脳卒中後失語患者の多変量分類に基づく全脳の機能的接続性

Whole-brain functional connectome-based multivariate classification of post-stroke aphasia
Mi Yang, Jiao Li, Zhiqiang Li, Dezhong Yao, Wei Liao, Huafu Chen Neurocomputing, Volume 269, Pages 199-205, 20 December 2017

脳卒中後失語患者(PSA)は,内因性機能的接続性の異常を示す.しかし,PSAと健常者を区別するための機能として全脳機能性コネクトームを使用できるかどうかはほとんど解明されていない.我々は,全脳機能接続ベースの多変量解析を用いて,PSA患者を対照から区別することを目指す.これらの特徴は,PSAの病態生理の理解に役立つ.本研究ではPSA17人および年齢,性別が一致する健常対照患者20人分の安静状態の機能的磁気共鳴画像(fMRI)を用いた. 2つのグループを分類するために,機能的接続パターンと線形サポートベクトルマシンを使用した.その結果,分類の精度は86.5%に達し,感度は76.5%に達し,特異度は95.0%に達した.さらに,接続は,主に前頭頭頂,聴覚,感覚運動,および視覚ネットワークに位置していた.右補足運動野は最も大きい重みを与えられた.これらはPSA患者と対照を区別するために,脳全体の機能的接続性を潜在的な神経マーカーとして使用可能であることを示唆している.

休止状態のfMRIによる機能的結合のマッピング

Connectopic mapping with resting-state fMRI
Haak, Koen V and Marquand, Andre F and Beckmann, Christian F
Neuroimage, vol.170, pp. 83–94, 2018

脳は,近くの別の脳領域と接続している.これらの接続トポグラフィ,つまり「連結子」を簡単にマッピングすることは,情報が脳内でどのように処理されるかを理解する上で重要である.ここでは,空間的な統計的推論への新しいアプローチと,ボクセルの接続性の「指紋」のスペクトル埋め込みを組み合わせることによって,静止状態で取得された機能的磁気共鳴イメージング(fMRI)データを使用して,連結基をマッピングする原理的な完全データ駆動方法を提案する.このアプローチを人間の一次運動および視覚野に適用し,これらの領域の体節および網膜地図に続く個々の被験者において,生物学的にもっともらしく重複する結合源を追跡することができることを示す.新しい空間統計学的アプローチは,機能的接続性の細かい空間的プロファイルと、そのプロファイルが被験者間または実験条件間で異なるかどうかに関する仮説の厳密な統計的試験を可能にする。結合されたフレームワークは、機能的関連のボクセルまたはシードペアの特徴付けから、空間トポグラフィの完全な多変量の特徴付けに向けて、脳における機能的連結性を調査する既存のアプローチの基本的な代替法を提供する。

多発性硬化症における機能統合の障害:グラフ理論研究

Impaired functional integration in multiple sclerosis: a graph theory study
Maria A. RoccaPaola ValsasinaAlessandro MeaniAndrea FaliniGiancarlo ComiMassimo Filippi
Brain Structure and Function, vol. 221, no. 1, Pages 115–131, 2016

この研究の目的は大規模な多発性硬化症(MS)患者群における機能的な脳ネットワーク接続性のトポロジカルな組織を探究し,その破壊が疾患の臨床症状に寄与するかどうかを評価することであった.グラフ理論解析は246 人のMS 患者および55 人の健常対照(HC)のレスティングステイトのfMRI データに適用された.116 の皮質および皮質下の脳領域間の機能的接続性は二変量相関分析を用いて推定された.MS 患者とHC との間にはグローバルなネットワーク特性(ネットワーク度数,全体効率,階層,経路長および組み合わせ)に異常があり,HCから認知障害のMS 患者(34%)を区別することに寄与した.HC と比較してMS 患者は(1)左半球の上前頭回,楔前部および前帯状回のハブの喪失; (2)基底核ハブの異なる側方化(主にHC の左半球およびMS 患者の右半球に位置); そして(3)HC では見られない左側頭極および小脳におけるハブの形成を示した.またMS 患者は両側の尾状核および右小脳においてノードの度数の低下を見せた.このような領域的なネットワーク特性の改変はMS の認知障害および表現型の変動に寄与した.グローバル統合の障害(遠い脳領域間の情報交換能力の低下を反映する可能性がある)はMS において起こり,認知障害と関連する.ネットワーク特性の局所的再配分はこれらの患者の認知状態および表現型変動に寄与する.

