社会的認知領域における瞑想とマインドフルネス傾向の役割の調査:対照研究

Exploring the Role of Meditation and Dispositional Mindfulness on Social Cognition Domains: A Controlled Study
Campos, Daniel and Modrego-Alarcon, Marta and Lopez-del-Hoyo, Yolanda and Gonzalez Panzano, Manuel and Van Gordon, William and Shonin, Edo and Navarro-Gil, Mayte and Garcia-Campayo, Javier Frontiers in Psychology, vol.10, pp.1-13, 2019

マインドフルネスは,他者との感情的なつながり,社会的行動,共感など,社会的領域の変化を引き起こす可能性があることが研究によって示唆されている.しかし,社会心理学におけるマインドフルネスへの関心が高まっているにも関わらず,社会的認知に対するマインドフルネスの影響についてはほとんど知られていない.したがって本研究の目的は,瞑想者と非瞑想者をいくつかの社会的認知基準について比較することによって,マインドフルネスと社会的認知の関係を探究することである.合計60人の参加者(瞑想者,n = 30,非瞑想者,n = 30)は性別,年齢,および民族グループで照合され,以下の評価基準を完了するように依頼された:Mindful Awareness Attention Scale (MAAS), Five Facet Mindfulness Questionnaire Short Form (FFMQ-SF), Interpersonal Reactivity Index (IRI), Revised Eyes Test, Hinting Task, Ambiguous Intentions and Hostility Questionnaire (AIHQ), Hospital Anxiety and Depression Scale (HADS),及び Screening for Cognitive Impairment in Psychiatry (SCIP).結果は,瞑想者がより高い共感(個人的苦痛を除く),感情的な認識,精神理論(ToM),及びより低い敵意帰属スタイル/バイアスを報告したことを示した.この発見はまた,マインドフルネス傾向 (MAASで評価された総合スコアとFFMQを使用したマインドフルネスの両方)が社会的認知と関連していることを示したが,それはすべての社会的認知結果と等しく相関しているわけではなく,瞑想者と非瞑想者に対して別々に分析が行われた場合には相関パターンは異なる.さらに結果は各社会的認知変数についての潜在的な予測因子を示し,社会的認知パフォーマンスを説明するためにマインドフルネスの重要な要素として内的経験に対する非反応性を強調した.要約すると調査結果は,非瞑想者と比較して瞑想者は特定の資質(すなわち,共感,感情的な認識,ToM,敵意帰属スタイル/バイアス)においてより優れており,さらにマインドフルネスは社会的認知に関連しているという概念を支持し,それは臨床的,及び非臨床的状況で使用するためのマインドフルネスに基づくアプローチの設計に影響を与える可能性がある.

負の感情は心の理論の間に外側前頭前野皮質活性化に影響を与える:fNIRS研究

Negative emotions impact lateral prefrontal cortex activation during theory of mind: An fNIRS study
Himichi, Toshiyuki and Fujita, Hiroyo and Nomura, Michio
Social neuroscience, vol.10, pp.605‾615, 2015
外側前頭前野(lPFC)は,自己透視情報を抑制するのに重要な役割を果たす.これは,心の理論(ToM)処理に必要である.加えて,以前の研究は,否定的な感情が実行タスク中のIPFC活性化を妨害することを示した.この研究では,負の感情がToM課題の間にlPFC活性化を阻害するであろうという仮説を立てた.女性の参加者は感情的な映画(ニュートラル/ネガティブ/ポジティブ)の観察に従ってタスクを実行しましたが,彼らの前頭前血行動態活性は近赤外分光法を使用して測定された.ニュートラル映画を見た後,両側のlPFC活性は,対照条件と比較してToMプロセスの間に有意に増強された.対照的に,ネガティブ映画を見た後では,ToMプロセスの間の残余のIPFC活性は著しく損なわれた.これらの結果は,ネガティブ感情がlPFCの不活性化を介して自己視点情報の抑制を妨げるという考えを支持すると解釈された.

社会的な脳の解明: EmpaToMによって引き起こされる共感と心の理論に対する異なる神経ネットワークと行動の関係を明らかにする

Dissecting the social brain: Introducing the EmpaToM to reveal distinct neural networks and brain behavior relations for empathy and Theory of Mind
P. Kanske, A. Bockler, F.-M. Trautwein and T. Singer
NeuroImage, vol. 122, pp. 6-19, 2015

社会的相互作用の成功には,共感(empathy)と他人の精神状態の理解(Theory of Mind, ToM)の両方が必要である.これらの2つの機能は主に個々に調査されており,基礎となる神経ネットワークの特異性やこれらのネットワークとそれぞれの行動指数との関係は明らかにされていない.本研究では,共感とToMを独立して操作する新しいfMRIパラダイム(EmpaToM)を提案する.実験1 a/b(N=90)は,行動および神経レベルで確立された共感およびToMパラダイムを用いて検証した.実験2(N=178)では,EmpaToMを行い,ToMではventral temporoparietal junctionまた共感ではanterior insulaを含む明確に分離された神経ネットワークを明らかにした.これらの個々のネットワークは,タスクのないresting stateの機能的接続性において確認することができる.重要なことは,これらの2つのネットワークにおける脳活動は,それぞれの行動指数を予測したことである.すなわち,ToM関連の脳活動における個人間の差異は,ToMのパフォーマンスにおける個人間の差異を予測した.しかし,共感は予測されなかった.以上のことから,検証したたEmpaToMは,他人を理解する感情的経路と認知的経路を分離した.したがって社会的認知特有の構成要素の選択的な障害や改善の特定において,将来の臨床的,発達的および介在研究に利益をもたらす可能性がある.

社会的戦術の神経基盤:fMRI 研究

The neural basis of social tactics: An fMRI study

NeuroImage, Volume 32, Issue 2, Pages 913-920, 2006.

複雑な社会的交流における成功するのに最も強力な方法の一つは,相手の心を読み,一歩先を行くことである.社会的に張りつめた人間関係の中で相互の思考察知に対する神経反応を評価するために,私たちは3テスラのスキャナを用いて,チキン・ゲームに参加した16人の健常被験者の事象関連機能的磁気共鳴イメージング研究を行った.統計的パラメトリックマッピングは,相手の効果(人-コンピュータ)がPCCと後部上側頭溝に隣接した縁上回に対応する内側前頭領域を独占的に活性化した.さらに,被験者が危険/積極的な選択か,安全/和解的な選択のどちらを行ったか評価するためにデータを解析すると,後部上側頭溝は,相手かいることは危険か安全な決断を選択するのに関わらず確実な効果があることを示した.対称的に重要な相手と選択相互作用は前部PCCにおいて明らかになった.私たちの発見に基づいて,後部上側頭溝と前部PCCはメンタライジングにおいて異なる役割を担うと考えられる.後部上側頭溝はメンタライジングの一般的なメカニズムとして機能し,前部PCCは社会的に危険な決定に選択的に関与する.

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