瞬時接続の時間経過を用いた機能分割

Functional parcellation using time courses of instantaneous connectivity
Erik S.B.van Oort, Maarten Mennes, Tobias Navarro Schroder
NeuroImage 2017, Available online 14 July 2017

機能的な神経イメージングの研究により,脳機能は空間的に分離された領域間の機能的ネットワークの集合であると理解されてきた.これらのネットワークは,各ネットワークの機能を強調して担う1 組の領域群から構成されていると考えられる.このため,脳の機能的構造の本質的なコンポ―ネントが脳の各領域であるとして,機能的な分割によって脳の機能的領域を同定することを目的とする手法が数多く提唱されている.現在の分割手法は,通常,ボトムアップ手法を採用し,より小さい単位の領域をクラスタリングすることによって領域を生成する.本研究では,あらかじめ定められた関心領域をサブ領域に分割するために,脳機能の瞬時の接続性を用いたトップダウン手法を提案する.最適なサブ領域の数を決定するために,split-half reproducibility が用いられた.静止状態のfMRI データに対して瞬時接続分割手法が適用され,視床、嗅内皮質、運動皮質、および脳幹および線条体を含む皮質の分割を生成する能力が実証された.分割された領域は,細胞構造アトラスと比較して評価され,本手法が既知の細胞構造的特徴に従う生物学的に有効な領域を生成することが示された.

EEG NeuroFeedback によって誘発される睡眠前の移行に必要かつ十分な神経動態

Neural dynamics necessary and sufficient for transition into pre-sleep induced by EEG NeuroFeedback
Kinreich, Sivan and Podlipsky, Ilana and Jamshy, Shahar and Intrator, Nathan and Hendler, Talma
NeuroImage, vol.97, pp. 19-28, 2014
20180125 sfujii

“完全に起きている状態から睡眠前までの移り変わりは,眠り込む直前に毎日発生する.したがってその乱れは有害であるかもしれない.しかし,移り変わりにおける神経相関は,その固有の動態を捉えることが困難なために,不明確なままである.私たちは睡眠前への速やかな移り変わりのためにEEG シータ/アルファニューロフィードバックを使用し,また,状態依存性神経活動を明らかにするため同期したfMRI を使用した.リラックスした精神状態は,副交感神経反応に対応する増強によって確認された.Neurofeedback セッションは,時間的に明確な「クロスオーバ」ポイントとしてマークされた,アルファよりもシータパワー増加のすでに知られているEEG サインに基づいて,成功または失敗として分類されました.fMRI の活性化は,この時点の前後で検討した.成功した睡眠前への移り変わりの間,クロスオーバ前の期間は,主に感覚ゲート関連領域(例えば,中間視床)におけるfMRI 活性の低下に対応するアルファ調節によって示された.並行して,移り変わりには十分ではないが,シータ調節は,辺縁系および自律神経制御領域(例えば,海馬,小脳)における活性の増加に対応した.クロスオーバ後の期間は,前頭部のセイリエンスネットワーク(例えば,前部帯状皮質,前部島)内のfMRI 活性の低下に対応するアルファ調整によって指定され,対照的に,後頭部のセイリエンスネットワーク(例えば,後部帯状皮質,後部島)に対応するシータ調節はによって指定された.私たちの発見は,覚醒状態から睡眠前状態への精神的移り変わりの根底にある多段階的な神経動態を描写している.移り変わりを開始するには,外部への監視における領域での活動の減少が必要であり,移り変わりを維持するためには,それぞれの処理に基いて外部から内部への移行を反映して,セイリエンスネットワークの前頭部と後頭部の間の反対がそれぞれ必要であった.”

マインドフルネス瞑想と意識:統合的な神経科学観点

Mindfulness meditation and consciousness: An integrative neuroscientific perspective
2017_0123taimoto
マインドフルネス瞑想は 2 千年以上にわたり東洋で実践されてきたが,西洋の科学的研究と医療プログラムが 最近になってマインドフルネス瞑想に注目している.基本的に、マインドフルネスという概念は、現時点での自 分の意識に焦点を当てている.このレビューでは,マインドフルネス瞑想の機能と脳との相関について異なる仮説を分析する.マインドフルネスは特定の意識状態と厳密に関連しているので,意識の説明として提案されてい る最も関連性のある理論のいくつかについても検討する.最後に,意識とマインドフルネス瞑想の両方において 本質的な役割を果たす部位として考えられるのは,前部帯状回皮質,後部帯状回皮質,島および視床であると特 定されることにより,我々は意識とマインドフルネス瞑想が神経科学的観点において統合され得ると提案する

ストレッサーとしてのスキャナー:fMRI のセッションの時間経過における主観的,神経内分泌的ストレスパラ メータからの証拠

The scanner as a stressor: evidence from subjective;
neuroendocrine stress parameters in the time course of a
functional magnetic resonance imaging session

International Journal of Psychophysiology. 2011, vol. 79, no. 2, p. 118-126.

定期的にMRI の実験に参加している被験者は不安とストレスに関連する反応を示す.これは適切でないデータの品質や,スキャンの終了が早過ぎるといった結果を生じさせるかもしれない.さらに,認知機能や神経基盤はストレスによって変化しうる.先行研究ではスキャン前後のストレス反応の違いのみを調査していることに対して,本研究では典型的なfMRI のセッションの時間経過における心理状態とホルモンの変化を徹底的に調査する.39 人の被験者がこの研究に参加した.被験者の心理状態と唾液内アミラーゼ(sAA),コルチゾールは研究室訪問中に6 回計測された.視覚探索課題における神経相関物質とホルモンデータの間の関係は視床に適応されたROI によって観測された.心理状態のホルモンレベルの変化は実験中有意に変化した.被験者はスキャナに入った直後が最も神経質だった.SAA はMRI の準備のあとに有意に上昇した.subgroup(n=5)の被験者において,2:5[nmol=L] を超えるコルチゾールの反応がみられた.fMRI データは,前半の実験におけるsAA レベルと左視床の活動の間の関係を明らかにした.コルチゾールと視床の活動の間に有意な相関関係は観測されなかった.今回の結果は,fMRI 実験は機能的活動パターンに影響を及ぼしうる,主観的または神経内分泌的ストレス反応を引き起こす可能性があることを示した.

2015.0707.okamura