神経科学における新しい手法のアプローチ:functional near-infrared imaging ハイパースキャニングを用いた対 人間の脳の結合の評価

A new methodical approach in neuroscience assessing
inter-personal brain coupling using functional
near-infrared imaging (fNIRI) hyperscanning
Frontiers in human neuroscience, vol.7, 2013
20170803 mmizuno

10 年ほど前にfunctional magnetic resonance imaging (fMRI) を用いて2 人の被験者の脳活動を同時に計測す
る手法が初めて試されて以来,神経科学の新たなパラダイムが確立された.これは,「ハイパースキャニング」と呼
ばれ,2 人以上のヒトの脳活動を同時に計測する手法のことである.ハイパースキャニングによるアプローチは相
互作用による脳と脳の結合の基礎となる対人間の脳のメカニズムを明らかにする可能性があると期待される.こ
れらのメカニズムは実際の社会的相互作用中にも関係があり,1 人の被験者の計測では補うことができない.特に
functional near-infrared imaging(fNIRI) は費用対効果が高く,自然な状況での対人間の相互作用を計測すること
が容易であり,信頼できる有望な新しい技術である.この短いレビューでは,これまでに発表されたfNIRS ハイ
パースキャン研究について報告し今後の研究の可能性と課題をまとめる.

脳と脳のカップリング: 社会的世界を創造し共有する仕組み

Brain-to-Brain coupling: A mechanism for creating and sharing a social world
Trends in cognitive sciences, vol.16, no.2, pp.114-121, 2012
20161213 murakami

認知は対人空間で実現する.複雑な行動の出現には,共通のルールセットに従って個人間の行動の調整が必要 である.私たちの心を形成する上で他の個人の中心的な役割にも関与せずにほとんどの認知研究は,単一の個人 の中で起こるプロセスに焦点を当てている.私たちは,単一の脳から多脳のフレームへの移行を求めている.私 たちは,多くの場合,1 つの脳の神経プロセスが.環境を通るシグナルの伝達を介して別の脳の神経プロセスに結 合されると主張する.脳と脳のつながりは,ソーシャルネットワーク内の各個人の行動を制限して形作り,孤立せ ずに複雑な共同行動を発生させた.

社会的相互作用における「ツーインワン」システムを明らかにするためのハイパースキャニング・ニューロイ メージング技術

Hyperscanning neuroimaging technique to reveal the ”two-in-one” system in social interactions
Neuroscience research, vol.90, pp.25-32, 2015
20161123 murakami

ハイパースキャニングと呼ばれる 2 人の脳活動を同時に測定する技術を使用することで,個人間の相互作用に のみ現れる脳内神経効果を計算することが可能である.fMRI を用いたハイパースキャニング研究は,脳内効果に 関与する領域を正確に決定できる点で有利である.しかし,日常生活の脳内の影響を記録することはほとんど不 可能である.対照的に,EEG のハイパースキャニング研究は高い時間分解能を有しているため,瞬時の相互作用 を捉えることができる.さらに,EEG 計測器は持ち運び可能で使いやすいため,日々の生活の中で脳内の影響を 記録することに使用できる.しかしながら,このアプローチの欠点は,脳内効果を局在化することである.fNIRS は,fMRI よりも時間分解能と持ち運びに優れているが,空間分解能が限られており,脳の深部構造を記録する能 力が限られている.将来の研究では,超高速撮影 EEG-fMRI を使用すべきである.なぜなら,脳波の高い時間分 解能と fMRI の高い空間分解能とを組み合わせているためである.EEG-fMRI を用いたハイパースキャンは,日 常生活における社会的相互作用の特性の神経マーカーとして脳内の効果を使用することを可能にする.また,2 つ の脳が同期活動をどのように示すことができるかを説明する数学的モデルを開発する必要性がある.