視覚探索効率が刺激の特徴に基づいた刺激と反応との互換性の時間経過に与える影響

The influence of visual search efficiency on the time-course of identity-based SR-compatibility

Acta Psychologica, vol.140, issue 1, pp.101-109, 2012
20150917 htanaka

3つの実験は,刺激制御が刺激と反応(SR)との互換性の時間経過に与える影響を調査するために行われた.参加者は,複数の妨害刺激の中からシングルトン矢印の有無に反応した.シングルトン矢印が存在するときは,参加者は右人差し指でボタンを押し,シングルトン矢印が存在しないときには,左人差し指でボタンを押した.刺激と反応との互換性は,目標刺激の特徴と刺激に対する反応との関係に依存した:目標刺激のシングルトン矢印が課題に無関係であったとしても(その矢印が右向きであろうと左向きであろうと),矢印の方向は刺激が存在するときの(右手による)反応と右矢印のときは対応し,左矢印のときは対応しない.パフォーマンスにおける時間経過を検証するために,視覚探索効率やそれに応じた反応時間が増減するように目標刺激と妨害刺激の類似性が変えられた.3つの検証結果が得られた.まず,実験1の結果は,単に矢印の有無を判断する課題では,シングルトン矢印が左向きで右手による反応と対応していないときと同様に,矢印が右向きで反応と対応しているときは,参加者は同じ速度で反応したと示した.実験2では,参加者はシングルトン矢印の特徴を意識すように教示した場合にのみ,時間が経過するにつれて向上するとされる刺激と反応との互換性効果の影響が見られた.実験3では,刺激と反応との互換性の時間経過は,視覚探索効率の影響を受けなかった.本研究の結果は,視覚的な選択と反応の選択が異なる段階で起こることを示唆している.