交叉領域における拡散tractography

MRtrix: Diffusion Tractography in Crossing Fiber Regions
International Journal of Imaging Systems and Technology, vol. 22, no. 1, pp. 53-66, 2012.
20151125_iishida

近年,DWMRIは脳の白質の繋がりを描画する唯一の手法として注目を集めている.しかし,神経科学者や臨床医の間で共通に用いられる方法はDTモデルがベースになっており,包括的に脳白質の拡散を特徴づけるには不十分であると示されている.この事実はボクセルごとの一回の神経線維の方向づけによって不正確な繊維配向やそれゆえの経路が引き起こされることによる.最近では影響の受けたボクセルの割合が90%と推定された.これは重大な制限である.さらにまた,大部分の実用的な追跡アルゴリズムは決定論的に実装される.決定論的な手法に対しては今は確率論的なアプローチによって置き換わっている.本研究では,我々は確率論的tractographyに検証制御球状デコンボリューション法を用いて推定された線維配向を結合したtractographyを実行する強力なツールセットを提示する.この手法は交叉線維の影響における既知の白質路の優れた描画を提供することが示された.これらのツールはMRtrixと呼ばれるソフトウェアにコンパイルされ,化学団体によって自由に使用できるようになった.

機能ネットワークと視空間の構造的な接続と視認知ワーキングメモリ

Functional networks and structural connectivity of visuospatial and visuoperceptual working memory
Frontiers in Human Neuroscience, vol.9, p.340, 2015.
20151026 sohtani

健常者におけるワーキングメモリ(WM)の神経相関は,広範囲にわたって機能的MRIを使用して研究されてきた.しかし,白質線維束によって繋がっている機能WMネットワークの一部を形成する領域がどのように接続されているかは明らかになっていない.そして,微細構造特性およびこれらの接続の方向性を指標として使用するDTI計測は,タスク成績で個人差を予測することができる.fMRIデータは23名の健康な若者から取得し,正方形の場所,顔の同定についての0バックと2バック課題を行った.拡散テンソルイメージング(DTI)のデータも取得した.私たちは,WMタスクに伴う主な機能ネットワークを識別するために,fMRIのデータにICAを用いた.DTIのボクセル解析は,構造上の白質とタスク成績間の相関を見つけるために行い,DTIデータの確率追跡では,機能ネットワークのノードを接続する白質の束を同定するために使われた.私たちは,両タスクのために頭頂部,中前頭回の領域で脳活動マップで高い重複があった時,紡錘状回と下前頭回皮質の活動が特異的であったことを見つけた.下前頭回で紡錘状回を結ぶ経路の拡散係数と異方性は,視覚ワーキングメモリタスクの処理速度と相関していた.調査結果が試験的であると思われるが,私たちは,視覚タスクのために紡錘状回と下前頭回に位置しているタスクの間で,活動が唯一の違う前頭部,頭頂部で活動の高い重複パターンを共有しているということがわかった.さらに,DTI計測が処理スピードを予測することがわかった.

視空間的・視知覚的ワーキングメモリの機能的ネットワークと構造的コネクティビティ

Functionalnetworksandstructuralconnectivityofvisuospatialandvisuoperceptualworkingmemory

Frontiers in Human Neuroscience, Vol. 9, Article 340, 2015

20150908sobuchi

fMRIを用いて,健常被験者のワーキングメモリの神経基盤がこれまで調査されてきた.しかしながら,ワーキングメモリの機能的ネットワークを形成する皮質領域は,白質の線維束によってどのように結合されているのか,そしてこれらの結合の有向性と微細構造の特徴の指標として使用されるDTIは,個人のタスクパフォーマンスの違いを予測可能かはまだ明らかになっていない.squarelocationの視空間的課題とfaceidentificationの視知覚的課題中の23人の健康で若い被験者のfMRIデータが計測された.DTIデータも同様に計測された.WM課題に関係する機能的ネットワークを確認するため,我々はfMRIデータにICAを用いた.構造的白質と課題パフォーマンスの関連をみつけるため,ボクセルベースのDTI解析を行った.また,機能的ネットワークのノードの白質線維の結合性を確認するため,DTIデータによる確率的トラッキングを行った.頭頂と中前頭領域の高い脳活動が両タスクでみられる一方で,視知覚的ワーキングメモリ課題にのみ,紡錘状回と下前頭回の機能的補強がみられた.紡錘状回と下前頭回の神経結合性を示すaxialdiffusivityとfractionalanisotropyは,視知覚的ワーキングメモリ課題の処理速度と関連していた.我々の発見は試験的だという認識が必要だが,両課題は前頭と頭頂において,脳活動パターンの高いオーバーラップがあり,視知覚的課題において,紡錘状回と下前頭回の活動に違いが生じた.さらに,DTIの指標は処理速度を予測することが可能であることを発見した.

