社会的な脳の解明: EmpaToMによって引き起こされる共感と心の理論に対する異なる神経ネットワークと行動の関係を明らかにする

Dissecting the social brain: Introducing the EmpaToM to reveal distinct neural networks and brain behavior relations for empathy and Theory of Mind
P. Kanske, A. Bockler, F.-M. Trautwein and T. Singer
NeuroImage, vol. 122, pp. 6-19, 2015

社会的相互作用の成功には,共感(empathy)と他人の精神状態の理解(Theory of Mind, ToM)の両方が必要である.これらの2つの機能は主に個々に調査されており,基礎となる神経ネットワークの特異性やこれらのネットワークとそれぞれの行動指数との関係は明らかにされていない.本研究では,共感とToMを独立して操作する新しいfMRIパラダイム(EmpaToM)を提案する.実験1 a/b(N=90)は,行動および神経レベルで確立された共感およびToMパラダイムを用いて検証した.実験2(N=178)では,EmpaToMを行い,ToMではventral temporoparietal junctionまた共感ではanterior insulaを含む明確に分離された神経ネットワークを明らかにした.これらの個々のネットワークは,タスクのないresting stateの機能的接続性において確認することができる.重要なことは,これらの2つのネットワークにおける脳活動は,それぞれの行動指数を予測したことである.すなわち,ToM関連の脳活動における個人間の差異は,ToMのパフォーマンスにおける個人間の差異を予測した.しかし,共感は予測されなかった.以上のことから,検証したたEmpaToMは,他人を理解する感情的経路と認知的経路を分離した.したがって社会的認知特有の構成要素の選択的な障害や改善の特定において,将来の臨床的,発達的および介在研究に利益をもたらす可能性がある.

社会的戦術の神経基盤:fMRI 研究

The neural basis of social tactics: An fMRI study

NeuroImage, Volume 32, Issue 2, Pages 913-920, 2006.

複雑な社会的交流における成功するのに最も強力な方法の一つは,相手の心を読み,一歩先を行くことである.社会的に張りつめた人間関係の中で相互の思考察知に対する神経反応を評価するために,私たちは3テスラのスキャナを用いて,チキン・ゲームに参加した16人の健常被験者の事象関連機能的磁気共鳴イメージング研究を行った.統計的パラメトリックマッピングは,相手の効果(人-コンピュータ)がPCCと後部上側頭溝に隣接した縁上回に対応する内側前頭領域を独占的に活性化した.さらに,被験者が危険/積極的な選択か,安全/和解的な選択のどちらを行ったか評価するためにデータを解析すると,後部上側頭溝は,相手かいることは危険か安全な決断を選択するのに関わらず確実な効果があることを示した.対称的に重要な相手と選択相互作用は前部PCCにおいて明らかになった.私たちの発見に基づいて,後部上側頭溝と前部PCCはメンタライジングにおいて異なる役割を担うと考えられる.後部上側頭溝はメンタライジングの一般的なメカニズムとして機能し,前部PCCは社会的に危険な決定に選択的に関与する.

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