fNIRSを用いたハイパースキャニングにより明らかにされた協力時の神経と行動特性における性差

Sex differences in neural and behavioral signatures of cooperation revealed by fNIRS hyperscanning
J.M. Baker, N. Liu, X. Cui, P. Vrticka, M. Saggar, S.H. Hosseini and A.L. Reiss
Scientific reports, vol. 6, Article 26492, 2016

複数の分野の研究者は性別がどのようにして人間の社会的行動を適度なものにしているのかを理解をしようと努めてきた.50年以上の研究が男性と女性の協力的な行動における違いを明らかにした一方で,これらの性別の違いの根本にある神経的関係は説明されていない.この謎の欠如した基本的な要素は,相互作用する二者の性別の構成が協力時の脳と行動にどのように影響を与えているのかについて理解することである.同性および異性の111組のペアにfNIRSに基づいたハイパースキャニングを用いることで,私たちはコンピュータベースの協力作業に関わる,行動と神経の性別に関連する有意な差異を特定した.少なくとも1人の男性を含むペアは,女性同士のペアよりも有意に高い行動成績を示した.個々の男性と女性は右前頭極と右下前頭皮質において有意な活性を示した.ただし,この活性は男性と比較して女性においてより大きかった.女性同士のペアは右側頭皮質で有意な脳間コヒーレンスを示した一方,男性同士のペアにおける有意なコヒーレンスは右下前頭前皮質で生じた.有意なコヒーレンスは異性のペアではみられなかった.最後に,同性のペアでのみで,タスク関連の脳間コヒーレンスが協力タスクの行動成績と正の相関を示した.私たちの結果は,神経と行動の協力時の同時的特性に関して複数の重要かつ以前見つかっていなかった性別の影響を強調する.

感情的知覚における性差:発散的活性化のメタ分析

Sex differences in emotional perception – Meta analysis of divergent activation
NeuroImage, Volume 147, Pages 925-933, 15 February 2017
20170220 sikeda

感情反応性における行動的および生理学的な性差は十分に研究されているが,比較的少ない神経差が確認され ている.ここでは,視覚モダリティにおける感情喚起課題に参加した男性と女性を区別する活動クラスターを報 告した機能的脳イメージング研究全体にわたる定量的活性化尤度推定(ALE)メタアナリシスを適用する.この アプローチでは,実験的パラダイムが男女間でバランスをとる必要があるため,これまでの努力よりもはっきり している可能性がある.感情誘発研究(n = 1907)を通じた結果は,女性と比較して男性の視床の内側前頭前野, 前部帯状皮質,前頭極および中腹側核における明確な活性化を明らかにした.女性は左右扁桃体,海馬,および 上丘,下丘,青斑核を含む背側中脳の領域において明確な活性化を示す.いくつかのクラスターは,感情反応の性 差の基盤に関する一般的な見解と一致しているが,視床および脳幹領域は,以前は性的に異なると強調されてい なかった.これらのデータは,感情の機能的脳イメージング研究の要因として性別を含める必要性を強く支持し, 本研究の焦点は大脳皮質を超えて拡張することを強く支持する.

女性か男性かによって, メンタルローテーション課題中における皮質の活性は異なるパターンを示す

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Kirsten Jordana, Torsten Wustenberga, Hans-Jochen Heinzeb, Michael Petersc, Lutz Jancke
Neuropsychologia, Volume 40, Issue 13, 2002, Pages 2397-2408

どの認識課題においても, 男性のような性別の違いが最も強い影響を与えることが, 三次元物体のメンタルロー
テーション課題によって分かった. 多くの研究は, メンタルローテーション課題中の機能的な脳の活性を調査して
いて, 性別の違いがそれらに関与すると述べられている. しかしながら, それらの研究において, 男性と女性とでは
全般的な能力のレベルに違いがあるため, 現実を混乱させる要因となった. 対照的に, 脳の機能的な活性について
の私たちの研究は, 三つのメンタルローテーション課題における全般的な能力に差がなかった男女の皮質の活性パ
ターンについて調査した. これらは, 混乱を与えている全般的な能力のレベルの影響を取り除くこととなった. 女
性は, 頭頂間溝(IPS) と上頭, 下頭頂小葉(SPL,IPL) の両方の活性が, 下側頭回(ITG) と運動前野と同じくらい重
要であると示した. 男性は, 右頭頂後頭溝(POS), 左頭頂間溝(IPS), 左上頭頂小葉(SPL) の活性が重要だと示した.
男性女性の両方において, 運動前野が活性を示したが, 男性はさらに左運動皮質の活性が重要であると示した. 活
性が重要でないのは, 下側頭回であると分かった. 私たちの結果は, 能力が同じときのメンタルローテーション活性
時の, 本当の男女差の脳活性化のパターンの違いを示した. そのような違いは, メンタルローテーション課題の解
決において, 性別によって異なる方法を用いることが示唆される.