自発的なデフォルトのネットワーク活動は,心のさまよいとは無関係に行動の変動性を反映する

Spontaneous default network activity refects behavioral variability independent of mind-wandering
K. Yao, G. Anagnostopoulos and K. Ragunath
Proceedings of the National Academy of Sciences
20180122_mnishizawa

“脳のデフォルトモードネットワーク(DMN) は,感覚刺激または外部指向のタスクに過度に関与していないとき,つまり起きている安静中に非常に活動的である.複数の状況において,自発的なDMN 活性の増加は,現在の感覚環境とは無関係な心のさまよいや考えごとと関連している.心をさまようことは,日常生活の多くを特徴づけ,しばしばエラーを起こしやすい可変的な行動に関連している.しかしながら,自発的なDMN 活性の増加は,可変的ではなく安定的な挙動と確実に関連している.私たちは,このような見かけの矛盾に対処し,自己報告や行動に基づく注意状態の単一の尺度だけでは,DMN 活動の変動を説明するには不十分であるという仮説を検証することを目指した.私たちは,注意揺らぎを検出するためにfMRI を用いて,最適化された連続的なタスク中に,自己報告した心のさまよい,行動変動,および脳活動の様々なレベルを同時に測定した.心のさまよいが行動変動の増加と同時に発生したにもかかわらず,最も高いDMN 信号レベルは,単独の因子のみを考慮した場合と比較して,安定した行動と同時に強烈な心のさまよいによって最もよく説明された.これらの脳の行動-経験の関係は,既知のDMN サブシステム内およびDMN サブ領域内で非常に一貫していた.対照的に,このような関係は,他の注意関連ネットワーク(salience,背側注意,および前頭頭頂ネットワーク) については,欠如しているか,または反対方向にあった.我々の結果は,自発的なDMN 活動が特に反映する認知プロセスは,心のさまよいに部分的にしか関連せず,自己報告によって捕捉されない注意状態の変動も含むことを示唆している.”

報酬は,より高い努力によって持続的な注目を高める:価値に基づく意思決定アプローチ

Rewards boost sustained attention through higher effort: A value-based decision making approach
NeuroImage, vol.120,pp.21-27,2016
20170320_mnishizawa

時間の経過とともに持続的な注意を維持することは,有限の認知的資源によって制限される綿密なプロセスで
ある.持続的な注意を維持することは,意思決定プロセスのような資源の配分における動機づけの役割を記述している.努力的なパフォーマンスのコストは,その利益と比較して重視される.この仮説を注目研究と決定神経科学の方法を組み合わせて検討を行った.参加者は,報酬のレベルを変えずに継続的な注意喚起を行った.彼らはパフォーマンスの主観的なコストを測定し,報酬割引の仕事をした.結果は,より高い報酬が改善された性能(Exp 1-3)および注意力の強化(すなわち、瞳孔直径; Exp 2 および3)をもたらすことを実証した.さらに、選択作業から作成された割引曲線は,被験者が警戒感をより長期間維持するコスト(Exp 1 & 2)に由来する報酬を評価していないことを示した.動機づけは,努力の増加によって持続的な注意を高めることができるが,持続的なパフォーマンスは報酬を割り引くコストとみなされた.

Sustained attention, Pupillometry, Reward motivation, Effort-discounting, Decision making

単純なタスク対する持続的注意:警戒注意の神経機構のメタ分析レビュー

Sustaining Attention to Simple Tasks: A Meta-Analytic Review of the Neural Mechanisms of Vigilant Attention

Psychological Bulletin, Vol 139(4), Jul 2013, 870-900.

数秒以上の注目を維持することは,日常生活において不可欠である.しかし,私たちの特定のタスクに対して
集中する能力は,タスク時間の増加に伴うパフォーマンスの減退に知られる結果の通り,限られている.興味深い
ことに,そのタスクが認知的に単純で反復的であっても,そのような減退は起こる可能性が高い.知的にやりが
いのない,興味のない活動に対する長期的な注意機能は,「警戒注意」と呼ばれている.ここで私たちは,この不
可欠な精神的能力のメカニズムについて脳機能イメージングから学んだことについて総合的に扱う.この目的の
ために,関連する神経イメージング研究の定量的メタ分析を,因子を抑える補足分析を含めて,実施した.さら
に私たちは,局所的脳損傷のある患者から得られた情報を考慮しながら,神経的なタスク時間の影響に関する入
手可能な証拠を検討した.メタ分析とレビューの両方の結果を統合し,主に右半球の脳領域セットが人間の警戒
注意を補助する中心ネットワークを形成しうると確認された.背内側,中,腹外側の前頭前野,前部島皮質,頭
頂領域(頭頂間溝,側頭頭頂接合部),皮質下構造(小脳虫部,視床,被殻,中脳) などを含む.私たちはこのネッ
トワークの異なるノードの潜在的機能的役割だけでなく,警戒注意の理論上評価のための私たちの調査結果の意
義についても議論する.注意の維持は単一の精神的能力ではなく多成分であると推測された.それには(i) タスク
のセット・覚醒の保守を補助する持続・再発の過程と(ii) 目標駆動型の注意の再配向を補助する過渡過程の2 つの
混合物を含む.最後に,これまでの研究の限界を考え,今後の研究への提案を提供する.

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単純な持続的注意における目標指向注意のための認知制御ネットワークの証拠

Evidence for a cognitive control network for goal-directed attention in simple sustained attention

Brain and Cognition, Volume 81, Issue 2, 2013, Pages.193-202

時間経過によるパフォーマンスの悪化は持続的注意タスクには特有である。このいわゆる「性能低下」は、反応
時間(RT) の増加によって時間にわたって測定される。この現象による行動・神経生物学のメカニズムはまだ完全
には理解されていない。行動に、経過時間に対するRT の増加およびこの性能低下の相互個人差を検査した。神
経生理学のレベルで、タスク関連の脳領域を調査し,神経活動がRT によって調整され、低パフォーマンスと比較
して高パフォーマンスに関与する脳領域を探索した。(低パフォーマンスとは被験者のパフォーマンス減少が激し
い状態。高パフォーマンスとは被験者のパフォーマンス減少がない・適度な状態である。)この目的のため、若い
健常者20 名が、単純な持続的注意(すなわち迅速な視覚情報処理タスクの低要求バージョン) を測るタスクを実施
した.私たちは迅速な事象関連機能的磁気共鳴映像法(fMRI) の設計を使用した。行動結果は、全てのグループの
経過時間に対するRT の著しい増加を示し、他の人よりも特別に性能低下の傾向のある参加者はいないというこ
とも明らかにした。後者において,低成績者と高成績者には統計的に有意な差があった。左右の前頭-帯状-島-頭
頂のタスク関連ネットワークにおいて,高いBOLD 反応は遅いRT と連携した。これらの領域の中でも前補足運
動野(pre-SMA) において、高パフォーマンスはRT-BOLD のより高い有意な相関関係を示した。左右の前頭-帯
状-島-頭頂のタスク関連ネットワークは、目標指向注意の要因となる認知制御ネットワークであると結論付けた。
pre-SMA は特に、パフォーマンス減少と関連している可能性がある。高成績者が監視パフォーマンスの減退と行
動的出力へ順応するためにこの脳領域に限っては、pre-SMA の活動を持続させることができる。

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