客観的特性マインドフルネスの動的機能的接続マーカー

Dynamic functional connectivity markers of objective trait mindfulness
Lim, Julian and Teng, James and Patanaik, Amiya and Tandi, Jesisca and Massar, Stijn AA
NeuroImage, vol. 176, pp.193–202, 2018

マインドフルネスは,練習を通して洗練されるスキルとして一般的に見られるが,訓練されていない個人も,性質上のマインドフルネスにおいて幅広く変化する可能性がある.以前の研究では,この特性の静的な神経接続相関が確認されている.ここでは,自然状態変化と客観的に測定された特性マインドフルネスに関連する時間変化する接続パターンを研究するために,安静状態fMRIの動的機能接続性(DFC)分析を使用する.参加者は,高い特性マインドフルネス(HTM; N = 21)および低い特性マインドフルネス(LTM; N = 18)グループを形成するために,数息観タスクの実行者の上および下三分位から選択された.安静状態のfMRIデータのDFC分析は,HTMグループがネットワーク内の接続性が高く,タスクポジティブネットワークとデフォルトモードとの間のより大きな反相関することを特徴付けられたタスク準備に関連した脳状態となるには十分な時間を有することを明らかにした. HTMグループは脳の状態間の遷移頻度が高いが,タスクレディ状態の各エピソードにおける滞留時間は群間で同等であった.これらの結果は,警戒のために管理した後も維持された.個人間では,特定の接続性指標は,FFMQアンケートで測定された自己報告のマインドフルネスと弱く相関してたが,複数の比較の訂正に耐えられなかった.静的な接続性マップでは,HTMの個人はDMNとセイリエンスネットワークでより大きなネットワーク内の接続性を持ち,DMNとタスクポジティブなネットワークとの間には大きな反相関があった.要するに,DFCはHTMおよびLTM個体を強く区別し,性質的なマインドフルネスの測定に有用な生物学的マーカーとなり得る.

客観的な特性マインドフルネスの動的機能接続性マーカー

Dynamic functional connectivity markers of objective trait mindfulness
J. Lim, J. Teng, A. Patanaik, J. Tandi and S.A. Massar
NeuroImage, vol. 176, pp. 193-202, 2018.

マインドフルネスは,実践を通して培われるスキルであると一般的に考えられるが,訓練されていない個人も性質的なマインドフルネスにおいて大幅に変化する可能性がある.先行研究では,この特性の神経接続相関が確認された.本稿では,自然な状態変化と客観的に測定された特性マインドフルネスに関する時間変化する接続パターンを研究するために,Resting state fMRIの動的機能接続性(DFC)解析を使用する.被験者は高性能マインドフルネス群(21名)と低性能マインドフルネス群(18名)のグループを形成するために,Breath countingタスクの上位と下位の三分位置から選択された.Resting state fMRIのDFC解析は,高性能マインドフルネス群がタスク準備状態に関連する脳状態で有意に多くの時間を費やしたことを明らかにした.タスク準備状態とは,ネットワーク内の接続性が高く,タスクポジティブネットワークとデフォルトモードネットワークとの間により大きな反相関を特徴とする状態である.高性能マインドフルネス群は脳状態の遷移頻度が高いが,タスク準備状態の各サイクルにおける滞留時間は群間で同等であった.これらの結果は,PVTの後も維持された.個人間では,特定の接続性指標はFFMQによるマインドフルネスと弱い相関であったが,多重比較補正に耐えられなかった.静的な接続性マップでは,高性能マインドフルネス群の個人は,デフォルトモードネットワークとセイリエンスネットワークでより大きなネットワーク内の接続性を持ち,デフォルトモードネットワークとタスクポジティブネットワークとの間に大きな相関性があった.つまり,DFCは高性能マインドフルネス群および低性能マインドフルネス群を強く区別し,特性マインドフルネスのすく測定に有用な生物学的マーカーとなり得る.

