無意識の情動刺激に対する扁桃体の反応

Amygdala Response to Emotional Stimuli without Awareness: Facts and Interpretations
Matteo Diano, Alessia Celeghin, Alessia Celeghin, Marco Tamietto
Frontiers in psychology 7, 2029, 2017
20180412 rshimizu

過去20年にわたり、観察者が誘発情動刺激の内容、または存在さえ認識していないときにも、ヒト扁桃体がその機能のいくつかを発揮するという証拠が報告されている.それにもかかわらず、焦点を当てた注意や認識なしに扁桃体の反応に影響を及ぼす限界と条件については、まだ判明していない.ここでは、被験者に関する過去や最近の研究を考慮し、健常者および脳損傷患者に関するニューロイメージングの文献を調べ、その刺激の強さと限界について考える。
我々は視覚認識できる刺激とできない刺激では扁桃体の機能に違いが出ることは、高い時間分解能を有する扁桃体応答をサンプリングするデータと共に、扁桃体を中心とする機能的および解剖学的機構の多様性を理解すると,非意識的感情処理におけるその役割を支持するのに役立つことが主張できる.
また相互作用するネットワークは皮質および皮質経路の異なる計算特性を利用して扁桃体へ視覚情報を仲介しそれによって感情処理の異なる段階で扁桃体機能をサポートする.この見解は明らかに対照的な提案と同様に、文献の明らかな矛盾を和らげる.我々は、この応答は異なる機能的メカニズムに由来するものであり、一般的に想定されているよりも複雑なニューラルネットワークによって引き起こされているにもかかわらず、認識なしで扁桃体応答を支持する証拠としている.このようなメカニズムの複雑さを認識することで、扁桃体の機能の多様性を認識しなくても、人間の行動に影響を与えることなく、新しい洞察を得ることができる.

錯視時におけるV1 野の活動を音が変える

Sound alters activity in human V1 in association with illusory visual perception
NeuroImage, July (2006),Volume 31(3),Pages 1247 – 1256
20151006 sshigaraki

一つの短時間のフラッシュが2つのブリープ音を伴うことで,多くの場合そのフラッシュは2つのフラッシュとして間違って知覚される.ここで,私たちはこの多感覚による錯覚の神経系基盤を考察するために,高磁場のfMRIを用いた.私たちは,視覚野の網膜位相に関わる部位の活動が錯覚に関係なく同時に聴覚刺激を提示することで増加することを示した.しかしながら,聴覚刺激の同時提示によって錯視が引き起こされた時,視聴覚刺激は変わらないにも関わらず,V1野における活動が増加する.これらの発見により,V1野における反応は音によって変化することが確認された.また,v1野における反応は,実際の物理的な視覚刺激よりもむしろ,主観的な知覚を表していることが示された.そのうえ,右上側頭溝と上丘も錯視によってV1とともに活性化され,それらの部位は多感覚による錯覚の発生のために潜在的な神経的基盤を供給する.