,微小な運動の回数($>$ 0.1mm)および頭部の回転を推定した.被験者間のfcMRIの変化の大部分は頭部の動きと関連はしていなかった.しかしながら,頭部の動きは意義深く,fcMRIネットワーク計測で系統的効果を示した.関連皮質の分布領域間の結合によって特徴づけられる2つのネットワークであるデフォルトと前頭側部制御ネットワークの機能的結合の低下に頭部の動きは関連していた.局所的な機能的結合や左右の運動領域(特異性を確立するための研究で対照として用いられることもある領域対)の結合の推定を含む他のネットワーク測定値は運動とともに増加した.微妙に異なる頭部運動のレベルでの個体の群間比較は他の状況におけるニューロン効果と誤解される可能性のある異なるマップが得られた.集団と個人間の差異を解釈するときに考慮するためにこれらの影響は重要である.

関心領域間の機能的コネクティビティおよび構造的共分散は多変量距離相関を用いてより正確に測定すること ができる

Functional connectivity and structural covariance between regions of interest can be measured more accurately using multivariate distance correlation
NeuroImage, Vol.135, No., 16–31, 2016
20170117 rhagiwara

脳全体の機能的コネクティビティまたは構造共分散の研究は,典型的にピアソン相関係数のようなものを使用 し,関心領域(ROI)内のボクセルにわたって平均化されたデータに適用される.しかし,例えば機能的コネク ティビティまたは構造的共分散の異なるパターンを示すサブ領域を含む ROI 内に不均一性が存在する場合,ボク セル間の平均化は偏ったコネクティビティ推定値になる可能性がある.ここで,距離相関に基づく新しい尺度を提 案する.それは,線形および非線形依存性の両方を可能にする高次元ベクトルの多変量依存性の考査である.不均 一な ROI にもかかわらず,距離相関がピアソン相関をどのように優れているかを示すためにシミュレーションを 使用した.実際のデータでこの新しい指標を評価するために,ケンブリッジ老化神経科学センター(Cam-CAN) プロジェクトの 214 名の参加者の2セッションからのレスティングステイト fMRI スキャンと T1 構造スキャンを 使用する.ピアソン相関および距離相関は,機能的コネクティビティおよび構造共分散の両方に関して,同様の平 均コネクティビティパターンを示した.それにもかかわらず,距離相関は,1) セッション間でより信頼性があり, 2) 参加者間でより類似しており,3)ROI の異なるセットに対してより確かであることが示された.さらに,機能 的コネクティビティと構造共分散推定値との間の類似性が,ピアソン相関と比較して距離相関についてより高い ことを見出した.また,様々な前処理オプションとモーションアーチファクトが機能的コネクティビティに及ぼす 相対的な影響についても調査した.距離相関は実装が簡単であり計算が速いため,機能的および構造的データの ROI に基づく脳全体のコネクティビティパターンを調べるために,ピアソン相関の期待できる代替案である.

長期的な瞑想者に示された視覚と DMN 領域のタスク誘導活動及び安静状態変動の変化

Alterations in task-induced activity and resting-state fluctuations in visual and DMN areas revealed in long-term meditator
NeuroImage, vol.135, pp.125-134, 2016
20161126 katayama

近年,我々は自発的に現れる(安静状態の)変動に含まれる情報は,個々に独特の神経認知特性を反映しうるこ とを提案した.「自発的特性の再賦活」(STR)仮説と呼ばれるこの推測の一つの予測は,安静状態の活動パターン が,個々の性格,才能,生活様式の診断となりうることである.長期的な瞑想者は,この仮説を試験するために独 特の実験群を提供することができる.fMRI を用いて,安静状態の間,長期のマインドフルネス瞑想者の自発的な 変動の振幅は視覚野で増強され,対照群と比較して DMN が有意に減少することを見出した.重要なことに,視覚 認知タスクの間,瞑想者群はデフォルトモードネットワークの弱い陰性反応と付随して視覚野の感受性が高められ たことを示した.この効果は,瞑想者が対照群よりも有意に速く行動遂行したことを反映している.したがって, 我々の結果は,安静と課題で,明らかにされた長期的な瞑想者の視覚とデフォルトモードシステムの反対の変化 を明らかにする.結果は STR 仮説を支持し,それを自発的な変動の大きさにおける局所変化の領域に拡張する.

静的および動的なレスティングステイト fMRI の脳コネクティビティを用いた統合失調症と双極性患者の分類

Classification of schizophrenia and bipolar patients using static and dynamic resting-state fMRI brain connectivity
NeuroImage, Vol.134, 645-657, 2016
20161018 rhagiwara

最近,機能的ネットワークコネクティビティ(空間的に離れた脳内ネットワーク間の時系列相関として定義され た,FNC)が,様々な精神疾患における脳内ネットワークの機能的な構成を調べるために使用されている.動的 な FNC は,時間の短い期間にわたって FNC の変化を考慮する従来の FNC 解析の最近の拡張である.このよう な動的 FNC 計測は,コネクティビティの様々な側面について利益となるかもしれないが,複雑な精神疾患におい て分類するために静的および動的 FNC の性能の詳細な直接的な比較はない.本論文では,静的および動的 FNC の特徴に基づいて,統合失調症,双極性患者および健常者の自動分類のためのフレームワークを提案する.また, 静的および動的 FNC 間の交差検定分類性能を比較する.結果は,動的 FNC からの特徴が分類目的のための静的 FNC より明確な利点を示し,動的 FNC が予測精度の面で静的 FNC よりもより優れていることを示す.また,静 的および動的 FCN の特徴の組み合せは,動的 FNC の特徴だけであるより分類性能を大幅に改善することなく, 静的 FNC は分類目的のために動的 FNC を組み合わせたとき重要な情報を追加しないことを示す.静的および動 的 FNC の特徴に基づいた 3 つの分類方法は,高い精度で適切な症状のグループに個々の対象を判別する.提案し た分類のフレームワークは,追加の精神疾患に潜在的に適用可能である.

閾値による脳機能ネットワーク計測の安定性と不安定性

The (in)stability of functional brain network measures across thresholds
NeuroImage, Vol.118, 651-661, 2015
2016 rhagiwara

脳の大規模な組織は,グラフ理論からネットワーク測定を用いて定量化することができる複雑ネットワークの特 徴を有する.しかし,多くのネットワーク測定はバイナリグラフで計算されるように設計されるのに対して,脳 機能の組織は一般的に脳領域間の時間的信号における相関の連続的な測定値から推測される.閾値処理は機能的 コネクティビティデータから得られるバイナリグラフを使用するために必要な手段である.しかしながら,そこ にどのような閾値を使用するかに関して現在の一致した意見はなく,ネットワーク測定やグループのコントラス トは閾値によって不安定になることがある.それにもかかわらず,全脳ネットワーク解析は任意の閾値あるいは閾 値範囲における一般的に報告された結果で広く適用されている.本研究では,大規模なレスティングステイトコ ネクティビティデータセットにおける閾値によるネットワーク測定の安定性の評価に努めた.ネットワーク測定 は絶対閾値(相関ベース)と比率閾値(スパーシティベース)で評価され,性別と年齢のグループ間で比較した. 全体として,ネットワーク測定は絶対閾値において不安的であることがわかった.例えば,特定のネットワーク 測定におけるグループ差の傾向は閾値に依存して変化する.ネットワーク測定は,比率の閾値によってより安定 であることがわかった.これらの結果は,機能的コネクティビティデータに閾値を適用した際や,バイナリグラ フモデルから結果を解釈する際に,注意を払う必要があることを示している.