客観的な特性マインドフルネスの動的機能的接続マーカー

Dynamic functional connectivity markers of objective trait mindfulness
Lim, Julian and Teng, James and Patanaik, Amiya and Tandi, Jesisca and Massar, Stijn AA
NeuroImage, vol. 176, pp. 193-202, 2018

マインドフルネスは,訓練を通して養われるスキルとして一般的にみなされているが,訓練されていない個人も,特性マインドフルネスにおいて幅広く変化する可能性がある.先行研究では,この特性の静的な神経コネクティビティにおける相関が確認されている.ここでは,自然に変化し,客観的に測定された特性マインドフルネスに関連する時系列変化のコネクティビティパターンを研究するために,Resting-state fMRI における動的機能的接続(DFC)分析を使用する.被験者を高性能マインドフルネス(HTM; N = 21)および低性能マインドフルネス(LTM; N = 18)のグループを形成するために,呼吸数測定タスクにおいて上および下三分位から被験者が選択された.Resting-state fMRI データのDFC 分析によると,HTM グループは長時間,タスク準備状態に関連した脳状態となっていた.すなわちその脳状態は,ネットワーク内の接続性が高く,タスクポジティブネットワークとデフォルトモードとの間の強い反相関を特徴としていた.HTM 群は脳の状態間の遷移頻度が高いが,タスク準備状態が現れたときの持続時間は群間で同等であった.これらの結果は,警戒のために管理した後も維持された.個人間では,FFMQ で測定されたように,ある種の接続性指標は自己報告されたマインドフルネス状態と弱く相関していたが,複数の比較補正によって消えた.静的な接続性マップでは,HTM の個人はDMN とSN でより大きなネットワーク内の接続性を持ち,DMN とTPN のとの間には大きな反相関があった.要するに,DFC はHTM およびLTM 個体を強く区別し,特性マインドフルネスの測定に有用な生物学的マーカーとなり得る.

同時グラフ計算と分割を用いたResting-State fMRIデータによる個人の全脳アトラスの生成

Generation of Individual Whole-Brain Atlases With Resting-State fMRI Data Using Simultaneous Graph Computation and Parcellation
J.Wang, Z.Hao, H.Wang Frontiers in Human Neuroscience. Published online 2018 May 4.

人間の脳は機能的ネットワークとして特徴づけることができる.信頼性の高いネットワークを構築するためには,脳を適切に区分することが重要である.Resting-Stateの機能的接続ベースの分割は,この目標を達成するために一般的に使用される技術である.ここでは,全脳の安静時のfMRIデータに基づいた個々の被験者レベルの新規の分割アプローチを提案する.最初に単純ボクセル反復クラスタリングと呼ばれるスーパーボクセル法を,Resting-StateのfMRI時系列データに直接使用してスーパーボクセルを生成し,類似したスーパーボクセルを結合し,GWCとして知られるクラスタリング法を用いてクラスタを生成した.GWCアプローチは,エネルギー最小化により,空間情報とスーパーボクセルの複数の特徴によって,同時に最適なグラフの生成と脳の分割を行う.また,GWCは,分割結果のクラスタ数が初期化の際のクラスタ数と等しいことが保証される.GWCアプローチの結果とランダムアプローチの結果を比較することで,GWCは空間構造に大きく依存しないことが示されたたため,全脳の協調によるアプローチで遭遇する課題を回避できる.さらに,GWCアプローチを2つの競合するアプローチと比較することで,GWCが異なる評価基準の観点から,より良い分割性能を達成することが示された.

前頭-頭頂注意ネットワークの機能評価:安静状態のfMRI と注意ネットワークテストからの洞察

Assessing the function of the fronto-parietal attention network insights from resting-state fMRI and the attentional network test
S. Markett, M. Reuter, C. Montag, G. Voigt, B. Lachmann, S. Rudorf, C.E. Elger and B. Weber
Human brain mapping, Vol.35, No4., 1700-1709, 2014
2017 rhagiwara