DW-MRI とグラフ理論を用いた脳部位間の解剖学的繋がりの特徴づけ

Characterizing brain anatomical connections using diffusion weighted MRI and graph theory

Neuroimage, Vol. 36, No. 3, pp. 645-660, 2007.

DW-MRIとグラフ理論に基づく新規手法は脳の灰白質間の解剖学的な繋がりの特徴を提示する.最初に,脳のボクセルが円弧状に隣接した二つのノードは神経線維より繋がっている確率に比例すると仮定された重みから非指向のグラフとしてモデル化された.この確率は組織分裂の確率における平均やMRIやDW-MRIそれぞれから得られるボクセル内の白質の配向分布関数によって推定された.白質路の発見のための新規tractography手法のアルゴリズムも紹介されている.このアルゴリズムは任意の二つのノードの繋がりが最も可能性の高い経路問題を解決し,確率的な脳の解剖学的繋がりの位置付けの評価につながる.二つ目に,灰白質の構造Kの解剖学的繋がりを評価するために,Kにおいてオーバーラップ処理されていない灰白質の部分集合や残りのノードによる部分集合における最初に設定されたノードを分割することによって前のグラフがK+1の一部のグラフとして再定義される.灰白質の集合の一部の解剖学的繋がりを定量化するために解剖学的繋がりの強さを示すACS,解剖学的繋がりの密度を示すACD,解剖学的繋がりの確率を示すACPの3つの異なる処理が提案された.この方法論は人工と実際の人間のデータの両方に適用された.結果は関心のある複数の領域間の神経線維のつながりが正しく再建されたことを示す.さらに,ACSの平均連結性mapやACDとACPで5つの有益な対象のための71個の灰白質組織の繋がりが示された.

20150805_iishida

10 種類のtractography アルゴリズムによるMR ファントムにおける現実的な拡散の定量的な評価

20150407_iishida

Quantitative evaluation of 10 tractography algorithms
on a realistic diffusion MR phantom

P. Fillard, M. Descoteaux, A. Goh, S. Gouttard, B. Jeurissen, J. Malcolm,A.R. Manzanares, M. Reisert, K.
Sakaie, F. Tensaouti, T. Yo, J.F. Mangin and C. Poupon

NeuroImage vol. 56,no. 2011,pp220-234

生体内の白質線維をマッピングする唯一の手法であるため拡散MRI tractography が臨床および神経科学研究
において重要性が増加している.しかし,異なる拡散モデルやtractography アルゴリズムによる増加可用性にも
関わらず,与えられた画像処理パラメータから最適な線維の復元方法をどのように選択しているのか不明瞭なま
まである.そのため,様々なモデルやアルゴリズムの定量的な比較や対応の良し悪しの理解を深める事が最も重
要である.本研究では,様々な拡散モデルやtractography アルゴリズムの性能を定量的に評価する再現可能な手
法と既知のデータセットを共通に使用する.様々な手法の評価を行うために, Fiber Cup コンテストで既知では
ないデータセットが一般に公開された.そして,10 種類の線維の復元方法が評価された.その結果を以下に示す.
1. SNR の高いデータセットの場合,配向分布関数で正しく潜在的な線維の配分をモデル化する拡散モデルは,流
線形のtractography 手法と連携して使用される.2. SNR がさほど高くないか,SNR の低いデータセットの場合,
事前の空間的滑らかさは,拡散モデル,または,正しくモデリングされた繊維の配向や適切なtractography の結
果から推奨される繊維のいずれかによる.これまでの既存手法と新規手法のための比較基盤として役立つファン
トムのデータセット,既知な線維,評価方法及び結果はhttp://www.lnao.fr/spip.php?rubrique79 より一般的に
入手可能である.新しい結果は bercup09@gmail.com に提出することができ,ウェブページに公開することが出
来る.

複雑なブレインネットワークの構造と機能

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Structure and function of complex brain networks
Dialogues in clinical neuroscience, vol.15, no.3, pp.247-262, 2013
増加している理論的で実験的な研究はネットワークの観点から脳の機能の解明に近づいている.ブレインネット
ワークの解析は新たなイメージング手法や,グラフ理論とダイナミックシステムからなる新たなツールの発展に
よって可能となった.本総説ではこれらの理論的進展のいくつかを概観し,構造的・機能的ブレインネットワーク
の構成に関する最近の知見を要約する.構造的コネクトームの研究はいくつかのモジュールあるいはモジュール
間の伝達処理を仲介するハブ領域によって連結されたネットワークコミュニティを明らかにする.近年のネット
ワーク解析はネットワークハブが収集し,分散するシグナル伝達のために中心的に位置されたリッチクラブとよ
ばれる密に結合された集合体を形成することを示している.レスティングとタスクによる神経活動の記録は,明
確な認知領域における機能に寄与するレスティングステイトのネットワークが明らかにされてきている.ネット
ワーク手法は臨床環境においてさらに適用され,脳と精神障害の神経基盤の解明について議論されている.