デフォルトモードネットワーク内の効果的な接続とマインドワンダリングの促進・抑制との因果関係

Causal relationship between effective connectivity within the default mode network and mind-wandering regulation and facilitation
S. Kajimura, T. Kochiyama, R. Nakai, N. Abe and M. Nomura
Neuroimage, vol. 133, pp. 21-30, 2016.
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経頭蓋直流刺激(tDCS)は,思考が進行中の課題や外部環境内の事象から自己生成の思考や感情へとシフトする,マインドワンダリングを調節することができる.マインドワンダリング頻度の調節は外側前頭前野(the lateral prefrontal cortex:LPFC)やDefault mode network(DMN)における領域の神経変性に関連すると考えられるが,正確な神経メカニズムは未知のままである.機能的核磁気共鳴イメージング(functional magnetic resonance imaging:fMRI)を用いて,我々はtCDS(DMNのコア領域である右IPL上に配置された1つの電極と,左LPFC上に配置された別の電極),DMN内の刺激によって誘発された指向性接続変化,およびマインドワンダリング頻度の調節との間の因果関係を調べた.行動レベルでは,右IPLにおけるアノードtDCS(左IPLにおけるカソードtDCSを有する)が,逆の刺激と比較してマインドワンダリングを減少させた.神経レベルでは,右IPLにおけるアノードtDCSは,後部帯状皮質(PCC)の求心性接続を右IPLおよび前頭前野(mPFC)から減少させた.さらに,媒介分析では,右IPLおよびmPFCからの接続の変化が,マインドワンダリングの促進および抑制とそれぞれ相関することが示された.これらの効果は,効果的な接続の不均質な機能の結果である.すなわち,右IPLからPCCへの接続はマインドワンダリングを妨げるが,mPFCからPCCへの接続はマインドワンダリングを促す.現在の研究は,マインドワンダリング頻度のtDCS調節の基礎をなす神経メカニズムを実証するものである.