“近年,様々な固有コネクティビティネットワーク(ICN)が安静時の脳において同定されている.前頭-頭頂ICN は注意プロセスに関与しているという仮説が立てられている.この主張の証拠は,持続的な注意を必要とするタスク中に関与する脳領域の共同活性化を示すタスク関連の活性化研究に由来する.本研究では,機能的磁気共鳴イメージング(fMRI)を使用して,前頭-頭頂ネットワーク内の機能的コネクティビティが安静状態に直接関わることを実証した.我々は,複数の関心領域からの機能的コネクティビティデータにグラフ理論を適用し,MRI環境外で別セッションで取得した注意ネットワークテスト(ANT)によって提供される注意行動の測定値との関連性について検証した.ネットワーク内のノードのグローバルおよびローカルのコネクティビティの中心性のあ
る測定値との強力な統計的関連性が,注意の警告および実行制御サブ機能によって検出された.この結果は,ICNの機能的意義と前頭-頭頂注意ネットワークの仮説的役割についてさらなる証拠を提供する.”

レスティングステイトの脳ネットワークの機能的統合は,ワーキングメモリパフォーマンスの特定されていな いバイオマーカーであるか?

Is functional integration of resting state brain networks an unspecic biomarker for working memory performance?
M. Alavash, P. Doebler, H. Holling, C.M. Thiel and C. Gieing Neuroimage, Vol.108, 182-193, 2015
2017115 rhagiwara

“私たちの認知能力が利益をもたらす機能的な脳ネットワークの最適なトポロジーはあるか?以前の研究は,レスティングステイトの脳ネットワークの機能的統合は,認知能力のための重要なバイオマーカーであることを示唆している.しかしながら,より高いネットワーク統合が,良好な認知能力のための特異的な予測因子であるか,あるいはレスト中の特定のネットワーク構成が特定の認知能力のみを予測するかどうかは未だに不明である.
ここでは,安静時のネットワーク統合と認知能力との関係を,ワーキングメモリの異なる側面を測定した2 つのタスクを用いて調査した.1 つのタスクは視覚空間,他は数値ワーキングメモリを評価した.ネットワーククラスタリング,モジュール性,および効率性を,ネットワーク構成の様々なレベルでネットワーク統合を取得し,各ワーキングメモリテストでのパフォーマンスとの相関を統計的に比較するために計算した.
結果は,各ワーキングメモリの局面が異なるレスティングステイトのトポロジーから利益を得ていることを示し,テストはネットワーク統合の各測定値と著しく異なる相関を示した.グローバルなネットワーク統合とモジュール性が高いほど視覚空間ワーキングメモリのパフォーマンスが大幅に向上すると予測されていたが,両方の測定値が数値ワーキングメモリのパフォーマンスと有意な相関を示さなかった.対照的に,数値ワーキングメモリは,クラスタリングされた脳ネットワークを有する被験者,主としてワーキングメモリネットワークの核心領域である頭頂間溝で優れていた.
我々の発見は,レスティングステイトの脳ネットワークの局所的機能統合と全体的機能統合との間の特定のバランスが,認知能力の特別な側面を容易にすることを示唆している.ワーキングメモリのコンテキストでは,視覚的空間性は,グローバルに統合された機能的レスティングステイトの脳ネットワークによって促進されるが,数値ワーキングメモリは,特にワーキングメモリ性能に関与する脳領域における局所処理能力の増加から利益を得る.”

個人における皮質機能ネットワークの分割

Parcellating Cortical Functional Networks in Individuals
Danhong Wang, Randy L Buckner, Michael D Fox
Nature Neuroscience, Volume 18, Pages 1853-1860
20171106knakamura

個人の脳の機能的アーキテクチャを解明するということは,個人の医学における重要なステップであり,人間の認知および行動の変化における神経基盤の解明に寄与する.本研究では,静止状態のfMRIデータを用いて個人のレベルで機能的に組織を正確にマッピングするための新しい皮質分割法を開発した.個々の被験者における脳機能ネットワークの反復的検索を行うために,集団ベースの機能アトラスと個人の変動性のマップを使用した.このアプローチによってマッピングされた機能アトラスは,被験者内において再現性が高く,また,被験者間の変動性を効果的に反映する.このアルゴリズムは,タスクfMRIを含む異なる被験者集団およびデータタイプにわたって良好に機能した.このアプローチは,外科的患者の侵襲性の皮質刺激の臨床応用における大きな可能性が存在することを示唆する.